
【久比岐自転車道&富山湾岸サイクリングコース】日本海の絶景を眺めながら、大自然を五感で感じる2Daysサイクリングの旅
日本海に面する新潟県糸魚川市を中心に、海と山に囲まれた絶景サイクリングを楽しんでみてはいかがでしょう。道が整備され走りやすい久比岐(くびき)自転車道と、富山湾岸サイクリングコースを2日かけて自転車で駆け抜けます。ダイナミックな山の景色を楽しみたい方は、信濃大町駅から山の風景を楽しみながら下っていくルート(山側ルート)も用意。日本海側の自然を肌で感じることができる絶景サイクリングの旅へ出かけましょう!
スタート地点へのアクセス方法は?
久比岐自転車道の起点へは、新潟県上越市の直江津駅から行くのがベスト。
東京駅からJR北陸新幹線で上越妙高駅へ行き、妙高はねうまラインに乗り換えて、トータルで約2時間。比較的簡単にアクセスすることができます。また、山側からのルートを希望の方は、長野県大町市のJR信濃大町駅へ。こちらは新宿駅からJR中央本線特急あずさに乗り、約3時間の電車旅。山間の景色を眺めながら、スタート地点へ向かいましょう。
また、専用の輪行バッグに入れれば、今回乗車するすべての電車に自転車をのせて移動することが可能。持ち込む場合は、タテ、ヨコ、高さの合計が250cm以内に収まるように分解し、他の乗客の邪魔にならないように注意しましょう。
サイクリングコース Day1
コースA:海の絶景を望む久比岐自転車道の起点へ
港町として栄えた直江津駅がスタート地点。周辺には、昔ながらの商店や飲食店が立ち並び、神社や寺など見どころも点在しています。そんな町並みを自転車で颯爽と抜け、県道468号を西へと進めば、日本海の雄大な景色が出迎えてくれます。そのまま、海を横目に進み、国道8号と交差する場所が、今回挑戦するサイクリングコースのひとつ、久比岐自転車道の起点(上越側)です。
ちなみに今回紹介する宿の「ホテル國富アネックス」は、荷物の受け取りも行っているため、宅配サービスのある空港や駅から荷物を送ることができます(宿泊日と名前を忘れずに記載してください)。できるだけ持ち物を少なくしてから挑みましょう。


かつて蒸気機関車が走っていた線路跡地を軽快にサイクリング
久比岐自転車道は、新潟県上越市から糸魚川市まで全長約32kmにおよび、海沿いのルートを走る道で、日本海の美しい風景が魅力です。天候が良ければ、佐渡島や能登半島も望むことができます。また、かつては国鉄北陸本線として蒸気機関車が走っていた線路跡地でもあり、レンガのトンネルなどが所どころに点在、鉄道ファンからも人気が高いエリアです。標識やブルーライン(自転車の走行車線を示す青いライン)が整えられているため、迷うことなく、安全にサイクリングできます。



小高い丘から絶景を望む休憩スポット
道路を挟んで海沿いを走るこのコースには、さまざまな休憩スポットがあります。なかでも「たにはま公園」は小高い丘からの景色が圧巻! レンガ張りの橋の基礎を左折し、坂を上ったところにあるため体力は消耗しますが、その分のご褒美と言わんばかりに、遮るものがない景色が待っています。公園には遊具やバーベキューエリアをはじめ、広大な敷地が広がっており、遊歩道も整備されているので、時間に余裕があればゆっくりするものいいでしょう。

そのほか、休憩スポットが盛りだくさん
久比岐自転車道には、そのほかにもベンチやトイレ、休憩所など、体を休める場所がたくさんあります。
有間川漁港の近くには、有間川フィッシャリーナ休憩棟があり、丸太を使った木のぬくもりが感じられる施設内は、海側が大きな窓になっていて、漁港の一コマを見ることができます。さほどアップダウンのない道とはいえ、長丁場なので、こまめな休憩を心がけましょう。


名産品が揃う、道の駅 うみてらす名立へ
こまめに休憩しながら道を進み、名立エリアに差し掛かったタイミングで、民家が現れはじめます。ここまでくれば、「道の駅 うみてらす名立」まであと少し! 国道8号まで出て、信号をわたることもできますが、地下道もあるのでぜひ活用してみましょう。
道の駅はサイクリングステーションとしての機能もあり、サイクルスタンドをはじめ、空気入れや工具も貸してくれます。レストランでは、日本海の新鮮な魚介や地場産の野菜を使った定食、海鮮丼を提供。名立漁港直送の地魚などが並ぶ市場には、ドリンクや加工品も置いてあるので、エネルギーチャージにもぴったり。なかでも、糸魚川、上越の名産である幻魚がそのまま食べられる「このまま食べれる焼幻魚」はサイクリストにも人気の商品です。



道の駅 うみてらす名立 基本情報
- 日本語名称
- 道の駅 うみてらす名立
- 郵便番号
- 949-1602
- 住所
- 新潟県上越市名立区名立大町4280-1
- 電話
- 025-531-6300
- 定休日
- 第2水曜(8月を除く、ほかメンテナンスなどで休館あり)
- 時間
- 食彩鮮魚市場は9:00~18:00
- アクセス
-
1)えちごトキめき鉄道・日本海ひすいライン「名立」駅から徒歩10分
2)北陸自動車道名立谷浜ICから車で3分 - 公式サイト
- 公式サイト
筒石の漁村集落の街並みを散策
久比岐自転車道のちょうど中間にあたる筒石は、舟屋の歴史的な町並みが残り、独特な雰囲気を楽しめます。海と山の限られた土地に家を建てたため、細い路地に木造2~3階建ての家が並び、日本でも珍しい集落となっています。
漁村らしく軒先には魚の下処理用の流しがある家も。現在も住民が住んでいるため、自転車を押して静かに散策しましょう。


道の駅 マリンドリーム能生でカニを堪能
筒石から海沿いを走ること約6km。ちょうど疲れがたまってきた頃に現れるのが、「道の駅 マリンドリーム能生(のう)」。こちらも食事処やお土産処を併設し、サイクルステーションとしても、サイクリストをサポートする施設です。
そしてもう一つの特徴が、能生漁港で穫れたカニが並ぶ、かにや横丁。日本海側最大級のベニズワイガニ直売所で、柔らかい食感で甘みがあるベニズワイガニを購入できます。かに横丁の隣には、テーブルと手洗い場を常設したカニかに館があるので、購入したカニをその場で堪能しましょう。




道の駅 マリンドリーム能生 基本情報
- 日本語名称
- 道の駅 マリンドリーム能生
- 郵便番号
- 949-1351
- 住所
- 新潟県糸魚川市能生小泊3596-2
- 電話
- 025-566-3456
- 定休日
- 無休
- 時間
- 9:00~17:00(かにや横丁は1~2月休業)
- アクセス
-
1)えちごときめき鉄道・日本海ひすいライン「能生」駅から車で5分
2)北陸自動車道能生ICから車で5分 - 公式サイト
- 公式サイト
弁天岩にも立ち寄ろう
「道の駅 マリンドリーム能生」の近くには、能勢海岸のシンボル的存在の弁天岩があるので立ち寄りましょう。フォッサマグナの海底火山の噴火によってできたものとされ、島には海の守り神である厳島神社も鎮座しています。

宝石が眠るヒスイ海岸で夕景を
カニを食べて力を蓄えた後は1日目のラストスパート。浦本駅あたりで、国道8号を横断すれば、日本海を間近に見える道へ入ります。ここまでくれば、あと少し。美しい景色と潮の香りを感じながら自転車を漕げば、久比岐自転車道の起点(糸魚川側)に到着します。
喜びも束の間、今回はひと足のばして、ヒスイ海岸へ。ヒスイの産地である糸魚川の小滝川ヒスイ峡から流れ出たヒスイが海岸へ打ち上げられ、運が良ければ、ヒスイを拾うことができます。そして何より、ここから見える夕日が格別。一日目を締めくくるスポットにピッタリです。



コースB:ダイナミックな山を楽しみたい方は、スタートを信濃大町駅に!
山に囲まれた信濃大町駅からスタート
山の景色を楽しみたい方は、立山黒部アルペンルートの長野県側の玄関口としても有名な大町市へ。
JR信濃大町で降りたら、まずは最初の目的地「仁科三湖」に向かってサイクリング。まずは県道474号、県道31号、国道148号を北に向かって走ります。15分ほど自転車を漕いだあたりから、だんだんと店や民家が少なくなり、左手に日本の北アルプスと呼ばれる山岳地帯の雄大な眺めを望むことができます。
春は残雪が残り、夏は緑が生い茂るダイナミックな景色を横目にサイクリングしましょう。


北アルプスの山々を湖面に映す仁科三湖へ
北アルプスを眺めながら距離を進め、最初の目的地である「仁科三湖」へ。木崎湖、中綱(なかつな)湖、青木湖の3つの湖からなり、農具川(のうぐがわ)で繋がっています。
まず初めに現れるのが木崎湖。ウォーターアクティビティが盛んな湖で、山々を湖面に映す姿は見るものを魅了します。その次に、春はオオヤマ桜が咲き誇る中綱湖、長野県内でもっとも深い青木湖の順に湖畔沿いを自転車さんぽしましょう。



親海湿原にも立ち寄ろう
次に向かったのは、姫川の源流の南側にある親海(およみ)湿原。ここからは、自転車を置いて、しばしのハイキングタイム。20分程度で舗装された周遊路を散策できます。さまざまな湿原植物が生息し、5月から9月にかけて、いろんな花が咲き誇ります。サイクリングの息抜きにぜひ立ち寄ってみてください。

四季折々の景色を楽しめる白馬の絶景
親海湿原からは緩やかな下り坂が続きます。
新潟県糸魚川市に向けて下山するこのコースは比較的簡単に走行できますが、交通量が多い県道沿いを走るため、注意深くサイクリングしましょう。JRの線路に沿って道が続いているため、主要駅の周辺には飲食店などが立ち並びます。なかでも白馬駅周辺は、長野の名産である蕎麦を提供する店や、有名アウトドアショップなどがあり、散策にぴったりです。
白馬駅周辺を満喫した後は、駅から約5分の場所にある「大出公園」へ。姫川の清流と吊り橋越しに白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳など北アルプスの絶景を望めます。冬は雪景色、春は残雪が残る山々と桜とのコントラストが美しく、サイクリングの疲れを癒してくれます。



北アルプスの大パノラマを目指して山道をサイクリング
続いての目的地は、標高約1,000mからの絶景を堪能できる「眺望の郷」。
国道148号を下り、南小谷駅を越えたあたりにある宮本橋をわたって山道へと入ります。ここからは、下り坂が続くこのコースで唯一の上り坂。以降も下りの道が続くので、ここで自分のパワーをフルに使って、山道に挑みましょう。約5kmの山道を登りきったその先には、「眺望の郷」の看板が。そこからは、南から北にかけて連なる山々が目に入り、今までの疲れを忘れさせてくれる絶景が広がっています。



宿泊は糸魚川市のホテルへ
「眺望の郷」で北アルプスの山々を目に焼き付けた後は、宿泊先のホテルを目指します。「眺望の郷」を下り、国道148号に戻ったあたりから、トンネルが増加。車が立て続けに通っているときは、一旦降車して、片側に併設されている歩道を利用するなど注意しながら下りましょう。途中に道の駅もあるので、こまめな休憩も忘れずに。
1時間半ほど自転車を走らせると、袴岩と呼ばれる巨大な岩が現れます。ここまでくれば糸魚川まであと少し。田園風景を眺めながら、宿泊先を目指しましょう。


ホテル國富アネックスなら自転車の預かりサービスも
JR姫川近くに佇む「ホテル國富アネックス」なら、自転車をバックヤードで預かってくれるサービス(台数に限りあり)もあるので安心。日本海の新鮮な海の幸や近郊で採れた山の幸を使った料理が評判のディナーや朝食はじめ、姫川の清流を眺めることができる客室など、くつろぎの空間が漂っています。
また、地下1,000mから噴出する糸魚川温泉は、ナトリウム・カルシウム-塩化物塩泉の良質な泉質で、疲労回復にも効果があるとされています。サイクリングで疲れた体を癒し、2日目に備えましょう。



サイクリングコース Day2
海沿いを走り、富山方面へサイクリング
2日目の朝は、糸魚川市のホテルから富山方面へ。この間は、大型トラックなどが行き交う国道8号を通るルートのため、慎重に自転車を漕ぎましょう。
途中には、公園や広場などが整備されていて、海沿いを走ることができる青海シーサイドパークや、レストラン、お土産処、翡翠ふるさと館などが揃う道の駅 親不知ピアパーク、断崖絶壁の海岸線を望める親不知子不知など見どころ多数です。



富山湾岸サイクリングコース 朝日町起点に到着
国道8号を西へと進み、境川と交差するあたりで、富山県朝日町に入ります。ここからは、朝日町から氷見市まで続く、全長約102kmの道が整備された富山湾岸サイクリングコースがはじまります。今回は、ほぼ中間地点の岩瀬あたりでコースから外れ、最終目的の富山駅を目指します。

富山県朝日町で感じる春の調べ
富山湾岸サイクリングコースの整備された道を海沿いに進み、次に目指すは、あさひ舟川「春の四重奏」。
これは、雪が残る北アルプスの山々、舟川べりの桜並木、色とりどりのチューリップに、黄色く咲き誇る菜の花が揃う四つの要素が織り成す景色を四重奏に例えて呼ばれている名称で、春の一時期だけ見ることができるこの絶景を求めて全国から観光客が集まります。
舟川の両岸に280本のソメイヨシノが咲く様子は、さながら桜のトンネル。自転車を置いて、ゆっくりと散策してみましょう。


海沿いを走って最終目的地の富山駅へ
絶景を望んだ後は、サイクリングコースに戻り、サイクリングをリスタート。入善町、黒部市、魚津市、滑川市、富山市をまたぎ、時に海の絶景、時に北アルプスの山々、時に田園風景を眺めながら、軽快にペダルを漕いで行きましょう。
道中には、サイクリングステーションを兼ねた道の駅をはじめ、遊園地やミュージアム、海浜公園などお楽しみスポットが盛りだくさん。時間配分を調整して気になるところへ立ち寄りながら、富山のサイクリングを満喫!




富山駅には、グルメや名産品も目白押し
岩瀬カナル会館から南下し、富山駅へ。本来の富山湾岸サイクリングコースは県道1号に沿って続いていますが、県道30号に入り南へと進みましょう。千代田町交差点で、斜め右への道へ入り、千代田環水公園線をまっすぐ進めば、ゴールの富山駅。
駅構内には、富山湾で獲れたカニを提供する店や氷見牛専門店など、富山の食を満喫できるレストランをはじめ、富山の定番土産や名産品が揃うマルシェも併設されているので、達成感に浸りながら、富山の魅力を楽しみましょう。

まとめ
海、山に囲まれた絶景続きのサイクリングはいかがでしたか。
壮大な日本海を感じなら走る2日間、ダイナミックな山と海をともに楽しめる2日間。どちらも登り道の少ない比較的走りやすいルートであり、常に自然が寄り添い、また、休憩できるスポットが点在するサイクリストにやさしいコースです。絶景のほかにも、日本海の鮮魚や山の幸、寺社仏閣やミュージアムなども多く、さまざまな楽しみ方ができます。
2日間を通してのサイクリングは体力的に心配な方は、自転車を貸し出してくれるショップもあるので、気になるエリアからレンタサイクルショップを探し、自転車さんぽするのもオススメです。
レンタサイクルショップもチェック!
糸魚川市
- 日本語名称
- CYCLE & BIKE 伊藤商会
- 郵便番号
- 941-0061
- 住所
- 新潟県糸魚川市大町1-1-26
- 電話番号
- 025-552-0239
- 公式サイト
- 公式サイト
上越市
- 日本語名称
- 高田世界館
- 郵便番号
- 943-0832
- 住所
- 新潟県上越市本町6-4-21
- 電話番号
- 025-520-7626
- 公式サイト
- 公式サイト
- 日本語名称
- サイクルショップイワシマ
- 郵便番号
- 942-0001
- 住所
- 新潟県上越市中央1-5-35
- 電話番号
- 025-543-2317
- 公式サイト
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