旅行前に知っておくべき日本のトイレのマナーとルール

旅行前に知っておくべき日本のトイレのマナーとルール

更新 :
筆者 : GOOD LUCK TRIP

国によって文化・習慣が異なるのは当然だが、観光する上で知っておかないと自分自身が困ることや、周りの人に迷惑をかけてしまうこともある。その一つがトイレのマナーと文化だ。
人に聞きづらいこともあり、知る機会がないのも困るポイントだろう。
トイレは観光中に必ず利用するため、日本へ旅行する前にぜひ知っておいてほしい。
この記事では日本でトイレを利用する上で知っておくべきことやマナーはもちろん、個性的なトイレや日本の技術やおもてなし精神が詰まったトイレなど、日本のトイレに関する情報を網羅的に紹介しよう。

日本には無料で利用できるトイレが多い

急な腹痛や尿意に困っても、必ず近くにトイレがあると言っていいほど、日本には各施設にトイレが設置されている。
例えば駅やコンビニ、スーパー、公園など、街中のいたるところにトイレがあり、無料で使える上に綺麗なので、安心して利用できる。
トイレットペーパーも完備しているので、わざわざ持ち込む必要もない。

無料かつ綺麗な公衆トイレが多いので安心して旅行できる
無料かつ綺麗な公衆トイレが多いので安心して旅行できる

日本のトイレを利用する上で知っておくべき7つのポイント

日本でトイレを利用する際や見つける時に、知っておかないと困るポイントを7つご紹介。
いざとなってからでは遅いので、しっかり予習しておこう。

1. トイレットペーパーは便器に流す

使ったトイレットペーパーをゴミ箱に捨てる国もあるが、日本では便器に流すのがマナー。
備え付けられているトイレットペーパーは、便器に流しても詰まらずにしっかり流れてくれるので安心してほしい。
ただ、トイレットペーパーを使い終わった後に残る芯は、便器に流さずゴミ箱に捨てるか、そのままにして置こう。
トイレの備え付けではない、持ち込みのティッシュペーパーなどは水に溶けず、詰まる可能性があるため、流さないように注意が必要。

使ったトイレットペーパーは必ず便器に流そう
使ったトイレットペーパーは必ず便器に流そう

2. 和式トイレの使い方

日本にあるトイレの種類を大きく分けると、下記2つ。
・洋式トイレ
・和式トイレ
洋式トイレはどこの国でも存在する、便座があるトイレだ。
和式トイレは便座がないトイレのこと。
便座をまたいで左右の足を平行に置き、下着を下ろして、しゃがんで用を足す。
初めて見る方にはどちらが前かわかりづらいが、ドーム状に盛り上がっている「金隠し」のある方が前だ。
日本でも和式トイレは少なくなってきているが、公衆トイレでは見かけることが少なくないので、ぜひ使い方を覚えてほしい。

ドーム状に盛り上がっている方が腹側になるように座ろう
ドーム状に盛り上がっている方が腹側になるように座ろう

3. 温水洗浄便座の使い方

不便に感じる方が多い和式トイレだが、洋式トイレの中には「温水洗浄便座」という温水でお尻を洗浄する機能を備えた、便利なトイレもある。
なかには便座を温めてくれる機能や、自動で便座を開閉する機能がある「温水洗浄便座」も。
機能や使い方は種類によって様々だが、便座の横にあるボタンで操作して、機能を利用するのが一般的だ。
絶対に覚えておきたいボタンは、下記の3つ。

ボタンの名前 機能 下記画像での配置と色
おしり お尻を洗浄する水を出す 真ん中(ブルー)
ビデ 女性用の局部を洗浄する水を出す 右(ピンク)
洗浄する水を止める 左(オレンジ)
一般的な温水洗浄便座に設置されているボタン
一般的な温水洗浄便座に設置されているボタン

4. トイレの流し方

「トイレを流すボタンやレバーがどこにあるかわからない」とならないように、一般的なレバーやボタンの位置を覚えておこう。
トイレの種類や場所によって異なるが、温水洗浄便座の場合は便座のすぐ横に流すボタンがあることが多い。
温水洗浄便座が付いていない洋式トイレや和式トイレの場合は、トイレタンクの前部や横にレバーが付いていることが多い。
和式トイレの場合は「金かくし」の前に、レバーが付いているものが一般的だ。
また、レバーによっては「大」と「小」と書かれていることもあるが、「大」は大便を流す用、「小」は小便を流す用となっている。

この写真の場合であれば、大便の場合は上に小便の場合は下にレバーをひねる
この写真の場合であれば、大便の場合は上に小便の場合は下にレバーをひねる

5. トイレと書いていないトイレが存在する

日本のトイレを示す標識には「トイレ」と、書いていない場合がある。
いざという時にトイレをすぐ見つけられるように、「トイレ」以外の表記も覚えておこう。
トイレの標識に書いてあることが多いのは、下記4つの表記だ。

  • お手洗(御手洗)
  • 化粧室
  • RestRoom

標識にトイレのマークは書いているが、念のために覚えておこう。

「トイレ」以外の言葉も覚えておくと安心だ
「トイレ」以外の言葉も覚えておくと安心だ

6. 水を流す必要がない「ぼっとん便所」

和式トイレの中には「ぼっとん便所」と呼ばれる種類のトイレがある。
ぼっとん便所とは、便座からそのまま便槽タンクが繋がっているトイレのこと。
そのため、トイレタンクが設置されていない。
日本ではほとんど見かけることがなくなったトイレの種類だが、地域によってはまだまだ存在する。
「ぼっとん便所」の場合は水で流さないため、水を流すためのレバーやボタンはついていない。

見た目はほとんど和式便所と同じだが、トイレタンクがついていない
見た目はほとんど和式便所と同じだが、トイレタンクがついていない

7. 必要に応じて多機能トイレを利用しよう

日本には男性用トイレと女性用トイレとは別に、多機能トイレが設置されていることが多い。
多機能トイレとは、車椅子の方や体が不自由な方、小さな子供を連れている方でも使いやすいように、様々な配慮がされているトイレだ。
その他のトイレよりも広いスペースが確保されているだけでなく、便座の近くに手すりがあったり、洗面器が使いやすいような形状になっていたり、ベビーチェアがあったりと、その機能は名前の通りさまざまな機能や工夫がされている。
必要であれば多機能トイレも、ぜひ活用して欲しい。

多機能トイレのイメージ
多機能トイレのイメージ

トイレとは思えないほど個性的な日本のトイレ3選

日本のトイレの綺麗さや便利さは、海外でも話題になるほどだが、個性的なトイレが多いことはあまり知られていない。
なぜトイレにここまでこだわるのか、と思うほど個性的なトイレを3つ紹介しよう。

1. 魚を見ながら用を足せるヒポポパパのトイレ

水族館のようなトイレが話題になっている、兵庫県明石市にあるカフェ「ヒポポパパ」。
個室トイレの壁一面が水槽になっており、熱帯魚が泳いでいる様子を見ながら、用をたせる珍しいトイレ。
客室では瀬戸内海を見渡しながら、地域の食材を活かしたグルメや人気のメロンソーダを味わえる。
近くに立ち寄ることがあれば、客室でもトイレでも良い景色を眺められる、個性的なカフェにぜひ訪れてほしい。

住所
〒673-0036 兵庫県明石市松江60
電話
078-923-0253
営業時間
10:00〜22:00
定休日
なし

2. 4億円かけて造られた刈谷ハイウェイオアシスのデラックストイレ

愛知県刈谷市のパーキングエリア「刈谷ハイウェイオアシス」には、古代ローマを思わせる高級感あふれる「デラックストイレ」がある。
男性用と女性用合わせて48の個室には、それぞれ「トレミーの48星座」の星座が壁紙などにちりばめられている。
ボタンへ触らずに温水洗浄便座を操作できる、「空中浮遊トイレリモコン」も見所のひとつ。
VIPルームまで用意されているというから驚きだ。
愛知を観光するなら、4億円をかけてリニューアルされた、ゴージャスなトイレに立ち寄ってみてはいかがだろうか。

3. 日本の文化を感じられる豪華なホテル雅叙園東京のトイレ

東京都目黒区にある「ホテル雅叙園東京」は、トイレも豪華だと話題になっている。
1931年創業と長い歴史を持ち、2,500点もの日本語画や工芸品に彩られたミュージアムホテルで、なかには東京都指定有形文化財となっている建築物もある。
トイレにも日本文化を感じられる様々な伝統工芸がちりばめられており、見どころが盛りだくさん。
トイレに入ると流れている川の上に朱塗りの手すりがついた橋がかかっていたり、朱塗りの扉があったり、天井には金箔と日本画で彩られていたりと、和と豪華さを満喫できるだろう。

朱色の手すりがついた橋がトイレにあるなんて驚きだ
朱色の手すりがついた橋がトイレにあるなんて驚きだ

ここがすごいよ日本のトイレ

トイレ先進国とも呼ばれる日本には、これまで紹介してきたような個性的なトイレが生まれるトイレ文化なるものがある、と言っても過言ではないだろう。
個性的なトイレに訪れる機会がない方は、全国各地で感じられる日本のトイレのすごいポイントをいくつか紹介しよう。
トイレに着目すると、また違った日本の魅力が見つかるかもしれない。

おもてなしの心がこもった多機能なトイレ

日本のトイレには様々な機能があり、お尻を洗浄する機能や便座を温めてくる機能などは、広く知られている。
それ以外にも様々な機能があり、お尻を洗浄した後に乾燥してくれる機能や便座が自動で開閉する機能、排泄音を隠す音が流れる機能も。
駅や商業施設などの、多くの個室トイレにはベビーキープも付いている。
トイレでさえも快適に過ごせるように進化を遂げた、日本のトイレには「おもてなしの心」が込められている。

おもてなしの心がこめられた多機能なトイレ
おもてなしの心がこめられた多機能なトイレ

日本人の遊び心が詰まったゲームができるトイレ

快適さを追求した機能だけでなく、少し変わった機能があるのも日本のトイレの面白いところだ。
尿のスピードや量で様々なゲームができる、男性用小便器があるのはご存知だろうか。
ゲームの内容は場所によって異なるため、男性の方はゲームができる小便器をぜひ探してみてほしい。
男性用小便器に設置された「的シール」を狙うようにゲーム内で誘導されることで、尿の飛沫を抑え、意識せずとも綺麗にトイレが利用できるようになっているのにも驚くだろう。

男性用小便器の上にモニターがついていたら、ゲームができるかもしれない
男性用小便器の上にモニターがついていたら、ゲームができるかもしれない

お店の個性はトイレに反映される?

飲食店のトイレには、そのお店の個性がよく表れている。
綺麗さはもちろんだが、トイレに置いてある小物や貼っているチラシなどにも注目してみよう。
トイレまで細やかな心配りをされていると、日本人でも感動を覚える。

ただ用を足すだけでなく、トイレの内装もじっくり観察してみよう
ただ用を足すだけでなく、トイレの内装もじっくり観察してみよう

綺麗で整備された公衆トイレ

駅や公園などの公衆トイレも綺麗であることに、海外から旅行に来た方は驚くはずだ。
トイレットペーパーも切らさないように、補充・設置されており、いつでもどこでも安心して利用できるのが、日本のトイレのすごいところだ。
だからこそ、日本のトイレの使い方やマナーを理解して、綺麗なまま利用できるようになっておこう。

日本のトイレに関するよくある質問

Q

日本の公衆トイレは有料ですか?

A

日本の公衆トイレのほとんどは無料です。

Q

コンビニやスーパーのトイレは利用できる?

A

お店によって異なりますが、トイレだけでも利用できるお店も多いです。

Q

日本でトイレに行きたい時は、どこにいけば良いですか?

A

駅や公園ならほぼ確実にトイレがあります。商業施設の中にもトイレが設置されています。

まとめ

日本のトイレを利用する上で知っておきたいことから、個性的で面白いトイレ、日本のトイレの凄さを紹介してきた。
日本ではどこに行っても、誰でも無料で利用できるトイレがあるため、トイレで困ることはあまりないだろう。
どのトイレも綺麗に保たれているので、ぜひ次の利用者のためにも、日本のマナーやルールを覚えて綺麗に利用してほしい。