日本の食文化を体験するなら、ご当地スーパーへ!
旅先のおみやげ探しに、絶対に立ち寄りたいのがスーパーマーケット。特に地元の食材が揃ったご当地スーパーには、その地域の食文化がギュッと詰まっています。そんなご当地スーパーの魅力を教えてくれるのは「全国ご当地スーパー協会」を運営するスーパーマーケット研究家の菅原佳己さん。スーパーマーケットのエキスパートが語る、ご当地スーパーの楽しみ方とは?
目次
ご当地スーパーとは?
私たちの普段の生活になくてはならないスーパーマーケット。いわゆる食料品や日用品を幅広く扱う店ですが、大型の総合スーパーから商品を絞ったミニスーパーまで業態は多種多様。最も多いのは食品スーパーです。
なかでも旅先で絶対に行ってほしいのが地域に密着した食品スーパー、その名も「ご当地スーパー」。
ちなみに「全国ご当地スーパー協会」では、以下の3項目のいずれかに当てはまるものをご当地スーパーとしています。
- 地元発祥
- ご当地食が豊富
- 限られた地域のみで展開
実は全国に展開している大型スーパーは限られていて、ほとんどが地域限定のチェーン店や、数軒だけの中小規模のスーパー。だから、日本全国どこに行っても、ご当地スーパーには出合えます。
ただしご当地スーパーのなかにも「地域内に数十軒を展開する、その土地で暮らす人なら誰もが知っているスーパー」もあれば、「個人商店から始まった1軒または数軒しかないスーパー」もあります。
また規模だけでなく「とにかく安く売るスーパー」「大型スーパーを目指して品揃えを増やしているスーパー」「全国的によく知られたメーカーの商品を揃えたスーパー」「地元メーカーの商品をメインに扱うスーパー」など、さまざまなタイプがあります。
旅行で立ち寄るなら、地元メーカーとつながりがあり、その土地ならではの食材や名産品が買えるスーパーを選びたいもの。そんなご当地スーパーの探し方を知りたくないですか?その秘訣は後ほどご紹介します!
ご当地スーパーの魅力は?
ご当地スーパーには、その土地で揚がった魚介や収穫したばかりの野菜など生鮮食品が並び、それを見るのも旅の楽しみのひとつ。もちろん、生鮮食品以外にも地元ならではの食材が並んでいるのですが、ぼんやり見ているだけだと近所のスーパーとの違いに気づかず素通りしてしまいます。地元メーカーとナショナルブランドの商品が同じ棚に置いてあるので、意識して見ることが重要です。
観光地のスーパーでは「地元商品!」などと書かれた目立つポップが置かれていることもありますが、あくまで少数派。ご当地商品は自分の足で店内を歩き回り、見つけ出す必要があります。複数の目があると面白いものを見つけやすいので、家族や友達と手分けして探してもいいでしょう。そんな宝探し気分を味わえるのもご当地スーパーの魅力と言えそうです。
その土地で暮らす人にとってスーパーマーケットは、毎日の食卓に並ぶ食材を買う場所。つまり地域の食文化が集まった、普段の食生活にふれられる場所です。地元メーカーの商品パッケージの裏を見ると、説明が書かれていることがよくあります。その食品がどうして生まれたのかとか、どうやって食べられてきたのかなどを読むと、地域の食文化が垣間見られます。菅原さんは「食文化の図書館」と形容していますが、この図書館は商品を購入して実際に食べられる食文化の実践の場でもあるのです。
ご当地スーパーの探し方
まず旅行中に何軒か同じ名前のスーパーマーケットを見かけたら、その地域でチェーン展開しているご当地スーパーなので、地元の有名メーカーの商品はだいたい置いてあると考えていいでしょう。地元の商品がどれくらい揃っているかは店によりますが、そのような地域密着のスーパーマーケットは、おみやげ探しにぴったりです。
問題は、1軒または数軒しか展開していない独立系スーパー。これらのご当地スーパーはオリジナル商品が多くとても面白いのですが、見た目だけでは判断できません。しかも、主要駅からローカル線やバスを乗り継がないと行けないスーパーも多く、なかなかハードルが高いのです。
でも、そんな個性的なスーパーこそが菅原さんの得意とするところ。以前は菅原さんも、スーパー関係者に評判のご当地スーパーがないかを聞いていましたが、今はSNSにあがっている情報を見ることが多いといいます。InstagramやXでお惣菜の投稿を探して、ビビッときたら取材にいくそう。
また菅原さんの運営するウェブサイト「ご当地スーパーオンライン」にも話題のご当地スーパー情報が満載です。
地域差を感じたいなら煎餅売り場を目指せ!
さまざまな商品が並ぶスーパーマーケットのなかでも、ご当地感が出やすい売り場というのがあります。そこを意識的に見ると、スーパーマーケット初心者でも地域差が感じられるはず。
まずは煎餅売り場。東京で煎餅というと、うるち米を使った丸い醤油煎餅が一般的ですが、地域によってはこの常識が通用しません。例えば愛知県の煎餅売り場に並んでいるのはおびただしい数の海老煎餅。ジャガイモのデンプンとエビを使った煎餅は、当然ながら醤油煎餅とはまったく違う味わいです。地域によって主流となる煎餅の味、素材、形状がまったく違うなんて面白いですよね。
東北で煎餅売り場に並んでいるのは南部煎餅。小麦粉を水で練って硬く焼いた、丸型の煎餅です。薄い耳がついた独特の形状は、ほかの地域でも見かけますが、東北のスーパーマーケットではとにかく種類が豊富。よくあるゴマやピーナッツ入り以外にも、イカやチーズ、納豆、リンゴなどがのった南部煎餅が並んでいます。糖蜜やチョコレートを挟んだスイーツバージョンに郷土料理のせんべい汁用もあり、それが各社から販売されているので、煎餅売り場は南部煎餅で埋め尽くされているのです。
米どころの新潟の煎餅売り場では、もち米を原料としたあられに多くのスペースが割かれています。有名な「柿の種」は醤油味ですが、主流は塩味。煎餅も油を吹きかけて塩をつけたサラダ味と呼ばれるものがメイン。いわゆる塩味の煎餅なのですが、売り場は白っぽい煎餅でいっぱいです。
「米どころだけにお米の味が好まれ、醤油ではなく塩でしっかり米の風味を楽しむのではないか」という説も。
関西に行くと小麦粉に卵を練り込んで焼いた瓦煎餅が多く見られるなど、地域によって異なる煎餅売り場のラインナップ。そこから各地の食文化、そして歴史や風土まで知ることができます。
醤油や味噌にも注目!
醤油も地域差が出やすい食材のひとつ。各地域に醤油メーカーがあり、その数は1000社以上にのぼります。ただし醤油の出荷数量を見ると、大手5社が全体の50%以上を占めており、その他の中小メーカーは地域の需要に合わせて小規模な醤油造りをしていることがわかります。
売り場の雰囲気も地域によって異なります。北海道や東北の醤油売り場には、棚のいちばん下に1.8リットル入りのペットボトルが並んでいます。これらの地域は冬の保存食として醤油漬けを作る文化があったため、その名残で醤油の消費量が高いのが理由のひとつ。実際にこの地域のスーパーでは、醤油漬けの商品が多く売られています。
また九州の醤油売り場は、並んでいる商品の種類の多さに驚かされます。よく知られているとおり九州の醤油は甘いのですが、甘口醤油のほかに一般的な濃口醤油、淡口醤油、そして甘口醤油の派生で旨味成分の入った旨口醤油という4種類が置かれています。各社がそれぞれ4種類の醤油を出しているので、九州の醤油売り場にはたくさんの醤油が並んでいるのです。
甘口醤油はコクがあり、新鮮な魚の味を引き立てるといわれています。なぜ九州の醤油が甘いのかについては諸説ありますが、北陸などでも甘口醤油が好まれるので、新鮮な魚がとれるという食文化との相性は要因のひとつでしょう。また気温が高いため汗で流れた糖分や塩分が必要だった、長崎の出島での貿易によって砂糖が手に入りやすかった、サトウキビの産地だったといった説が有力です。
しかし、大きな醤油のボトルは重いので、おみやげとして買うにはハードルが高い……。そこでおすすめなのが味噌です。味噌も、米・麦・豆など地域によって好まれる種類が異なります。一般的な米味噌でも、長野県の信州味噌や宮城県の仙台味噌、京都の西京味噌など多種多様。麦味噌は九州、豆味噌は愛知県で造られています。これらの味噌も醤油と同じようにサイズが大きく、買って帰ってもなかなか使い切ることができません。
そんなとき便利なのが、手軽に使えるインスタント味噌汁。地元メーカーのインスタント味噌汁なら、かさばらないので問題なし。旅先で味見することもできますし、もちろんおみやげにもぴったりです。
惣菜や生菓子も要チェック
もうひとつ、ご当地スーパーで注目してほしいのが惣菜売り場。かつてのスーパーマーケットは生鮮食品や食材を売る場所でしたが、今ではそれだけでなく、当たり前のように弁当や惣菜が並んでいます。これらに力を入れているスーパーも増えており、その土地ならではの食材を使った弁当や惣菜を探すのもご当地スーパーの楽しみになっています。
ただし、ご当地スーパーだからといって、郷土料理ばかりが並んでいるわけではありません。売り場に50種類くらいの惣菜が置いてあったとして、地域ならではの惣菜は3~4個くらいしかないことも。確かに地元の人が普段から郷土料理だけを食べているはずはありません。
だから、商品をよく見ることが重要。例えば見た目は普通の油揚げに見えても、岐阜県高山市では醤油だれを含ませた「あげづけ」というご当地食だった……、なんていうことも。
また鳥取県西部には米と野菜を入れて炊いた「いただき(別名、ののこめし)」という惣菜があり、これも地元では誰もが知っている郷土料理。とはいえ知らない観光客は、見過ごしてしまいそうなメニューです。
パンや牛乳、豆腐など日配品と呼ばれる日持ちしない食品も地元のものが多め。なかでも生菓子は、地元の店から仕入れている可能性が高い商品です。島根県の松江のような古都では、300年以上の歴史を誇る老舗菓子店が作る和菓子がスーパーに置かれていたり、ほかにも行列ができるベーカリーの洋菓子が並んでいたりするので探してみてください。
行った人しか味わえないアイスは必食!
ご当地アイスも見つけたらぜひ食べたい商品。地元で愛されているアイスは個性的で面白いんです。おみやげにはできないので、行った人にしか味わえない特別感が嬉しいですね。
例えば新潟県のご当地アイス「もも太郎」は、新潟ならどのスーパーにも置いてある人気商品。ザクザクとしたかき氷のような食感が特徴です。「もも太郎」という名前ですがイチゴ味、そして使っているのはリンゴ果汁という、桃の要素がゼロの不思議なアイス。もともと新潟では、お祭りの出店や駄菓子屋で赤いシロップをかけた氷菓子が売られており、それが桃型だったため棒付きの氷菓子をモモタロウと呼ぶようになったそう。だから新潟の人にとっては「もも太郎」がイチゴ味でもまったく違和感がないのです。アイスから、そんな地域の文化にふれられるのが面白いですよね。
秋田にはババヘラアイスと呼ばれるご当地アイスがあります。ババヘラアイスも秋田のスーパーにはたいてい置いてある定番商品です。薔薇の花のように盛り付けたピンクと黄色のかわいい2色アイス。名前の由来は、地元農家のおかあさんたち(ババ)のアイスの移動販売。ババがヘラでアイスを盛り付けるところから、ババヘラと呼ばれるようになったとか。ピンクはイチゴ味、黄色はバナナ味の素朴な味です。
行って損なし!個性派ご当地スーパーを10選
全国のご当地スーパーを巡っている菅原さんが、GOOD LUCK TRIPの読者のためにとっておきのご当地スーパーを選んでくれました。どこも地元で愛されている間違いのないスーパーですよ。
※取材時の価格(税込)です。価格、内容は予告なく変更されることがあります。
1. 北海道・稚内市「相沢食料百貨店」
創業大正11年(1922年)の老舗スーパーマーケット。日本最北の町、稚内で「目利きのあいざわさん」と親しまれています。地元稚内の名産品はもちろん、北海道の食材が揃っています。
これがおすすめ!
#1 自家製鮭粕漬焼(335円/100g)
自家製粕にじっくり漬け込んだ厚切り鮭を、毎日焼き立てで提供。とても柔らかく、塩と甘みがきいていてご飯がすすみます。
惣菜部ベストセラーの相沢オリジナル商品。オンラインショップでは焼く前の冷凍品が買えます。
#2 ほたておこわ弁当(842円)
崩れて商品にならないホタテの貝柱を、副社長のおばあちゃんがおこわにしたのが最初だそう。宗谷産のホタテ貝柱をたっぷり入れて炊き上げた自慢のおこわ。おいしさにこだわった自家製のおかずをたっぷり詰め合わせた、家庭的な味わいが抜群においしいお弁当です。相沢オリジナル。
#3 まるごとほたてらぁめん(734円)
2021年の発売以来、食品部門売上ダントツ首位を独走中の地元メーカー、野村商店の商品。日本最北の村、猿払の名産品「耳付きジャンボほたて」がまるごと一粒入っています!北海道産小麦ゆめちから100%使用のもっちり麺に、ホタテから出た香りと旨みを含んだホタテ塩やホタテオイルを使用したスープが、ほかにない味わいです。猿のパッケージもインパクトがあり、道北みやげにぴったり。
2. 青森県・弘前市「カブセンター 弘前店」
これがおすすめ!
#1 手作りイカメンチ(258円/100g)
津軽地方に伝わる家庭料理で、家庭やお店によって大きさや形、材料が異なります。カブセンターのイカメンチは、食べやすい一口大。イカを刺身にしたときに残る「ゲソ」を叩いてミンチにし、タマネギやニンジンといった野菜とともに小麦粉でまとめて揚げています。終戦直後の食糧難の時代に、貴重なイカを余すことなく食べるために生まれたと言われている郷土食です。
#2 津軽の「あどはだり」ジャンボいなり(1個158円)
「あどはだり」とは、津軽弁で「おかわり」「もっと食べたい」という意味。ご飯が可憐なピンク色なので最初はびっくりしますが、食べてまたびっくり。甘さと紅生姜のハーモニーは初めての感覚です。驚き続きですが、不思議とあと引くおいしさです。
3. 山形県・山形市「エンドー」
惣菜コーナーに山形県の郷土料理が並ぶ、町の小さなスーパー。品揃えでは勝負できない代わりに「げそ天」でナンバーワンを目指しています。イートインコーナーでも食べられ、お酒を片手に揚げたてを楽しむ地元の人や観光客で賑やか。
これがおすすめ!
エンドーのげそ天 塩レモン味(大1,300円、中850円、小460円)
「げそ天」はエンドーの代名詞ともいうべき看板商品。げそ天専用ブースで揚げたての熱々が提供されます。味の種類は10数種類(季節限定品や新味も登場)。なかでも人気No.1が塩レモン味です。
4. 神奈川県・逗子市「スズキヤ逗子駅前店」
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#1 鮭と彩り野菜の茶々のり弁(626円)
「お弁当・お惣菜大賞2020」のり弁当(定番商品)部門で最優秀賞を受賞して以来、毎日、売り切れるスズキヤの名物弁当。具だくさんの上品なのり弁が、最後にお茶漬けも楽しめるアイデアで人気に火がつきました。ご飯にも昆布茶が混ぜてあり、スズキヤらしく細部にこだわったおいしさです。全店で取り扱い。
#2 スズキヤカレーシリーズ
逗子葉山カレー・逗子葉山キーマカレー・逗子葉山バターチキンカレー(各538円)、葉山牛カレー(1,275円)
スズキヤオリジナルカレーはおみやげにちょうどいい商品。逗子や葉山のさまざまな風景パッケージが美しく、4種類の味が楽しめるのも人気の秘密です。贅沢な葉山牛カレーは、牛肉の存在感たっぷりで、味も価格もリッチです。全店で取り扱い。
#3 湘南ゴールドジャム(735円)※季節限定販売
スズキヤオリジナルのジャムは果肉がたっぷりでおいしいんです。特に初夏から限定販売される「湘南ゴールドジャム」はファンが多く、皆さん毎年登場を待ちわびています。地元の柑橘フルーツ、神奈川県産湘南ゴールドをたっぷり使用し、爽やかな味わいをそのままジャムにしています。秋には売り切れることもありますが、その場合はまた来シーズンを楽しみにお待ちください~。全店で取り扱い。
5. 岐阜県・高山市「ファミリーストアさとう国分寺店」
山に囲まれた飛騨高山は郷土料理の宝庫。高山市に7店舗をもつ「ファミリーストアさとう」には、ブレイクした「あげづけ」のほか高山ラーメンや飛騨牛など地元の特産品が揃っています。
これがおすすめ!
#1 さとうの幕の内弁当(398円)
飛騨のお米とおかずを詰めたお値打ち弁当。特に「こもどうふ」の煮物は、出汁をよく含んだ郷土料理。昔は豆腐を「こも」(わら)に包んですを立たせ(小さい穴があく状態)、煮含めて豆腐の保存性を高めたといいます。真空パックのメーカー品も売られているので、お弁当を食べて気に入れば買って帰れます。
#2 朴葉ずし(463円)※夏季限定品
飛騨の食が満載の「ファミリーストアさとう」のなかでも、朴葉が青々とした夏の間だけ登場する自家製「朴葉ずし」に出合えたらラッキー。焼いたマスとミョウガタケを酢飯に混ぜ、朴葉に包んだ山のご馳走。保存性が高く、手を汚さずに食べられたことから、昔は田植えの合間に農家でよく作られていた郷土の味です。
#3 さとうの朴葉みそ(398円)
飛騨高山伝統の郷土料理「朴葉みそ」のさとうオリジナルパッケージ商品。朴葉みそとは、水で濡らした乾燥朴葉をフライパン代わりにし、甘い味付けの地元みそに名産の長ネギやキノコ類を混ぜて焼くもの。飛騨牛に添えれば豪華なおもてなし料理に。ご飯がいくらでもすすむ味です。おみやげにも最適。
6. 京都府・京都市「フレンドフーズ」
全国から安心でおいしいものを探し、厳選して販売する信念をもったスーパーマーケット。地元メーカーの逸品やオリジナル商品もハイクオリティ。ていねいに書かれたポップが好印象。
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#1 ちりめん山椒(720円)
京の台所・錦市場で135年もの間、支持を得てきた井上佃煮店。惜しまれながら2019年に閉店しましたが、「愛されてきた京都の味を途絶えさせてなるものか」とフレンドフーズが熱烈交渉を続けフレンドフーズ内に復活!なかでも、こだわりの山椒を多めに使い、甘めの味付けで仕上げたちりめん山椒は、京都では定番のごはんのおとも。おみやげとしても大人気です。
#2 京都下鴨風漣堂 和牛飯 極(1,780円) ※数量限定
「風漣堂」とは、フレンドフーズのオリジナルブランド名。ふうれんどう→ふーれんどー→フレンド(‼)。お肉はA4・A5ランクの国産黒毛和牛を厳選した、老舗料亭や有名高級焼肉店で提供されるレベルの最高級品。「お客様の年齢層やお好みに合わせるため、あえて1枚1枚、脂をふき取ってから並べています」とのこと。なんとていねいな仕事。ご飯は京都産ミルキークィーン、付け合わせのキムチも地元京都のほし山製です。
7. 三重県・伊勢市「ぎゅーとらハイジー店」
三重県内に28店舗を展開する、地域では誰もが知っているご当地スーパーチェーン。店舗によって品揃えは変わりますが、「伊勢うどん」や「松坂牛」「てこね寿司」などの地元食材が豊富に揃っています。甘辛い調味料も魅力的!
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#1 ぎゅーとらミンチ串(2本172円)
「ぎゅーとら」のルーツは、清水虎吉氏が創業した精肉店「うし虎」。もともとお肉屋さんと聞けば、ミンチ串460万本の年間販売実績も納得です。最初は人気のコロッケの陰で売り上げが伸びないメンチカツという境遇でしたが、食べやすいように串にさし、特製のタレをかけ、ミンチ串と名を改めると大ヒット!ソースにしては甘く、タレというには洋風な摩訶不思議な味で「秘伝のミンチたれ」と呼ばれており、製造に携わる一部の人しかレシピを知りません。
#2 伊勢うどん(95円)
江戸時代、伊勢参りの旅人は、この風変わりなうどんを「伊勢うどん」と呼びましたが、地元では「うどん」で通じます。かつては外食の味でしたが、食品包装の技術の進歩により1960年代からスーパーで販売可能となり、家でも食べられるようになりました。伊勢市内を中心に店を展開する「ぎゅーとら」で一番人気は、市内のメーカー、みなみ製麺のもの。甘党が多い伊勢では、少し甘めのマルキのタレとの組み合わせが定番です。
#3 ぎゅーとらPB田舎あられ 徳用(301円)
赤福餅、へんば餅、二軒茶屋餅と、餅の名店が多い伊勢市。そんな餅をよく食べる地域で生まれたのは、原料が餅の「あられ」をお茶漬けで食べる文化です。
あられと塩をどんぶりに入れてお湯をかけるだけ。味を塩昆布や砂糖に変えたり、お湯をお茶に変えてもOK。サクサク派、しっとり派、食べ方はお好みで。最近はシリアル感覚の砂糖&牛乳派も登場しています。地元の有名あられメーカー三國屋製。
8. 高知県・香美市「バリュー ノア店」
会社名は「土佐山田ショッピングセンター」といい、香美市土佐山田町内に「バリュー」という名前のスーパーマーケットを3店展開。地元では上質な生鮮食品を扱うことで知られています。安全な食材を使った惣菜や寿司、スイーツなども充実。
これがおすすめ!
バリューの田舎寿司(734円)
高知の郷土料理「田舎寿司」は、ユズ酢をきかせ、野菜をメインにした見た目も美しいお寿司です。地元生産者の産直市が有名な「バリュー ノア店」では、高知県産の野菜など地元食材を中心に作っています。ご飯は福井県産の「日本晴」と高知県産の「こしひかり」をブレンド。魚が届きにくかった山間部の昔ながらの手間暇かけたご馳走です。
9. 福岡市・南区柳瀬「ダイキョーバリュー 弥永店」
素材にこだわったオリジナルの惣菜が豊富に揃うご当地スーパー。生鮮食品に強く、日曜朝市と木曜夕暮れ市には惣菜も並び大賑わい。窯焼豚足など名物になっているオリジナル加工品も多数。
これがおすすめ!
#1 はぎトッツォ(410円)
衝撃的な見た目とはうらはらに、素材を生かしたおいしさでファンを増やし、マスコミにも多数取り上げられたダイキョーオリジナル商品。おはぎに生クリームを挟んだ和スイーツなのですが、もち米は「佐賀県産ひよくもち」、うるち米は「福岡県産ひのひかり」を使用し、クリームと合うように比率を調整しています。北海道産小豆に絶妙に塩をきかせた粒あん。季節を感じられる手作りのおいしいクリーム。クリームが「おめかし」するように、さまざまなはぎトッツォが揃っています。
#2 焼豚足(1本200円)
25年以上前から作られているオリジナル商品で、1日に200~250本を販売。大鍋にネギ、ショウガ、味噌、酒などを入れ、ホロホロになるまで煮ること3時間半。焼いても崩れないように冷蔵庫で寝かせ、翌朝を待って一気に表面をカリカリに焼き上げます。できたての日曜朝市と木曜夕暮れ市で買うのがベスト。
10. 沖縄県・石垣市「知念商会」
石垣島にある島民の台所。野菜やフルーツなどの沖縄食材が並び、見ているだけでも楽しめます。ボリュームたっぷりの弁当や伝統のお菓子なども充実!沖縄の調理器具も買えますよ。
これがおすすめ!
#1 オニササ(オニギリ+ササミフライ 250円〜)
オニササとは、5種類のおにぎりとササミフライなど20種類以上の揚げ物を、セルフサービスで組み合わせる知念商会発祥のローカルグルメ。選んだおにぎりと揚げ物をビニール袋の中に入れ、ソースやマヨネーズなどで味を付けたあと、袋ごしに両手でギューッと合体させます。オニギリ+ササミフライ=オニササが名前の由来ですが、実は500通り以上の組み合わせがあり、どれでも呼び名は「オニササ」です。
まとめ
ご当地スーパーに行ってみよう!
個性的なご当地スーパー、行ってみたくなりましたか?日常生活に欠かせないスーパーマーケットですが、旅行者にとっては地元食材の宝庫であり、おみやげ探しだけでなく、日本の食文化にふれられるスポットなんですね。せっかく旅行をするなら、ご当地スーパーを探さないともったいない。その土地の魅力にさらに迫れ、思い出深い旅になりそうです。
どれがその地域の食材か分からないときは、地元の人に聞くのがいちばん。きっと優しく教えてくれるはず。食べ方などを聞いてみるのもいいかもしれませんね!