【大阪から和歌山2Dayモデルコース】フォトジェニックスポットを探して、大阪〜和歌山・加太を旅しよう！

荷物を預けたら、事前に購入した「NANKAI ALL LINE 2day Pass」を窓口でチケットに引き換えて準備万端、住吉大社を目指します。関西空港駅から空港急行に乗り、堺駅で普通に乗り換えて住吉大社駅で下車。駅から歩いて3分ほどで到着です。

最初に訪れるのは、全国約2,300社ある住吉神社の総本社「住吉大社」。大阪はもちろん日本を代表する神社です。地元では「すみよっさん」の名で親しまれ、正月三が日の初詣には、毎年200万人を超える参拝者が訪れるといいます。

約3万坪の広大な境内には、国宝に指定される4つの本宮をはじめ多数のみどころが点在しています。「反橋」は、鮮やかな朱色と急傾斜のアーチが印象的。水面に映る様子から、太鼓橋とも呼ばれています。渡るだけでお祓いになると伝わるそうなので、参拝はぜひここを渡った後で。古くから航海安全の守護神として敬われる神様に、旅の安全を祈願しましょう。

住吉大社の神様に旅の安全を祈願し、住吉大社駅から南海電車で移動。新今宮駅で下車し、ぶらぶら歩いて約10分で新世界と呼ばれるエリアへ到着します。

大阪の人気観光地、新世界エリア。下町風情が残る一帯は、多ジャンルの飲食店やショップが並び、常に多くの人で賑わっています。注目は、体験アトラクションが多様なこと。スマートボールや射的、弓道、囲碁将棋などレトロなアトラクションがある「遊べる街」です。

そんな新世界のシンボルとして昔も今も親しまれているのが、通天閣。高さ108ｍのタワー内部のフロアには、幸福の神様「ビリケンさん」や特別野外展望台からの眺望をはじめ見どころがあります。

そして近年、「遊べる街」新世界に新風を吹き込んでいるのが、二つの体験アトラクションです。
その一つが、地上22ｍの中間展望台3階から地下1階まで全長 60ｍのエレベーター塔外周を1回転半し約10秒で一気に滑り降りる体感系滑り台、「タワースライダー」。斜度約30度のスロープは天井が透明なので、余裕があれば景色も楽しめます。

もう一つは、地上40ｍのタワー中間部から約14ｍ下の中間展望台を目掛けて飛び降りる「Dive」と、地上26ｍの中間展望台屋上外周部を命綱装着でアスレチックを楽しみながら一周する「Walk」で構成される「Dive & Walk」。
どちらもスリルと爽快感満点。高さを活かした通天閣ならではのアトラクションを、ぜひ体験してみてください。

スリリングなアトラクションで心も体も爽快になった後は、お待ちかねのディナータイム。通天閣のお膝下、新世界中心エリアで、名物グルメを存分に味わいましょう。

通天閣のお膝下、新世界中心エリアは、大阪下町グルメの宝庫。立体看板や派手なサインが、こっちへおいでと呼んでいます。ぶらぶら歩きながら、どのお店で何を食べようか迷うのもまた旅の醍醐味です。
「ソース二度漬け禁止」でお馴染みの老舗「大阪新世界元祖串かつ だるま 新世界総本店」や、定番から創作系まで豊富なメニューが自慢の「日本一の串かつ 横綱 通天閣店」で、下町グルメを代表する串カツを頬張るのもよし。店内に釣り場があるエンタメレストラン「ジャンボ釣船 つり吉」で刺身や寿司、天ぷらなど海鮮を味わうのもよし。せっかくなら、数軒をハシゴして食べ歩くのがおすすめです。

終点の和歌山市駅で下車し、和歌山で最初の目的地「和歌山城」に向かいます。駅からお城までは、市街地をのんびり歩いて約10分の道程。緑豊かな和歌山城公園の散策も、また一興です。

緑豊かな公園内を抜け、和歌山城の中心部へ。三層からなる白亜の大天守は、市のシンボルと呼ぶに相応しい美しさです。最上階では、和歌山市街地や紀ノ川の流れ、周辺の山々、紀伊水道までを一望する美しい景色を堪能。しばし、お殿様になったような気分に浸るのです。

そして、江戸初期の大名庭園である城内の西之丸庭園へ。庭園内の茶室「紅松庵」で、抹茶と和菓子をいただきます。茶道の作法を知らなくても気軽に楽しめるので、四季折々の庭園風景を眺めながら、静かなひと時を過ごしましょう。

再び和歌山市駅へ戻り、港町・加太へ向かいます。次に乗るのは、加太さかな線の観光列車「めでたいでんしゃ」。車内随所に趣向が凝らされ、約25分の乗車時間もあっという間です。

和歌山市駅から加太駅までは、SNSでも話題の「めでたいでんしゃ」で移動。今回は、既存の「かしら」「なな」「さち」「かい」に加え2024年7月に新しく登場した「かなた」に乗車。実はこの「かなた」、ほかの４匹の遠い先祖という設定なのだとか。

2両編成の車両は、それぞれ異なるコンセプトで設計されています。「太古の記憶」車両には和歌山で発見された新属新種の恐竜が実物大で床面に描かれているほか、太古の歴史ロマンを掻き立てられる趣向が満載です。
一方、「未来への想い」車両はカラフルでハッピーなデザインが印象的。和歌山の自然や生物を未来に残すための想いやヒントが、各所に散りばめられています。そんな車内は、実にフォトジェニック。車窓の景色を眺めることも忘れ車内の写真を撮っている自分に気づく頃には、加太駅に到着していたのでした。

加太駅に到着した後は、徒歩で散策。まずは腹ごしらえということで、ランチのお店を目指します。車が行き交う道から一歩入った先のレトロな通りは、旅情満点。写真を撮りながらのんびり歩いて、15分ほどで到着です。

加太港の友ヶ島汽船フェリー乗り場入口にある「加太 ゑびすや」。料理旅館の元女将が切り盛りする、港の食事処です。
地元加太の漁師が一本釣りした旬魚にこだわるメニューは、一品料理、丼、定食など多彩。一本釣りは季節や天候、海の状況に大きく左右されるため、使う魚もその時々で異なるそうです。

そんなメニューの中から、お店一番の人気だという海鮮丼をいただきます。この日の魚は、加太ブランドの鯛をはじめ、ハマチ、アジなど数種類。魚に詳しくなくても一目で分かる鮮度の良さはもちろんのこと、味も食感も抜群で、期待をはるかに上回る美味しさです。加太の魚の魅力をもっと知るために、また別の季節に訪ねてみたくなりました。

海鮮ランチで腹ごしらえを済ませ、再び加太の町あるきへ。両脇に新旧の民家が建ち並ぶ通りを歩くこと約5分、加太の海沿いに御鎮座する「淡嶋神社」に到着です。

海沿いに立つ朱塗りの大鳥居が目を引く「淡嶋神社」は、創建以来1700年の歴史を重ねる古社。「女性の守り神」として信仰を集める少彦名命を御祭神に祀り、全国から多くの女性が参拝に訪れます。人形供養の神社としても名高く、社殿や境内には雛人形をはじめさまざまな人形が奉納されており、その数は2万体にも上るそうです。

幻想的な光景と神秘的な空気に抱かれながら御本殿で神様に手を合わせると、心が鎮まっていくのを感じます。参拝後は授与所でハート型の絵馬を授かり、縁結びの願いを込めて奉納。身も心も清らかになり、一礼して神社を後にしました。

淡嶋神社にお参りしたあとは、加太を訪れたらぜひ食べておきたい名物スイーツを。地元客にも観光客にも愛されるお店自慢の逸品を、食べ歩きで楽しみましょう。

昔から地元の人に愛される加太名物、よもぎ餅。その製造販売元の一つ、「小嶋一商店」を訪ねます。迎えてくれたご主人によれば、海産物店として100年以上の歴史があり、40年ほど前からよもぎ餅を作り始めたのだとか。

餅粉を使わず毎朝もち米を蒸して作る餅は、柔らかくてコシのある絶妙な食感。香り高い天然よもぎと、甘さ控えめの自家製粒あんとの相性が抜群です。一つひとつ手作りで数に限りがあるため早くに売り切れることもしばしばですが、当日の開店時間以降に連絡すれば取り置きしてもらえることもあるのでぜひ相談を。

路地を歩いていると鼻をくすぐられる、甘く芳ばしい香り。誘われるまま辿り着いたのは、昭和レトロな建物が印象的な創業100年の老舗パン屋さん「キシモト商店」です。現在の名物は、あげパン。あん、クリーム、きなこの3種類がトレーに並べられ、次から次へとお客さんが来て買っていきます。

一番人気は、自家製のこしあんがたっぷり詰まった、あん。また、沖縄出身の奥さんが本場のレシピで作る、サーターアンダギーも人気です。どれも甘さ控えめで油の重さを感じない素朴な味で、何個でも食べたくなってしまいます。店先に置かれたベンチに座って味わいながら写真を撮れば、とっておきの一枚になることでしょう。

名物スイーツをハシゴで楽しみ、お腹も心も大満足。続いては、「キシモト商店」のすぐ向かいに御鎮座する「加太春日神社」へお参りしましょう。

神話の時代に天照大御神を祀ったことがルーツとされる、「加太春日神社」。境内には、地元の中学生が描いた絵馬が奉納されており、地域の人たちから親しみと敬いを集めていることが分かります。拝殿から参拝して裏手に回ってみると、神社建築の粋を集め意匠を凝らした本殿の美しい姿を見ることができます。神職の方によると国の重要文化財に指定されているそうで、大空をバックに写真を撮らせてもらいました。また授与所には、鯛の形をした「めで鯛みくじ」や水に浸すと文字が浮き出る「水占みくじ」などの縁起物もあるのでぜひ。

初めて訪ねてもどこか懐かしい、ノスタルジックな港町・加太。町あるきだけでも充分に楽しめますが、少し足をのばしてみると、町なかとはまた違ったフォトジェニックな風景に出会えます。

明治時代に築かれた要塞の一部で、大阪湾を防衛する役割を担っていた砲台施設の遺構が残る「深山砲台跡」。一帯には、山上の自然の中とレンガ造りの遺構が織り成す幻想的な風景が広がり、圧倒されてしまいます。すぐ近くの展望台からは、友ヶ島や紀淡海峡、淡路島を一望。晴れた日には、明石海峡大橋や四国までを見渡せます。

古くから加太の景勝地の一つに数えられる、「城ヶ崎海岸」。海に突き出た岬にある展望所からは、船が行き交う紀淡海峡の海景色をはじめ、友ヶ島や淡路島、遠く四国までを見晴らす絶景が眺められます。また、海岸の地形にも要注目。地殻変動で斜めに傾いた地層が、波の浸食によって洗濯板のようなギザギザの地形になったものだとか。自然の神秘が感じられます。

加太港からフェリーで20分ほどの場所にある無人島、「友ヶ島」。江戸時代の頃から大阪湾を守る要衝で、明治時代には一帯の要塞の要として6つの砲台が整備されました。現在もその遺構が残り、自然溶け合うことで独特の世界観を醸成。近年では、累計閲覧数1億5,000万回を誇る大人気アニメ「サマータイムレンダ」の舞台としても知られ、国内外からファンが訪れています。