
老舗旅館が手掛ける「THE YUKAWA一條支店」で時を超えた非日常体験を
名湯が点在する東北の中でも、旅人の心をとらえて離さない「鎌先温泉」。
宮城県白石市に位置し、開湯から600年余りの歴史を重ねてきた奥羽の薬湯だ。
湯治文化を今に伝えるその地に、2025年9月、新たな扉が開かれる。
老舗旅館「時音の宿 湯主一條」が手がけるリゾートホテル「THE YUKAWA一條支店」は、時を重ねたおもてなしの精神と、人々を包み込むような自然が調和する空間。
都会の喧騒を離れ、「何もしない贅沢」を堪能するひとときは、本来の自分を取り戻す時間になるはず。
この記事では、そんな「THE YUKAWA一條支店」の魅力を徹底解説していく。
「THE YUKAWA一條支店」の2つの特徴
「THE YUKAWA一條支店」は、ラグジュアリーな空間の中に、温かなおもてなしの心が息づく新型リゾートホテルだ。
ここではまず、「THE YUKAWA一條支店」の大きく2つの特徴を紹介しよう。

1. 「湯川」沿いの全室スイートルーム仕立ての客室
全室スイートルーム仕様のリバービュー客室で、すべての部屋に露天風呂を備え、宿名の由来にもなった「湯川」の清流が窓のすぐ側を穏やかに流れている。
湯川のせせらぎに耳を澄ませながら湯に浸かり、緑を眺めてただぼーっとする時間は心安らぐひととき。
心と体を緩めてリラックスすると、忙しない日々の中で忘れかけていた大切なことに気付かされる。

館内に設えた家具やラグ、カーテンなどは、心地よく過ごせる空間を追求したオーダーメイド。
取っ手の形や椅子の脚の曲線など細部までこだわり抜かれており、客室に一歩足を踏み入れれば、意識せずともその心地よさを感じるはずだ。

アメニティや備品は、女将自らが手に取り、実際に使いながら厳選したものばかり。
全国各地の宿に足を運び、数々のおもてなしを研究してきた社長と女将による細やかな心配りは、形式にとらわれない温かさを感じる。
2. 600年続く老舗旅館が手掛ける新たな滞在体験
「THE YUKAWA一條支店」を手がけたのは、初代が居を構えた1560年以降から続く老舗旅館「時音の宿 湯主一條」。
1428年に発見された鎌先温泉。
公家の出である初代一條市兵衛長吉が、桶狭間の戦いで敗れ鎌先温泉に辿り着き、当時洪水によって荒れ果てていた湯場を、私財を投じて復興させたのがはじまりだった。

鎌先温泉に再び湯が湧き、湯治客が集う場としての歴史が動き出し、街は活気を取り戻す。
こうして誕生した「時音の宿 湯主一條」は、人々の病と心を癒やす湯治宿として、時を超えて受け継がれてきた。

その精神を礎に、次の時代へと歩みを進める「THE YUKAWA一條支店」。
約600年という長い年月をかけて培われてきたおもてなしの精神と、現代的な感性が織りなす洗練された空間。

ここにあるのは、単なる滞在ではなく、自分に還るための特別な滞在体験だ。
「THE YUKAWA一條支店」の由来
「THE YUKAWA一條支店」の玄関には、「旅館 一條支店」と書かれた古い木製の扉が掲げられている。
宿名にもなっている「一條支店」とは、一体どのような意味を持つのだろうか。

まだ自家用車が普及していなかった時代、鎌先温泉へ向かうには、JR「白石駅」前で1泊し、翌朝に馬車で移動するのが一般的だった。
「時音の宿 湯主一條」の前身である「旅館 一條本店」も同様に、JR「白石駅」前に駅前営業所として「旅館 一條支店」を構えており、旅人はまずそこで一夜を明かしてから本店へと向かっていた。

こうして駅前で旅人を迎え続けてきた一條支店だったが、自家用車の普及により中継地としての役割を終え、約30年前にその幕を下ろす。
鎌先温泉の駅前営業所の中では最後まで営業を続けた宿であり、その証としての扉は、地元の人々の手で丁寧に保管されてきた。

そして今、その扉は「THE YUKAWA一條支店」の玄関に再び設置されている。
時を超えてよみがえった「一條支店」という名には、旅人を迎える原点へのオマージュが込められている。
「THE YUKAWA一條支店」へのアクセス
車窓を楽しみながらスピーディーに移動したい方は新幹線、寄り道しつつマイペースに移動したい方は車でのアクセスがお勧め。

・東京から
新幹線で行く場合、JR「東京」駅からJR「白石蔵王」駅までの所要時間は約2時間。
JR「白石蔵王」駅より無料送迎車を活用すると20分ほどで到着する。
車で行く場合、東京都内の各ICから「白石IC」までの所要時間は約5時間。
「白石IC」より約15分で到着する。
・仙台から
新幹線で行く場合、JR「仙台」駅からJR「白石蔵王」駅までの所要時間は約13分。
JR「白石蔵王」駅より無料送迎車を活用すると20分ほどで到着する。
車で行く場合、仙台宮城ICから「白石IC」までの所要時間は約27分。
「白石IC」より約15分で到着する。
「THE YUKAWA一條支店」の6つの魅力
客室や眺望、温泉、料理、リラクゼーションどれをとっても一級品の「THE YUKAWA一條支店」。
ここでは6つほどピックアップし、その魅力を紹介していこう。
1. 湯川を望むオールスイートルームの客室
「THE YUKAWA一條支店」の客室は、全室が贅を尽くしたスイートルーム。
全ての客室から湯川の清らかな流れを望むことができ、自然の息づかいをすぐ側に感じられる客室だ。

「リバービュースイート」の天井高は約4メートル。
天井まで伸びる大きな窓が森と空を映し出し、まるで自然の中に溶け込むような没入感を演出する。
テラスにはガーデンソファを備えており、腰をかけて本を読むもよし、寝転んでくつろぐのもよし。
思い思いの過ごし方で、時間がゆるやかに流れていく。
最上階には、広々としたテラスが魅力の「リバービュー パノラマスイート」と、空間のゆとりを最大限に生かした「リバービュー YUKAWAスイート」を用意。
なかでもYUKAWAスイートの大きな窓はまるで額縁のようで、窓越しに見える木々の彩りが、一枚の絵画のように映える。


客室にはすべて、プライベートな露天風呂を完備。
湯に身を委ね、青空や木々のさざめきを眺めるひとときは、まさに至福。
観光地を巡る旅もいいけれど、こうして「何もしない贅沢」を味わう旅も大人の嗜みだ。
隅々にまで温かいおもてなしの心が宿る客室で、心行くままにゆったりと過ごしてみて。
2. 全館源泉かけ流し&貸切風呂も
「THE YUKAWA一條支店」の新築に際して新たに掘削した湯川源泉。
その泉質を調査した結果、約600年の歴史を誇る「時音の宿 湯主一條」の源泉「鎌先の湯」と、ほぼ同等の成分であることが明らかに。
古来より人々の傷を癒やしてきた「奥羽の薬湯」を、惜しみなく源泉かけ流しで堪能できるのはこの上ない贅沢だ。

開放的なテラスに設置された露天風呂に肩まで浸かれば、まるで森の中の温泉に入っているような感覚に。
ゆっくり目を閉じて、深呼吸をして、自然に溶け込むような感覚を味わってみて。

また、湯川のほとりに宿泊者専用の貸切露天風呂も完備。
貸切露天風呂のアメニティには、女将が実際に日々愛用している宮城発のプロダクトを採用している。

「天然回帰-Feel Organic」は、宮城県産杉間伐材を自社蒸留した精油を配合するなどソーシャルグッドなモノづくりが最大の特徴。
合成香料不使用、100%天然精油で仕上げている。
地元の自然の恵みを肌で感じながら、日々の疲れを静かに解きほぐしていく。
3. 宮城の幸をまるごといただく
食の豊かさも「THE YUKAWA一條支店」の大きな魅力。
料理長がこだわるのは、何より地産地消。
白石市をはじめ、宮城県内各地から届く新鮮な山海の幸をひとつひとつ吟味して、味がよく体にもやさしい食材を、素材本来の魅力を引き出す調理で提供している。

ステーキに使われているのは、宮城県産の希少な牛肉。
口に運べば、脂の甘みと軽やかな口当たりに驚かされる。

朝食にも地元のこだわりが光る。
注目は、角田市にある「おおえだファーム」の卵「御皇卵(ごこうらん)」。
頑丈な殻と濃厚な黄身が特徴で、抗酸化作用のあるアスタキサンチンを豊富に含む栄養価の高い卵だ。
和食では卵かけご飯に、洋食ではエッグベネディクトかオムレツでいただける。

「宮城県を、まるごと味わってもらいたい」と語る料理長の想いが詰まった一皿一皿。
全室テラス付きのプライベートダイニングで、自然と季節に包まれながら、ここでしか味わえない地元の恵みを心ゆくまで堪能してほしい。
4. 熟練のバーテンダーによる極上の一杯を
夕食の余韻にひたったあとは、バーで楽しむ大人の時間を。
照明を落とした落ち着いた空間に、静かにグラスの音が響く。
熟練のバーテンダーが、ゲストの好みや気分に合わせて一杯を丁寧に仕上げてくれる。

バーにはワインやウイスキー、果実酒、クラフトリキュールまで、多彩な銘柄が揃っている。
どれを選ぶか迷うのも、また楽しい。
今日という1日をゆっくりと振り返りながら、グラスを傾けるその時間が、旅の記憶に深く刻まれていく。

隣接するラウンジスペースには、24時間利用可能なウェルカムドリンク&フードも用意。
ソフトドリンクをはじめ、菓子類もあり、滞在中いつでも気軽に立ち寄れる。
それぞれのスタイルで過ごせる、心地よいひとときを演出してくれる空間だ。
5. マニュアルのないマッサージで体を整える
心からリラックスするために大切なのは、心と同じように体の力も抜くこと。
1階にあるエステティックサロンでは、長年の経験を持つ熟練のセラピストが、マニュアルのないマッサージでゲストの体を芯からゆるめてくれる。

施術は、ゲストひとりひとりの体の状態を丁寧に確認することからスタート。
お悩みや希望に合わせた施術はもちろんのこと、セラピスト自身の手の感覚で、凝りや緊張がたまった箇所を的確に見極め、重点的にアプローチしてくれる。
この道数十年、まさに「体を読むプロ」とも言えるセラピストによる施術は、言葉にできないほどの安心感と心地よさ。
マッサージベッドに身を預けた瞬間から、全身の力がふっと抜けていくような、極上の癒やしを体感できる。

使用するのは、皮脂に最も近いと言われるホホバオイル。
肌に優しく、温泉に入っても落ちにくい高い浸透力が特徴だ。
仕上げにはヘッドマッサージで頭の緊張もゆるめ、まるで全身が生まれ変わったような軽さを実感できるだろう。
6. 連泊によって叶う濃密なタイムスリップ体験
「THE YUKAWA一條支店」に連泊すると、夕食会場を「時音の宿 湯主一條」の個室料亭と選べるのも、大きな魅力のひとつである。

「THE YUKAWA一條支店」のダイニングは、全室テラス付きのプライベート空間。
川のせせらぎや鳥の声をBGMに、四季折々の風景とともに、五感を澄ませて食事を味わえる設えとなっている。

一方、「時音の宿 湯主一條」の個室料亭は、築100年を超える建築を活かした歴史ある空間。
現代では再現の難しい大正期の日本建築が、凛とした佇まいを今に伝えている。

初日は「THE YUKAWA一條支店」で、翌日は「時音の宿 湯主一條」で夕食を楽しめば、まるで令和から大正にタイムスリップしたような体験が味わえるだろう。
「THE YUKAWA一條支店」でのお勧めの過ごし方
最後に、1泊2日で「THE YUKAWA一條支店」の魅力を余すところなく味わうための、理想的な滞在プランをご紹介。
「なにもしない贅沢」をじっくり堪能しながら「THE YUKAWA一條支店」で過ごすひとときは、きっと自分に還る時間になるはず。
Day1. 豪華なおもてなしと設えに非日常の世界へ
- 15:00
- チェックイン後、まずは貸切露天風呂で癒やしのひと時
- 16:00
- マッサージでリラックスタイム
- 18:00
- プライベートダイニングで夕食
- 21:00
- バーで極上の1杯を
Day2. 川のせせらぎと緑に囲まれ心身ともにリフレッシュ
- 07:00
- テラスで鳥の声を聴きながら朝食
- 09:00
- 客室露天風呂で朝のリフレッシュタイム
- 10:00
- 客室のテラスでのんびり過ごす
- 11:00
- チェックアウト
まとめ
日常から一歩離れ、自然の中で心と体を静かに解きほぐす。
「THE YUKAWA一條支店」は、そんな贅沢な時間を求める大人のための場所だ。
600年の歴史が紡ぐおもてなしと、心地よさを追求した空間が、忘れていた本来の自分と再び出会わせてくれる。
何も足さず、何も引かず、ただそこに身を委ねる旅へ出かけてみてはいかがだろうか。