静岡県伊東市にある標高580mの独立峰、大室山。お椀を伏せたような特徴的な形で、伊豆高原のシンボルとして親しまれている。約4000年前の火山活動によってできた大室山は国指定の天然記念物で、伊豆東部火山群の中で最大級のスコリア丘だ。
山頂へはリフトに揺られて約6分で到着。噴火口跡をぐるりと一周する「お鉢めぐり」は約1キロの散策路で、富士山をはじめ、南アルプスや伊豆七島、房総半島まで360度の大パノラマを望むことができる。また、噴火口跡には安産と縁結びの神様を祀る「浅間神社」が、頂上西方には等身大の五体の如来が安置されているなど、かつては山自体が御神体と考えられていた大室山はパワースポットとしても人気だ。
元旦には早朝からリフトの特別運行が行われ、伊豆大島の傍らから昇る初日の出を拝むことができるほか、毎年2月には山を丸ごと焼き尽くす「山焼き」が行われる。「山焼き」は700年以上の歴史を持つと言われ、当初は良質な茅の採取と害虫駆除を目的に行われていたが、今では伊豆に春の訪れを告げる一大イベントとして守り続けられる伝統行事だ。
ポイント
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火山活動によってできた、国指定の天然記念物。
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一周1キロの噴火口を歩く「お鉢めぐり」で絶景が楽しめる。
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山頂からは富士山から伊豆諸島まで、360度の大パノラマが広がる。
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山頂の「浅間神社」には安産・縁結びの神様を祀り、パワースポットとしても人気。
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伊豆の春の風物詩「山焼き」は圧巻。