鉄輪温泉

別府市街からバスで30分ほど山を上った所に開けた、別府八湯を代表する温泉地。別府の源泉の大半は鉄輪地区に集中しており、湯けむりが立ちのぼる温泉街の景観は、「別府の湯けむり・温泉地景観」として文化的景観に選定されている。別府観光の定番・地獄めぐりの拠点でもある。

鉄輪温泉の歴史は古く、鎌倉時代に一遍上人が“地獄”と恐れられていた高温の温泉蒸気を利用した「蒸し湯」を開いたことに始まり、その跡地である「むし湯広場」には、「一遍湯かけ上人」の像が立っている。開湯以降、湯治場として発展。大分を代表する観光地となった現在も長期滞在用の自炊宿が残り、湯治の町の雰囲気が残っている。

メインストリートである「いでゆ坂」を中心に9つの共同浴場があり、「鉄輪むし湯」では鉄輪温泉の発祥となった、石しょうという薬草を敷き詰めた和風サウナを体験できる。

また、温泉熱は食にも利用されていて、野菜や肉、魚などの食材を温泉の蒸気で蒸し上げる「地獄蒸し」は、鉄輪温泉の名物。もとは湯治者の自炊のためのものだったが、近年はご当地グルメとして注目されており、「地獄蒸し工房 鉄輪」ではだれでも気軽に体験できる。