旧中山道に約1kmにわたって続く、日本最長の宿場町。数々の難所で知られる木曽路の11の宿のなかでも最も標高が高い位置にあり、かつては“奈良井千軒”といわれるほど多くの旅人で賑わいを見せた。千本格子の家々や旅籠の軒灯など、江戸時代の面影を色濃く残す町並みが今も残されていて、宿全体が国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。
街道に沿って南側から上町、中町、下町の3つの町に分かれていて、当時は街の中心である中町に本陣、脇本陣、問屋が置かれていた。南北両端と中町に神社、街道の山側には6つの水場と「奈良井5ヶ寺」と呼ばれる5つの寺がある。
また、敵の侵入から宿場町を守るためのさまざまな設備も見どころ。上町と中町の境には「鍵の手」と呼ばれる屈曲した道路、中町と下町の境は「横水」と呼ばれる沢で区切られ、下町には「桝型」という石垣や土塁を四方形に築いた場所が設けられている。
道沿いには郷土料理や菓子、民芸品を扱うショップや飲食店が軒を連ね、歴史を感じながらの散策が楽しめる。今も当時の姿を残す元櫛問屋「中村邸」や古文書などの史料を展示した上問屋史料館など、奈良井宿の歴史について学べる施設も点在。
ポイント
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1kmにおよぶ江戸時代からの町並みが今なお色濃く残る 。
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おやきや五平餅、山菜料理、信州そばなど昔ながらの郷土食が食べられる。
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木曽漆器、曲物(まげもの)などの伝統工芸が今も息づいている。