斎場御嶽(せーふぁうたき)

沖縄本島南部、南城市知念久手堅の山中に広がる、琉球王国最高の聖地。神が降臨する森として、王国の最高神女である聞得大君の就任儀式「御新下り」をはじめ、重要な祭祀や神事が執り行われた。2000年、ユネスコ世界文化遺産に登録された「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の構成資産である。

全体が聖域と位置づけられた森の中には、ウガンジュ（拝所）と呼ばれる祈りの場が点在。森の最深部に、ウフグーイ（大庫理）、サングーイ（三庫理）、ユインチ（寄満）といった格式高い神域（イビ）がある。大庫理と寄満の名は首里城内の場所と同じ名称であり、いずれも巨大な琉球石灰岩を背にしている。心静かにその場へ身を置くと、厳かな空気に心が洗われていくのを感じるだろう。

訪れる際は、今も地元の人びとが祈りを捧げる聖域であることを理解し、礼節を踏まえた行動が必須。動植物や石などを持ち出すことも、厳禁だ。