和田家

日本の原風景と謳われる合掌造りの集落「白川郷」。ユネスコ世界遺産にも登録されている趣のあるエリア内のなかでも、「和田家」は最大級クラスの規模を誇り、唯一国の重要文化財に指定されている。

天正元年（1573）よりつづく和田家は、江戸時代に番所役人や名主を務め、苗字帯刀を許された由緒正しい家柄。さらに、火薬の原料である焔硝の取引によって栄え、往時には20人以上もの人が生活していたという。建築年代は諸説あるが、江戸中期から後期と推定されている。主屋とともに土蔵や水路、石垣などを含めた敷地全体が良好に保存されているため、文化財として高く評価されている。

3階建ての住宅は、現在も住居として利用されている。1階と2階部分が公開されていて、内部の見学が可能。2階から眺める田園風景もまた格別だ。江戸時代から続く合掌造りで当時の暮らしを体感しよう。