日本が誇る舞台芸術の最高峰を風雅な音色とともに
淡路人形浄瑠とは神事から発展した人形芝居として、淡路島に根付いている大衆文化のひとつ。かつては島内に大小さまざまな人形座があり、全国を回って人形浄瑠璃の魅力を伝えていたそうです。淡路人形浄瑠の特徴として真っ先に挙げられるのは、劇場ではなく野掛け(野外)舞台で行われるという点。そういった背景もあって観客が見やすいように人形が大きなサイズになり、動作も大きく、派手な演出へと進化していきました。
およそ500年以上という歴史をもつ淡路人形浄瑠璃。3人1組で一体の人形を操り、風雅な音色にのせて演じられる芝居は、何世代も受け継がれた日本が誇る舞台芸術の粋といっても過言ではありません。喜怒哀楽の人間ドラマを、人間以上に生き生きと動き描く人形が観客を夢の世界へと誘います。
1日4回、淡路人形浄瑠璃の公演を毎日実施中
淡路人形浄瑠璃の常設劇場がある淡路人形座。提灯に照らされた場内では、1日4回、毎日公演が行われます。公演が始まるまでは、演目のあらすじを事前に聞ける翻訳音声ガイドの利用をぜひ。事前にあらすじを把握しておけばより芝居が楽しめること間違いなしです。
喜怒哀楽を表現する見事な人形の演技に驚き!
幕が上がると三味線や太鼓の音色にのせて、ストーリーを語っていく義太夫。その伴奏に合わせて3人の座員によって操られる人形は、もはや人間の俳優以上の演技っぷり! 無機質な人形とは思えないほどの意思が伝わってくる動作・表情に、驚くほど喜怒哀楽を感じさせてくれます。またセットチェンジの際の幕間時には、目の前で人形操作の実演があったり、人形と記念撮影ができたりとお楽しみも盛りだくさん。地元に根付いた大衆文化に見て触れて、その魅力が存分に満喫できます。
面や衣装など、貴重な展示物が多彩に勢揃い
また劇場の後方に設けられた資料コーナーもチェック! こちらには実際に舞台で使用される面や衣装など、貴重な展示物が多彩に揃っています。さらに動作の様子が一目でわかるよう、衣装を着ていない状態の人形や面の断面図も展示公開。一体の人形を「足」「左手」「頭と右手」と分担して3人で操ることの難しさや、長年継承され続ける創意工夫あふれる仕組みを貴重な資料とともに学びましょう。