ここでしか出会えない絶景がある!立山黒部アルペンルート観光ガイド

ここでしか出会えない絶景がある!立山黒部アルペンルート観光ガイド

更新 :
筆者 : GOOD LUCK TRIP

黒部立山アルペンルート立山黒部アルペンルートは何が違うのか?」といった基本的なことから、見どころや観光シーズンごとの魅力、お勧めの宿泊施設まで、「立山黒部アルペンルート」を楽しむために必要な情報を網羅的にご紹介。
この記事を読めば「立山黒部アルペンルート」を満喫できること間違いなしだ。

迫力ある美しい自然景観に出会える「立山黒部アルペンルート」

「立山黒部アルペンルート」とは、総延長37.2km・最高地点2,450mの、北アルプスを貫く山岳観光ルート。
標高3,000m級の山々が生み出す、迫力ある自然景観や四季折々の美しい景色、日本一の高さを誇るダム、高さ20mにも迫る巨大な雪の壁など、ここでしか見られない景色が広がっている。

「立山黒部アルペンルート」は交通網が整備されており、ルートの両端である長野の「扇沢駅」もしくは、富山の「立山駅」からスタートして6つの乗り物を乗り継げば、観光する時間を含めても8時間程度で楽しめる。

「黒部立山アルペンルート」とも呼ばれるが、その違いはスタート地点だけ。
富山の「立山駅」からスタートする場合は「立山黒部アルペンルート」。
長野の「扇沢駅」からスタートする場合は「黒部立山アルペンルート」と呼ばれる。
どちらからスタートしても、巡れる観光スポットに違いはないため、アクセスしやすい駅からルートに入ろう。
海外から直接アクセスする場合は、「富山きときと空港」からアクセスしやすい「立山駅」からスタートする「立山黒部アルペンルート」がお勧め。

立山黒部アルペンルートのマップ
立山黒部アルペンルートのマップ

シーズンによって異なる「立山黒部アルペンルート」の魅力

「立山黒部アルペンルート」に入れるのは4月中旬〜11月30日まで。
1月〜3月は閉山時期となる。
「立山黒部アルペンルート」は四季折々の自然景観が楽しめるため、目的に合わせて観光する時期を調整しよう。
季節ごとの見どころを紹介するので、訪れる時期を決める参考にしてほしい。

大迫力の雪の壁は必見!春(4月〜6月)の見どころ

春の「立山黒部アルペンルート」といえば、「雪の大谷」だ。
4月中旬には、高さ20mに迫る雪の壁の中を歩く、珍しい体験ができる。
また、氷河期からの生き残っていると伝わる「雷鳥」に出会える確率がもっとも高い時でもある。トレッキングを楽しみながら「雷鳥」を探してみよう。

春の見どころ「雪の大谷」
春の見どころ「雪の大谷」

散策しやすい気候が嬉しい!夏(7月〜8月)の見どころ

登山やトレッキング、自然散策には、夏が最適だ。
清々しい風が吹き渡る渓谷、短い夏を謳歌する高山植物、自然の生命力を感じる広葉樹の芽吹きなど、自然のエネルギーを強く感じられる。
日本一の高さを誇る黒部ダムでは、大迫力の観光放水も楽しめる。

夏の黒部ダムで見られる大迫力の観光放水
夏の黒部ダムで見られる大迫力の観光放水

三色の紅葉が並ぶ絶景が見られる!秋(9月〜10月)の見どころ

タイミングが良ければ「山の上は雪景色」「中腹は紅葉・黄葉」「麓は今から色づく緑樹」という、「三段紅葉」を見られる。
「三段紅葉」は例年10月上旬から中旬が見頃なので、紅葉が好きな方は「立山黒部アルペンルート」ならではの紅葉を見るために、観光する時期を調整してみてはいかがだろうか。

秋の絶景「三色の紅葉」
秋の絶景「三色の紅葉」

雪一面に覆われた幻想的な世界が楽しめる!初冬(11月)の見どころ

冬の立山が楽しめるのは11月に入ってすぐの、ごく短い期間のみだ。
雪一面に覆われた立山・室堂は息を呑むような美しさ。
澄んだ空気を全身で感じながら、幻想的な空間を楽しもう。

限られた期間のみ見られる初冬の「黒部立山」
限られた期間のみ見られる初冬の「黒部立山」

季節に合わせた準備も忘れずに!月別平均気温とシーズン別服装の目安

「立山黒部アルペンルート」は交通網が整備されているため、気軽に観光できるが、トレッキングをする場合は多少の準備が必要。
3,000m級の高原なので天候に注意し、季節に合わせた服装で山歩きを楽しもう。
紫外線が強いため、どの季節でも帽子や日焼け止めクリームは必須。

立山黒部アルペンルートの月別平均気温

「立山黒部アルペンルート」の中心地に位置し、観光拠点ともなる「室堂」の月別平均気温をご紹介。
下記の表とこれから紹介する服装目安を参考に準備してほしい。

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月
午前9時 1〜4℃ 4〜7℃ 9〜12℃ 13〜16℃ 14〜17℃ 11〜14℃ 2〜9℃ −3〜1℃
午後3時 3〜6℃ 6〜9℃ 12〜13℃ 14〜17℃ 16〜19℃ 13〜15℃ 5〜11℃ −1〜3℃

シーズン別の服装目安

服装に迷ったら、これから紹介する服装目安を参考に準備しよう。
「立山黒部アルペンルート」は天気だけでなく、気温も変わりやすいため、どの季節でも気温の変化に対応しやすい服装を準備しておくことをお勧めする。

長袖シャツ・セーター・フリース・冬用ジャケット・ウィンドブレーカー
半袖シャツ・長袖シャツ・ウィンドブレイカー
長袖シャツ・薄手のセーター・フリース・ウィンドブレイカー
初冬
長袖シャツ・薄手のセーター・フリース・ウィンドブレイカー

春(4月〜6月)の服装

4月から6月ごろは雪上散策となるため、防水のトレッキングシューズや長靴がお勧めだ。
雪の照り返しが強いため、サングラスも必需品。
気温は低いが歩くと暑くなるので、上着は着脱しやすい前ボタンやジッパーのついた服を用意しよう。

夏(7月〜8月)の服装

7月から8月は快適な気温だが、山の日差しは思った以上に強烈だ。
あまり肌を露出しない服で通気性のよいものをお勧めする。

秋(9月〜10月)の服装

9月から10月になると、肌寒く感じる日が多くなる。
10月に入ると標高2,500mあたりでは、雪がちらつくこともあるほどだ。
ウール素材の厚手の長袖シャツやフリース素材の服などを用意しよう。

初冬(11月)の服装

11月の気温は氷点下になることも多いため、防寒対策は必須。
散策の予定がなくても、雪の上を歩く可能性があるため、防水性の滑りにくい靴がお勧めだ。

立山黒部アルペンルートへのアクセス

出発地点となる「扇沢駅」・「立山駅」へのアクセスを紹介しよう。

「扇沢駅」へのアクセス

「黒部立山アルペンルート」のスタート地点である、「扇沢駅」へのアクセスをご紹介。
大都市であり人気の観光地でもある、東京・大阪・名古屋からの経路と所要時間は以下の通りだ。
各駅から「扇沢駅」への移動は、電車ではなくバスになるため、注意が必要だ。

出発地点 経路 所要時間
東京 JR東京駅→JR長野駅→扇沢駅 約4時間10分
大阪 JR新大阪駅→JR名古屋駅→JR松本駅→JR信濃大町駅→扇沢駅 約4時間20分
名古屋 JR名古屋駅→JR松本駅→JR信濃大町駅→扇沢駅 約3時間40分

「立山駅」へのアクセス

「扇沢駅」へのアクセスと同じく、東京・大阪・名古屋から富山の「立山駅」へのアクセスを紹介しよう。

出発地点 経路 所要時間
東京 JR東京駅→JR富山駅→電鉄富山駅→立山駅 約3時間20分
大阪 JR大阪駅→JR金沢駅→JR富山駅→電鉄富山駅→立山駅 約4時間20分
名古屋 JR名古屋駅→JR富山駅→電鉄富山駅→立山駅 約4時間50分

旅行前に知っておくべき「アルペン・高山・松本エリア周遊きっぷ」

「立山黒部アルペンルート」を観光する予定なら「アルペン・高山・松本エリア周遊きっぷ」をぜひ活用してほしい。
「立山黒部アルペンルート」の各交通機関と、名古屋・岐阜・長野地域の一部のJR在来線・特急が乗り放題になる。
名古屋や岐阜の「飛騨高山エリア」と「下呂温泉」、長野の「松本」といった人気観光地へのアクセスに使えるため、「立山黒部アルペンルート」を中心とする旅行プランを検討している方にお勧めだ。
詳細は以下の公式サイトを参考にしてほしい。

切符を活用して立山黒部アルペンルートを中心とする旅行を満喫してほしい
切符を活用して立山黒部アルペンルートを中心とする旅行を満喫してほしい

ここだけは押さえておきたい!立山黒部アルペンルートの見どころ10選

標高2,316mの高さに広がる大自然のパノラマや高さ20mに迫る「雪の大谷」、日本一の高さを誇る黒部ダムなど、見どころが多い「立山黒部アルペンルート」。
その中でも、見逃せない絶景スポットを紹介しよう。

1. 黒部ダム

高さ186mを誇る日本一かつ、世界でもトップクラスに入る巨大なダム。
新展望広場からは、毎秒10トン以上もの水が豪快に放水される迫力ある姿を間近で見ることができる。(放水の期間は6月下旬から10月中旬まで)
また、標高1508mの場所にあるダム展望台からは、立山連峰をはじめとする北アルプスの景色が見え、売店や湧き水飲み場もあるので、休憩や記念撮影をするには最適だ。

高さ186mを誇る日本一かつ、世界でもトップクラスに入る巨大なダム
高さ186mを誇る日本一かつ、世界でもトップクラスに入る巨大なダム

2. 室堂

立山黒部アルペンルートの最高地点、標高約2450mに位置する「室堂」。
北アルプスで最も美しい火山湖「みくりが池」、高さ20mに迫る「雪の大谷」など、立山黒部アルペンルートでも、人気が高い名所が集まるエリアだ。
運がよければ、特別天然記念物・絶滅危惧種でもある雷鳥やオコジョにも出逢える。

「室堂」に広がる美しい景色
「室堂」に広がる美しい景色
日本語名称
室堂
郵便番号
930-1406
住所
富山県中新川郡立山町芦峅寺 室堂平
電話
076-481-1500(立山黒部貫光株式会社)
定休日
散策自由(12月1日から翌年4月中旬の冬季閉鎖期間を除く)
時間
散策自由(12月1日から翌年4月中旬の冬季閉鎖期間を除く)
料金
散策自由
公式サイト
公式サイト

3. 弥陀ヶ原

ラムサール条約にも登録された「弥陀ヶ原」は、独特の景観を持つ湿原だ。
約3,000個もの小さな池や水たまりが点在する光景は、ここでしか見られない。
夏は珍しい高山植物が咲き乱れ、秋は紅葉が彩る、四季折々の景観も楽しめる。

秋の美しい「弥陀ヶ原」
秋の美しい「弥陀ヶ原」
日本語名称
弥陀ヶ原
郵便番号
930-1406
住所
富山県中新川郡立山町芦峅寺 弥陀ヶ原
電話
076-481-1500(立山黒部貫光株式会社)
定休日
散策自由(12月1日から翌年4月中旬の冬季閉鎖期間を除く)
時間
散策自由(12月1日から翌年4月中旬の冬季閉鎖期間を除く)
料金
散策自由
公式サイト
公式サイト

4. 大観峰

断崖絶壁にそびえ立つ「大観峰」からは、立山連峰の雄大な景色が見渡せる。
テーブルとイスが用意された「雲上テラス」でゆっくり休憩しながら、エメラルドグリーンの黒部湖を囲む山々の絶景を眺めよう。
立山黒部アルペンルート随一のフォトスポットなので、写真撮影もお忘れなく。

エメラルドグリーンの黒部湖を囲む山々の絶景
エメラルドグリーンの黒部湖を囲む山々の絶景
日本語名称
大観峰
郵便番号
930-1406
住所
富山県中新川郡立山町芦峅寺
電話
076-481-1500(立山黒部貫光株式会社)
定休日
散策自由(12月1日から翌年4月中旬の冬季閉鎖期間を除く)
時間
散策自由(12月1日から翌年4月中旬の冬季閉鎖期間を除く)
料金
散策自由
公式サイト
公式サイト

5. 室堂平

アルペンルートの中心地に位置し、観光拠点ともなる「立山室堂平」。
3,000m級の山々が眼前に広がる、ダイナミックな景観は必見だ。
平坦な道なみが多く、整備された道もあるため、様々な高山植物を見ながら散策できる。

アルペンルートの拠点となる「室堂平」
アルペンルートの拠点となる「室堂平」
日本語名称
室堂平
郵便番号
930-1406
住所
富山県中新川郡立山町芦峅寺
電話
076-481-1500(立山黒部貫光株式会社)
定休日
散策自由(12月1日から翌年4月中旬の冬季閉鎖期間を除く)
時間
散策自由(12月1日から翌年4月中旬の冬季閉鎖期間を除く)
料金
散策自由
公式サイト
公式サイト

6. 黒部平

雄大な立山連峰の美しい景観が魅力の「黒部平」。
黒部平駅屋上のパノラマテラスからは、立山と湖が織りなすダイナミックな景色が広がる。
黒部平庭園では、約100種類もの高山植物が植えられた一帯を散策できる。
次のローブウェイまでの時間を、絶景を眺めながら待つのも良し、ゆっくり散策するのも良し。待ち時間も充分楽しめるスポットだ。

ダイナミックスな景色が広がる黒部平駅屋上のパノラマテラス
ダイナミックスな景色が広がる黒部平駅屋上のパノラマテラス
日本語名称
黒部平
郵便番号
930-1406
住所
富山県中新川郡立山町芦峅寺
電話
076-481-1500(立山黒部貫光株式会社)
定休日
散策自由(12月1日から翌年4月中旬の冬季閉鎖期間を除く)
時間
散策自由(12月1日から翌年4月中旬の冬季閉鎖期間を除く)
料金
散策自由
公式サイト
公式サイト

7. 雪の大谷

春の黒部立山で最も見逃せないイベントは「雪の大谷」だ。
世界でも有数の豪雪地帯である室堂平の「室堂ターミナル」付近の道路を除雪してできる、高さ20mにも迫る巨大な雪の壁は圧巻。
巨大な雪の壁に挟まれた道路を歩ける「雪の大谷ウォーク」に参加すれば、巨大な雪の壁を間近で見られる。

高さ20mにも迫る巨大な雪の壁の近くを歩ける「雪の大谷」
高さ20mにも迫る巨大な雪の壁の近くを歩ける「雪の大谷」

8. 美女平

標高1,000mの「美女平」には、立山杉やブナの木々が生い茂る、ゆたかな原生林が広がっています。
巨木が立ち並ぶ神秘的な森を散策すると、別世界に迷い込んだような感覚になるはず。
60種類以上の野鳥が観察できる散策路もあり、バードウォッチングの名所としても知られている。

立山杉やブナの木々が生い茂る、ゆたかな原生林(写真はイメージです)
立山杉やブナの木々が生い茂る、ゆたかな原生林(写真はイメージです)
日本語名称
美女平
郵便番号
930-1406
住所
富山県中新川郡立山町芦峅寺
電話
076-481-1500(立山黒部貫光株式会社)
定休日
散策自由(12月1日から翌年4月中旬の冬季閉鎖期間を除く)
時間
散策自由(12月1日から翌年4月中旬の冬季閉鎖期間を除く)
料金
散策自由
公式サイト
公式サイト

9. みくりが池

北アルプスで最も美しい火山湖と言われる「みくりが池」。
四季折々の山々が映る、紺碧の湖面は一見の価値がある。
雪化粧した山々が湖面に映る景色も良いが、紅葉に染まる山々が湖面に映る景観も捨てがたい。
見たい景色に合わせて、訪れる時期を調整しよう。

紅葉に染まる山々が湖面に映る「みくりが池」
紅葉に染まる山々が湖面に映る「みくりが池」
日本語名称
みくりが池
郵便番号
930-1406
住所
富山県中新川郡立山町芦峅寺 ブナ坂外11国有林
電話
076-462-9971(立山町商工観光課)
定休日
散策自由(12月1日から翌年4月中旬の冬季閉鎖期間を除く)
時間
散策自由(12月1日から翌年4月中旬の冬季閉鎖期間を除く)
料金
散策自由
公式サイト
公式サイト

10. 称名滝

「立山黒部アルペンルート」の玄関口「立山駅」から、バスで約15分・徒歩で約30分の場所にある秘境スポット「称名滝」。
日本一の落差350mを誇り、「日本の滝百選」のひとつに数えられ、国の名勝・天然記念物にも指定されている。
滝が水しぶきを上げながら流れ落ちる迫力と、四季折々の景観が「称名滝」の魅力。
春から夏にかけては水量が多く、他の時期よりもダイナミックな光景が眺められる。
秋になると周囲の木々が色づき、鮮やかな紅葉と滝から生まれるコントラストが楽しめる。

周囲の木々が色づいた秋の「称名滝」
周囲の木々が色づいた秋の「称名滝」
日本語名称
称名滝
郵便番号
930-1406
住所
富山県中新川郡立山町芦峅寺 称名川
電話
076-462-9971(立山町商工観光課)
見学可能期間
・称名道路:例年5月上旬頃~11月下旬頃
・飛龍橋~滝見台園地:例年5月上旬頃~11月中旬頃
時間
・7:00~18:00(例年5月上旬~6月、9月~11月)
・6:00~19:00(7月~8月)
料金
散策自由
公式サイト
公式サイト

立山黒部アルペンルートの絶景を楽しめる交通手段3選

「立山黒部アルペンルート」では、スタート地点の富山の「立山駅」からゴール地点である長野の「扇沢駅」まで、下記6つの交通手段を利用して移動できる。

  1. 関電トンネル電気バス
  2. 黒部ケーブルカー
  3. 立山ロープウェイ
  4. 立山トンネルトロリーバス
  5. 高原バス
  6. 立山ケーブルカー

トレッキングコースでは「立山黒部アルペンルート」の一部分しか観光できないため、主な見どころを見て回りたいなら、交通手段を利用してルートを走破しよう。
交通手段を利用することでしか見られない景色もある。
ここからは、移動中にも雄大な自然景観を楽しめる3つの交通手段を紹介しよう。

1. 立山ロープウェイ

黒部平と大観峰を結ぶ「立山ロープウェイ」は、「動く展望台」とも呼ばれている。
西に大斜面の大観峰、東に立山連峰の絶景が広がる360度の大パノラマを、空中でゆっくり移動しながら眺める体験はここでしかできない。
ロープに重りをつけることで、支柱がなくても客車をつりさげて動かせるワンスパン方式のおかげで、支柱に邪魔されることなく自然景観が楽しめる。

立山連峰の絶景が広がる360度の大パノラマを楽しめる「立山ロープウェイ」
立山連峰の絶景が広がる360度の大パノラマを楽しめる「立山ロープウェイ」

2. 立山ケーブルカー

立山駅から美女平駅間の1.3km・標高差約500m、最大29度の急勾配を一気に登る「立山ケーブルカー」。
2台の車両が一本のケーブルでつながり、1台が下りていく力で、もう一方の車両が上がっていく、動力を必要としない環境に優しい乗り物だ。
「立山ケーブルカー」に乗り、トンネルから抜けた瞬間に広がる、開放感あふれるダイナミックな山々の景観も見どころの一つ。

最大29度の急勾配を一気に登る「立山ケーブルカー」
最大29度の急勾配を一気に登る「立山ケーブルカー」

3. 立山高原バス

美女平と標高2450mの室堂を結ぶ「立山高原バス」は、最長で乗車時間が50分ある、「立山黒部アルペンルート」で最ものんびりできる乗り物だ。
大自然の中を走り抜け、標高2000mを越えていくため、雄大な山岳風景が楽しめるのも特徴の一つ。
車窓からは巨大な立山杉・称名滝や、10m以上の雪壁が見られる「雪の大谷」など、多彩な景色を満喫できる。

10m以上の雪壁が見られる「雪の大谷」など多彩な景色を満喫できる「立山高原バス」
10m以上の雪壁が見られる「雪の大谷」など多彩な景色を満喫できる「立山高原バス」

立山トンネルトロリーバスの運行は2024年に終了

立山黒部アルペンルートの室堂と大観峰の間を走る「立山トンネルトロリーバス」。
日本に唯一残るトロリーバスだが、2024年11月30日で運行を終了。
トロリーバスとは、名称に「バス」と付いているものの、法的には電車に分類される。
一般的なバスのようにハンドルで操作しタイヤで走るものの、電車線から電力の供給を受けている。
日本でトロリーバスに乗れる最後のチャンスなので、立山黒部アルペンルートに訪れる予定のある方は、ぜひ乗車してほしい。

日本に唯一残るトロリーバスに乗るチャンスを逃さないように
日本に唯一残るトロリーバスに乗るチャンスを逃さないように

立山黒部アルペンルートの観光拠点にお勧めの宿泊施設3選

「立山黒部アルペンルート」の観光に必要な時間は、ランチや散策などを含めると少なくても8時間程度は必要だ。
そのため、「立山黒部アルペンルート」を満喫したいなら、出発地点である「扇沢駅」か終着点である「立山駅」、もしくは黒部立山の拠点である「室堂平」で宿泊することをお勧めする。
上記エリアで、天然温泉や美しい景観を楽しめるホテルを紹介しよう。

1. 立山黒部アルペンルート 和みの宿 千寿荘

「千寿荘」は、「立山黒部アルペンルート」への出発駅「立山駅」に一番近い宿だ。
天然温泉の成分がじんわりと肌にとけこみ、観光で溜まった疲れを癒してくれる。
「出発時間に合わせた朝食」・「荷物の預かりサービス」・「立山で食べるお弁当の用意」という、3つのおもてなしも嬉しい。

アルペンルートの玄関口にたたずむなごみの湯宿
アルペンルートの玄関口にたたずむなごみの湯宿

2. ホテル森の風立山

立山黒部アルペンルートの麓にあり、伝統的な合掌造りの集落・世界遺産「五箇山」へのアクセスにも便利なロケーションが評判。
客室は窓の向こうに山々を見渡す静かで落ち着いた雰囲気。
専用のエントランスを設け、ゆとりの広さで快適なステイが楽しめるグランドエグゼクティブをはじめ、ブラウンを基調としたインテリアの洋室、畳の香りが心地いい和室とTPOに合わせて選べる複数のタイプがスタンバイ。

美食・癒し・温泉...etc.旅心を満たす魅力が詰まった北陸観光の拠点
美食・癒し・温泉...etc.旅心を満たす魅力が詰まった北陸観光の拠点

3. ホテル立山

ホテル立山」は「立山黒部アルペンルート」の観光拠点、室堂平にある。
標高2,450mにあるため、部屋の窓から四季折々の景色や美しい雄大な山々が見られる。
夜には手が届きそうな満天の星も眺められ、感動的な体験ができるホテルだ。

アルペンの大自然に囲まれた山岳リゾート
アルペンの大自然に囲まれた山岳リゾート

立山黒部アルペンルートと合わせて訪れるべき観光スポット4選

「立山黒部アルペンルート」を観光するなら、これから紹介する4つの観光スポットも必ず訪れてほしい。
紹介するスポットはいずれも、「扇沢駅」よりも「立山駅」からの方がアクセスしやすい。
「立山駅」から「立山黒部アルペンルート」を観光する場合は、ルートへ入る前に紹介する観光スポットへ訪れるか、「立山黒部アルペンルート」を往復して「立山駅」を拠点として動こう。

1. 宇奈月温泉

黒部峡谷」をトロッコ電車で探索する拠点として有名な「宇奈月温泉」。
収容人数3,500名と、富山県でも随一の規模を誇る。
黒部川上流にある「黒薙温泉」から引湯が成功した、1923年に開湯。
日本一の透明度といわれる無色透明の湯は、弱アルカリ性の単純温泉。
お肌に優しいだけでなく、油や角質を落とし、体の中からキレイにしてくれる泉質から「美肌の湯」としても名高い。
「宇奈月温泉」の旅館・ホテルの露天風呂や部屋から、「黒部渓谷」の四季折々の絶景を眺められるのも嬉しい。
富山の海と山の幸を味わえる料理や、情緒あふれる温泉街も魅力的だ。

宇奈月温泉駅前にある「宇奈月温泉」のシンボルである温泉噴水
宇奈月温泉駅前にある「宇奈月温泉」のシンボルである温泉噴水

2. 黒部峡谷

黒部川の浸食によってV字形に深く刻み込まれた大峡谷。
北アルプス中央部の鷲羽岳に源を発した水は立山連峰と後立山連峰の間を長さ86㎞にわたり、高低差3000mにも及ぶ急な斜面を流れ下る。
そんな険しい谷へのアクセスはトロッコ電車のみ。
宇奈月駅からガタゴトとトロッコ電車に揺られて約1時間20分、8つの停車駅を経由し、約20km先の欅平駅へとたどり着く。
沿線には特別天然記念物の猿飛峡や黒部川本流の水面から高さ34mに架かる奥鐘橋、自然が造り出した迫力満点の人喰岩などの景勝地のほか、温泉が湧き出る露天風呂や足湯が点在。

トロッコ電車に揺られて絶景が広がる秘境へ繰り出す
トロッコ電車に揺られて絶景が広がる秘境へ繰り出す

3. 黒部宇奈月キャニオンルート

「黒部宇奈月キャニオンルート」は、黒部峡谷鉄道の終点である欅平と黒部ダムをトロッコ列車などで結ぶ、新たな観光ルート。
つまり、黒部峡谷と立山黒部アルペンルートという2大観光スポットを結ぶルートだ。
黒部川の発電所の建設などに伴い、工事用に整備されたルートで、これまで一般人は原則として立入禁止だった。
工事用の乗り物で移動する非日常が味わえたり、昭和時代(1926年〜1989年)の電源開発の歴史を感じられたり、上級登山者しか目にすることができなかった大自然の景観を望められたりするのが魅力。
ただ、自由に観光できるわけではなく、旅行会社が主催するツアーなどに参加しなければいけない。
2024年9月時点ではツアーは実施されておらず、2025年からツアーが実施される予定だ。

工事用の乗り物に乗る非日常感を楽しもう
工事用の乗り物に乗る非日常感を楽しもう

4. 白川郷 (合掌造り集落)

日本の原風景が今なお残る美しい地域「白川郷」。
合掌造りの建物が最も多く残る地域で、大小あわせて現在100棟余りある(2016年)。
合掌集落の規模としては全国で最大で、国の伝統的建造物群保存地区に選定されている。
1995年には「人類の歴史上重要な時代を例証するある形式の建造物、建築物群技術の集積、または、景観の顕著な例」として世界文化遺産に登録された。
伝統文化の草木染めや、わらぞうり作り、そば打ち等の体験ができる「合掌造り民家園」や、歴史資料館等があり、自然と共に生きる昔ならではの生活の知恵が垣間見ることができる。

日本の原風景を見ることができる、世界遺産に認定されているスポット
日本の原風景を見ることができる、世界遺産に認定されているスポット

立山黒部アルペンルート観光でよくある質問

Q

観光にはどれぐらい時間がかかるの?

A

ランチや散策などを含めると少なくても8時間程度は必要。
立山黒部アルペンルート内では、交通機関を乗り継いで移動するため、待ち時間や最終運行の時間を確認しながら予定を立てよう。

Q

立山黒部アルペンルート内にレストランはあるの?

A

立山駅~扇沢駅間には、5つのレストラン(室堂駅 ・弥陀ヶ原ホテル・黒部平駅・黒部ダム駅・扇沢駅)がある。

Q

黒部立山の観光にはいくらかかるの?

A

扇沢駅~立山駅までの往復料金は、大人15,790円・小人7,900円。
詳しくは公式サイトを見てほしい。

Q

立山黒部アルペンルートへのアクセスは?

A

東京からは「扇沢駅」の方が近く、新幹線とバスを乗り継いで3時間〜4時間程度。
大阪・名古屋からは「立山駅」の方が近く、特急と新幹線など電車を乗り継いで4時間半〜5時間程度かかる。

Q

観光ツアーはあるの?

A

雷鳥ウォッチングや雪の大谷・高山の植物観察など、人気の観光スポットを巡るツアーや宿泊もできるツアーまで、様々なツアーがある。

Q

2024年の開山時期はいつから?

A

4月15日から11月30日までの予定。

まとめ

美しくもダイナミックな四季折々の自然景観が楽しめる「立山黒部アルペンルート」。
見どころが多い「立山黒部アルペンルート」を満喫するために必要な情報と、見どころ・お勧めの宿泊施設を紹介してきた。
季節によって全く異なる表情を見せるため、この記事を参考に観光する時期を調整してほしい。
「立山黒部アルペンルート」を観光したら、「宇奈月温泉」で宿泊。
「黒部峡谷」をトロッコ電車で巡り、世界文化遺産に登録された「白川郷 (合掌造り集落)」へ向かう観光プランがお勧めだ。
「立山黒部アルペンルート」も周辺の観光スポットも見どころが多いため、滞在日数に余裕を持った観光プランを立てることをお勧めする。