歴史も自然もアートも楽しめる!太宰府天満宮の観光ガイド
九州の中でも屈指の観光スポットとして名高い「太宰府天満宮」。
特に受験シーズンや初詣には、数多くの参拝客で賑わいを見せている。
この記事では「太宰府天満宮」を観光するなら知っておきたい、基本情報や見どころに加え、お勧めの観光シーズンやグルメもご紹介。
「太宰府天満宮」に観光予定の方や興味がある方は、ぜひ参考にしてほしい。
目次
太宰府天満宮ってどんなところ?
福岡県太宰府市にあり、福岡でも有数の観光地である「博多」や「天神」からもほど近い「太宰府天満宮」。
「太宰府天満宮」は全国12,000社の天満宮の総本宮であり、菅原道真(すがわらのみちざね)が祭神として祀られている。
菅原道真は学問の神様として慕われており、受験合格や学問成就のご利益があることから特に受験生からの人気が高い。
学業成就のお守りをはじめ、ご利益ごとにお守りがあるので、合うものを参拝の際にいただいてみよう。
国の重要文化財に指定されている「御本殿」をはじめ、歴史的な建造物を見られるのも「太宰府天満宮」の大きな魅力だ。
四季折々の自然景観が楽しめる「太宰府天満宮」は、梅の名所としても人気を博している。
境内には11体の「御神牛像」が奉納されており、頭を撫でると知恵を授かると言われているので、探してみよう。
「太宰府天満宮」の参道も魅力的。食べ歩きとお土産選びができるので、ぜひ参道も楽しんでほしい。
太宰府天満宮の成り立ち
「太宰府天満宮」の祭神である菅原道真は、59歳でこの世を去った人物だ。
平安時代(794〜1185年)の貴族であり、政治家である菅原道真。
政治だけでなく学問にも秀でており、異例の出世を遂げて、さまざまな功績を残した。
彼の遺言に従って亡骸は「太宰府」の地に葬られ、その地には祀庿(しびょう)が造営された。
祀庿とは菅原道真を祀るための建物のことで、言わばお墓のことだ。
菅原道真が亡くなったのが903年、祀庿が建てられたのが905年の出来事。
その後919年に醍醐天皇(だいごてんのう)の勅命によって社殿が造営され、これが「太宰府天満宮」の始まりとなった。
太宰府天満宮へのアクセス
ここでは「福岡」観光の移動拠点となる「博多駅」を起点とする、「太宰府天満宮」へのアクセス方法を紹介していく。
- 経路
-
1.博多バスターミナルから直行バスに乗車し、西鉄太宰府線「太宰府駅」で下車
2.その後、歩いて5分ほど - 所要時間
- 約45分
太宰府天満宮の参拝時間と入場料
「太宰府天満宮」の参拝時間と入場料は、下記の表にまとめたので、参考にしてほしい。
参拝時間は時期によって開門と閉門の時間が、下記の表から30分〜1時間前後する。
神社への入場料はかからないが、宝物殿と菅公歴史館は有料だ。
- 参拝時間
- 6:30〜19:00
- 入場料
- 無料
太宰府天満宮のお勧め観光シーズンは?
「太宰府天満宮」を観光するなら、梅の見頃を迎える春がお勧めのシーズンだ。
境内には200種、6,000本ほどの梅が植えられており、鮮やかな色彩は華やかさと風情を感じさせる魅力がある。
菅原道真も梅を好んでいたと言われ、「飛梅伝説」という物語もある。
これは時の右大臣だった菅原道真が太宰府へ左遷される際、自邸の梅に歌で語りかけたことから始まる。
すると、菅原道真を慕うように一夜のうちに京都から「太宰府」まで梅が飛んできたと伝えられている。
そんな逸話が残る「太宰府天満宮」の梅の見頃は、1月下旬から3月上旬となっている。
太宰府天満宮の絶対に外せない見どころ6選
「太宰府天満宮」には優れた景観を見られるスポットや、歴史的な建築物が豊富にある。
美しい風景や建築物を見ながら、過去やその時代に生きた人々の暮らしに想いを馳せられる点が「太宰府天満宮」の魅力であり、見どころでもある。
ここからは「太宰府天満宮」の見どころの中でも、観光するなら外せない見どころを厳選して紹介しよう。
1. 参拝客の身を清める「太鼓橋」と「心字池」
池のほとりの曲線と浮島が草書の「心」の形になっていることから、名が付けられた「心字池」。
「心字池」には2つの「太鼓橋」と「平橋」、計3つの橋が架けられている。
「太鼓橋」とは太鼓の形のように弧を描いた形状を持つ橋の名前で、日本や中国の特徴的な橋でもある。
3つの橋は過去・現在・未来を表しており、仏教思想における三世一念を表現している。
この橋を渡ることで三世の邪念を払うとされ、参拝客の身を清める意味もある。
生い茂る木々の緑に朱色が映える美しい景観も必見だ。
2. 新たな発見と体験ができる「太宰府天満宮アートプログラム」
「太宰府天満宮」では「アートプログラム」と題し、ジャンルや国籍を越えた国内外のアーティストが「太宰府」に滞在して制作した作品を発表する取り組みを行っている。
その背景には「太宰府天満宮」がその時代における最先端のアートを受け入れつつ、対外的に発信してきた姿勢や想いをこの先の未来へ引き継いでいく、という目的がある。
アートのジャンルも様々で、まさに自由な発想を具現化したような作品が並んでいる。
自分にはない視点で「太宰府天満宮」の魅力が表現されたアートを鑑賞すれば、新たな発見があるだろう。
作品は境内の様々な場所に展示されているため、境内を散策する際に作品も合わせて探してみよう。
3. 荘厳な雰囲気に圧倒される「楼門」
菅原道真の曽孫にあたる菅原輔正(すがわらのすけまさ)によって造営された、2階建ての「楼門」。
「太宰府天満宮」の「楼門」は「太鼓橋」側からは屋根が2層に見えるのに対し、「御本殿」からは1層に見える珍しい形状をしている。
「楼門」は鳥居などと同じく、清らかな領域との境目を作る結界のような役目を持つ。
迫力のある荘厳な雰囲気は見る者を圧倒する魅力がある。
4. 歴史好きなら訪れるべき「如水の井戸」
「如水(じょすい)」とは出家した際に、黒田官兵衛(くろだかんべえ)が名乗った名前だ。
軍事的才能に恵まれた黒田官兵衛は、豊臣秀吉(とよとみひでよし)の側近でもあった。
この一帯を仮住まいとしていた黒田官兵衛は、井戸の水を茶の湯などに使ったとされる。
菅原道真を崇敬していた彼は「太宰府天満宮」の復興にも尽力し、関係の深さから観光スポットのひとつになっている。
5. 珍しい建築様式と荘厳な佇まいが魅力の「御本殿」
正面に6本の柱を用いた五間社流造(ごけんしゃながれづくり)の様式が用いられ、神社の本殿は三間社流造が多い点から珍しい建築物と言える。
そんな「太宰府天満宮」の「御本殿」は国の重要文化財に指定されており、荘厳な佇まいと風光明媚な色合いが魅力的な建物だ。
「御本殿」は菅原道真の墓所に醍醐天皇の勅命によって造営されたことに始まり、何度かの焼失を経験しながらも、1591年に現在の「御本殿」が造営された。
祭神である菅原道真を祀るための役割を持つのが「御本殿」。
祈りを捧げるだけでなく、菅原道真が生きた時代に想いを馳せられる場所でもある。
6. 頭を撫でるとご利益を授かれる「御神牛像」
「太宰府天満宮」の境内には11体の「御神牛像」があり、頭を撫でると知恵を授かれるとされている。
菅原道真と牛には深い関係がある点も知っておきたい。
「御神牛像」は全てが伏した姿をしており、いわゆる臥牛だ。
菅原道真の亡骸を牛が牽いていたところ、ある場所で伏して動かなくなったという。
その場所に門弟が墓所を造営し、後に「御本殿」が造営された。
境内の「御神牛像」が伏した姿をしているのはこれが由来だ。
境内の各所にある「御神牛像」を探しながら散策しよう。
食べ歩きも楽しめる!太宰府天満宮の参道で人気の飲食店5選
「太宰府天満宮」に向かう参道には、様々な飲食店やお土産屋が並んでおり、梅々枝餅(うめがえもち)や太宰府バーガーなどの名物グルメが堪能できる。
名物の梅を使ったグルメをはじめ、写真映えのするスイーツなども充実。
参道にある数多くの飲食店の中でも、特に人気の高い飲食店を厳選して紹介しよう
1. スターバックスコーヒー太宰府天満宮表参道店
2011年、「太宰府天満宮」の表参道に面した鳥居のすぐそばにオープンした「スターバックス コーヒー 太宰府天満宮表参道店」。
魅力ある地域の文化を世界に発信するべく、スターバックスが各地域の象徴となる場所に展開するオリジナルデザインの店舗「リージョナル ランドマーク ストア」のひとつだ。
店の内外に木組みの構造を取り入れた特徴的な店舗は「新国立競技場」などを手掛けた建築家・隈研吾氏の手によるもの。
2. 太宰府参道 天山 太宰府本店
北海道十勝産の小豆を使用、丁寧に炊き上げた粒あんを、佐賀県産の厳選したもち米で焼き上げた最中種に詰めた、「鬼瓦最中」が名物。
甘さ控えめの鬼瓦最中は、太宰府のシンボルの一つでもある鬼瓦をモチーフにしており、見た目もユニークで太宰府観光のお土産としても人気が高い。
「太宰府天満宮」から徒歩2分ほどの参道にあるので、参拝の際にはぜひ立ち寄りたい。
3. 一蘭 太宰府参道店
周りを気にせずにラーメンを味わうことができる、「味集中カウンター」で知られるとんこつラーメンの名店「一蘭」の太宰府参道店。
天然とんこつラーメン専門店として、国内にとどまらず海外にも店舗展開する一蘭のなかでも、太宰府参道店では受験生の合格を祈願した「合格ラーメン」を食べることができると話題になっている。
4. ふくや太宰府店
現在では福岡を代表する名物となった「辛子明太子」の発祥の店「ふくや」の太宰府店。昭和23年(1948)に創業者である川原俊夫氏が辛子明太子を発案、翌年から中洲の商店で販売したのが「辛子明太子」のはじまりだ。
太宰府天満宮の参道に店を構える「ふくや太宰府店」では、ふくやの明太子の販売はもちろん、店内にあるイートインスペースで明太子のお茶漬けを食べることができる。
5. 筑紫庵本店
太宰府天満宮の参道から少し入った場所にある、ご当地バーガーの人気店。もとは唐揚げ専門店としてオープン、現在は唐揚げのほかに4種類のバーガーを販売している。
名物は、自家製の地鶏唐揚げを挟んだご当地バーガーの「太宰府バーガー」。
ジューシーな唐揚げとタルタルソースがかかっており、さらに野菜を挟んだ食べごたえたっぷりの逸品だ。
太宰府天満宮の周辺観光スポット3選
「太宰府天満宮」の周辺には、日本文化や歴史を学べる施設のほか、魅力的な神社も充実している。
「太宰府天満宮」とは違った景観や風情を感じられ、新たな視点から日本文化に触れる楽しみがある。
ここからは「太宰府天満宮」を満喫したら、ぜひ合わせて訪れてほしい周辺の観光スポットを紹介しよう。
1. 九州国立博物館
博物館のある太宰府は、日本古代史における重要な拠点であり、九州地方を統括する地として世界との交流も盛んだった場所。
その背景から「日本文化の形成を、アジア史的観点から捉える」という独自のコンセプトを掲げ、平成17(2005)年に開館した全国4番目の国立博物館。
メインとなるのは、4階に設けられた一大展示空間「文化交流展示室」で、日本とアジアやヨーロッパ諸国との文化交流の歴史を紹介。
2. 宝満宮竈門神社
「竈門神社」は1350年以上の歴史がある神社。
玉依姫命をお祀りしており、縁結びの神様として古くから信仰されている。
また、「方除け」「厄除」の神様としても信仰されてきた。
宝満山の麓にあり、春は桜、秋は紅葉の名所として、四季折々の美しい景色も楽しめる。
標高829メートルの宝満山頂には「竈門神社」の上宮がある。
上宮へは片道約2時間、多くの登山者が訪れる人気の山である。
3. 東長寺
福岡市博多区にある「東長寺」は名僧・空海(弘法大師)が唐での修行を終えて帰国し、初めに開いたとされる真言宗の寺院。
正式名称は「東長密寺」で、空海が「密教が東に長く伝わるように」という意味を込め命名した。
注目は「福岡大仏」と呼ばれる木造の大仏。人間の煩悩の数・108にちなんだ10.8mの高さは木造座像としては国内最大級。
背後には、なんと5000もの小仏が祀られている。また、台座に設置された「地獄・極楽めぐり」もぜひ体験したい。
太宰府天満宮に関するよくある質問
Q
太宰府天満宮に祀られている神様は?
学問の神様として慕われている菅原道真です。
Q
太宰府天満宮のご利益は?
代表的なものは学業成就や合格祈願です。
Q
太宰府天満宮の参道で食べられる名物グルメは?
梅々枝餅や太宰府バーガー、和のスイーツが人気です。
まとめ
この記事では、学問の神様として知られる菅原道真を祀る「太宰府天満宮」の見どころや歴史、逸話などを紹介してきた。
日本の歴史や文化に想いを馳せながら、美しい景観を堪能できる「太宰府天満宮」をぜひ観光してみてほしい。
「福岡」で訪れるべき観光スポットに迷ったら、以下の記事を参考にしてもらいたい。