秘湯が点在する温泉郷・那須温泉の観光ガイド
栃木県の「那須高原」に位置する、歴史ある温泉郷「那須温泉」。
長い歴史を感じられる風情漂う温泉や秘境にある温泉に入浴する、珍しい体験ができる。
この記事では、「那須温泉」へ観光する際のお勧めシーズンや、各温泉の魅力などを紹介していく。
どこへ訪れるべきか迷ってしまうほど魅力に溢れた温泉郷だが、この記事を読めば観光プランを立てやすくなるはずだ。
目次
那須温泉ってどんなところ?
「那須温泉」は栃木県の那須町に散在する温泉の総称。いわゆる温泉郷だ。
温泉によって泉質と効能は異なるが、「那須湯元」の泉質は硫黄泉。
独特な温泉らしい匂いで高血圧や動脈硬化、筋肉痛などに効果があるとされている。
「那須温泉」には「那須湯元」以外にも、様々な泉質やそれに伴う効能を持つ温泉が豊富にある。
自身で不調を感じる部分に効く効能を持つ温泉を選んだり、比較するようにいくつかの温泉に入ってみたりできるのが大きな魅力だ。
「那須温泉」の歴史は古く「鹿の湯」の開湯から始まる。
「鹿の湯」の開湯後、現在の那須町で次々と温泉が発見されていった。
江戸時代(1603〜1868年)には那須七湯として有名になり、明治時代(1868〜1912年)以降には那須十二湯や那須十一湯と呼ばれていた。
第二次世界大戦後の高度経済成長期には、東北自動車道や東北新幹線が開通。
交通が整備されたことにより、「那須温泉」は別荘地として知られ、人気を博した。
ところが、現在は温泉宿や施設などの設備がなく、温泉跡地になっている場所もある。
ただ、「那須温泉」の始まりともなった「鹿の湯」は、今でも高い人気を誇る。
高めの温度と硫黄泉から漂う温泉特有の硫黄臭が特徴で、これぞ温泉と呼べるような体験ができるのが魅力だ。
現在は観光地として積極的に開発されているわけではないが、だからこそ長い歴史を感じられる温泉や秘境のような温泉が残っている。
那須温泉へのアクセス
「東京駅」を起点とする、「那須温泉」へのアクセスを紹介しよう。
「東京駅」は関東地方へ訪れる際の玄関口であり、「那須温泉」も実は東京からアクセスしやすい。
今回は「那須温泉」の中でも特に有名な「鹿の湯」を終着地点とする。
割高なものの、新幹線を利用した方が短時間かつ少ない乗り換えでアクセスできる。
- 経路
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1.「東京駅」で東北新幹線に乗車し、「那須塩原駅」で下車。
2.「那須塩原駅」で路線バスに乗車し、「那須湯本温泉」で下車。
3.「那須湯本温泉」から歩いて2分ほど - 所要時間
- 約2時間10分
那須温泉のお勧め観光シーズンは?
「那須温泉」を訪れるなら、お勧めしたい観光シーズンは秋だ。
「那須温泉」の近くには紅葉の名所が多く、温泉だけでなく紅葉も楽しめる。
日本百名山にも認定されている「茶臼岳」は、栃木県でも有数の紅葉の名所として知られる。
登山をしながら紅葉を楽しめるが、不安な人はロープウェイの利用もお勧め。
眼下に広がる壮大な紅葉の景色を一望できる。
秘境で温泉と自然景観を満喫できる「那須温泉」
ここからは「那須温泉」と呼ばれる、「那須高原」の各地に点在している温泉を紹介していく。
場所によっては旅館やホテルが1つしか営業していないが、その場合は営業している旅館を紹介する。
なかには登山ルートを歩かないとアクセスできない温泉もあり、秘境で温泉に入る珍しい体験もできる。
「那須高原」に観光する際は、ぜひ「那須温泉」への入浴もプランに入れてほしい。
1. 1300年の歴史持つ「鹿の湯」
7世紀前半に開湯されたといわれる那須温泉元湯・鹿の湯。
泉質は単純酸性硫黄温泉で、神経痛や筋肉痛、関節痛をはじめ、さまざまな効能があるとされている。
浴槽は温度によって6種に分かれており、好みの温度を選べる。ゆっくりと浸かるよりも、短熱浴を繰り返す方が効果的といわれている。
1941年に改築されているものの、昔からの姿を残しており、時が止まったかのようなひなびた木造建築も味わい深い。
2. 渓谷に佇む秘湯「大丸温泉旅館」
古くから療養地としても人気の高い那須温泉郷の最奥部、標高1,300メートルの山間の渓谷に佇む秘湯の温泉旅館。
明治時代には、将軍・乃木希典が毎年湯治に訪れていたことでも知られ、館内には乃木将軍にまつわる展示も。
自慢は、那須温泉郷のなかでも一番の湯量を誇る温泉。
宿の裏山にある自家源泉から流れる温泉の川をせき止めてつくった天然の大露天風呂「川の湯」をはじめ、大小4つの露天風呂を加温・加水なし(一部時期により加温あり)の源泉かけ流しで楽しめる。
3. レトロな雰囲気漂う秘湯「北温泉旅館」
「余笹川」(よささがわ)の近くに位置する「北温泉旅館」は、最寄り駅である「北湯入口」のバス停から30分ほど歩くので注意しておこう。
とはいえ、絶景を眺めながら歩けるので苦にならないはずだ。
泉質は単純温泉で神経痛や筋肉痛、関節痛などに効くとされる。
「天狗温泉」とも呼ばれ、温泉の随所に天狗のお面が飾られている。
レトロな雰囲気が特徴で、湯量の多さが魅力。
お風呂を題材にした映画のロケ地にも使用されたことでも知られている。
4. 八幡崎の絶景も楽しめる「八幡温泉 絶景 一望閣」
バス停「八幡温泉」からすぐ近く、標高1,000mほどの自然に囲まれた一軒宿が「八幡温泉 絶景 一望閣」だ。「北温泉」からも近い場所にある。
泉質は中性の単純温泉で、肌に優しいのが魅力だ。
美肌効果を期待できるメタケイ酸を多く含み、肌の新陳代謝を促進させる効果がある。加えて、疲労回復や冷え性にも効果があるとされている。
清潔感のある浴室も魅力のひとつで、気持ちの良い温泉体験ができるだろう。
標高が高くて自然も多いので、澄んだ空気を味わえるのも見どころのひとつと言える。
5. 旅館や日帰り入浴施設が集まる「新那須温泉」
「那須温泉」の南方面にいくつかの温泉旅館が点在しており、これらを「新那須温泉」と呼ぶ。
1923年に「大丸温泉」の源泉から引湯し、旅館が開業したことで発展した。
引湯と言っても源泉の温度は高く、神経痛や疲労回復などに効果があるとされる。
なお、泉質としては単純温泉となる。
「新那須温泉」にはレトロな雰囲気から洗練されたデザインまで、幅広く趣向が凝らされた旅館が豊富にある。
間近に大自然を望みながら温泉に入れるのが何よりの魅力で、日帰り入浴できる施設も多い。
6. 登山ルートでのみアクセスできる秘湯「三斗小屋温泉」
「那須ロープウェイ山頂駅」を降りて、2時間ほどの登山ルートを歩いた先の奥地にある「三斗小屋温泉」。
「三斗小屋温泉」には、いくつかの温泉旅館が点在している。
泉質はアルカリ性の単純泉で、無味無臭かつ透明なのが特徴。消化器系の疾患や慢性の湿疹に効くと言われる。
大きな魅力は満天の星空を眺められること。旅館は自家発電のため、消灯後はランプの明かりのみとなる。
大自然に囲まれた中で見る星空は貴重な体験になるだろう。
足を運ぶには苦労するが、それに見合うだけの体験ができるはずだ。
気軽に温泉を楽しめる!那須温泉の人気リゾートホテル3選
ここまでは秘湯とも言える温泉地や温泉旅館を紹介してきた。
ただ、「もっと手軽に温泉を楽しみたい」「もっとリゾート感ある場所でゆっくりしたい」という方も少なくないだろう。
そんな方にはこれから紹介するリゾートホテルがお勧め。もちろん、どのホテルでも温泉に浸かれるので安心してほしい。
1. ホテルサンバレー那須
中央のプールを客室棟で囲んだリゾート感満点の「オリエンタルガーデン」や豊かな自然を感じられる戸建て風コテージ「ふくろうの森」など、広大な敷地にタイプの異なる9つの宿泊施設を有する那須高原の複合リゾート。
宿泊客専用の温泉は3か所。「湯処ひのき」は浴槽だけでなく建物全体が総ヒノキ造りの豪華な露天風呂。
ヒノキの香りと体の芯から温まる硫黄泉でリラックスできること間違いなしだ。
2. ホテル・フロラシオン那須
緑豊かな高原に佇むリゾートホテル。北イタリア調の外観、豪華なシャンデリアが飾られるロビー、中庭にある噴水など、すべてが上質な空間を演出している。
客室は、ヨーロッパクラシックのインテリアで囲まれ、自然光が注ぎ込まれるコンフォートルームのほか、ツインルーム、フォースルーム、和室、セミダブルルームなどがスタンバイ。
3. ホテルエピナール那須
栃木県北部に広がる那須高原のほぼ中央に位置するホテル。
北に那須連峰、南に関東平野を望む雄大な自然環境の中、地元の食材を使った食事を味わったり、アクティビティを楽しんだり、温泉やエステで癒やされたりと、思い思いの休暇を過ごせる。
那須温泉を拠点に巡りたい那須高原の人気観光スポット3選
「那須温泉」が位置する「那須高原」には、魅力的なスポットが多い。
「那須温泉」を拠点にして、「那須高原」を観光してみよう。
どこから観光するか迷ったら、まずはこれから紹介する観光スポットから巡ってほしい。
1. 那須どうぶつ王国
東京ドームの約10倍という広大な敷地に、約600頭種の動物たちが暮らす「那須どうぶつ王国」。
全国的に見ても珍しい動物も飼育されており、子どもだけでなく楽しめる。
敷地内は「王国タウン」と「王国ファーム」に分かれており、無料のワンニャンバスが両エリアをつないでいる。
レストランや売店も充実しており、1日中楽しめる那須の人気スポットだ。
2. 那須ハイランドパーク
北関東で最大規模を誇る遊園地で、園内は、「コースタープラザ」、「ロックンロールプラザ」、「ギャラクシー&スタープラザ」、「トロピカーナパーク」、「カルーセルパーク&ヴィクトリアンガーデン」、「森と水のファンタジーランド」、「キングスコート」の7つのエリアに分かれている。
園内にはユニークな7つのレストランが点在しているので遊び疲れたらひと休みしよう。
3. 那須温泉神社
630年頃、猟師の狩野三郎行広が白鹿を追い求め、深い山に分け入ったところ、谷に湧く温泉を発見。この地に神社を建立したのが始まり。
境内には、国歌の歌詞にもある「大和さざれ石」や、樹齢800年と推定される巨大な御神木、那須与一が寄進したことから強力なパワースポットとして知られる「三之鳥居」など見どころがたくさん。
地元の食材を活かしたグルメを堪能!那須温泉の人気飲食店3選
那須の温泉と観光を満喫したら、那須ならではのグルメも楽しみたいもの。
地元の食材を活かした人気の飲食店を紹介するので、ぜひ観光の合間に訪れてほしい。
1. ステーキハウス 寿楽・本店
創業70年を超える老舗精肉店直営の強みを生かし「とちぎ和牛」や「那須和牛」など地元産の上質な和牛をリーズナブルな価格で楽しめるステーキハウス。
那須街道沿いにあり、観光客・地元客のどちらからも愛される人気店だ。
とろけるような食感と香り高い霜降り肉が特徴の「とちぎ和牛」。
なかでもA5ランクのサーロインやヒレを味わえるステーキメニューはまさに絶品。
2. ラ・ヴィータ・エ・ベッラ 那須高原
日本有数の観光地、那須。緑豊かな場所に佇む、那須高原ミッシェルガーデンコート内にある、本格イタリア料理が楽しめるのが「ラ・ヴィータ・エ・ベッラ 那須高原」だ。
那須高原ミッシェルガーデンコートは、英国貴族の邸宅「マナーハウス」を建築技法から細部まで再現しており、那須の自然が放つ癒しを感じながら非日常空間で食事ができるのがポイント。
3. パン香房 ベル・フルール
赤レンガパンフェス金賞やカンブリア宮殿など、数々のメディアで紹介された高原のベーカリー。
アニメの世界に出てきそうなかわいい店舗外観で、地元の人からも人気が高い。
レストランでも提供されるパンだけに、素材にもこだわり那須高原の小麦粉・地鶏の卵、オリジナルチーズクリームなど、厳選材料を可能な限り使用、おいしさを追求している。
栃木で温泉巡りするならココ!人気の温泉地2選
栃木県には、「那須温泉」以外にも有名な温泉郷がある。
ここからは栃木県で湯巡りするなら、訪れておくべき温泉地を紹介する。
湯巡りや栃木観光のプラン作りに役立ててほしい。
1. 塩原温泉
那須塩原市にある、「箒川」(ほうきがわ)沿いの渓谷を中心に点在する温泉の総称が「塩原温泉」。
約150もの源泉から湯が湧き出ているため、多様な泉質や効能から、自身の体調や体質に合った温泉をセレクトできるのが大きな魅力。
1つのエリアに、多様な泉質の温泉が湧き出ているのは全国的にも珍しい。
「塩原温泉」の面積80%以上が森林地帯となっており、温泉街と自然が調和した風景も見どころだ。
2. 鬼怒川温泉
日光市の鬼怒川上流域にある鬼怒川温泉は関東有数の人気を誇る温泉地。
温泉の泉質は無味無臭で、癖のないアルカリ性単純温泉。肌に優しい柔らかなお湯はやけどや皮膚病に効果があるほか、胃腸の病気や疲労回復などにも効き目があると言われ、万人に人気がある。
鬼怒川渓谷沿いの雄大な自然も人気の理由の一つで、新緑や紅葉、雪景色など1年を通して四季折々の絶景を堪能できる。
那須温泉に関するよくある質問
Q
那須温泉の魅力は?
様々な泉質の温泉を有するため、自身に合った成分や効能から温泉を選べることが魅力です。
Q
那須温泉では日帰りで入浴できる?
各所に日帰り入浴できる施設があります。
まとめ
この記事では「那須温泉」の魅力と、「那須温泉」を構成する各温泉の魅力や見どころを紹介してきた。
長い歴史を感じられる風情ある温泉や、秘境の中で入浴できる温泉など、ユニークな体験ができる温泉郷「那須温泉」へ、ぜひ足を運んでほしい。
以下の記事では栃木県の観光スポットを厳選して紹介しているので、この記事と併せて栃木観光のプランを立てる際の参考にしてほしい。