【高知の旅行ガイド】絶景と坂本龍馬の故郷を巡る旅へ出かけよう
日本の南西部にある島・四国の南端に位置する「高知」は、美しい自然景観と偉人・「坂本龍馬(さかもと りょうま)」の出身地で知られている。
高知を旅行してみたい方や興味がある方に向けて、この記事では魅力や見どころ、アクセス、交通手段、モデルコースなど、旅行プランを立てる上で必要な情報を網羅的にご紹介。
この記事を参考に旅行すれば、高知の魅力を味わい尽くせるだろう。
目次
自然に恵まれた景勝地の宝庫「高知」
四国の最南端に位置し、3方を太平洋に囲まれている「高知県」。
その面積の84%が森林で覆われており、森林率は全国で1位だ。
日本最後の清流と呼ばれる「四万十川」をはじめ、「仁淀川」や「安田川」など清流も多い。
そのため、秘境の雰囲気漂う神秘的な絶景スポットや、太平洋を一望できる景勝地など、美しい自然景観を見られるスポットが多い。
約260年間も続いた江戸時代(1603年〜1868年)を終わらせ、次の時代へと進むきっかけを作った偉人・坂本龍馬の故郷としても有名。
坂本龍馬と縁のあるスポットは、人気の観光名所となっている。
高知の平均気温と着衣例
暖流・黒潮の影響で年間を通して温暖な「高知」。日照時間は日本全国でも上位に入るほど長い。
ただ、山間部は雨が多く、冬には雪が降ることも。
高知の月別平均気温
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
平均気温(度) | 6.7 | 7.8 | 11.2 | 15.8 | 20.0 | 23.1 | 27.0 | 27.9 | 25.0 | 19.9 | 14.2 | 8.8 |
高知の季節ごとの着衣例
- 春(3月 - 5月): 軽めのジャケットおよび薄手のセーター
- 夏(6月 - 8月): 薄手の着衣、半袖
- 秋(9月 - 11月): 軽めのジャケット、コート
- 冬(12月 - 2月): コート、ウールスーツ、厚手のセーターやジャケット
高知へのアクセス
高知には空港があるため、東京からは約1時間20分、大阪からは約45分でアクセスできる。
新幹線と在来線を乗り継いでもアクセスできるが、時間がかかるのでお勧めできない。
高知龍馬空港から主要駅へのアクセス
高知旅行の出発点となることが多いのは、「高知龍馬空港」だろう。
ここでは「高知龍馬空港」から、旅行の移動拠点となる「高知駅」までのアクセスを紹介する。
- 経路
- 空港連絡バス「高知駅バスターミナル行」に乗車し、約30分で「高知駅」に到着。
- 所要時間
- 約30分
高知の主要交通手段
一口に高知といっても、高知市内の中心街とその他の地域では交通機関の事情が異なる。
高知市内なら主要観光スポットは駅やバス停から徒歩圏内なので、公共の交通機関だけでスムーズに移動できる。
高知市以外の地域では公共交通機関ではアクセスしづらいスポットが多く、可能ならレンタカーを利用してほしい。
レンタカーの利用が難しい場合は、公共交通機関とタクシーをうまく利用して移動しよう。
高知旅行の交通費を抑えられるお得な乗車券
高知旅行の際、少しでも交通費を抑えたい方に知ってほしい乗車券がある。
特に高知市内をメインに観光する方は、ぜひこれから紹介する乗車券の利用を検討してほしい。
バス・路面電車一日乗車券
高知市内を巡るなら、「とさでん交通株式会社」の「バス・路面電車一日乗車券」がお勧め。
名前の通り、バスと路面電車がほぼ全線一日乗り放題となるうえ、沿線の観光スポットで利用できる特典もついている。
大人2,000円・小児1,000円で、高知市内の観光スポットはほぼすべて回れる。
高知市内を観光するなら、ぜひ活用してほしい乗車券だ。
高知の旅行プランを立てる上で知っておくべき3つのエリア
高知は中部エリア・東部エリア・西部エリアの3つのエリアに分けられる。
中部エリアは交通網が充実しているが、東部エリア・西部エリアはタクシーかレンタカーを利用しないとアクセスしづらいスポットが多い。
これから紹介するエリアごとの魅力と人気観光スポットと併せて、高知の旅行プランを立てる際の参考にしてほしい。
高知旅行の出発点となる「中部エリア」
高知県の中央部、県政の中心・高知の商業や観光の中心となる中部エリア。
高知の玄関口・移動拠点となる高知空港と高知駅も中部エリアにある。
高知の中でも交通網が充実しており、観光しやすい地域だ。
松林と砂浜、海が美しい景勝地「桂浜」。江戸時代から天守が現存する、「現存12天守」のひとつである「高知城」など、高知を代表する観光名所が点在する。
国の史跡・天然記念物にも指定されている巨大な鍾乳洞であり、幻想的な景観が楽しめる「龍河洞」も中部エリアの人気観光スポットだ。
地球のダイナミズムを感じられる「東部エリア」
室戸市・安芸市・東洋町・馬路村の4つの市と町から成る「東部エリア」には、「室戸ユネスコ世界ジオパーク」があり、自然の美しさだけでなく、地球の動きを肌で感じられる。
地盤の隆起によって形成された地形、隆起する地形に適応して生活する人々の知恵などに触れる貴重な体験をしてみよう。
なかでも高知県最東端の室戸岬は人気の観光スポットとなっており、地盤の隆起と波による侵食で生まれた、多様で迫力ある景観を楽しめる。
山の中腹から室戸岬とその先に広がる太平洋を見渡せる、「金剛定寺」にも日々多くの人々が訪れている。
世界で唯一「モネの庭」の呼称を許されている、北川村「モネの庭」マルモッタも東部エリアの見どころのひとつ。
モネがこよなく愛したフランス・ジヴェルニーの庭をモデルに創られた庭園も、ゆっくり散策してみよう。
絶景スポットが集まる「西部エリア」
須崎市・四万十市・檮原町など6つの市と町から成る「西部エリア」。
四国最長の川である四万十川や日本三大カルストのひとつ「四国カルスト」があり、雄大で美しい自然景観を楽しめるエリアだ。
その他にも「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で2つ星を獲得した絶景スポット「足摺岬」や、潮流に浸食されて不思議な形にえぐれた奇岩群が続く「竜串」など、様々な絶景が楽しめる。
高知を満喫するために必要な日数
高知市内だけなら、1泊2日で人気観光スポットを巡れる。
東部エリアや西部エリアの観光スポットを巡る場合は、移動に時間がかかるため、2泊3日は必要だ。レンタカーの利用も日程と併せて検討してほしい。
車がなくても楽しめる!高知の1DAYモデルコース
ここでは高知の人気観光スポットを巡る1Dayモデルコースを紹介する。
高知市内の人気観光スポットを、公共交通機関を使って巡るモデルコースなので、レンタカーを借りなくても楽しめる。
高知を代表する観光名所を巡るため、東部エリアや西部エリアも旅行する場合も1日目はこのモデルコースを参考にしてほしい。
9:30 JR高知駅からスタート
まずは高知観光の拠点「JR高知駅」からスタート。
路面電車に乗り、車窓から街中の景色を楽しみつつ、高知城に向かおう。
10:00 「高知城」で歴史に思いを馳せる
高知城は、高知市の中心にある1611年に建てられた城。
1727年の大火事でほとんど焼失したものの、1753年に再建された。
その後も自然災害や歴史の変遷における危機を乗り越え、優美な姿のまま現在に残る。
江戸時代から天守が現存する、「現存12天守」のひとつであり、天守と本丸御殿(懐徳館)が現存するのは高知城だけ。
城を守るための仕掛けが生々しく残っているのも魅力。
「石落とし」や「忍び返し」など、侍や忍者が活躍していた時代を想像させる仕掛けに注目してみよう。
11:30 「ひろめ市場」で様々なご当地グルメを味わう
高知城からも近く、高知市の中心街にある「ひろめ市場」で昼食をとろう。
「ひろめ市場」は飲食店やお土産屋など、60店舗が軒を連ねる屋台村。
各店舗で購入した料理を、共有のフードコートに持ち寄って食べてみよう。
鰹やうつぼのタタキ、高知県産の鰻、軍鶏鍋など、色んな高知の食材とグルメを味わえるのが魅力だ。
うどんやそばといった麺類、餃子などの軽食、スイーツまで幅広く味わえるのも嬉しい。
屋台村特有の雰囲気も含めて、ランチを楽しもう。
13:30 恋物語の舞台「はりまや橋」周辺を散策
ランチ後の腹ごなしの散策に丁度良いのが、「ひろめ市場」から徒歩10分程度の場所にある「はりまや橋公園」。
はりまや橋公園の見どころは、高知県の有名な民謡「よさこい節」の歌詞にも出てくる「はりまや橋」。
高知市に古くから伝わるお坊さんと女性の恋物語の舞台となった場所で、はりまや橋が題材となった映画も公開されている。
橋の近くにある「からくり時計」も見どころのひとつで、9時から19時まで1時間おきによさこい節の音楽に合わせて仕掛けが動く。
14:50「高知県立坂本龍馬記念館」で偉人の生涯を辿る
はりまや橋から路線バスに乗れば30分程度で行ける「坂本龍馬記念館」。
高知出身の偉人、「坂本龍馬」に関する資料が展示されている。
坂本龍馬の手紙など貴重な資料を多く展示しており、ファンならずとも見入ってしまうほど。
龍馬がつづった手紙は、新しい日本に対する思いや政策を真剣につづったものから、親しい友人や家族あてのユーモアあふれるものなど、内容はさまざまで龍馬の人となりが伝わってくる。
「坂本龍馬」の銅像や「坂本龍馬」が使っていたものと同型のピストルなど、視覚的に楽しめる展示も多い。
16:20 「桂浜」の絶景と坂本龍馬の銅像を鑑賞
「坂本龍馬記念館」から徒歩で約2分の「桂浜」。
弓状に広がる海岸で、松林・砂浜・海が美しい景勝地だ。
和服にブーツ姿で太平洋を見つめる坂本龍馬の銅像も見どころのひとつ。
毎年4月~5月と、龍馬の誕生日であり命日でもある11月15日の前後2カ月間、龍馬像の横に13メートルの展望台を設置。龍馬と同じ目線で太平洋を眺められる。
坂本龍馬が最も愛したといわれている場所で、美しい景色をゆっくり眺めてみよう。
18:20 歴史・日本情緒を感じる「三翠園」で旅の疲れを癒そう
桂浜から路面電車と路線バスを乗り継ぎ、約1時間で温泉旅館「三翠園」へ。
高知市街の中心地に位置し、高知城から徒歩圏内と観光拠点にピッタリな温泉旅館だ。
高知の歴史と日本情緒を感じられる和モダンの空間と日本庭園、良質な天然温泉、高知の旬な食材を味わえる料理を堪能すれば、旅の疲れも癒えるだろう。
高知で味わうべきご当地グルメ3選
高知は食文化の豊かな地。海の幸はもちろん、珍味やB級グルメまで様々な美味しいものが味わえる。
ここでは高知に訪れたら絶対に食べてほしいグルメを厳選して紹介する。
1. かつおのたたき
高知名物といえば「かつおのたたき」。
刺身の一種ではあるが、表面をあぶってあるのが特徴。炙ることで生臭さが消え、香ばしさが生まれる。保存技術が無い時代から用いられていた技術だ。
炙ったあと冷やして切り、薬味とタレをかけて食べるのが一般的。
「かつおのたたき」は日本全国で食べられるが、高知のものはより香ばしく、かつ、カツオの旨味が凝縮されていて感動する味わい。
というのも、藁を使用し高火力で一気に焼き上げる「藁焼き」という方法が用いられているからだ。
その旨味をよりダイレクトに味わうべく、高知ではタレではなく塩で食べる、通称「塩タタキ」が人気。
2. うつぼのたたき
「たたき」といえば「かつお」が一般的だが、高知では「ウツボ」もたたきにして食べられる。
一般的に漁獲対象の魚ではないため、高級魚として扱われているが、高知では気軽に味わえる。
皮の内側はゼラチン質でプリプリ、身は引きしまってコリコリとした食感。
中までしっかり火を通されているので、生臭さもなく食べられる。
酒の肴にピッタリなので、高知でお酒を飲む際はぜひ試してほしい。
3. 鍋焼きラーメン
高知県の南西部に位置する須崎市の名物「鍋焼きラーメン」。
一般的なラーメンとは異なり、土鍋などに入れられ、ぐつぐつと沸騰した状態で提供される。
細めで硬めの麺が、煮えた鍋の中で少しずつ柔らかくなっていく食感の変化が楽しめる。
麺は伸びにくいように改良されており、ゆっくり食べても適度なコシがある。スープとの絡みも絶妙。
須崎市にはいくつも「鍋焼きラーメン」が食べられる店があり、専門店もある。
高知に訪れた際は須崎市に足を延ばして熱々の「鍋焼きラーメン」を試してほしい。
神秘的で美しい景色を見られる!高知の秘境・絶景スポット3選
紹介した1Dayモデルコース以上に高知の魅力を深く味わいたいなら、これから紹介する秘境・絶景スポットへ足を運んでほしい。
アクセスしづらいスポットが多いものの、そこでしか見られない絶景が待っている。
1. 仁淀川
西日本で最も高い「石鎚山」から、高知県の中央部を北西から南東に縦断するように流れる「仁淀川(によどがわ)」。
水質の良さが日本一と言われる清流で、その澄み切った紺碧の川面は「仁淀ブルー」と呼ばれている。
神秘的な青さで見る人を魅了する「にこ淵」という滝つぼや、県下随一の美しい紅葉で知られる「安居渓谷」、落差30mの2段の滝で龍が体をくねらせ飛び立つような「飛龍の滝」など、仁淀川流域には神秘的な絶景スポットが多い。
2. 四国カルスト
愛媛県と高知県にまたがる、東西約25kmに広がるカルスト台地で、標高およそ1,400mの高原地帯。
「日本三大カルスト」のひとつに数えられ、春は草花と新緑、夏は濃い緑色と高山植物、秋はススキが一面に広がり、四季を通して広々とした高原の美しさを楽しめる。
白い石灰岩が高原に点在する、カルスト台地ならではの景色も見逃せない。
乳牛の放牧地帯でもあり、多くの牛がくつろぐ風景は牧歌的。
麓にある「白龍湖」は、透明度が高い神秘的な青さが話題の絶景スポット。
ぜひカルスト台地の景色と併せて、楽しんでほしい。
3. 上久喜の花桃
高知県仁淀川町の山奥、仁淀川沿い中流の地域。
鉄道で言えばJR「佐川駅」からタクシーで約30分の上久喜地区。
古い家屋や日本らしい風景が残る、まさに秘境の雰囲気をもつ集落がある。
そんな上久喜地区には、地域の人々によって約1,000本もの桃の木が植えられ、大切に育てられている。
春になると赤・白・桃色の花が咲き乱れ、山肌・野原・集落に点在する家々の間を埋め尽くす。その美しさは「桃源郷」と呼ばれるほどだ。
春に高知を旅行するなら訪れるべき桜の名所
高地には全国的にも有名な桜の名所がたくさんある。
例えば「日本さくらの名所100選」にも選ばれ、様々な種類の桜の花を見られる「鏡野公園」、城と桜のコラボレーションが楽しめ、夜にはライトアップもされる「高知城」、樹齢500年を超える桜の古木が印象的な「ひょうたん桜公園」などだ。
桜の名所を旅行プランに加えれば、他の季節とは違う、美しく華やかな風景が一生の思い出になるだろう。
ただ、桜の開花時期は短いので、開花日・満開日の予想を調べておくことをお勧めする。
高知の例年の桜の開花日と満開日、見頃は以下の表のとおりだが、その年の気候や気温、スポットによって開花日と満開日、見頃は前後するので要注意。
- 開花日
- 3月22日
- 満開日
- 3月30日
- 桜の見頃
- 3月30日〜4月5日
参考:気象庁 さくらの開花状況
参考:気象庁 さくらの満開状況
美しく染まる峡谷・渓谷は必見!高知の紅葉の名所
秋の高知も美しい風景の宝庫。
川のせせらぎと共に山一面の紅葉が楽しめる渓谷「べふ峡」、「仁淀ブルー」と紅葉のコラボレーションが楽しめる仁淀川流域の「中津渓谷」、風情溢れる吊り橋と瀬戸川の清流が喧騒を忘れさせてくれる「瀬戸川渓谷」など有名な紅葉の名所も多い。
秋に高知へ訪れるなら、紅葉の名所にも足を運んでみよう。
秋の澄んだ空気と色づいた木々が、疲れた心を癒してくれるはずだ。
例年、10月下旬〜11月下旬が見頃であるスポットが多いが、その年の気候や気温、場所によって前後することもあるので、事前に紅葉のピークを調べておこう。
高知旅行に関するよくある質問
Q
高知を旅行するのにお勧めの季節は?
桜を見られる春か紅葉を楽しめる秋がお勧めです。
Q
高知でショッピングを楽しみたい場合はどこに行けばいい?
高知市内の市街地や「ひろめ市場」なら、高知ならではのお土産が買えます。
まとめ
この記事では高知のモデルコースをメインに、アクセスや交通手段、エリアごとの魅力や見どころを紹介してきた。
記事を参考に旅行し、美しい自然景観をはじめとする、高知の多様な魅力を感じてみよう。
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