夏の高尾山の楽しみ方ガイド!魅力も注意点もこれを読めば分かる〜
東京都八王子市に位置する標高599mの「高尾山」は、世界一の登山者数を誇り、季節を問わず、多くの人々が訪れている。
紅葉の季節が特に人気だが、夏の高尾山も魅力や見どころが盛りだくさん。
ただ、夏の登山だからこそ、気をつけるべきこともある。
この記事では、夏に高尾山へ登る上で注意すべきポイントと、夏の高尾山ならではの楽しみ方をご紹介。
記事を参考にすれば、きっと夏の高尾山ならではの特別な体験ができるはずだ。
目次
夏の高尾山の平均気温
夏の高尾山の楽しみ方を伝える前に、まずは登山前に知っておくべき情報からお伝えしよう。
高尾山が位置する八王子市の夏の平均気温と、高尾山の山頂の平均気温を以下の表にまとめた。
高尾山とその近郊の気温を把握して、気温に応じた服装とアイテムを準備してほしい。
夏の八王子の平均気温
- 7月の平均気温
- 25.4℃
- 8月の平均気温
- 26.4℃
- 9月の平均気温
- 22.6℃
参考:気象庁 八王子の平年値
夏の高尾山山頂の平均気温
- 7月の平均気温
- 21.8℃
- 8月の平均気温
- 22.8℃
- 9月の平均気温
- 19℃
夏の高尾山に登る上で知っておくべき3つのポイント
日本の夏は高温多湿であり、近年では最高気温が30℃を超える日も少なくない。
夏の高尾山で楽しい思い出を作るためにも、熱中症対策と紫外線対策は欠かせない。
これから伝える3つのポイントを押さえて、準備・登山してほしい。
1. 小まめに水分と塩分を補給する
夏に登山するなら、小まめに水分と塩分を補給しよう。
高温多湿の中で30分を超える運動を続けると、体内の水分だけでなく、塩分やミネラルも失われていく。
その状態で水分だけを補給していくと、体内の塩分濃度やミネラルの割合が薄くなり、熱中症の発症へと繋がる。
そのため、夏に登山するなら水ではなく、水分と糖質・塩分をバランス良く含む経口補水液かスポーツドリンクを持っていこう。
また、一度に大量の水を飲むのではなく、小まめに補給するのも大切だ。
高尾山の登山口と山頂など、飲料を買える場所もあるが、1号路以外では道中に飲料を購入できないため、必ず事前に用意しておこう。
3〜4時間の歩行で最低500mlは必要とされているため、夏の登山であれば最低でも1リットルは用意しておきたい。
また、手軽に塩分を補給できるように、塩分の入った飴も持っておくと便利だ。
2. 肌の露出を減らして紫外線から肌を守る
高尾山の標高は599mと高くはないものの、登山して標高が上がっていくと、日差しは厳しくなる。
また、日光に長時間当たるので、肌を守るためにも疲労を軽減するためにも、紫外線対策は必要だ。
これから紹介する服装を参考に、しっかりと紫外線対策して登山しよう。
ハットタイプの帽子
帽子を被るなら、顔周りの広い範囲に日陰を作り、髪と顔を紫外線から守ってくれるハットタイプがお勧め。
部分的にメッシュ素材になった通気性の高いものを選ぼう。
サングラス
目に紫外線が入ると、肌にも日焼けが起こるだけでなく、疲労の原因にもなる。
そのため、UVカット効果のあるサングラスを用意しておこう。
半袖+アンダーウェア or アームカバー
紫外線から肌を守るために、できるだけ肌の露出をなくそう。
吸汗速乾性の高い長袖シャツがお勧めだが、長袖は辛いという方は、半袖の下に接触冷感のアンダーウェアを着るか、着脱しやすく通気性の良いアームカバーを付けよう。
ショートパンツ+タイツ
薄手の動きやすい長ズボンでも問題ないが、ショートパンツとタイツを組み合わせれば、より動きやすく涼しいのでお勧め。
ワンポイント)日焼け止めを小まめに塗るのも忘れずに
これまでの服装なら肌の露出を減らせるが、日焼け止めを小まめに塗るのも忘れずに。
汗で落ちづらい、ウォータープルーフの日焼け止めがお勧めだ。
3. 疲労感を感じる前に日陰で休む
万全な対策をした上で、日陰で休憩を小まめに挟もう。
登山コースにもよるが、道中には飲食店や休憩所もあるため、疲労を感じる前に休憩してほしい。
無理をした結果、熱中症になってしまっては、せっかくの楽しい登山が台無しだ。
夏の高尾山を登るために必要なアイテムは?
夏に高尾山を登るなら、以下の持ち物リストを参考に準備してほしい
- 必須アイテム
-
・塩分と糖分を含む飲み物(1リットル以上を推奨)
・タオル
・ごみ袋
・雨具
・現金
・地図(アプリ)
・救急セット
・日焼け止め - あると便利なアイテム
-
・ウェットティッシュ
・お菓子(非常食)
・モバイルバッテリー
夏にお勧めしたい高尾山の登山コース3選
夏に登山する方にお勧めのコースを3つ紹介しよう。
登山経験が少なく、体力に自信がない方は1号路と4号路がお勧め。
どちらも山腹までケーブルカーかリフトで行けるため、体力の消耗が激しい夏の登山でも安心。
登山そのものを楽しみたい方、涼を感じたい方には、6号路をお勧めしたい。
見どころもグルメスポットも盛りだくさん!初めて登山する方にお勧めの1号路
「高尾山」のメインルートである1号路は、全体的に道が舗装されており、道中には様々な施設があるため、初心者でも気軽に登山できる。
動きやすい服装にスニーカーであれば、普段着で問題なく登れるルートだ。
飲食店やお土産屋などが入った複合施設「高尾山スミカ」、お団子などの軽食を食べられる「ごまどころ 権現茶屋」、冷たい蕎麦を味わえる「十一丁目茶屋」など、飲食店も充実している。
パワースポットとしても有名な「髙尾山薬王院」や「たこ杉」など、見どころも盛りだくさん。
ルート内にトイレが5箇所あるのも、嬉しいポイント。
また、1号路は登山口と山腹を往復する、リフトとケーブルカーがある。
体力に自信がない方は、行き帰りはリフトやケーブルカーを利用できるため、体力の消耗が激しい夏の登山にもピッタリだ。
人気フォトスポット「みやま橋」が見どころの「4号路」
1号路途中の「浄心門」手前の右脇から入り、山頂下で1号路と合流し、山頂を目指す登山ルートが4号路。
浄心門はケーブルカー「高尾山駅」から少し登った場所にあるため、途中までケーブルカーかリフトで登れる。
傾斜はそれほどきつくないものの、道幅が狭く階段も多いので、足元には注意して登ろう。
4号路の見どころは、高尾山で唯一の吊り橋「みやま橋」。
夏木立に囲まれたみやま橋は美しく、フォトスポットとしても人気だ。
道中には沢を横切る場所もあり、涼を感じられるのも魅力のひとつ。
五感で涼を感じながら登山を楽しめる「6号路」
高尾山の登山口にあるケーブルカー清滝駅から始まり、多摩川の源流である「前の沢」に沿って、山頂を目指すコース。
登山を楽しみつつ、涼を感じたい方に最もお勧めしたいコースだ。
道幅が狭く、足元の悪い道が続くため、1号路・4号路に比べると上級者向けのコースなので、登山する装備や準備はしっかり整えておこう。
「水のコース」とも呼ばれるだけあり、滝行が行われる「琵琶滝」など、五感で涼を感じられるスポットが盛りだくさん。
夏の高尾山ならではの楽しみ方
夏の高尾山だからこそできる、楽しみ方を4つ紹介しよう。
せっかく夏に登山するなら、その季節にしか出来ない体験をしてほしい。
1. 紫陽花で初夏の風情を感じる
梅雨入り前の6月に登山するなら、道中の紫陽花を楽しもう。
ケーブルカー清滝駅、髙尾山薬王院や6号路の琵琶滝周辺などに咲いているので、初夏の風情を感じつつ、登山してみよう。
また、梅雨が明けた8月から9月頃にも、タマアジサイと呼ばれる紫陽花が咲く。
タマアジサイも6号路沿いに咲いているため、ぜひ見つけてほしい。
2. 山腹の高尾山ビアマウントでビールとグルメを満喫
高尾山にある展望施設に、毎年6~10月の期間限定で登場するビアガーデン。
標高488mの位置にあり、天気がよければスカイツリーまで見渡す絶景が楽しめる。
食事は2時間制の食べ・飲み放題。
地元・八王子の野菜を使ったサラダや八王子ラーメン、おでん、餃子、窯焼きピザなど30種以上の料理がスタンバイ。
-5℃に凍らせたフローズンの泡を載せた「一番搾り フローズン」、ビールと時期によって異なるリキュールのカクテルの上に、フローズンの泡を乗せた「フローズンビアカクテル」も見逃せない。
屋外だけでなく、クーラーが効いた屋内にも席があるため、暑さが厳しい日でも快適に本格的な料理とビールを味わえる。
もちろん、屋内からでも高尾山周辺の美しい景色を眺められるので安心してほしい。
3. 高尾山名物「とろろそば」で涼を感じる
高尾山の名物といえば「とろろそば」だ。
高尾山の最寄り駅、京王線「高尾山口駅」から高尾山の登山口へ向かう道中や1号路の道中、山頂にそれぞれ蕎麦を食べられるお店がある。
冷たいとろろそばを食べれば、涼を感じられるだけでなく、栄養補給も出来て、一石二鳥だ。
登山前のエネルギー補給や、登山中・登山後の疲労回復に、冷たいそばを食べてみよう。
高尾山とその周辺にある蕎麦屋と飲食店については、こちらの記事で紹介しているので、併せて参考にしてほしい。
4. かき氷やソフトクリームで涼を感じる
「とろろそば」と同じく、かき氷やソフトクリームも1号路の道中や山頂で食べられる。
暑い時期の登山だからこそ、かき氷やソフトクリームの冷たさが身体に染みるだろう。
ケーブルカー高尾山駅前(高尾山中腹)にある「高尾山スミカ」の「三福だんご」や「天狗屋」、1号路の道中にある「十一丁目茶屋」、山頂の「大見晴亭」などで、かき氷やソフトクリームを提供しているので、ぜひ登山中に立ち寄ってほしい。
夏だからこそ出会える高尾山の風景
高尾山ビアマウント以外にも、夏季限定で開催されるイベントがある。
直近2〜3年でも、様々なイベントが開催された。
例えば、高尾山の登山口周辺のお店やケーブルカー清滝駅には風鈴が設置され、涼しげな音色を楽しめたり、髙尾山薬王院の参道や境内、仏舎利塔がライトアップされ、幻想的な空間を散策できたりと、夏の高尾山ならではの風景も満喫してほしい。
例に挙げたイベントは必ずしも毎年開催されるわけではないが、夏に高尾山へ行くなら、ぜひイベントに参加してみてほしい。
そうすれば、より思い出に残る体験ができるだろう。
登山後の汗を温泉で流せる「京王高尾山温泉 / 極楽湯」
登山後はおそらく汗を大量にかいており、一刻も早く汗を流したいはずだ。
そこでお勧めしたいのが、高尾山へのアクセス駅である京王線「高尾山口駅」の隣、好立地にある日帰り温泉施設「京王高尾山温泉 / 極楽湯」。
高尾山の豊かな自然に包まれた絶好のロケーションで、マイクロバブルの「檜風呂」や「サウナ」をはじめ、多彩な湯船がスタンバイ。
なかでも、地下約1,000mから湧く天然温泉が、美しい眺望とともに楽しめる「天然温泉 露天岩風呂(ぬる湯・あつ湯)」は、柔らかい湯ざわりで、美肌効果も期待大。
「京王高尾山温泉 / 極楽湯」で汗を流し、1日の疲れをゆっくり癒してほしい。
夏の風情といろり炭火焼料理を堪能できる「うかい鳥山」
登山後に体力が残っていたら、高尾山から少しだけ足を伸ばして、「うかい鳥山」でさらに夏の風情を感じてみよう。
高尾山麓に佇むいろり炭火焼料理店の広大な敷地内には、越中五箇山から移築した合掌造り、高尾山を借景に広がる日本庭園と、風情豊かな景観が広がる。
「うかい鳥山」では例年6月上旬〜8月中旬頃に、「ほたる狩り・ほたる観賞の夕べ」を開催。
日本庭園を飛び交うホタルの幻想的な景色を眺めつつ食事を楽しむ「ほたる狩り」と、食事後に敷地内の山野草園を散策する「ほたる観賞の夕べ」で、豊かで美しい自然の中で贅沢なひとときを過ごそう。
都内のホテルに帰らなくてもOK!高尾山麓の「ホテルタカオネ」に泊まろう
夏に高尾山へ行くなら、京王線「高尾山口駅」の目の前にある宿泊施設「ホテルタカオネ」へ泊まるのもお勧め。
宿泊するだけではなく、さまざまな体験をすることがコンセプトの「活動型ホテル」になっている。
用意されるアクティビティは、陶芸体験、高尾オーダーメイドツアー、革を使ったクラフト製作など。どれも地元ガイドや地元のクリエイターが指導してくれる。
すべての宿泊プランに薪が付いてくるので、夜はたき火を楽しもう。火起こしをしたり、デザートを火で炙って食べたり、普段はできない経験ができる。
登山後に疲れて、都内のホテルまで帰る必要がないのも嬉しいポイントだ。
夏の高尾山に関するよくある質問
Q
夏の高尾山は涼しい?
木陰も多く標高も599mあるため、平地よりは涼しいですが、熱中症と紫外線対策は必須です。
Q
夏ならではの高尾山の楽しみ方は?
沢を横切る登山道や冷たい蕎麦で涼を感じたり、初夏に咲く紫陽花を眺めたり、夏のイベントならではの風景を楽しめます。
まとめ
この記事では、夏に登山する上で注意すべきポイントと、夏の高尾山の楽しみ方を紹介してきた。
夏の高尾山の魅力や見どころもお分かりいただけただろう。
記事を参考に、熱中症に気をつけて、夏ならではの高尾山の魅力を満喫しよう。
高尾山を楽しむために、必要な情報を網羅的に紹介している、こちらの記事も併せて参考にしてほしい。