江戸時代から受け継ぐ景観と文化を満喫!馬籠宿観光ガイド
古き良き日本の街並みが広がる「馬籠宿(まごめじゅく)」。
地元の人々が観光客を暖かいおもてなしで受け入れ、都会では味わえないノスタルジックな気分に浸れる。
宿場町の落ち着いた雰囲気を感じながら、美味しいご当地グルメや伝統文化体験などを通じてゆったりと過ごせる。
この記事では、馬籠宿の楽しみ方・見どころを中心に紹介していく。
初めて訪れる人でも、最大限に満喫できるようにわかりやすくまとめたので、ぜひ最後まで読んでほしい。
馬籠宿ってどんなところ?
岐阜県中津川市に位置する馬籠宿は、中山道(なかせんどう)の43番目の宿場町として栄えた地域。
宿場町とは、主に街道沿いに設けられた集落のことで、宿泊場所・茶屋・馬の交換所といった、商業・物流施設が集まるエリアを指す。
江戸時代には、道中の旅人や商人に必要なサービス提供を行う重要な役割を担っていた。
現在の馬籠宿は古き良き日本を伝える人気観光地となっており、斜面に沿って続く石畳の街並みが最大の見どころ。
街全体に江戸時代の雰囲気が色濃く漂い、まるでタイムスリップしたかのような気分を味わえるのも魅力だ。
坂道の両脇には古い木造建築をはじめ、昔ながらのカフェ・ご当地グルメ店・お土産屋などが立ち並び、散策や食べ歩きを楽しめる。自然と歴史を同時に体感できるお勧めのスポットだが、600m以上石畳の坂道が続くため、車椅子やベビーカーの利用はお勧めできない。
中山道とは
「中山道」とは、江戸時代(1603年~1868年)に整備された五街道のひとつで、江戸(現在の東京)と京都を結ぶ、全長約530kmの街道である。
全69の宿場町が点在し、東海道と並ぶ重要な交通路として、商人・旅人が利用する主要な道であった。
他の街道と比べて峠道が多い山間部(内陸)を通るため、四季折々の美しい自然や渓谷を道程に見られるのが特徴だ。
そんな中山道の魅力は歴史的な宿場町の風情を味わえる点だろう。
馬籠宿を筆頭に、今も江戸時代の面影を残す石畳や古民家が旅人を迎えてくれる。
当時の旅人の文化や暮らしに思いを馳せれば、ロマンあふれる旅行になるはずだ。
詳細はこちらの記事でまとめているので、ぜひ合わせて読んでほしい。
馬籠宿の歴史
「馬籠宿」が宿場町という形で整備され、発展したのは江戸時代。
江戸幕府の命令で厳密に宿場町の管理が行われ、町民は旅人への宿泊や食事の提供を義務付けられる。
もともと険しい山々に囲まれた難所であったが、物資・情報などを中継する重要な拠点として機能し、多くの文化人たちも訪れていた。
また、小説家・島崎藤村(しまざき とうそん)の生誕地としても知られ、彼の代表作「夜明け前」の舞台になったことも馬籠宿の歴史を語る上では欠かせない。
小説では宿場町の生活や風景を色濃く描いており、その影響で「馬籠宿」に文学的な価値をもたらした。
明治時代(1868年~1912年)に入ると、交通手段の変化により宿場町の役割は薄れていく。
しかし、地域の人々の努力と文化的遺産への愛情によって、美しく保存された町並みは現在も守られ、多くの観光客が訪れる人気スポットになっている。
馬籠宿へのアクセス
「馬籠宿」の最寄り駅である「JR中津川駅」からのアクセスは以下の表の通り。
- 経路
-
1. JR「中津川駅」からバス停「中津川駅前」まで徒歩(1~2分)で移動
2. 「中津川駅前」3番のりばから北恵那交通 馬籠線に乗車し、「馬籠」で降車
3. 「馬籠」から徒歩(4~5分)で移動し、「馬籠宿」に到着 - 所要時間
- 約30分
バスは1時間に1便程度と少なく、最終便は18時30分なので、必ず事前に時刻表を確認した上でスケジュールを調整しよう。
また、JR「中津川駅」に戻る最終便も18時15分であるため、日帰り観光を予定の方は乗り遅れないように注意しよう。
なお、起点が「中部国際空港 セントレア」と名古屋周辺から向かう場合では異なるので、目的地に応じて次のルートを参考にしてほしい。
中部国際空港 セントレアからJR「中津川駅」へのアクセス
1. 名古屋電鉄「中部国際空港駅」から空港線ミュースカイに乗車し、「金山駅」で下車
2. 「金山駅」からJR中央本線区間快速・中津川駅に乗車し、JR「中津川駅」で下車
JR「名古屋駅」からJR「中津川駅」へのアクセス
以下2つの経路でJR「中津川駅」へアクセスできる。
なお、いずれも直通だ。
1. JR特急しなの号・長野行(約50分/2,540円)
2. JR中央本線快速・中津川行(約1時間15分/1,340円)
馬籠宿のお勧め観光シーズンは?
馬籠宿のお勧めの観光シーズンは春と秋だ。
春には見頃(例年4月初旬)を迎えた桜が満開となり、ピンク色に染まった一帯と馬籠宿の石畳・古民家の風景は美しくて映える。
散策にもピッタリな穏やかで過ごしやすい気候なので、宿場町のゆったりした雰囲気を存分に味わえるだろう。
また秋になると、山々が赤や黄色に染まった紅葉を満喫できる。
例年10月下旬から11月中旬にかけて見頃を迎え、その鮮やかな景色は岐阜県屈指の名所としても人気が高い。
ちょっと涼しい気候の中で、温かい郷土料理や地元のお茶を味わうのも格別だ。
馬籠宿の魅力を満喫できる3つの楽しみ方
馬籠宿を最大限に満喫できるように、お勧めの楽しみ方を3つ紹介しよう。
いずれも馬籠宿ならではの魅力が詰まった、素晴らしい体験ができるだろう。
1. 江戸時代の風情と街並みを満喫
馬籠宿の石畳の街並みは、江戸時代の宿場町の風情を今に伝える貴重な景観だ。
緩やかな坂道に沿って続く石畳の道を散策すれば、古民家風の建物や土産物店、茶屋などが次々と姿をみせ、都会にはないどこか懐かしい風景が広がる。
日本らしさを感じられるフォトジェニックな場所も多いので、ゆったりとしたペースで歩いて写真撮影を楽しむのがお勧め。
2. 宿場町グルメを食べ歩き
馬籠宿には飲食店が多く、宿場町ならではの郷土料理や地元料理を楽しめる。
風情ある街並みの中での食べ歩きは格別で、情景が美味しさを増幅させる。
なかでも人気のご当地グルメを以下にまとめた。
お店ごとに味付けや形にも個性があるので、同じ料理を食べ比べてみるのもお勧めだ。
- 五平餅
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馬籠宿の名物で旅の途中にぴったりな軽食。
しょうゆや味噌をベースにくるみ・ゴマなどを使った甘辛いだれを塗った手作りの焼き餅で、香ばしい香りともちもちの食感を楽しめる。 - そば
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水と気候に恵まれた地元のそば粉を使った手打ちそばは、のどごしがよく風味の豊かさが特徴。
そばと一緒に地産の山菜を味わってほしい。 - 栗きんとん
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地元産の栗を使い、砂糖だけで仕上げたシンプルで上品な和菓子。
秋に特に人気でお土産としても喜ばれる。 - おやき
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野沢菜やかぼちゃ、切り干し大根など、様々な具材を包んだ焼きまんじゅう。
甘いものからおかず系まで種類が豊富で出来立てを味わえる。 - 栗おこわ
-
もちもちのおこわ(もち米を蒸したごはん)とほくほく栗の相性が抜群で美味しい。
ボリュームもあるのでランチにお勧め。
3. 宿場町文化を体験
馬籠宿では江戸時代から続く宿場町の伝統文化を理解し、体験できるプログラムが用意されている。
内容も充実しており、地元の人々との交流を楽しむ・地域に伝わる暮らしを肌で感じるなど、貴重な経験がかなう。
主なプログラムは以下の通り。
時期によって異なるイベントが開催されるので、スケジュールを事前に確認しておこう。
- 郷土食づくり体験
- 地元の名物である五平餅やそばなどを、伝統的なレシピを学びながら職人と一緒に作って食べられるプログラム。
- 竹灯籠(たけとうろう)づくり体験
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馬籠産の竹やLEDを使って現代風の灯籠を作る体験。
小学生から参加可能で、家庭での使用もできるので思い出作りにもピッタリ。 - 着付け体験+着物での街歩き
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江戸時代風の着物や浴衣に着替えて、宿場町を散策するプログラム。
写真映えするスポットも多いので記念にも残る。※女性限定 - 茶道体験
- お抹茶の点て方や礼儀作法が学べ、日本文化の味と香りを楽しめるプログラム。自分で点てたお抹茶を味わえるのもポイント。
馬籠宿観光で絶対に外せない見どころ5選
馬籠宿の魅力を感じられる、人気スポットを5つに絞って紹介していく。
いずれも歴史ある街並みあるいは島崎藤村ゆかりの場所で、宿場町の伝統と文化に触れられるのが特徴。
江戸時代の旅人に思いを馳せながら散策すれば、濃密な時間を過ごせるはずだ。
馬籠宿を観光する際はこれらのスポットを巡るプランを立ててみよう。
1. 馬籠脇本陣史料館
「馬籠脇本陣史料館」は、江戸時代に馬籠宿で実際に使用していた脇本陣(身分が高い方向けの予備宿舎)を復元した歴史資料館である。
木造建築の美しい意匠が再現され、畳敷きの部屋や土間、板の間といった、当時の生活空間・大名行列をもてなす様子を感じられる作りになっている。
特に注目すべき見どころは格式の高い「上段の間」。
重要な客人を迎えたこの部屋には、豪華な調度品・装飾が施されており、脇本陣の役割と威厳に触れられる。
その他の展示内容も充実し、中山道の歴史・文化を紹介する資料、島崎藤村の文学作品との関係など、馬籠宿について深く学べる。
また、史料館前からは馬籠宿の美しい街並みや周囲の山々の景色を楽しめ、歴史と自然の両方を堪能できるのも魅力だ。
2. 藤村記念館
馬籠で生まれ育った小説家・島崎藤村の功績を称えて建てられた施設が「藤村記念館」。
島崎藤村の生家跡かつ馬籠宿本陣跡に位置し、日本遺産の指定も受けている。
館内には、直筆の原稿や手紙、初版本、写真など貴重な資料が約6,000点展示され、彼の文学作品が生まれた背景・思想・世界観の根底を理解できる。
家族・馬籠宿の暮らしに関する資料もあり、当時の生活・プライベートな一面を見られるのも特徴だ。
見どころは、やはり代表作の「夜明け前」に関連した展示だ。
作品のモデルとなった場所、登場人物にまつわる紹介があるので、改めて楽しむきっかけにもなるだろう。
建物自体も周囲の風景に溶け込むような趣深い造りとなっており、文学と歴史の息吹を感じられる馬籠宿観光に欠かせないスポットだ。
3. 清水屋資料館
「清水屋資料館」は、江戸時代から続く宿屋の姿を今に伝える歴史的な施設。
清水屋は馬籠で代々宿役人を務めており、館内には旅人が実際に使用していた道具・家具など、宿場町の生活や文化を紹介する様々な展示が行われている。
宿屋内部もそのまま保存されているので、客間・台所・土間など、かつての宿場町のリアルな空間を体感できるのも魅力。
その他、九谷焼・伊万里焼・唐津焼をはじめ、日本全国から集まった伝統的な焼き物も見どころだ。
また、清水屋の当主・原家と島崎家の親交が深かったことから、島崎藤村に関わる書簡・掛け軸の展示も多い。
過去と現在をつなぐこの場所で、宿場町の魅力をじっくり堪能しよう。
4. 枡形・水車小屋
馬籠宿の入り口近くに位置する「桝形(ますがた)」は、敵の侵入を防ぐ(遅らせる)ために設けられたL字型の曲がり角。
今は歩きやすいように改修されたが、石畳の道と古民家が織りなす風情ある景色を楽しめ、写真映えするスポットのひとつ。
一方、石段沿いに佇む「水車小屋」は、宿場町に流れる清流を利用した伝統的な設備で地元の生活を支える源であった。
現在も水力発電機として動いており、電気は照明や街灯などの電力に使われている。
馬籠宿のシンボルとなるほど存在感が抜群で、思わず立ち止まってしまうような情緒があふれる。
歴史的価値と自然美を体感できる絶好の場所なので立ち寄ってほしい。
5. 馬籠陣馬上展望広場
馬籠宿の坂道を登った先にある「馬籠陣馬上展望広場」は、馬籠宿で1番高い所に位置する絶景スポット。
展望台からは恵那山(えなさん)のほか、木曽谷や遠くに連なる中央アルプスの山々を見渡せる。
馬籠宿のなかでも1、2位を争うフォトスポットで、記念撮影にピッタリな場所だ。
風光明媚な眺めは四季折々に変わるので、いつ訪れても楽しめるのもポイント。
広場にはベンチ・スペースがあり、中山道を旅する途中の休息や散策の合間のリフレッシュの場にもなっている。
また同広場は1584年に起こった「小牧・長久手の戦い」で、織田信雄(おだのぶお)・徳川家康(とくがわいえやす)連合軍が馬籠城を落とすために陣を張った史跡としても知られている。
グルメを満喫するならココ!馬籠宿の人気飲食店5選
「馬籠宿」で押さえておくべき、イチオシの飲食店を5つ紹介しよう。
いずれも地元の食材を使ったご当地グルメや郷土料理を提供する人気店で、こだわりの料理を食べられる。
街並みともマッチしているため、食事とともに趣のある雰囲気を楽しめるのも魅力だ。気になったお店へぜひ立ち寄ってほしい。
1. 恵盛庵
「恵盛庵(けいせいあん)」は、馬籠宿の坂の一番上に位置する古民家風のそば処。
趣のある外観に、店内は落ち着いた雰囲気で江戸時代の風情を感じながら食事ができる。
主に長野県産の国産玄そばを自前の石臼部屋で自家製粉し、すべて手打ちで一人前ずつ丁寧に作られるのが特徴だ。
太めのそばは手打ちらしく幅が不揃いで、石臼挽き独特の風味とコシの強さ、歯ごたえがある。
訪れた際は、ボリューム満点(1人前2枚)でそばの香りを楽しめる「ざるそば」、地元山菜を使った「山菜かけそば」といった人気のメニューをお勧めしたい。
営業時間は11時~14時30分ごろと短く、開店前の行列は必至かつ売り切れ次第終了してしまうので気をつけよう。
2. かなめや
「かなめや」は馬籠宿の中ごろ、上述の清水屋資料館の近くにある五平餅の専門店。
店に近づくと、こうばしい味噌の香りが食欲をそそり、自然と足が引き込まれていく。
散策の休憩がてら店内で食べても、テイクアウトで食べ歩きを楽しんでも良い。
うるち米100%餅の五平餅は、必ずオーダーを聞いてから一つひとつ目の前で丁寧に焼き上げられ、出来たてのアツアツを堪能できる。
もちもちとした食感とゴマ・クルミ・ピーナッツなどの自慢の甘辛タレとの相性が抜群で、とてもまろやかな味わいは格別だ。
団子型とわらじ型の2種類あるため、串に注目してみるのも面白いだろう。
3. 大黒屋茶房
「大黒屋茶房」は、地産・郷土料理を提供する老舗の飲食店。
江戸時代に造り酒屋で栄えた前身を持ち、島崎藤村の初恋の人「おゆふさん」の実家としても知られる。
小説「夜明け前」にも名物の「栗こわ飯」が描かれた建物ということで、リピーター・ファンも多い。
伝統建築の重厚な佇まいで外観・内観ともに風情が漂い、特別な気分の中で食事を楽しめる。
複数のメニューが並ぶが、名物の「栗こわ定食」がお勧め。
大粒で良質な栗がごろんと入ったホクホクの栗おこわに、季節の山菜や魚の昆布巻き、わんこそばなどがセットになったお得な逸品だ。
また一角にはギャラリー・民芸品コーナーも設置されており、地元の伝統工芸品の購入もできる。
4. そば処 まごめや
「そば処 まごめや」は、地元の食材を生かした料理の提供を行う大きな食事処である。
280もの座席数があり、店内は清潔で広々しているので大人数や子供連れの家族がゆっくりと休むのにピッタリな場所。
木曽桧をふんだんに使った木の温もりを感じる落ち着いた雰囲気で、席からは雄大な恵那山を楽しめる。
信州産のそば粉を手打ちで作られる名物の「天ぷらそば」が人気メニュー。
香り高くコシの強いそばに、揚げたてサクサクの海老が2本と野菜が付いた満足度を感じられる一品だ。
油が乗った「信州牛ステーキ丼セット」を注文し、より贅沢に過ごすのもお勧め。
5. 道中おやき
「道中おやき」は、名前の通り散策途中に立ち寄るのにピッタリなおやき専門店。
添加物や保存料を使用せずに、丹精を込めて手作りしたおやきを店頭で蒸して提供するので、出来立てアツアツの美味しさを味わえる。
他店と比べて同店のおやきは、生地が肉まんのようにふっくらでとても柔らかく、中にはぎっしりと具材が入っているのが特徴だ。
具材も肉・野沢菜・ナス・切り干し大根・かぼちゃのお惣菜系から、くるみ(白あん)・よもぎ(小倉あん)の甘い系まで幅広いラインアップが揃うのも魅力。
ひとつ200円前後なので、数種類を買ってシェアすればより楽しめるだろう。
冷めても美味しくいただけるため、お土産用に購入する人も多い。
お土産選びも楽しめる!馬籠宿の定番ショップ3選
馬籠宿の定番ショッピングスポットを紹介していく。
いずれも地元の特産品・民芸品を中心に、ここでしか手に入らない商品を揃えるお土産選びにピッタリなお店だ。
散策の途中にも立ち寄りやすいので、ぜひ足を運んでほしい。
1. 馬籠館
「馬籠館」は、馬籠宿の観光拠点として親しまれる施設で、旅行を充実させるために訪れたい場所だ。
館内には馬籠宿の歴史を紹介するパネルや模型、地元の暮らしを映した写真展示のほか、上述した「そば処 まごめや」も入っている。
また、馬籠宿最大のお土産処で知られており、特産品・工芸品の購入ができるスポットでもある。
ご当地グルメの栗きんとん・手作りの五平餅・木曽の地酒をはじめ、馬籠宿ならではの魅力的な商品が勢揃い。
馬籠館に行けば、お気に入りの記念品や相手に喜ばれるプレゼントが見つかるだろう。
大型駐車場・ロッカーを完備しているので、観光の間にも立ち寄りやすい。
2. 丸北野屋
「丸北野屋」は、クラフト雑貨・ハンドメイド品・伝統民芸品・お菓子などを中心に50種類以上の商品が並ぶショップ。
石畳の街並みに溶け込むように、昔の風情を残した店構えをしており、観光客を暖かく迎え入れる。
特に、品質の高い木曽製のわっぱ(入れ物・箱)や、履きやすいねずこ下駄(木曽の伝統的工芸品)といった文化を感じられる思い出の品が好評だ。
お土産探しにもピッタリなお店なので足を運んでみよう。
3. 志をや
「志をや」は、地元の職人が手掛けた美しい工芸品・民芸品・陶器などを取り扱うお土産屋。
かわいらしいアクセサリーや手ぬぐい、ストラップをはじめ、個性的でオリジナルな商品が豊富に揃っており、特に観光客からの人気が高い。
店内もモダンな落ち着いた雰囲気が漂い、居心地が良いので思わず長居してしまうだろう。
また、隣にはのんびりと休憩できる喫茶店「茶房 土蔵」が併設されているため、散策の途中に立ち寄るのもお勧めだ。
旅情を感じる空間が魅力!馬籠宿のお勧め宿泊施設3選
馬籠宿周辺にあるお勧めの宿泊施設を3つ紹介する。
いずれも異なる魅力や特徴を持っているが、どこに泊まっても旅行にふさわしい有意義な時間を過ごせるはずだ。
内容を参考に自身のお気に入りや目的に適した場所を予約してほしい。
1. 御宿 白木屋
「御宿 白木屋」は、バス停・馬籠より徒歩1分と馬籠宿観光に最高な立地にある民宿。
石畳の街並みに溶け込む古民家風の建物は、伝統的な木造建築の美しさが際立ち、江戸時代の宿場町を思い起こさせる。
全室和室で統一された部屋は畳の香りが落ち着いた空間を醸し出す。
窓からは恵那山や宿場町が軒を連ねる様子が広がり、風情をたっぷり味わえるのが魅力。
料理は地元産の食材を活かした家庭的な和食が中心で季節ごとに異なる味覚を楽しめる。
深みを感じる地酒「鯨波(くじらなみ)」、女将が愛情を込めて作る五平餅が特にお勧めだ。
スタッフの心温まるおもてなしも見逃せない。馬籠宿の歴史や観光情報について親切に教えてくれるので、特別な一夜を過ごせるだろう。
2. 永昌寺 万福庵
「永昌寺 万福庵」は、馬籠宿のメイン通りから一歩逸れた場所にひっそりと佇む宿坊である。
宿坊とは、神主や僧侶用に建てられた境内の宿泊施設を指す。
ただ静かにゆっくりと、かけがえのない時間を過ごせるのが最大の魅力だ。
客室にはテレビもトイレ(共同)もなく、設備は冷房/暖房、アメニティーはバスローブのみ。
外に視界を向ければ、季節ごとに彩りを添える美しい庭園が楽しませてくれる。
日頃の雑念を忘れるのにピッタリな環境で心身をリフレッシュする滞在がかなう。
住職夫妻の穏やかな人柄や美味しい山の幸などがいただける食事も好評で、総じて利用者の満足感が高い。
また、静謐な空間で座禅・精進(しょうじん)料理といった、お寺ならではの体験ができるのも特徴だ。
3. 民宿 馬籠茶屋
馬籠宿の中心部近くにある「民宿 馬籠茶屋」は、江戸時代の宿場町の風情を再現した国際的な民宿施設。
計13部屋(6畳が6部屋、8畳が5部屋、10畳が2部屋)あり、すべてがシンプルながらも伝統的な内装の畳敷きのタイプ。
宿泊代が比較的安く、素泊まりと夕食・朝食セットのプランから選べる。
Wi-Fiが無料完備なのもうれしいポイント。
日本人に加えて訪日観光客・長期滞在の外国人が多いのも特徴で、共用のラウンジ・洗面所・キッチン・洗濯場などでは一期一会の国際交流も行われている。
アットホームな環境の中で様々な言語が飛び交うため、旅先での出会いを大切にしたい方にお勧めだ。
馬籠宿の風情をより感じられる2つのイベント
「馬籠宿」では伝統行事をはじめ、年間を通して様々なイベントが定期的に行われている。
その中でも特にお勧めの2つのイベントを紹介しよう。
訪れるタイミングをどちらかのイベントに合わせて参加すれば、さらに充実した観光になるので可能であればスケジュールを調整してほしい。
中山道 馬籠宿場まつり
「中山道 馬籠宿場まつり」は江戸時代の風情を再現し、地元の人々と観光客が一体となって、馬籠宿の歴史と文化を体感する伝統的なイベント。例年11月3日~23日の土日祝に開催している。
期間中は街道沿いに並べられた行燈(あんどん)が街並みを照らし、普段とは一味違った宿場町の雰囲気を楽しめる。
昼間はもちろん、夜の幻想的な姿や近くにある島田公園のもみじライトアップなど、秋の美しい景色は見応えが抜群だ。
江戸時代の華やかな衣装をまとった参加者が街道を練り歩く、「皇女和宮行列の再現」も同まつりならではの行事。
まるで時代劇の一場面のような世界が広がり、馬籠宿全体が活気に満ちた雰囲気に包まれる。
地元名物の五平餅や栗菓子をはじめとした、郷土料理を味わえる屋台が並ぶのもうれしい。
馬籠 木曽路氷雪の灯祭り
「馬籠 木曽路氷雪の灯祭り」は、毎年2月中旬の夕刻に開催される幻想的なイベント。
1年でたった約2時間、馬籠宿の石畳と古い街並みが氷雪の光に包まれる刹那的なお祭りである。
最大の見どころは、手作りの雪灯籠やアイスキャンドルが街道沿いに並び、柔らかな光が馬籠宿全体を彩る様子。
この瞬間しか味わえない映画のような情景があちこちで見られ、フォトジェニックにもピッタリだ。
冬の静けさと歴史的な景観が織りなすロマンチックな雰囲気は唯一無二で、周囲を散策する体験は心に深く残る特別なひとときとなるだろう。
さらに、期間中は熱い甘酒を無料で振る舞われ、寒い冬の冷えた空気の中で地元の方々と灯りの温もりが観光客の心を優しく包み込む。
馬籠宿から妻籠宿へ足を伸ばしてみよう
「妻籠宿(つまごじゅく)」は、長野県南木曽町に位置する中山道の42番目の宿場町。
江戸時代の風情を色濃く残す観光地として知られ、1976年に日本で初めて重要伝統的建造物群保存地区に選ばれた。
歴史的な建物が整然と保存される様子はイギリス・BBC放送をはじめ、海外メディアで「サムライの道」と紹介され、日本のみならず世界中から注目を集めている。
木造建築が連なる街並み、石畳の道や格子窓の家々が続く風景は、宿場町の様子を今に伝え、当時の暮らしを疑似体験できるのが魅力だ。
かつての旅籠を再現した「脇本陣奥谷」、宿場の歴史資料を展示する「妻籠宿本陣」など、文化・生活を学べる施設もあって見どころは尽きない。
妻籠宿へアクセスするならハイキングも楽しもう
馬籠宿から妻籠宿に行く場合は、中山道のハイキングコースを通って向かうのがお勧めだ。
途中で標高790mの馬籠峠を越えるものの、全体的にアップダウンが少なく、初心者でも楽しみやすい。
全長は約9km、ゆっくり歩いて3時間ほどで、四季折々の自然や恵那山の絶景、男滝女滝など、道中には見どころが盛りだくさん。
当時の旅人たちと同じ地を踏んでいると思うと、非常に感慨深いだろう。
ハイキングする上での注意点、必要な準備は以下にまとめた。
注意点
- 道中に街灯がないため、夏場は15時、冬場は14時30分までにスタートする
- 休憩所や売店がある場所が限られているため、必要に応じてこまめに休憩する
- 案内標識に従い、ルートから外れないように歩く
- 舗装されていない道も多いので足元に気をつける
- 3歳以下の子供は大人が背負って歩く
- 車いす、ベビーカーの利用はできない
- 雨宿りできる場所はない
必要な準備・服装
- リュックサック
- 飲み物
- タオル
- ごみ袋
- 雨具、防寒着
- 日焼け止め
- 現金
- 虫よけスプレー(夏場)
- アウトドアウエア(長袖・長ズボン)
- スニーカー(ハイキングシューズ)
妻籠宿から最寄り駅までのアクセス
「妻籠宿」の最寄り駅はJR「南木曽駅」。
JR名古屋駅から特急しなの号で1時間強の場所にある。
妻籠宿からJR「南木曽駅」は、歩いてすぐのバス停「妻籠」から、路線バス・観光タクシーで約10分だ。徒歩の場合は約40分かかる。
妻籠宿にも宿泊施設があるため、スケジュール・予算に余裕があれば、泊まって観光も楽しもう。
なお、紹介した同様のルートで妻籠宿から馬籠宿まで歩けるが、坂道が多いのであまりお勧めはできない。
馬籠宿に関するよくある質問
Q
馬籠宿の年間平均気温は?
年間だと11℃前後です。ただし夏は最高気温が30℃以上、冬は最低気温が氷点下と季節の寒暖差が非常に激しいので注意してください。
Q
馬籠宿には動きやすい服装で行った方が良い?
上下の坂道が多くて歩くのが大変なので、アウトドアウエアにスニーカーの着用をお勧めします。季節に応じて防寒着や雨具、サングラスなどがあると役に立ちます。
Q
馬籠宿観光の所要時間は?
観光の目的や楽しみ方で異なりますが、2時間前後を目安に考えておけば満喫できるでしょう。
まとめ
江戸時代の風情を色濃く残す歴史的な宿場町・馬籠宿の見どころを中心に、お勧めの飲食店・宿泊施設を合わせて紹介してきた。
たくさんの偉人・旅人たちの心を掴んだ暖かいもてなしの精神は、現代にもしっかりと受け継がれている。
馬籠宿はエンターテインメント施設のような派手さや賑やかさはなく、どこか懐かしい気持ちにさせてくれるのが魅力だ。
“また帰ってきたい”と口にする人が多い、街の暖かさを感じにぜひ訪れてほしい。
中山道にも興味を持った人は、こちらの記事もチェックしよう。