“ボタンを押す”ことがテーマ!世界初のボタンのテーマパーク「OSEBA」へ
“ボタンがあったら押してみたいー”。
そんな人間心理に応える2024年7月にオープンした「OSEBA」は、エレベーターのボタンなどを専門につくる島田電機製作所が運営するボタンのテーマパーク。
SNSで大バズりし、「当選確率1%の日本一予約が取れない工場見学」とメディアに多数取り上げられ話題となった工場見学(現在は休止中)を経て、
ファン作り活動の一環として誕生したのが「OSEBA」だ。
ボタンを押すことだけに特化したさまざまな仕掛けが繰り出す新たな遊び場の、人気の秘密を探るべく施設内へ潜入してきた。
島田電機製作所に併設されている「OSEBA」
1933年に創業し、エレベーター用意匠器具を中心に セミオーダーからフルオーダーまで期待を超えるモノづくりにこだわってきた島田電機製作所。
日本中の高層ビルや有名建築のほとんどのエレベーターのボタンなどを実直につくり続けてきた企業だ。
真面目ながらも遊び心を持っている同社を一躍有名にしたのが2018 年に開始した工場見学(現在休止中)である。
2022年にはSNSで話題となり、工場見学の当選確率は当時1%、「日本一予約がとれない工場見学」と紹介された。
そうして2024年にファン作り活動の集大成として“押す”をテーマにした遊び空間「OSEBA」がオープンした。
「OSEBA」は京王八王子駅から徒歩約15分の位置にあり、島田電機製作所の工場内に併設されている。
敷地内に入ってみると、「ボタンを押せば何かはじまる」との文字が書かれている暖簾が見えてくる。期待感が掻き立てられる演出だ。
ボタンを押せば何かが変わる? ボタンを押せる喜びを体験
さあ、いよいよ中へ。
最初に入った部屋は「究極の2択」なるコーナーだ。
ボードにはキャラクターや食べ物などの2択が並び、どちらを選択するかのボタンがある。
「ラーメン」or「カレー」?「愛」or「お金」?など、悩ましい2択ばかり。
ボタンを押した数がカウントされるが、どの2択も数が拮抗しているのが面白い。
その後は、「無限エレベーターBOX」へ。
次々に繰り広げられるカラフルな映像は、自分は全く動いていないのにどんどん移動しているような感覚に陥ってしまう不思議な空間だ。
大きく「まなぶ」と「あそぶ」の2つのエリアで構成された遊び場へ
さあ、いよいよ「OSEBA」の内部に潜入!
エリアは大きく分けて「まなぶ」と「あそぶ」のふたつある。
「まなぶ」エリアでは島田電機製作所がエレベーターとともに歩んだ歴史やモノづくりのこだわりを紹介。
「島田100年ヒストリー」「クラフトマンウォール」「エレベーター製品紹介」「モノづくりクイズ」のコーナーがある。
一方の「あそぶ」エリアはここでしか体験できない遊びがいっぱい!
「1000のボタン」「333ハートビートボタン」「クレーンゲーム・ガチャ」など、センス抜群の体験コーナーが揃っている。
まずは「まなぶ」エリアへ。
ここは島田電機製作所の歴史や製品などを紹介しているところだ。
エレベーターと歩んだ歴史「100年ヒストリー」やモノづくりをわかりやすく紹介する「クラフトマンウォ-ル」のクイズ、製品紹介と楽しい展示に加えてここでもボタンが押せる。
奥に進むと、商業施設、オフィス、ホテル、リゾートと4つにカテゴライズされた代表的なエレベーター意匠器具が展示されており、それぞれのニーズに合わせて製作されていることが見て取れる。
モノづくりにこだわる島田電機製作所のまじめな遊び心を感じるコーナーだ。
押して、押して、押しまくる!「333ハートビートボタン」にチャレンジ
さあ、いよいよ「あそぶ」のコーナーに突入!
「OSEBA」のコーナーのなかで楽しみにしていたひとつ「333ハートビートボタン」へ。
これは333個のハート型のボタンを30秒間でいくつ押せるかを競うゲームだ。
意気揚々に全部押そうとスタートするが、開始10秒で早くも挫折……。
このゲームの壁面の左右幅は約 3m、上下幅は1mほどで、ボタンは均等に配置されているが思っていたよりも難しい。
結果は333個中の約半分の160個だった。
するとここで「333ハートビートボタン」の最多記録を持つ、島田電機製作所の小倉さんが登場。
ボタンの高低差をもろともせず、恐ろしいほどのスピードで332個を達成!
さあ、最後は最大のお目当てだった島田電機製作所の代名詞といえるコンテンツ「1000のボタン」へ。
“ボタンがあれば全部押したい”という人間心理に応えてくれる素晴らしき装置といっていいだろう。
壁一面に1048個のボタンが並ぶ、圧巻の景色だ。
形やデザイン、押し心地の違うボタンは1000種類以上あり、一つひとつ感触を確かめながら押していく作業がなんとも気持ちがいい。
芸能人や一般のお客様がデザインを考案したボタンもあり、なかでもユニークなのが、マヨネーズのキャップ型ボタンだ。
マヨネーズ好きの幼稚園生のお子さんが考案したものだそうだ。
島田電機製作所の社員考案「ボタンちゃん」グッズを持ち帰ろう
「OSEBA」の魅力はたくさんのボタンが押せることはもちろん、デザイン性の高さにもある。
館内のデザインやコンテンツは社員のアイデアから生まれたというから驚きだ。
なかでもキャラクターの「ボタンちゃん」は大人気!
とぼけたような、すましたようなひょうきんな表情がたまらないと評判だ。
館内にはボタンちゃんのぬいぐるみのほか、エレベーターボタンのキーホルダーもあるのでおみやげとして持ち帰ろう。
人気の工場見学も近々再開する予定
島田電機製作所は、遊び心ある取り組みが評価され、日本パブリックリレーションズ協会が主催する「PRアワードグランプリ2024」でゴールド賞を獲得。
「無名だったBtoBのニッチな下請け町工場を毎月2000人以上が殺到する人気企業に変えたファンづくり活動」が評価されたそうだ。大人気の工場見学も近々再開予定とのことだ。
まとめ
ボタンを押すことに特化したシンプルかつ他にはないテーマパーク「OSEBA」。
人間心理を突いた仕掛けで、ここでしか味わえることのできない満足感と非日常感が得られ、人々が集まるのも頷ける。行けば何か面白いことがあるのでは?と期待させてくれる「OSEBA」に今後も注目していきたい。ボタンを押しに、いざ「OSEBA」へ!