美しい里山の風景と文化を満喫!美山町の人気観光スポット9選
京都のほぼ中心にある「美山町(みやまちょう)」は名前の通り、美しい山々に囲まれた集落だ。
かやぶき屋根の民家が建ち並ぶ「かやぶきの里」を中心に、日本の古き良き情景が色濃く残り、一帯は国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。
写真映えするスポット・アクティビティ、ご当地グルメなど見どころも多い。
この記事では「美山町」の魅力やお勧めの人気観光スポット、定番のショッピングスポットを中心に紹介していく。
初めて訪れる人でも最大限に満喫できるよう、必要な情報をまとめたので、内容を参考に町内を巡ってほしい。
美山町ってどんなところ?
京都府のほぼ中央に位置する美山町は、豊かな自然と伝統的な暮らしが共存した人口4,000人ほどの小さな町。
四方を山々に囲まれた盆地で、由良川を中心に広がる風光明媚で落ち着いた場所だ。
季節の変化がはっきりとしており、夏は涼しく冬は降雪が多い。
そんな美山町の魅力は、かやぶき屋根の家々が立ち並ぶ「かやぶきの里」に代表される、のどかな里山風景である。
日本の農山村の原風景が街全体に色濃く残り、まるでタイムスリップしたかのような体験ができる。
また、恵まれた環境を活かしたアクティビティも充実し、ハイキングやサイクリング、川遊びを楽しめるほか、自然美に触れるネイチャーツアーも人気だ。
美山牛乳・美山産の野菜・鹿肉などの特産品を使ったグルメも多く、訪れる人々を絶品料理でもてなす町民の温かさも魅力のひとつ。
美山町のおすすめの観光シーズンは?
美山町を観光するなら、街全体をカラフルに彩る秋がお勧めだ。
秋が深まるとモミジ・カエデが赤・黄・オレンジ色に色づき、一帯はノスタルジックな里山風景に包み込まれる。
例年11月中旬から下旬にかけて見頃を迎え、伝統的なかやぶき屋根と紅葉が織りなす姿は美山ならではの情景として多くの観光客を惹きつける。
また、積雪したかやぶき屋根が並ぶ景色を見られる冬もお勧め。
冬の美山町ならではの美しさがあり、秘境に訪れたような気分にさせる。
美山町の季節ごとの着衣例
- 春(3月 - 5月): 軽めのジャケットおよび薄手のセーター
- 夏(6月 - 8月): 薄手の着衣、半袖
- 秋(9月 - 11月): 軽めのジャケット、コート
- 冬(12月 - 2月): コート、ウールスーツ、厚手のセーターやジャケット
美山町への移動方法は?
JR「京都駅」を起点にした「美山町」へのアクセスを以下の表にまとめた。
まずは最寄り駅のJR「日吉駅」を目指し、そこから市営バスで向かうのが基本ルートだ。
電車・バスともに本数が少なく、1本乗り遅れると次発まで1時間以上待つ可能性もあるので注意しよう。
そのため、事前に時刻表を確認し、行きと帰りのスケジュールを組んでおくのがお勧め。
- 経路
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1. JR「京都駅」からJR嵯峨野線快速・園部行に乗車し、「園部駅」で下車
2. 「園部駅」からJR山陰本線に乗車し、「日吉町駅」で下車、バスターミナルまで徒歩で移動
3. 「日吉駅」から南丹市営バス・知見口などに乗車し、「安掛(道の駅美山ふれあい広場)」で降車し、到着
※「美山からぶきの里」を目指す場合は、7駅先のバス停「北」で降車 - 所要時間
- 約1時間45分
美山町観光の主要交通手段
美山町は広範囲にわたって観光地が点在しているため、自由に巡りたいならレンタカーまたはタクシーがお勧めだ。
周辺には観光用の駐車場も整備されており、「かやぶきの里」を中心に観光スポットへ効率よくアクセスできる。
レンタサイクルも利用可能で、自然を間近に感じながら風景や清流のせせらぎを楽しむ場合はピッタリな手段。
本数が限られるものの、スケジュールをきっちり組めば市営バスによる観光も選択肢のひとつ。
美山町の魅力を満喫できる人気観光スポット9選
美山町の魅力を存分に味わえる、お勧めの観光スポットを紹介しよう。
象徴的なスポット「かやぶきの里」をはじめ、歴史を受け継ぐかやぶき屋根や建造物、文化など、日本の原風景に触れられる場所だ。
都会の喧騒から離れて気持ちをリフレッシュできる自然の豊かさも、特徴のひとつ。
紹介するスポットは、いずれも比較的近い距離にあるので、できるだけ多くのスポットに足を運んで美山町ならではの思い出をたくさん作ろう。
1. 美山かやぶきの里
珍しい茅葺き民家が数多く残る京都府南丹市の美山町。
なかでも39棟の茅葺き民家が現存する北集落には四季折々の自然に彩られた古き良き日本の原風景が広がり、国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されている。
現在は「美山かやぶきの里」として、集落全体が多くの観光客が訪れる観光スポットに。
神社や寺、生活道具や農機具で200年前の農家の暮らしを紹介する民俗資料館、藍染の作業場の2階で国内外から集めた絞り染め作品を展示する美術館などで、古くから現在まで続く日本文化に触れることができる。
2. 美山民俗資料館
茅葺き屋根の住宅が数多く残る美山町の北集落にある資料館。
施設は茅葺き屋根の主屋と納屋、倉の3棟で構成。
1993年の開館当初は約200年前の農家住宅を資料館として利用していたが、2000年の火災により主屋と納屋を焼失。
現在の建物は詳細な記録を基に再建・復元されたもので、古材などを使い当時の雰囲気を忠実に再現している。
3. ちいさな藍美術館
藍染め作家・新道弘之(しんどうひろゆき)氏が、2004年に開設された私設美術館。
「かやぶきの里」で知られる重要伝統的建造物群保存地区内に位置し、美術館も江戸時代(1603年~1868年)のかやぶき屋根の古民家を利用している。
7本の千木(ちぎ/屋根の部材)に支えられる天井をはじめ、全体的に趣深い雰囲気が漂う。
1階の作業場では伝統的な藍染めの工程を見学でき、2階では新道氏が長年にわたり収集した藍染めの貴重なコレクションを楽しめる。
インドネシアやナイジェリアの絞り染め、江戸時代の作業着、中国の苗族の衣装など、世界中の多様で珍しい藍染文化に触れられるのが魅力だ。
4. 石田家住宅
京都府南丹市美山町にある、日本最古の農家型住宅。
調査で見つかった祈祷札によって1652年の建築が明確となり、その歴史的価値から1972年に国の重要文化財に指定された。
「石田家住宅」は「北山型民家」の典型例で、内部は全て板壁となっている。
手斧(ちょうな)仕上げの梁や柱、片引きの板戸・居間のいろりなどの建築技術を通じて、当時の生活様式を体感できる。
見学期間は限られるが、無料かつ希望者にはガイドも付くため、建物の歴史・文化的背景を深く学べる。
自然の豊かな美山町の風景とともに、江戸時代の農村生活を身近に感じられる貴重なスポットだ。
5. 京都丹波高原国定公園ビジターセンター
京都府中央部に広がる京都丹波高原国定公園。
広大な森や清流があり、かやぶき屋根の特徴的な民家が点在する「かやぶきの里」など、日本の農村の原風景が色濃く残っている。
その玄関口として最初に訪れるべき場所が「京都丹波高原国定公園ビジターセンター」だ。地域の観光情報を提供するだけでなく、「木の原点を知る、森を守る」をコンセプトに、自然と文化が交わる里地・里山文化を発信する拠点として機能している。
6. 南丹市美山大野ダム公園
京都府南丹市美山町の大野ダム湖畔に広がる、自然豊かな公園。
1961年に完成した大野ダムの周辺は季節ごとに異なる表情を見せることから「虹の湖」と呼ばれ、その美しさで「ダム湖百選」にも選ばれている。
春になると、地元住民が植えた約1,000本の桜が見事に咲き誇り、桜のトンネルをドライブでくぐる体験ができるのが魅力だ。湖畔でのんびりピクニックをしながら、満開の桜を眺めるのも心地よい。
7. 美山町自然文化村 河鹿荘
京都府南丹市美山町に位置する観光複合施設。
宿泊・キャンプ・レストラン・石窯ピザ屋など、多彩な施設が揃い、訪れる人々に美山町の文化を楽しむ機会を提供している。
日本の原風景とも言えるノスタルジックな雰囲気が漂い、目の前には四季折々の美しい光景が広がる。
近くの清流由良川での川遊び・釣り、ハイキング・サイクリングなど、豊かな自然との触れ合いを存分に体験できるアクティビティも盛りだくさん。
旅の疲れを癒やせる泉質の良い温泉、美山町の味覚を味わえる料理屋があるので、宿泊先にもお勧め。
心地よい静けさが魅力的な「河鹿荘(かじかそう)」は、都会の喧騒を離れた癒しのひとときを求める方にピッタリのスポットだ。
8. 蓮如滝
「かやぶきの里」に向かう途中、左手に姿を現す美しい滝。
その名は浄土真宗中興の祖・蓮如上人(れんにょしょうにん)が1475年にこの地を訪れた際に絶賛したことに由来する。
滝の高さは約68mで上部から1/3は直下し、残りは傾斜を滑り落ちる、いわゆる滑滝(ナメタキ)の形が特徴的だ。
特に滝の水が白い筋のように見える雨後の眺めは絶景そのもの。
周りを囲む深い緑とのコントラストが四季折々に異なる表情も風情があって良い。
また、登山道が整備された滝の真下には由良川の清流が流れ、薄いエメラルドグリーンの水がきれいで心身ともにリフレッシュできる。
アクセスに優れるだけでなく、近くには人気の観光スポットもあるのでゆっくりと楽しめる。
9. 知井八幡神社
京都府南丹市美山町の中心部にある由緒正しき神社。
1,000年近くの長い歴史を持ち、地域の人々からの信仰も厚い。
社殿は美しい木造建築で、本殿は菊の花・鳩・虎・象・鳳凰・鯉といった様々な彫刻が繊細に施され、京都府の指定文化財となっている。
京都府文化財環境保全地区の指定も受けており、静かな自然の中に佇むその姿は心地よい安らぎを与えてくれる。
春に咲き誇る桜や秋に境内を鮮やかに彩る紅葉など、季節の訪れを感じさせる光景は圧巻だ。
また、毎年10月には地域の人々が集まり祭礼(神輿巡行)が行われ、厄払いと家内安全を祈願する。
知井八幡神社の伝統と地域の結びつきを感じられる貴重な機会なので、都合が合えば参加してほしい。
地元の食材を堪能するならココ!美山町の人気飲食店3選
美山町周辺にある人気の飲食店を3つ紹介しよう。
いずれも地元の食材を使った手作りのこだわり料理を味わえるお勧めのお店だ。
古き良き日本の原風景を楽しみながら食事や休憩ができるので、内容を参考に該当のお店にぜひ足を運んでほしい。
1. 美山のめぐみ 牛乳工房 美山本店
京都府南丹市美山町にある「道の駅 美山ふれあい広場」内の「美山のめぐみ 牛乳工房 美山本店」では、直営店ならではの新鮮な「美山牛乳」を使った各種スイーツを楽しめる。
この牛乳は、濃厚でありながら後味がさっぱりしているのが特徴だ。
人気のソフトクリームは、ミルク味のみで美山牛乳の豊かな風味をそのままにしている。ジェラートは常時10種類以上がショーケースに並び、季節ごとに変わる。
2. カフェ・美卵
「カフェ・美卵(みらん)」は、美山の自然豊かな環境に包まれた「かやぶきの里」の中にある小さな喫茶店。
店内は古民家風の落ち着いた雰囲気でテラス席もあり、窓の外にはのどかな田園風景が広がる。
伝統的なかやぶき屋根の光景とともに、ゆったりと食事ができるくつろぎの癒し空間だ。
最大の魅力は地元の新鮮な平飼い卵をふんだんに使った料理のラインアップ。
なかでも、濃厚な卵と牧場の原乳が素材の「自家製プリン」、美山牛乳を使った「ミルクジェラート」は好評の人気メニューなのでぜひ食べてほしい。
3. お食事処きたむら
京都の美しい自然に包まれた「お食事処きたむら」は、古き良き日本の風景が残る「かやぶきの里」の目の前にある食事処だ。
店の自慢は、美山産のそば粉を石臼で挽き、職人が手打ちで仕上げる絶品のそば。
30年以上の経験を持つ職人が心を込めて毎日打ち上げるそばは、喉越しが良く、豊かな風味と甘みが魅力だ。
お土産選びにも最適!美山町の定番ショッピングスポット3選
美山町でお勧めの定番ショッピングを3つ紹介する。
いずれも「かやぶきの里」の中にある人気店で、美山ならではの個性的な商品が揃う。
ご当地グルメの堪能やお土産の購入など、素敵な旅行の思い出作りにもピッタリの場所だ。
観光途中にぜひ立ち寄って、美山の魅力を肌で感じてほしい。
1. お土産処 かやの里
「かやぶきの里」に佇む「お土産処かやの里」は、旅の思い出を彩ってくれる素敵な場所だ。
店内には美山の豊かな自然が育んだ、素朴ながらも奥深い味わいの品々が並んでいる。
もち米やキビを使った餅や団子、手作りクッキーなど、どれも素材の良さを活かした優しい味わいだ。
土日祝日のみオープンの「北村きび工房」では、できたての餅や団子を味わいながら、ホッとひと息つくこともできる。
2. 道の駅 美山ふれあい広場
京都府南丹市美山町にある「道の駅 美山ふれあい広場」は、3つの施設で構成された地域の魅力が詰まったスポット。
近くには、美しい茅葺き屋根で有名な集落「みやまの里」が広がり、日本の原風景に触れることができる。
「ふらっと美山」には、米や鮎、鹿肉、猪肉のソーセージなど美山ならではの食材が揃う。美山の自然の恵みをたっぷり受けた新鮮な旬の野菜は、午前中で売り切れることも。
3. かやぶきの里 野田商店
京都府南丹市美山町にある「かやぶきの里 野田商店」は、地元民の生活を支えてきた老舗の商店。
長らく閉店していたが、地域と来訪者をつなぐ場所として2024年に営業を再開した。
現在は日用品・お菓子のほか、美山ならではの魅力的な商品を取り揃えるお土産屋の役割も担う。
なかでも、かやぶきの情景をプリントした手ぬぐいやボールペン、缶バッチなどの「かやぶきの里応援グッズ」が観光客に人気だ。
これらの売上の一部は、「かやぶきの里」の景観・暮らしを守るための保存会活動に活用されるので、ぜひ何かしらのグッズの購入をしてほしい。
また野田商店では、観光パンフレットの配布・集落内の観光案内も行っているため、最初に立ち寄るのがお勧め。
冬限定の幻想的な景色が広がる「美山かやぶきの里雪灯廊」
「かやぶきの里」で、毎年1月下旬から2月上旬にかけて開催される、「美山かやぶきの里雪灯廊」。
これは、集落の人が雪深い冬の美山に訪れる人をもてなそうとはじめた、幻想的なイベントだ。
期間中は、雪でつくられた灯籠、路地を照らす行灯やLED灯籠、さらに提灯などさまざまな種類の明かりが集落全体を包み込む。
美山町観光に関するよくある質問
Q
京都市内から美山町は日帰りで観光できる?
美山町はJR「京都駅」から片道約2時間なので日帰り観光も可能です。
Q
美山町の特産品は何?
豊かな自然を生かした「美山牛乳」・「鮎」のほか、「わら細工」・「ジビエ(天然のシカやイノシシ)」など多彩な特産品があります。
まとめ
「美山町」の見どころや人気観光スポット、お勧めの飲食店を中心に紹介してきた。
築150年~200年ほどの大小様々なかやぶき屋根の民家が立ち並ぶ美山町には、まさに日本の原風景と言える景色が広がる。
豊かな自然と調和したフォトジェニックな景観・アクティビティ・グルメといった、美山町ならではの魅力も多く、ふるさとに帰るような体験ができるはずだ。
ゆったり流れる時間と温かい住民のやさしさに触れて、心身ともにリフレッシュしよう。
美山町以外にも観光地・観光スポットの多い京都を観光するなら、定番の観光名所・ショッピングエリアなどをわかりやすくまとめた、こちらの記事も要チェック。