絶品ジンギスカンを食べられる北海道の人気店12選

絶品ジンギスカンを食べられる北海道の人気店12選

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筆者 : GOOD LUCK TRIP

北海道の代表的なご当地グルメのひとつ「ジンギスカン」。
道民にとっては子供の頃から家族や仲間と囲んで楽しむソウルフードであり、日常に欠かせない大切な存在だ。
この記事ではジンギスカンの魅力と併せて、北海道の中でも特に人気の観光地である「札幌」「旭川」「函館」に絞ってお勧めの飲食店を紹介する。
ぜひ内容を参考に北海道を巡る旅を満喫し、各地域で特徴が異なるジンギスカンの食べ比べにも挑戦してほしい。

ジンギスカンってどんな料理?

北海道のソウルフード「ジンギスカン」は、中央が盛り上がった専用のドーム型鍋を使って羊肉と野菜(玉ねぎ・もやし・ピーマンなど)を一緒に焼いて食べる郷土料理。
主に使われるのは、生後1年未満のクセがなく柔らかい「ラム肉」と、生後1~2年以上で歯ごたえのある「マトン肉」で、ロース・モモ・肩肉など様々な部位が楽しめる。
最近では、ラムとマトンの中間の「ホゲット」、幻の「サフォーク種」といった新たなカテゴリの登場によって幅が広がった。
北海道内でも地域ごとに食べ方は異なり、タレに漬け込んでから焼く「味付きタイプ」と、焼いた後にタレをつける「後付けタイプ」の大きく2種類に分かれる。
いずれも、中央の山の部分で羊肉を焼き、周囲の溝で野菜を蒸し焼きにすることで、肉と野菜のうまみが絶妙に絡み合い、独特な風味を感じられて美味しい。
また、羊肉はコレステロールが少なく、鉄分やビタミンが豊富、さらに野菜もたっぷり摂れるため、ヘルシーで健康面・美容面に良いのも魅力だ。

北海道の人々のソウルフード・ジンギスカン
北海道の人々のソウルフード・ジンギスカン

北海道のジンギスカンが有名な理由

北海道でジンギスカンが広まった背景には、大正時代(1912年~1926年)の国策による綿羊飼育の奨励が深く関わっている。
第一次世界大戦で羊毛の輸入が困難になると、日本政府は国産羊毛確保を図るため、北海道での綿羊飼育を推進し、その過程で大量の羊肉が手に入るようになった。
戦後も衣料資源不足で羊毛需要は高かったが、次第に北海道内では綿洋飼育から羊肉用の飼育へと変わっていく。
ただ当時の日本では羊肉を食べる習慣がほぼなく、ジンギスカンは羊肉消費拡大のために普及した料理だと言われている。
諸説あるが、中国東北部由来の「カオヤンロウ(烤羊肉)」を参考に日本人向けの羊肉料理として、昭和時代(1926年~1989年)初期に考案されたそうだ。
以降、飲食店や一般家庭に広まり、道民のソウルフードに根付くに至った。

北海道では綿羊飼育の過程で羊肉を食べるようになった
北海道では綿羊飼育の過程で羊肉を食べるようになった

札幌で美味しいジンギスカンが食べられる人気店6選

札幌のジンギスカンは焼いてからタレにつける「後付けタイプ」が主流で、お店ごとにタレに個性が表れるのが特徴だ。
ここでは札幌の中心部にある人気のジンギスカン店を6つに絞って紹介する。
いずれもこだわりの羊肉を使っており、新鮮で食べやすいラムやマトンを提供しているため、気になるお店に足を運んでほしい。

1. ジンギスカン ゆうひ すすきの本店

「ジンギスカン ゆうひ すすきの本店」は、札幌市営地下鉄「すすきの駅」より約5分のビル10階に位置する名店。
すすきのメイン通りを一望できる場所に面しており、夕日・夜景とともに羊肉を味わえる開放的な空間が特徴だ。
カウンター席からテーブル席までゆったりと配され、1人客からグループまで落ち着いて焼き上がる様子を楽しめる。
イタリア産岩塩をふんだんにまぶし、2日間低温熟成させたこだわりのラム肉は、驚くほど柔らかく、臭みを抑えつつ羊本来のうまみを引き出している。
なかでも、人気ナンバーワンに輝く「特上塩熟成ラムロース」がお勧め。
本店に加えて、札幌市内には麻生店・すすきの南5条店の計3店舗あるので、観光プランに応じて選べるのもうれしい。

2. すすきのジンギスカン 5条店

札幌市営地下鉄「すすきの駅」より徒歩4分の場所に位置する「すすきのジンギスカン5条店」。
北海道ならではの霜降り生ラムをはじめ、妥協なく仕込んだ羊肉を使ったオリジナルメニューが魅力。
血抜きを徹底した「生ラム肩ロース」は赤身のうまみが際立ち、レア気味で食べると鮮度の良さを実感できる。
数種類の野菜を何時間も煮込んだ自家製の秘伝タレはラムとの相性がバツグン。
一番人気の「壺漬け塩ねぎラム」はやみつきになる味わいが好評を博す。
さらに、7種類のジンギスカンと鶏肉・豚肉も楽しめる6,000円の食べ飲み放題コースも用意しており、ラム好きもそうでない人も満足できる内容となっている。
席は掘りごたつになっており、ゆったりと座れ、大人数や団体での入店が可能。
※16名以上の場合はグルメサイトや電話にて予約必須。
ラム肉だけでなく鶏肉や豚肉もあるので、ジンギスカンが苦手な人と訪れる時にもお勧め。

住所
北海道札幌市中央区南5条西6丁目9 第3エイトビル 2F(Googleマップ
営業時間
17:00~24:00
定休日
不定休

3. らむすけ

札幌市営地下鉄「すすきの駅」より徒歩約5分の場所にある「らむすけ」は、地元民が好む地域に根付いた繁盛店。
注文を受けてから店内で肉を丁寧に手切りし、新鮮な状態で提供するのが最大の特徴だ。
ドリップ(羊肉から出る余分な水分、血)の取り方などの仕込みの段階、旨味が凝縮された熟成の特製タレをはじめ、隅々までに妥協のないこだわりも魅力と言える。
そんな生ラムやマトンを焼き上げると、柔らかくジューシーな肉質と臭みのない他店とは一線を画す味わいを楽しめる。
同店のイチオシは「ラム」と肉厚に切った「ラムチョップ」。
また、一粒一粒が立つ新潟産コシヒカリのご飯もジンギスカンを引き立てるのに欠かせない存在だ。

住所
〒064-0804 北海道札幌市中央区南4条西5丁目6−1 都志松ビル3F(Googleマップ
営業時間
17:00 〜 23:00
※ラストオーダーは22時30分
定休日
日曜日

4. 炭焼ジンギスカン 北の風

札幌市営地下鉄「大通駅」の10番出口から徒歩約3分の場所にある「炭焼ジンギスカン 北の風」。
北海道各地の17の提携牧場から羊を1頭買いし、肉の特徴に合わせた最適なタイミングで提供している。
注文後に熟練のカットマイスターが手切りするため、部位ごとの旨みと柔らかさをしっかり感じられるのも魅力。
人気メニューは、スリットを入れて柔らかく仕上げた「ドラゴンラムロース」と、深い旨味が特徴の「ラム肩ロース」。
噛むほどに肉汁とラム肉の風味が口の中に広がる、名物「塊ジンギスカン」も見逃せない。
ジンギスカンだけでなく、北海道産のウニや牡蠣などの海鮮、旬の野菜も楽しもう。
テーブル席とカウンター席に加えて、半個室があるため、様々なシーンに対応している。

5. 成吉思汗だるま本店

昭和29年(1954)に開業した「成吉思汗だるま本店」。老舗の味を楽しみに足を運んでくれる方々のために、敢えて変わらないことを目標に日々営業を行なっている。
こちらのジンギスカンは、毎日鮮度の良いマトンを仕入れ、開店直前に職人によってカットしている。
マトンには独特のうまみがあり、そのうまみを引き立てるのが創業以来、女将が手仕込みしている特製のタレだという。

札幌の食の遺産・成吉思汗の美味しさの秘密は、変わらないこと
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6. 松尾ジンギスカン 札幌駅前店

「松尾ジンギスカン 札幌駅前店」は、1956年創業の老舗ジンギスカン店の直営店。
札幌市営地下鉄「さっぽろ駅」より徒歩3分、駅直結の好立地で本場のジンギスカンを気軽に味わえるのが特徴だ。
最初の注文では、スタッフが肉の説明や焼き方を丁寧に説明しながら調理してくれるため、特に初めてジンギスカンに挑戦する人にお勧め。
焼き上がった肉は柔らかく、羊肉特有のクセが苦手な方でも食べやすいと好評。
また、リンゴやタマネギを毎日すりおろして作る秘伝のタレはニンニク不使用で、老若男女が楽しめるのも魅力のひとつ。
4種の羊肉のほか、ライス・野菜盛合せ・ドリンク1杯などがセットになった「4種食べくらべセット」が人気メニューだ。

松尾ジンギスカン 札幌駅前店の外観
松尾ジンギスカン 札幌駅前店の外観

旭川で美味しいジンギスカンが食べられる人気店3選

旭川のジンギスカンはタレに漬け込んでから焼く「味付きタイプ」が主流で、厳しい気候に負けないよう濃厚でスパイシーな味付けを好む傾向が強い。
タレの下味に使われるリンゴ・玉ねぎ・生姜などは羊肉特有の臭みを抑え、肉を柔らかく仕上げる効果があるため、初めての人でも食べやすいだろう。
これから紹介する飲食店ではラム・マトンだけでなく、希少な部位も楽しめるので訪れてほしい。

1. ひつじ家

旭川駅より徒歩約7分、大きな羊のイラストが目印の「ひつじ家」は、提供まで一切冷凍していない生ラムの専門店。
カウンター席、テーブル席・個室を完備し、1人でもグループでも気軽に利用しやすい。
同店では、見た目が可愛らしい北海道の形をしたオリジナル鍋を使い、鍋中央の旭川の位置に肉を置いて焼くという遊び心にあふれた演出が評判だ。
一番人気の「ひつじ家特製ジンギスカン」を筆頭に、肉の種類が豊富で羊の色々な部位を楽しめる。
定番の生ラム・希少なアイスランドラムのほか、数量限定でエゾシカ肉も用意されており、北海道の味覚を堪能するのにぴったり。
どの肉も秘伝のたれ、特製の塩をつけると格別に美味しい。
また、インスタ映えする冷凍レモンが入った名物「レモンサワー」もお勧め。

2. 天空のジンギスカン

「天空のジンギスカン」は、旭川駅より徒歩約8分、「旭川はれて屋台村」の一角に佇むアットホームなお店だ。
同店では市場流通1%未満といわれる希少な国産「士別サフォークジンギスカン」をはじめ、ここでしか味わえない贅沢なラインアップが並ぶ。
ちなみに、士別サフォークとは「幻の羊肉」と呼ばれる適度なサシが入った高級品。
歯ごたえがありながら柔らかい肉質で羊独特の臭いがあまりなく食べやすい。
「エゾ鹿ジンギスカン」・「ラムハンバーグ」などの限定メニューも豊富に揃い、ジンギスカンの新たな魅力を発見できる。
また、「天空のじゃがバター」・「ラムの唐揚げ」といったサイドメニューも個性的で、お酒が好きな方にもぴったり。

多彩な飲食店が揃う旭川はれて屋台村
多彩な飲食店が揃う旭川はれて屋台村

3. 4.6Sheep

旭川駅から徒歩7分ほど、10店余りが立ち並ぶディープスポット「パリ街」の小路に店を構える「4.6SHEEP」。
生ラムジンギスカンの専門店として、最高品質のチルド生ラム肉にこだわり、ジューシーで奥深い味わいを実現している。
冷凍を一切せず、新鮮な状態で仕入れた同店の自慢メニュー「上生ラム」は、臭みが少なく、柔らかくて肉本来のうまみをしっかりと感じられる。
「ラムハツ」「ラムレバー」など、珍しい部位もあるので食通も満足できるだろう。
また、定番の塩・タレに加えて、トマトバジルの変わりダレでも楽しめ、素材の味を引き立てる多彩な味付けが魅力だ。
観光終わりの遅い時間に立ち寄れる深夜3時までの営業もうれしいポイント。

珍しいラムレバーなども味わえる(※写真はイメージです。)
珍しいラムレバーなども味わえる(※写真はイメージです。)

函館で美味しいジンギスカンが食べられる人気店3選

函館のジンギスカンは札幌と同様に「後付けタイプ」が主流だが、人気観光地なので各地の有名店が進出しており、バリエーション豊かなスタイルを楽しめる。
ここで紹介する3つの飲食店も異なる特徴、魅力を持っているので、相手や好みに合わせて適したお店に足を運んでほしい。

1. 成吉思汗 大黒屋 函館五稜郭店

「成吉思汗 大黒屋 函館五稜郭店」は2021年のオープン以来、地元の人々だけでなく観光客にも人気のジンギスカン専門店。
五稜郭公園前駅より徒歩2分という函館の中心地で、新鮮な生ラム肉を使った本場旭川のジンギスカンを味わえるのが最大の魅力だ。
冷凍を一切せず仕入れた生ラムは非常に柔らかいうえに臭みやクセがなく、大黒屋秘伝の自家製タレとも相性抜群で美味しい。
また、羽釜でふっくら炊き上げる北海道米「ゆめぴりか」を堪能でき、焼き野菜が最初の一皿無料サービスされる点も好評。
定番メニューは4種類の部位を一度に楽しめる「大黒セット」、さっぱり食べたい方は岩塩とハーブのアクセントが効いた「ハーブ」もお勧め。

五稜郭公園前駅からアクセスしやすいのも嬉しいポイント
五稜郭公園前駅からアクセスしやすいのも嬉しいポイント

2. 炭火ジンギスカン いい田屋

函館市電「宝来町駅」より徒歩3分ほどの場所に位置する「炭火ジンギスカン いい田屋」は、道内外に多くのリピーターを抱える函館屈指の名店。
電車通り沿いに白い暖簾が揺れる外観からは昭和の風情が漂い、こぢんまりとした店内に足を踏み入れると清潔感のある落ち着いた空間が広がる。
店主夫妻で運営しており、主人・女将さんの温かいおもてなしは居心地が良いと評判だ。
メニューはシンプルに羊肉のみを扱いながら、品揃えは希少部位まで幅広く、一度の来店で多彩な味わいを楽しめるのが魅力。
爽やかな風味が特徴の定番「生ラム」のほか、「ラムチョップ」・「ラム胸腺」・「ラムタン」など独特の食感やうまみを持つ一品が人気だ。

ラムチョップをはじめとする多彩なメニューが揃う(※写真はイメージです。)
ラムチョップをはじめとする多彩なメニューが揃う(※写真はイメージです。)
住所
北海道函館市宝来町22-1(Googleマップ
営業時間
16:00 〜 21:30
※ラストオーダーは21時
定休日
木曜日

3. ジンギスカン テムジン

木の温もりを感じるモダンな店内でゆったりできる「ジンギスカン テムジン」。
臭み・クセが少ない北海道産サフォーク種のラム肉を中心に、複数の部位を楽しめるのが同店の特徴だ。
最高の状態で提供するために、硬い筋や余分な脂を丁寧にトリミングし、赤身と脂身のバランスを考慮したカットにこだわりを持つ。
また、備長炭七輪で焼き上げることで、肉本来の旨みと香ばしさを最大限に引き出している。
看板メニューの「生ラムガングロ」はフルーティーな秘伝ダレを絡めて頬張る一品で、初めての方も食べやすいと好評だ。
コリコリとした食感がたまらない「希少ラムタン」もお勧め。
アクセスは湯の川温泉駅から徒歩2分、温泉街の散策途中に立ち寄るのも良いだろう。

丁寧なトリミングと備長炭七輪が肉本来の旨みを引き出す
丁寧なトリミングと備長炭七輪が肉本来の旨みを引き出す

北海道民ならではのジンギスカンの楽しみ方も参考に

北海道では家庭だけでなく、花見・運動会など様々な場面でジンギスカンが親しまれ、季節を問わずみんなで鍋を囲んで楽しむのが定番になっている。
観光客にお勧めの楽しみ方は「ビアガーデン」と「バーベキュー」だ。
ビアガーデンは開放的な空間で、焼きたてのジンギスカンと冷えた生ビールを一緒に味わえるのが醍醐味。
青空や夜風を感じながらの食事は非日常感があり、仲間・家族と盛り上がるのに絶好のシチュエーションだ。
一方、バーベキューは炭火を使って焼くことで、羊肉のうまみや香ばしさが引き立ち、自然の中で食べる体験も特別感を演出する。
協力しながらの調理工程、作りたてを分け合う中で一体感が増し、自分たちで作ったというスパイスが美味しさを引き立てるだろう。

ビアガーデンやバーベキューでもジンギスカンを楽しんでみよう
ビアガーデンやバーベキューでもジンギスカンを楽しんでみよう

北海道のジンギスカンに関するよくある質問

Q

北海道ではなぜジンギスカンが人気なの?

A

歴史的な背景に、手軽さ・美味しさ・健康志向などの多様な魅力が重なり合ったことで人気を集め、多くの人に愛されるソウルフードに定着しました。

Q

北海道でジンギスカンが有名な地域は?

A

道内でも特に札幌・旭川・函館が有名で、市内外に人気のジンギスカン店が多くあります。

まとめ

この記事では、北海道のご当地グルメ「ジンギスカン」の楽しみ方とともに、北海道の3大都市(札幌・函館・旭川)にある人気店を地域別に紹介してきた。
2004年に「北海道遺産」に選ばれたジンギスカンは、地域・お店ごとに多彩なスタイルが存在する。
個性的な味わいを食べてみて初めて気付く発見もあり意外と奥深いのも魅力だ。
ここでお勧めした店舗にぜひ足を運んで、北海道旅行の醍醐味とも言えるグルメを思う存分に堪能しよう。