
【自然と人がつくる絶景9選】三重で出会うスケール感のある風景
海岸線を削る波、山を越えて続く古道、そして人の営みが重ねてきた風景。三重には、視界を圧倒するスケールの風景が点在している。鬼ヶ城や丸山千枚田、横山展望台など、地形や歴史、人の暮らしが重なり合うことで生まれた風景はどれも個性豊か。海・山・里、それぞれで異なる広がりを見せるのも魅力だ。歩いたり見上げたりしながら、視界いっぱいに広がる景色とその奥行きを体感してみよう。

鳥羽港から北東約14km、愛知県の伊良湖岬から西に3.5kmほどに位置する島。周囲3.9kmの小さな島で、その名のとおり、神が支配する島と信じられてきた。三島由紀夫の純愛小説『潮騒』の舞台になったことで知られ、映画のロケ地にもなっている。
『潮騒』は漁師の新治と海女の初江の純愛を描いた小説で、幅広い人気があり、5回も映画化された。1953年には、三島自身が神島を2回に渡って訪れ、執筆のための取材をした。
戦時中に伊良湖水道から放たれる大砲の着弾状況を確認したという、監的哨の跡は、『潮騒』のクライマックスで使われている。古墳時代からの数百という神宝を秘蔵する八代神社は、新治と初江がお参りした場所で、100年の歴史をもつ神島灯台も物語の舞台となった。
島全体が山になっているため、港から階段状に家が立ち並び、島独特の景観を作り上げている。もうひとつの地形的特徴は、島南端部のカルスト地形。石灰石が風化してできたもので、白くゴツゴツとした岩肌の「ニワの浜」も『潮騒』に登場する。
自然にも恵まれており、10月初旬には小型の鷹サシバや気流に乗って移動する蝶アサギマダラが見られ、冬には断崖に数多くの海鵜が巣作りをする。

八代神社の鳥居(鳥羽市提供)

神島灯台(鳥羽市提供)

時計台跡(鳥羽市提供)

監的哨跡(鳥羽市提供)

カルスト地形(鳥羽市提供)