抱返り渓谷

抱返り渓谷（だきがえりけいこく）は田沢湖と角館を流れる玉川中流に沿って続く全長10kmの渓谷。昔は人同士がすれ違う時に、お互い抱きかかえるようにしなければ通れなかったほど、狭く険しい山道だったことから名づけられたと言われている。

新緑と紅葉の名所として知られ、シーズン中は多くの観光客が訪れる。両岸の原生林と岸壁にかかる滝や、幻想的な青い渓流が美しく、東北の耶馬渓と称されている。「飯村少年碑」まで遊歩道が整備されており、道中にはダイナミックな急流や奇岩、大小の滝など、さまざまな観賞スポットが点在。爽やかな渓谷美を眺めながら約40分間のハイキングが楽しめる。

なかでも、何度も振り返ってみたくなるほど美しいと言われる、渓谷一番の名所「回顧（みかえり）の滝」は必見。優美な滝姿と周囲の自然が織り成す景観は一見の価値あり。渓谷入口に架かる全長80mのつり橋「神の岩橋」からの眺望や、老杉に囲まれた荘厳な雰囲気の「抱返神社」も見どころのひとつ。