東北を代表する山岳信仰と修験道の聖地、出羽三山。現在をあらわす「羽黒山」、過去をあらわす「月山(がっさん)」、未来をあらわす「湯殿山」の3つの山の総称で、開山より1430年を超える長い歴史の中で多様な信仰が育まれ、日本屈指の霊場としていまなお信仰が息づいている。
出羽三山の3つの山の三神を祀るのが、羽黒山山頂にある三神合祭殿。文政元年(1818)に再建され、国の重要文化財にも指定され、茅葺屋根の建物としては日本最大級を誇る。また、羽黒山参道の一の坂手前には柿葺、三間五層の国宝「五重塔」も。高さ29mで、現在の塔は文中元年(1372)の再建と伝わり、これは東北地方最古の塔でもある。杉木立のなかに佇む、その優美な姿は訪れる人を魅了している。鏡池の東にある元和4年(1618)再建の「鐘楼と建治の大鐘」も国の重要文化財に指定されている。
羽黒山山麓の随神門から石段を登って、三神合祭殿までは片道約90分ほど。参拝の際は歩きやすい服装で訪れよう。
ポイント
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出羽三山は、羽黒山、月山、湯殿山の3つの総称で、それぞれ6世紀に開山したと伝わる山岳信仰と修験道の聖地。
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羽黒山山頂にある三神合祭殿では、出羽三山の3つの山の神様を祀る。
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羽黒山参道には東北地方最古の塔でもある国宝「五重塔」が建つ。
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参拝の際は山道を歩くので、歩きやすい服装で訪れよう。