神秘的な光景が見られる天空の城・竹田城跡の観光ガイド
「竹田城跡」は標高約354mの山頂に位置する山城遺跡であり、完存する遺構として全国的に見ても珍しい存在。
晴れた早朝に見える雲海に包まれた、「竹田城跡」の幻想的な景観が最大の魅力だ。
この記事では「竹田城跡」を観光する際の楽しみ方やアクセス、雲海を見るために知っておきたいポイントなどを紹介する。
この記事を読み終わる頃には「竹田城跡」を存分に楽しむために、必要な情報が身に付いているはずだ。
目次
竹田城跡ってどんなところ?
兵庫県朝来市(あさごし)に位置する標高353.7mの「古城山」の山頂に、「竹田城跡」は聳え立っている。
別名「虎伏城」(とらふすじょう)とも呼ばれ、その名の通り虎が伏せているように見えることに由来する。
「竹田城跡」は日本100名城に選定されているほか、国に指定された重要文化財でもある。
主要な建物は残っていないものの、石垣がほぼ完全な状態で現存している珍しい山城だ。
現存する天守台や石垣など、当時の歴史や風情を感じられる見どころが多い。
雲海が発生すると見られる、幻想的かつ神秘的な景観が最大の魅力。
雲海が発生した時の景観や山頂にあることから、天空の城や日本のマチュピチュとも呼ばれ人気を博している。
山頂に建築された城なので、登山を楽しめるのも魅力のひとつだ。
「竹田城跡」は大河ドラマ「軍師官兵衛」のオープニングに使用されたほか、劇中のロケ地としても使用されている。
聖地巡礼に訪れる人も多い観光スポットだ。
竹田城跡の歴史
1443年頃、但馬(現在の兵庫北部)を守護する山名宗全(やまなそうぜん)が、配下である太田垣光景(おおたがきみつかげ)に築かせたのが始まりとされている。
しかし、1580年に豊臣秀吉(とよとみひでよし)によって落城。
その後も城主は変わり続け、城主が赤松広秀(あかまつひろひで)となった際に整備された石垣が今でも残っている。
1600年の関ヶ原の戦いの際、赤松広秀が命を落としたことで「竹田城」も廃城となった。
竹田城跡へのアクセス
「姫路駅」を起点とする、「竹田城跡」へのアクセスを紹介する。
「姫路駅」は「大阪」からのアクセスにおいて、経由地点となる重要な場所だ。
- 経路
-
1.「姫路駅」でJR播但線「寺前駅行」に乗車し、「寺前駅」で下車
2.「寺前駅」でJR播但線「和田山行」に乗車し、「竹田駅」で下車
3.「竹田駅」から周遊路線バスに乗車し、「竹田城跡」で下車 - 所要時間
- 約2時間
時間があるならハイキングも楽しもう
登山を楽しみたいなら、「竹田駅」からハイキングコースに入ろう。
3つのハイキングコースがあり、最も時間がかかるコースでも1時間程度で「竹田城跡」に到着できる。
どのコースもしっかり整備されているため、ハイキング初心者でも楽しめる。
なかでもお勧めのコースは「表米(ひょうまい)神社登山道」だ。
その理由は「竹田城」の城下町を観光できることに加え、「表米神社」を参拝してから登山できることにある。
「表米神社登山道」を利用する場合、「竹田城跡」への所要時間は約40分だ。
竹田城跡の観覧可能時間と観覧料金
「竹田城跡」の観覧可能時間と観覧料金は、以下の表を参考にしてほしい。
観覧可能な時間は時期によって異なり、1月4日~2月29日の間は閉山している。
観覧できない時間と時期に注意しよう。
- 観覧料金
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・大人:500円
・中学生以下:無料 - 観覧可能時間
-
・3月1日~5月31日 8:00~18:00(最終登城 17:30)
・6月1日~8月31日 6:00~18:00(最終登城 17:30)
・9月1日~9月22日 6:00~17:00(最終登城 16:30)
・9月23日~11月30日 4:00~17:00 (最終登城 16:30)
・12月1日~翌年1月3日 10:00~14:00 (最終登城 13:00)
竹田城跡のお勧め観光シーズンは?
「竹田城跡」を観光するなら、雲海が見られる9月下旬から11月下旬がお勧めだ。
雲海は常に発生しているわけではなく、明け方から8時頃に条件が揃った時のみ見られる。
「竹田城跡」に広がる雲海の絶景を見るためにも、観光時期や時間を調節して訪れてほしい。
雲海に浮かぶ竹田城跡を見るために知っておくべき条件とスポット
「竹田城跡」に広がる雲海は、限られた条件下でしか発生しない点にも注意しておこう。
また、綺麗に鑑賞できる場所も限られている。
これから紹介する内容を参考に、雲海に浮かぶ「竹田城跡」を見逃さないようにしてほしい。
雲海が発生する条件
「竹田城跡」で雲海が発生するための条件は、以下の通りだ。
- 高気圧の中心が日本海にあり、よく晴れている
- 湿度が高く、充分な放射冷却がある
- 風が弱い
- 前日の日中と当日の早朝の気温差が激しい
雲海は「円山川」(まるやまがわ)から発生する、霧によって生じる現象だ。
そのため、「朝来市」周辺における当日や前日の濃霧注意報もチェックしておきたい。
雲海と竹田城跡が生み出す絶景が見られるスポット3選
ここからは「竹田城跡」と雲海が見られるスポットを紹介しよう。
雲海に浮かぶ「竹田城跡」が見られるスポットと、雲海を見下ろせるスポットで絶景を楽しもう。
せっかく観光時期と時間を調整するなら、雲海を見る場所にもこだわってほしい。
1. 唯一無二の絶景を眺められる「立雲峡」
「立雲峡」(りつうんきょう)は「朝来山」(あさがやま)の中腹の自然公園であり、「竹田城跡」を望む人気の展望スポット。
「立雲峡」には3つの展望台があるが、最も美しく「竹田城跡」を見られるのは第一展望台だ。
他の展望台よりも道のりや所要時間は厳しいが、それだけの価値はあると言える。
展望台から一望できる、真っ白な雲海に「竹田城跡」が浮かぶ絶景は、唯一無二と言っても過言ではない。
2. 神秘的な絶景が見られるスポット「藤和峠」
「藤和峠」は「竹田城跡」の北西にあり、「立雲峡」の正反対にあたるスポット。
県道136号から入ってすぐの場所に駐車エリアがあり、そこから「竹田城跡」が望める。
登山をする必要がないので、車があれば訪れやすいと言える。
早朝だと「竹田城跡」は逆光となり、より神秘的な風景や写真が撮れるチャンスだ。
「竹田城跡」の石垣にいる観光客も逆光のおかげでシルエットになるので、写真撮影の際に目立たなくなる利点もある。
3. 雲海を見下ろす絶景を楽しめる「竹田城天守台」
「竹田城跡」の最も高い場所にある「竹田城天守台」。
南の方角に張り出している、「南千畳」(みなみせんじょう)を見下ろすポイントがお勧めだ。
まるでマチュピチュのような、雲海に浮かぶ大迫力の「竹田城跡」を堪能してみよう。
言うまでもなく絶好のフォトスポットであり、「竹田城跡」の造形美を間近に捉えながらの撮影が可能だ。
観光雑誌などに掲載されている写真は「竹田城天守台」から撮影されたものも多く、まさに雑誌やテレビで見た景色を実際に楽しめる。
竹田城跡の開放的な空間で天空ヨガを体験
「竹田城跡」の開放的な空間でヨガを楽しめる「天空ヨガ」。
ヨガの経験が少なくても、インストラクターがしっかり教えてくれるので安心してほしい。
日差しや風を全身で浴びながら呼吸を整えれば、ストレスや日頃の疲れを吹き飛ばせるはずだ。
「竹田城跡」から見える絶景と歴史を身体中に感じながら行うヨガは、他では体験できない。
「天空ヨガ」なら心も身体も健康になれるはずだ。他ではできない癒しの体験を「竹田城跡」で存分に満喫してみよう。
竹田城の城下町で風情とグルメを満喫しよう
「竹田城跡」が聳え立つ「古城山」の麓、竹田地区には「竹田城」の城下町が広がる。
「表米神社」をはじめとする観光スポットや宿泊施設、名物グルメを味わえる飲食店が軒を連ねている。
特に「竹田駅」前にある「恋人の聖地」のモニュメントは、「竹田城跡」を画角に収めながら写真が撮れるフォトスポットだ。
日没後にライトアップされた「竹田城跡」を、城下町から眺めるのもお勧めだ。
「竹田城」の石垣をイメージした、名物グルメ「とらふす焼」も見逃さないように。
片手で持てるサイズなので、食べ歩きにもピッタリだ。
名物グルメを食べながら、城下町ならではの風情を堪能しよう。
竹田城観光の拠点にお勧めの宿泊施設3選
「竹田城」と雲海が織りなす絶景を見るためには、朝の早い時間から絶景スポットへ向かう必要がある。
そのため、絶景を見たい方は竹田城周辺の宿泊施設に泊まることを強くお勧めする。
そうすれば、「竹田城」の絶景だけでなく、竹田城周辺のスポットもゆっくり観光できるだろう。
その際は、これから紹介する観光拠点にピッタリの宿泊施設に、ぜひ宿泊してほしい。
1. 竹田城 城下町 ホテルEN
2013年に旧木村酒造を改修してオープン。
旧木村酒造の敷地は広大で、ホテルをはじめ、レストラン、カフェなどが集まる複合商業施設へと生まれ変わった。
客室は竹田の街に点在する全6棟に13室。どの部屋も間取りが異なる。
なかには蔵を修復・再生した部屋もあり、それぞれに時の流れを感じられる趣がある。
ホテルからは竹田城跡が見え、城址へも徒歩で約50分と、観光の拠点としても重宝されている。
2. ホテルエリアワン和田山
車で「竹田城跡」まで約20分、「出石城下町」まで約35分、「城崎温泉」まで約57分と但馬エリアの観光拠点に最適。
客室は広々とした部屋が多く、シングルタイプでもゆったりと寛げる。10畳の和室もあり、小さな子ども連れや落ち着いて過ごしたい高齢者にも最適だ。
3. 有斐軒
「季節の花と心に響くおもてなし」をモットーにした客室9室の料理旅館で、和の趣と落ち着いた寛ぎ空間で旅人を出迎える。
一人客も歓迎、プチ贅沢を楽しめる1泊2食付きのプランもあり、気分転換にふらりと出かけるのもおすすめだ。
一方、家族で自由に入れる貸し切りの家族風呂や子どものみの浴衣の貸付などもあるので、旅の記念にぜひ利用したい。
竹田城跡だけじゃない!兵庫の絶景スポット3選
兵庫には「竹田城跡」以外にも、自然の絶景を楽しめるスポットが盛りだくさんだ。
「竹田城跡」の観光を満喫したら、これから紹介するスポットも合わせて訪れてみてほしい。そうすれば、より一層「兵庫県」の魅力に触れられるはずだ。
1. 明石海峡大橋
本州と淡路島を結ぶ明石海峡大橋。その全長は3,911m、2本の主塔の距離が1,991mの世界最長の吊橋として知られている。
大鳴門橋と合わせると関西エリアから四国までをつなぐ形となり、観光ルートとして人気も高い。
兵庫県神戸市にある舞子公園が、明石海峡大橋のゲートとなっている。
海面からの高さ約47m、総延長317mの橋桁の中に設けられた回遊式遊歩道「舞子海上プロムナード」からの景色も必見。
2. 六甲ガーデンテラス
六甲山上の標高880mに位置する「六甲ガーデンテラス」は、神戸の街並みを含む大阪平野-明石海峡の大パノラマと「1,000万ドル」と称される夜景を楽しめる展望スポット。
ワイドなパノラマを堪能できる高さ11mの「見晴らしの塔」、階段状のテラスに腰かけて景色を見ながらのんびり過ごせる「見晴らしのテラス」、六甲の山々や大阪平野が良く見える「見晴らしのデッキ」など敷地内には特徴の異なるビュースポットが点在。
3. 兵庫県立公園あわじ花さじき
あわじ花さじきは、兵庫県の淡路島北部丘陵に広がる約15ヘクタールもの広さの公園。
菜の花、ポピー、クレオメ、コスモス、ストックなど、どの季節でも、花一面の素晴らしい景観を堪能できる。
明石海峡・大阪湾の大パノラマと、季節の花々による彩り豊かな花のじゅうたんを同時に楽しめる極上の見物席。
竹田城跡に関するよくある質問
Q
竹田城跡で雲海が見られる時期と時間はいつ?
9月下旬から11月下旬で、明け方から8時頃まで
Q
竹田城跡で桜は見られる?
30本以上の桜があり、4月上旬から中旬が見頃になる
まとめ
この記事では「竹田城跡」の歴史やアクセス方法、雲海を見るために知っておきたいポイントなどを紹介してきた。
最大の魅力と言えば、雲海に浮かぶ幻想的な「竹田城跡」の姿だろう。
日本のマチュピチュとも称される絶景は一見の価値がある。
これを機に、ぜひ「竹田城跡」を観光してみよう。
「竹田城跡」以外に「兵庫県」で訪れる観光スポットに迷ったら、以下の記事も参考にしてほしい。