【八甲田山の観光ガイド】圧倒されるほど豊かな自然を五感で楽しむ

【八甲田山の観光ガイド】圧倒されるほど豊かな自然を五感で楽しむ

更新 :
筆者 : GOOD LUCK TRIP

青森県青森市の南部に位置するのが「八甲田山」であり、大小ある山々を総称したものだ。
日本百名山のひとつに数えられ、美しい景色を見ながらのハイキングや登山などが魅力。複数のコースが整備されているため、技術や体力に合わせて楽しめる。
この記事では「八甲田山」へのアクセスやお勧めの観光シーズンを中心に、「八甲田山」の見どころを詳しく紹介していく。
この記事を読めば、「八甲田山」の楽しみ方や魅力を余すことなく理解できるはずだ。

八甲田山ってどんなところ?

青森県青森市に位置し、その南側にそびえる「大岳」を主峰とした18の山々からなる複数火山の総称が「八甲田山」。
1,585mを誇る主峰の「大岳」を筆頭に、「高田大岳」や「井戸岳」などが「八甲田山」の代表的な山岳だ。
日本百名山に選ばれており、豊かな自然景観を楽しめることが最大の魅力。
渓谷や滝といった定番の見どころから、噴気孔跡や温泉など火山群ならではの特徴も多い。
湿地帯が点在しており、湿原植物の観察も「八甲田山」を楽しむ方法のひとつ。
美しい自然景観に囲まれながら登山やハイキングができるとあって、アウトドア好きから高い人気と評価を得ている。
登山道がしっかりと整備されているので、初心者でも登山やハイキングを楽しみやすい。
さらに上級者でも楽しめるよう、複数の登山コースが用意されている点も嬉しいポイントだ。
自分の技術や体力に合わせてコースをセレクトしよう。
「八甲田山」の周辺には温泉宿も点在しているので、登山やハイキングを楽しんだ後はゆっくりと身体を癒してほしい。

圧倒されるほど豊かな自然景観を満喫しよう
圧倒されるほど豊かな自然景観を満喫しよう

八甲田山へのアクセス

青森観光の移動拠点となる「JR青森駅」を起点として、「八甲田山」へのアクセスをご紹介。
「八甲田山」という言葉が指し示す範囲が広いため、ここでは人気の観光スポットであり、代表的な登山コースへと続く「八甲田山ロープウェー」までのアクセスを紹介しよう。

経路
1. 「青森駅前」でJRバス東北の「十和田湖行」に乗車し、「八甲田ロープウェー駅前」で下車
2. 「八甲田ロープウェー駅前」から徒歩すぐ
所要時間
約1時間

八甲田山のお勧め観光シーズンは?

「八甲田山」を観光するなら、秋と冬に訪れるのがお勧め。
秋の「八甲田山」の山々一面に広がる紅葉は、一見の価値がある。
冬の大きな見どころは樹氷で、見られる地域が限られる貴重な現象だ。
もし観光する時期を調整できるのであれば、ぜひ秋か冬に訪れてほしい。

八甲田山の圧倒的に豊かな自然を楽しむ4つの方法

「八甲田山」には観光スポットや見どころがたくさんある。
そのため、事前に楽しみ方を知っておくことが大切だ。
でなければ、なんとなく自然の景観を見て終わってしまうことになりかねない。
これから紹介する楽しみ方をベースにしながら、「八甲田山」周辺の観光スポットや温泉地を巡るのがお勧めだ。

圧倒されるほどスケールが大きく美しい紅葉を楽しむ

「八甲田山」では紅葉の見頃を迎えると、山々が紅や黄金色に染まる絶景が見られる。
場所により見頃の時期は異なるが、山頂付近は9月下旬頃から色付き始める。
全体的な見頃を迎えるのは10月上旬から下旬にかけてだろう。
山々が数えきれないほどの紅葉で、紅や黄金色に染まる姿は圧巻だ。
紅葉にも濃淡があり、「八甲田山」のようにスケールが大きいからこそグラデーションがより美しくなる。
八甲田ロープウェー」から見下ろす紅葉は特に美しく、絶景の一言に尽きる。
紅葉の絨毯が真下に広がる景色を一望してみよう。

圧倒的な紅葉をぜひその目で見てほしい
圧倒的な紅葉をぜひその目で見てほしい
空中から辺り一面に紅葉が広がる絶景
空中から辺り一面に紅葉が広がる絶景

冬ならではの絶景「八甲田樹氷」を楽しむ

冬になると「八甲田山」にはたくさんの雪が降り積もる。
一面が白銀の世界に包まれる景色は、冬の寒さを忘れてしまうほど。
そんな「八甲田山」で見逃せない冬の景色と言えば樹氷だ。
大まかに言えば、樹氷とは冷却された水蒸気や過冷却の水滴が樹木などに付着してできた氷のこと。
樹氷は世界的にも珍しい現象のひとつで、日本以外で見られるのはドイツくらいだと言われている。
特に「八甲田山」のような樹氷が見られるのは、日本だけと言っても過言ではない。
幻想的かつ神秘的な景色が広がり、どこか不気味さまで感じられる。
樹氷の見頃は1月から2月頃。

特定の場所と条件下でのみ見られる樹氷
特定の場所と条件下でのみ見られる樹氷

絶景の中で冬の定番アクティビティを楽しむ

「八甲田山」には「八甲田スキー場」があり、スキーやスノーボードなど冬定番のアクティビティを存分に楽しめる。
「八甲田スキー場」の大きな魅力は、「八甲田山」の大自然を活かしたスキー場であること。
雄大な雪景色を眺めながらの滑走には、たまらない爽快感がある。
加えて、大きな見どころのひとつと言えるのが樹氷。
樹氷は「八甲田山」における冬の風物詩だが、これがスキー場内でも見られるのだ。
樹氷の間を縫うような滑走は「八甲田スキー場」でしかできない体験だ。
機会があれば、ぜひ体験してほしい。

冬の絶景の中でスキーやスノボを楽しもう
冬の絶景の中でスキーやスノボを楽しもう

空中から八甲田山の絶景を満喫できる「八甲田ロープウェイ」

八甲田山系の一つ、田茂萢岳(たもやちだけ)にあり、山麓駅と標高1,314mの山頂公園駅を約10分で結ぶ八甲田ロープウェー。
八甲田連峰の雄大な自然が織りなす四季折々の絶景を求める観光客はもちろん、夏のトレッキング客や冬のスキー客にも人気が高い。
年間を通して運行されており、5月中旬には新緑、9月下旬から10月中旬にかけては紅葉、1月から2月下旬には樹氷と変化に富んだ景色を楽しめるのが特徴。
ゴンドラ内はもちろん、山頂からも見事な紅葉が眺められる秋は特に人気のシーズンで、毎年10月には約10万人がロープウェーを利用する。

新緑、紅葉、樹氷など八甲田連峰の雄大な自然を一望
新緑、紅葉、樹氷など八甲田連峰の雄大な自然を一望

八甲田山周辺でお勧めの温泉地2選

「八甲田山」の周辺には有名な温泉地や秘湯が点在している。
日本三大秘湯や歴史の深い温泉地など、魅力に溢れたスポットが目白押しだ。
これから紹介する温泉地では、同時に「八甲田山」の雄大な自然も楽しめる。
「八甲田山」へ観光する際には自然景観だけでなく、温泉も合わせて楽しんでほしい。

1. 酸ヶ湯温泉

340年ほど前に開湯した歴史ある温泉地。
怪我を負った鹿が温泉で傷を癒したという逸話から鹿の湯と名付けられ、それが訛って酸ヶ湯温泉となったとされる。
酸ヶ湯温泉といえば総ヒバ造りの大浴場「ヒバ千人風呂」が有名。
青森産のヒバで作られた大浴場は160畳もあり、熱の湯、冷の湯、四分六分の湯、湯滝など5つの浴槽で構成されている。
この浴場は現代では少なくなってしまった男女混浴の文化が残されている場所。

国民保養温泉地第1号の歴史ある温泉宿
国民保養温泉地第1号の歴史ある温泉宿

2. 日本三秘湯 谷地温泉

開湯400年以上を誇り、徳島県の「祖谷渓(いやけい)温泉」、北海道の「ニセコ温泉」とともに日本三大秘湯に数えられる青森県の「谷地(やち)温泉」。
昔ながらの湯治場の雰囲気を残した温泉宿で、日本百名山のひとつ八甲田山麓に佇む。周辺には谷地湿原が広がる大自然に抱かれたロケーションも魅力だ。
本館と東館、西館と全36部屋あり、どの部屋からも広い窓から四季折々の景観を眺められる。

八甲田山麓に佇む日本三大秘湯の温泉宿
八甲田山麓に佇む日本三大秘湯の温泉宿

八甲田山周辺の観光スポット3選

「八甲田山」やその周辺の温泉地と併せて、これから紹介するスポットも巡ってみよう。
「八甲田山」を一望できたり、「八甲田山」の火山活動によって生まれたスポットだったりと、「八甲田山」との関係も深いスポットだ。
どちらも雄大な自然景観を楽しめるので、ぜひ青森の観光プランに組み込んでほしい。

1. 城ヶ倉大橋

十和田八幡平国立公園内にある城ヶ倉渓谷にかかる国道394号バイパスの橋。
全長約360m、アーチ支間長約255mの大きさは、上路式アーチ橋としては日本屈指のスケールを誇っている。
高さも約122mあり、眼下に城ヶ倉渓谷を見下ろす景色は圧巻だ。
橋からは、八甲田連峰や岩木山、青森市までを望むことができ、季節毎に趣の異なる風景が広がるのも魅力。

八甲田山の美しい風景が望める日本有数の上路式アーチ橋
八甲田山の美しい風景が望める日本有数の上路式アーチ橋

2. 地獄沼

酸ヶ湯温泉からほど近くにあり、約800年前に八甲田山で起きた火山活動の爆発によってできた沼。
面積は約4,500㎡で、付近で湧き出る温泉水が爆裂火口跡にたまってできたものだ。
今でも周辺には火山活動の名残である噴気口が点在し、独特の硫黄臭が立ちこめている。その様子から「地獄沼」と名付けられた。

青い水と周囲の火山活動によってできた沼
青い水と周囲の火山活動によってできた沼

3. 睡蓮沼

青森市街から十和田湖を結ぶ国道103号・通称「八甲田・十和田ゴールドライン」沿い、酸ヶ湯温泉から谷地温泉に抜ける途中にある湿地帯の沼。
道路からは見えないが、国道から遊歩道を2分ほど進むとたどり着き、周囲には大小無数の沼が点在する。

水辺に咲く花と四季折々の八甲田山の風景が美しい湿地帯
水辺に咲く花と四季折々の八甲田山の風景が美しい湿地帯

知っておくべき八甲田山の歴史

「八甲田山」には、観光するうえで知っておくべき事件がある。
その名も「八甲田山雪中行軍遭難事故」であり、世界最大級の山岳遭難事故として知られる。
日本陸軍による雪中訓練で起きた事故で、参加者210名のうち199名が死亡し、生存者は11名だった。
生存者の多くは凍傷により手足の切断を余儀なくされた。
この事故の原因は諸説あるが、いくつかのミスが重なった結果と言われている。
認識不足による貧弱な装備や情報不足、そして初日からの暴風雪が主な要因とされる。
この訓練の背景には1894年に起きた日清戦争での苦戦の経験があり、ロシア戦に向けた訓練だった。
なお、ロシア戦は1904年に日露戦争として実現する。
事件を忘れずにもう一度起こさないため、資料館や記念像が「八甲田山」周辺に設置されている。

観光中に雪中行軍遭難記念像などを見かける機会があるため知っておこう
観光中に雪中行軍遭難記念像などを見かける機会があるため知っておこう

八甲田山に関するよくある質問

Q

八甲田山の紅葉の見頃は?

A

全体的な見頃を迎えるのは10月上旬から下旬にかけてとなります。

Q

八甲田樹氷が見られる時期は?

A

例年1月から2月頃とされています。

まとめ

この記事では「八甲田山」へのアクセスをはじめ、お勧めの観光シーズンや楽しみ方を紹介してきた。
雄大な自然と四季の姿を間近で体感できると同時に、「八甲田山」でしか見られない貴重な景観を目の当たりにできるのが大きな魅力だ。
ぜひ、秋や冬の「八甲田山」へ観光に訪れてみてほしい。
以下の記事では青森観光における定番の観光スポットを紹介している。
観光先に迷ったら、こちらも参考にしてほしい。