【種差海岸の観光ガイド】多種多様な植物と景観を楽しもう

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筆者 : GOOD LUCK TRIP

青森県に位置し、太平洋に面する海岸が「種差海岸」(たねさしかいがん)。
650種を超える様々な植物が自生している珍しい場所だ。
4つのエリアで構成され、それぞれで異なる美しい景観を見られる魅力を持つ。
この記事では「種差海岸」を観光するなら知っておきたい基本情報や、見どころなどを詳しく紹介する。
記事を読めば「種差海岸」への観光を、より充実させるための楽しみ方がわかるはずだ。

目次

種差海岸ってどんなところ?

「種差海岸」は青森県の八戸市に位置する太平洋に面した海岸で、国の名勝地に指定されている「三陸復興国立公園」内にある。
「三陸復興国立公園」は東日本大震災によって被災した、三陸地域の復興に貢献するために創設された国立公園であり、いくつかの地区や公園を編入する形で構成されている。
今後の公園の名称は復興状況を鑑みながら、ふさわしい名称を検討していくとのこと。
「種差海岸」の見どころは、豊富な植物と多様な自然景観にある。
650種を超える自生する植物を鑑賞できるのは日本でもかなり珍しい。
岩礁や砂浜、芝生など場所によって趣の違う景観が楽しめるのも大きな魅力だ。
特に「種差海岸」を代表する天然の芝生地帯は圧巻で、海辺に広がる岩礁と鮮やかな緑のコントラストが素晴らしい。
「種差海岸」は市街地からのアクセスが良く、訪れやすいのも嬉しいポイント。
観光する際のスケジュールに組み込みやすいだろう。

多種多様な植物を観察してみよう
多種多様な植物を観察してみよう
場所や時間によって、全く異なる表情を見せるのも魅力のひとつ
場所や時間によって、全く異なる表情を見せるのも魅力のひとつ

種差海岸へのアクセス

ここからは八戸エリアの移動拠点となる「八戸駅」を起点に、「種差海岸」へのアクセスを紹介しよう。

経路
1.「八戸駅」でJR八戸線に乗車し、「種差海岸駅」で下車
2.「種差海岸駅」から歩いて3分ほど
所要時間
約40分

種差海岸のお勧め観光シーズンは?

「種差海岸」を訪れるなら、草花が美しい姿を見せる5月から10月がお勧めのシーズンだ。
多種多様な植物の観察が「種差海岸」の大きな見どころであり、せっかく観光するなら美しい植物たちを存分に観察してほしい。

草花を観察しながら散策してみよう
草花を観察しながら散策してみよう

種差海岸を観光するなら知っておくべき4つのエリア

「種差海岸」は大きく4つのエリアに分けられる。
それぞれで魅力や見どころは異なるが、エリアごとに把握していけば「種差海岸」がどんなスポットなのか理解できるだろう。観光の予定も立てやすくなるはずだ。

1. ウミネコと神社が見どころの「蕪嶋エリア」

「種差海岸」における最北の地域が「蕪島(かぶしま)エリア」。
現在は埋め立てにより陸続きになった「蕪島」は、ウミネコの繁殖地として国の天然記念物に指定されている。
ウミネコはカモメの仲間で、特徴的な鳴き声が猫に似ていることからウミネコと呼ばれる。
時期を迎えるとウミネコは繁殖を始め、その様子を間近で見られる国内唯一の場所として「蕪島エリア」は人気を博している。
「蕪島」に鎮座する「蕪島神社」では弁財天を祀っており、漁業安全や商売繁盛などのご利益があるとされる。
繁殖や子育ての時期には3万から4万羽ほどのウミネコが飛来するとされ、まさにウミネコで埋め尽くされるような圧巻の景色が魅力だ。

ウミネコが見どころのひとつとなっている蕪島エリア
ウミネコが見どころのひとつとなっている蕪島エリア

2. 様々な景観と芝生が広がる絶景を見られる「種差天然芝生地エリア」

JR八戸線の「種差海岸」から北部にかけて広がるのが「種差天然芝生地エリア」。
樹齢100年を迎える松並木が大きく広がる「淀(よど)の松原」や、海に浮かぶ高さ20mの「白岩」など類まれな自然景観が見どころだ。
木々の成長や岩の風化など、長い年月の経過を肌で感じられる。
日本らしい景観が魅力的だが、一番の見どころといえば天然の芝生が広がる一帯だ。
これまでとはまるっきり違う、異国に迷い込んだかのような美しい景色が広がる。

芝生が広がる光景を堪能しよう
芝生が広がる光景を堪能しよう

3. 眼前に広がる迫力ある太平洋の眺めが魅力の「大久喜エリア」

JR八戸線の「種差海岸駅」から南東の方角、「大久喜駅」からほど近くに広がる「大久喜エリア」。
見どころは「高岩展望台」だろう。
「種差海岸」の中で最も高い場所にある展望台として知られ、海に突き出ているため海岸線や奥に広がる太平洋を大迫力で楽しめる。
「弁天島」にある「厳島神社」も見どころのひとつ。
東日本大震災の津波によって鳥居が流され、アメリカの西海岸に漂着したことで話題になった。
返還された後に再建したことから、「奇跡の鳥居」と称されている。

太平洋を一望する景観が魅力の大久喜エリア
太平洋を一望する景観が魅力の大久喜エリア

4. 多様な自然景観をゆっくり散策しながら楽しめる「大須賀海岸エリア」

「蕪島」から海岸線沿いに「淀の松原」まで向かう間にあるのが「大須賀海岸エリア」。
ゆっくりと歩いて散策するのに適しているのが特徴だ。
草花に囲まれた中にそびえる「葦毛崎(あしげざき)展望台」をはじめ、岩礁近くに咲き誇る海浜植物などの美しい景観が魅力的。
大きな見どころは「大須賀海岸」に広がる「鳴砂の浜」。
踏みしめると音が鳴るのだが、これは砂に不純物が少ない証拠。
2km以上になる砂浜を歩くには体力が必要なので注意しよう。

岩礁近くに生い茂る海浜植物が見どころ
岩礁近くに生い茂る海浜植物が見どころ

種差海岸で絶対に外せない見どころ5選

「種差海岸」の見どころは多種多様な自然の姿を鑑賞できる点にある。
バラエティに富んだその姿は、日本でも類を見ないと言っても過言ではない。貴重な観光体験になるはずだ。
ここからは「種差海岸」にある数々の見どころの中でも、特に外せないものを厳選して紹介する。観光する際には、ぜひ訪れてほしい。

1. 蕪嶋神社

種差海岸の最北に位置する蕪島は、日本有数のウミネコの繁殖地として天然記念物として指定されている。
蕪島の石段を上がった丘の上には1269年に創建した蕪嶋神社がそびえる。
江戸時代になると八戸藩では初代藩主以来、累代藩主の信奉もあつかった。
祭神の市杵嶋姫命は、七福神の弁財天と同じ神様で、強力な金運を授けてくれる女神様。
漁場を知らせてくれるウミネコの群れは、その弁財天の眷属として古来、地元の人々に大切にされてきた。

ウミネコが飛び交う、丘の上の神社
ウミネコが飛び交う、丘の上の神社

2. 種差天然芝生地

「種差天然芝生地」はJR八戸線の「種差海岸」駅から歩いて5分ほどの場所にある。
なだらかな起伏に広がる天然の芝生地帯は「種差海岸」を代表する観光スポットで、この景観を目的に訪れる観光客がほとんどだ。
海沿いに広がる荒々しい岩礁と輝くように広がる芝生の緑が独特のコントラストを演出する、「種差海岸」でしか見られない光景と言える。
緑の芝生に彩を添える四季折々の草花も魅力的で、芝生に座りながら眼前に広がる海を眺めるのがお勧めだ。

荒々しい岩礁と輝くように広がる芝生の緑のコントラストが美しい
荒々しい岩礁と輝くように広がる芝生の緑のコントラストが美しい

3. 種差海岸インフォメーションセンター

「種差海岸」の「種差天然芝生地」前にある施設が、「種差海岸インフォメーションセンター」。
「種差海岸」を中心に「三陸復興国立公園」の自然文化を紹介、解説しながら情報提供を行っている施設だ。
趣向を凝らした展示の数々が魅力で、「種差海岸」に対する解像度がより一層高まるはずだろう。

「種差海岸」を観光するならまず始めに訪れてみよう
「種差海岸」を観光するならまず始めに訪れてみよう

4. 大須賀海岸

青森県八戸市にある「大須賀海岸」は、約2.3kmにわたって白い砂浜が続く広大な海岸。
砂の上を歩くとキュッキュッと音が鳴る「鳴砂」が特徴で、これは不純物が少ない綺麗な砂浜の証だと言われている。

キュッキュッと鳴く「鳴砂」の白い砂浜が続く、美しい海岸
キュッキュッと鳴く「鳴砂」の白い砂浜が続く、美しい海岸

5. 葦毛崎展望台

鮫角(さめかど)灯台前の岬にある展望台で、太平洋を見渡す開放的な眺望が広がるビュースポット。
展望台は断崖絶壁に突き出すように建てられているため視界を遮るものがなく、どこまでも続く太平洋の海岸線を一望できる。

断崖絶壁に建てられた見晴らし抜群の展望台
断崖絶壁に建てられた見晴らし抜群の展望台

みちのく潮風トレイルで東北・三陸沿岸の魅力と文化を体感しよう

青森県八戸市「蕪島」から、福島県相馬市「松川浦環境公園」までの全長1,000kmを超える「歩くための道」として整備された「みちのく潮風トレイル」。
「蕪島」から「種差海岸」までの約9kmの道は、起伏が少なく、同トレイルを初めて歩く人にも人気のコースとなっている。
せっかく「種差海岸」に訪れるなら、「みちのく潮風トレイル」を歩いてみてはいかがだろうか。
歩く速さだからこその発見や出会いがあるだろう。
「みちのく潮風トレイル」をもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてほしい。

絶品海鮮グルメを味わえる!種差海岸の周辺グルメスポット3選

「種差海岸」を有する八戸市には港があるため、海鮮グルメが名物だ。
八戸市には市場もあり、一般の人でも買い物や海鮮グルメを堪能できる。
観光の時間に余裕があれば、これから紹介する市場にもぜひ立ち寄ってほしい。
朝早くから営業している飲食店もあり、朝食を食べるにはぴったりだろう。

1. 八食センター

日本屈指の港、八戸港で水揚げされた新鮮な魚介を中心に八戸の名物が揃う市場。
港近くで営んでいた鮮魚小売業者が集まり、この場所で市場を開いたのが始まりで、2020年には40周年を迎えた。
4200㎡を超える売り場には約60店舗が軒を連ね、威勢のいい呼び声があちこちから聞こえてくる。

約60店舗が軒を並べる巨大市場
約60店舗が軒を並べる巨大市場

2. 館鼻岸壁朝市

毎週日曜朝にだけ八戸の館鼻漁港に出現する巨大朝市「館鼻岸壁朝市」(たてはながんぺきあさいち)。
日中は何の変哲もない地方の港だが、朝市が行われる明け方には全長800mにわたって300以上の店が立ち並ぶ。
朝市では鮮魚や干物などの海産物をはじめ、手づくりの総菜から手工芸品まで、ありとあらゆるものが販売されている。

日本有数の規模を誇る朝市
日本有数の規模を誇る朝市

3. 磯料理 芝亭

特徴的な海岸段丘が続く種差海岸前の三陸浜街道沿いにある食事処。
三陸の海で採れた豊富な魚介類を使ったメニューが揃う。

三陸の海と天然の芝生が広がる風光明媚なロケーションで味わう磯料理
三陸の海と天然の芝生が広がる風光明媚なロケーションで味わう磯料理

種差海岸に関するよくある質問

Q

種差海岸のベストシーズンはいつ?

A

草花が美しい姿を見せる5月から10月頃がベストシーズンです。

Q

種差海岸の見どころは?

A

複数のエリアで様々な姿を見せる美しい自然景観の数々です。

まとめ

この記事では「種差海岸」の見どころや各観光スポットの魅力を詳しく紹介してきた。
一言で「種差海岸」と言っても、エリアによって全く違う姿の景観を見られるのが特徴だ。
どのエリアにも共通する魅力は、ここでしか見られない絶景や自然の美しさを体感できること。
「種差海岸」でしかできない体験をしに、ぜひ足を運んでほしい。
以下の記事では青森観光を予定している方に、お勧めの青森県の定番スポットを紹介している。
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