【阿蘇山の観光ガイド】自然の迫力と雄大さを火山で体感しよう
「阿蘇山」は熊本県のシンボルであり、日本の中でも有数の活火山。
雄大な「阿蘇山」の姿はもちろん、火口を見学できることも大きな魅力のひとつだ。
「阿蘇山」では、自然の力強さを全身で感じ取る体験ができる。
この記事では「阿蘇山」の基本情報に加えて、観光にお勧めのスポットやシーズンを詳しく紹介する。
この記事を読んでから「阿蘇山」へ訪れることで、より充実した観光ができるだろう。
阿蘇山ってどんなところ?
由来は諸説あるが、熊本県は火の国の愛称で親しまれている。
そんな火の国熊本県のシンボルと言えるのが「阿蘇山」だ。
「阿蘇山」は熊本県の阿蘇地方に位置し、「阿蘇五岳」と呼ばれる5峰を中心とした東西に伸びる連山の総称。広く言えば、外輪山や火口原も含まれる。
火山噴火で発生した凹地をカルデラと呼び、カルデラの縁にあたる山稜の部分が外輪山だ。
加えて、火口原とは火口やカルデラ内の平坦な部分のこと。
「阿蘇山」には世界でも有数の大きさなカルデラがあり、その周囲は外輪山によって囲まれている。
南北25km、東西18kmにおよぶカルデラは面積にすると約350㎢となる。
広大なカルデラ内には阿蘇市と高森町、南阿蘇村の3つの自治体があり、約5万人が生活している。鉄道が走っている点も特徴だ。
雄大で力強い姿が魅力の「阿蘇山」だが、特筆すべき見どころは火口への見学ができること。
もちろん、火山ガスの発生など見学エリアの状況次第では規制されることもあるので、観光の際には注意しておこう。
阿蘇山へのアクセス
国際線を有する「熊本空港(阿蘇くまもと空港)」を起点とした、「阿蘇山」へのアクセスを紹介しよう。
空港からはバス1本で行けるため、迷う心配はない。
- 経路
- 「阿蘇くまもと空港」で「阿蘇山上線」のバスに乗車し、「阿蘇山上ターミナルで下車
- 所要時間
- 約1時間20分
阿蘇山のお勧め観光シーズンは?
「阿蘇山」を訪れるなら、お勧めの観光シーズンは秋だろう。
カルデラには広大な草原が広がっており、見晴らしの良い景観が魅力だ。
大草原がススキ野原に変わる秋の景色は特に絶景で、ススキの名所としても名高い。
観光スポットが集まる阿蘇山の観光エリア
「阿蘇山」はこれから紹介する3つのエリアに大きく分けられる。
雄大な自然を感じられるのはもちろん、お土産品の購入やグルメも楽しめる。
「阿蘇山」の魅力は自然景観だけではない。
各エリアの見どころや魅力をよく把握して、「阿蘇山」への観光プランを組み立てておこう。
1. 広大な草原が広がる「草千里エリア」
「阿蘇山」におけるカルデラの中央から、やや西側に位置するエリアが「草千里エリア」だ。
「草千里ヶ浜」とも呼ばれ、多くの観光客が集うことで知られる。見どころは広大な草原で、牛などが放牧されている。
四季折々で表情を変える色彩豊かな景観が魅力で、活火山から想像される荒涼としたイメージとは対照的だ。
飲食店も充実しており、熊本名物の馬肉やあか牛を堪能できる。
お土産品の購入が可能なカフェもあるので、観光で疲れた身体を休ませるのもお勧めだ。
2. 様々な見どころが詰まった「阿蘇山上エリア 」
火口を有する「中岳」の麓にあるのが「阿蘇山上エリア」。
「熊本空港(阿蘇くまもと空港)」から訪れるバスの到着地点である「阿蘇山上ターミナル」をはじめ、「阿蘇山上茶店」ではユニークなお土産の数々を購入できる。
「阿蘇山」から帰る前に1度は立ち寄ってもらいたい。
「阿蘇山上エリア」最大の見どころは「西巌殿寺奥之院」(さいがんでんじおくのいん)だ。
「阿蘇山」は昔から縁結びの信仰を集めており、良縁成就などのご利益があるとされる。
他では体験できないロケーションでの参拝ができるので、良い思い出になるはずだ。
3. 活火山の火口を見学できる「中岳火口エリア 」
文字通り、「阿蘇山」を構成する「中岳」の火口部分が「中岳火口エリア」。
「中岳」の火口見学が大きな見どころであり、「阿蘇山」の代名詞と言っても過言ではない。
自然の荒々しさや力強さを全身で体感できる貴重な場所だ。
それもそのはず、「中岳」の火口は現在も活動を続けている活火山。
そのため、活動状況によっては見学できないこともあるので最新情報には注意しておこう。
火口へは車道が整備されているので、ハイヒールでも火口見学ができると言われるほど気軽に近づけるのも魅力だ。
火山が織りなす雄大な自然景観を満喫!阿蘇山のお勧め観光スポット10選
地球の息吹を感じられるような、大自然の景観を堪能できるのが「阿蘇山」の魅力だ。
ここからは「阿蘇山」の中でも、特に訪れてもらいたいお勧めの観光スポットを紹介する。
観光の計画を立てる前に、各スポットをぜひチェックしておいてほしい。
1. 阿蘇中岳火口
阿蘇山の中央にある中岳(1506m)は現在も活発な活動を続ける火山で、激しく噴煙を上げる火口の様子を間近に見られる。
7つ並ぶ中岳の火口のうち、現在活動中で見ることができるのは第1火口で、周囲約4kmの巨大な噴火口の近くまで行ける。
ガスが晴れたときなどに火口の底に見えるのはエメラルドグリーンの火口湖で、温度50~60℃の強酸性の湯がたまっている。
2. 大観峰
大観峰はカルデラの縁(外輪山)のうち北側に位置し、大規模な陥没地形を展望できる。
標高936mの高みにあり、田畑が広がる阿蘇のまちと阿蘇五岳、くじゅう連山までが一望できる。
ここから望む阿蘇五岳がお釈迦様の寝姿に見えることから、阿蘇五岳は「涅槃像」と呼ばれることも。
秋から冬にかけての早朝は、眼下に雲海が広がる神秘的な阿蘇の姿に出会えることもある。
3. 草千里ヶ浜
阿蘇山の中核をなす阿蘇五岳のひとつ、烏帽子岳の北麗に広がる大草原。
古来多くの歌人や詩人に詠まれ、教科書でも取り上げられていることから、「阿蘇」といえばこの草千里ヶ浜を思い浮かべる人も多いに違いない。
草千里ヶ浜は標高約1140mの地にある約3万年前の火口跡で、直径約1kmになる草原が広がり、二重火口跡に水がたまったふたつの池がある。
噴煙を上げる中岳を背景に、茫々たる果てしない草原で馬の群れが黙々と草をはむ光景を見ていると、宇宙的な自然の力が感じられてくる。
4. 白川水源
阿蘇カルデラの伏流水が湧き出る、南阿蘇村湧水群のひとつ白川水源。
熊本市内を流れる一級河川、白川の源流で、環境庁(現環境省)の「名水百選」にも選ばれた有名な水源。
白川水源は、湧水の守護神ミヅハノメ神を祀り、熊本藩主細川家も保護を命じた吉見神社の境内にある。
常に水温14℃を保った水が毎分60トンの勢いで湧き出ていて、水底の砂を舞い上がらせて水が湧き出しているのが見られる。
透明度の高い水が光のグラデーションを映し、景色としても抜群の美しさを見せている
5. 阿蘇神社
阿蘇開闢の神、健磐龍命を主神に、家族神12神を祀った神社。
全国にある約500の分社の総本社である。その歴史は2000年以上とされ、阿蘇山火口をご神体とする火山信仰と融合し、肥後国一の宮として最高位の格式をもつ神社だ。
いつ頃ここに神社が鎮座したのか、記録は残っていない。
現在の社殿は熊本藩の寄進によって1835年から1850年にかけて再建されたもの。
6. 阿蘇ミルクロード
阿蘇カルデラは広大で、その外輪山は周囲約128kmもある。
その北西の稜線上を45kmに渡って走る絶景道路が、県道339号北外輪山大津線と45号阿蘇公園菊池線、通称「ミルクロード」だ。
もとは沿線の牧場から牛乳を搬出するための農道だったため、ミルクロードの愛称で親しまれている。
名称から想像できるように、沿道には外輪山の尾根伝いに牧草地のような緑の草原が続く。
7. 米塚
阿蘇山の中核をなす阿蘇五岳の一つ、杵島岳の麓にある円錐形の火山。
高さ約80mほどの小さな山で、約3300年前の噴火で形成されたと言われている。
斜面は草原に覆われており、春から夏にかけては山が美しい緑に染まる。
8. 高森湧水トンネル公園
豊富な湧水量を誇る全長約2kmの高森湧水トンネルのうち、約550mを公園化。
現在はトンネルの一部が公園として整備され、トンネル内の歩道を歩けるほか、水の大切さやトンネルの歴史について学べる水の資料館「湧水館」もあり。
9. 阿蘇カドリー・ドミニオン
阿蘇山の麓にある動物園で、約30万㎡の敷地内に世界の動物たちが暮らす。
ふれあい体験が充実しているほか、動物たちによるパフォーマンスショーも人気だ。
チンパンジーの「パンくん」をはじめ、テレビに出演する人気者たちが暮らしていることでも知られている。
10. 阿蘇ファームランド
健康の専門家がプロデュースした健康増進施設で、約100万m²の広大な敷地に大人から子どもまで楽しめるさまざまな施設が集まる。
運動施設からふれあい公園、温泉、グルメ、体験施設と1日中遊べるスポットが充実しており、森の中のドーム型ホテルで宿泊も可能だ。
阿蘇山に関するよくある質問
Q
阿蘇山が最後に噴火したのはいつ?
2021年の10月20日とされています。
Q
現在は火口周辺の立ち入りに規制はかかっているの?
一部のエリアで規制があり、状況次第で変化するので最新情報を追う必要があります。
まとめ
この記事では「阿蘇山」の基本情報をはじめ、お勧めの観光スポットなどを紹介してきた。
壮大な自然の息吹を感じられ、他では類を見ない景観を体験できるのが「阿蘇山」における最大の魅力だろう。
火山のパワーを体感するために、ぜひ1度訪れてみてほしい。
「阿蘇山」以外にも、熊本には観光客を魅了するスポットがたくさんある。
以下の記事では、厳選した熊本の観光スポットを紹介している。
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