【武雄温泉の観光ガイド】日本の歴史と癒しを感じられる温泉街
1,300年以上の歴史を持ち、柔らかな湯ざわりが特徴の「武雄温泉」。
肌に馴染みながらしっとりとする泉質のため、古くから「美人の湯」としても名高い。
魅力的な建築物も多く、なかには国の重要文化財に指定されているものもある。
この記事では「武雄温泉」で楽しめる温泉や、建築物の見どころなどを中心に紹介していく。
この記事を事前に読めば、「武雄温泉」への観光がより楽しいものになるはずだ。
目次
武雄温泉ってどんなところ?
「武雄温泉」は佐賀県の西部に位置する武雄市にある。
1,300年以上の歴史を持つ温泉地で、起源は仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)の皇后である神功皇后(じんぐうこうごう)にある。
神功皇后が朝鮮出兵から帰る折、岩を矛の柄で突いた際にお湯が湧き出たと言われている。
このエピソードから、「武雄温泉」は「柄崎温泉」(つかさきおんせん)とも称される。
かつては剣豪・宮本武蔵(みやもとむさし)や、日本に蘭学を伝えたシーボルトなどの歴史上における有名人物たちも「武雄温泉」を楽しんだと伝わっており、歴史の深さを感じられる。
泉質は弱アルカリ性の単純泉で、疲労回復や神経痛などに効くとされている。
保温性が高く、肌に馴染みながらしっとりとする柔らかい湯ざわりが大きな魅力だ。
温泉街には国の重要文化財に指定されている建築物が複数あり、中でも竜宮城を彷彿とさせる「武雄温泉楼門」は大きな見どころと言える。
「武雄温泉」のシンボルでもあるので、ぜひ訪れてほしい。
また、「武雄温泉」には日帰り入浴できる温泉施設が多いことも特徴的だ。
低コストかつ気軽に温泉を楽しめるので湯巡りもしやすいだろう。
武雄温泉へのアクセス
国際線を有する「九州佐賀国際空港」を起点として、「武雄温泉」へのアクセスを紹介していく。
割高にはなるものの、在来線特急を利用した方が短時間かつ少ない乗り換えでアクセスできる。
- 経路
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1.「九州佐賀国際空港」からバスに乗車し、「佐賀駅」で下車。
2.「佐賀駅」でリレーかもめに乗車し、「武雄温泉駅」で下車。 - 所要時間
- 約1時間30分
武雄温泉のお勧め観光シーズンは?
「武雄温泉」を訪れるなら、お勧めしたい季節は秋から冬にかけてだ。
肌寒い中で入る温泉、特に露天風呂には格別の気持ちよさがある。
紅葉などの自然景観を温泉と一緒に楽しめるのも魅力的だ。
佐賀では年明け頃から雪が降ることも多いので注意してほしい。
とはいえ、雪の温泉街も風流があってお勧めだ。
武雄温泉に訪れたら観光するべき2つの重要文化財
「武雄温泉」には温泉だけでなく魅力的な建築物も多い。
その中でも、国の重要文化財に指定されている2つの建築物を紹介しよう。
「武雄温泉」のシンボルとも言えるスポットで、大きな見どころのひとつだ。
「武雄温泉」に訪れたら、ぜひ温泉以外の魅力にも触れてほしい。
武雄温泉のシンボル「武雄温泉楼門」
「JR武雄温泉駅」から歩いて15分ほどの場所にある、竜宮城を思わせるような朱色の外観が特徴的な建築物が「武雄温泉楼門」。
国の重要文化財に指定されている貴重な建物だ。
釘を1本も使っていない点も特徴で、荘厳さと華やかさを併せ持った魅力がある。
佐賀県出身の建築家である辰野金吾(たつのきんご)による設計で、「東京駅」の設計をしたことでも知られる。
温泉街および観光地として発展してきた「武雄温泉」の拠点として建設が計画され、1915年に完成した。
大正時代の面影を色濃く残す「武雄温泉新館」
「武雄温泉新館」は「武雄温泉楼門」をくぐり抜けた先にある。
「武雄温泉楼門」と同じく1915年に完成した辰野金吾の設計による建築物で、こちらも国の重要文化財に指定されている。
朱色と白、深い緑の鮮やかな配色が魅力的な和風建築だ。
元々は大衆浴場として使用されていたものの、老朽化などにより休館した後に復元工事が施された。
現在は「武雄温泉」における資料館になっており、大正天皇(たいしょうてんのう)のために造られた浴室など貴重な資料や展示を見学できる。
武雄温泉の魅力が詰まった外湯3選
外湯とは宿泊施設を持たない公衆浴場のことで、いわゆる日帰りで利用する入浴施設のこと。
「武雄温泉」には外湯が豊富にあり、それぞれに異なる見どころがある。
どの施設にも共通する魅力は、歴史を感じる空間でゆったりとくつろげること。
特にお勧めしたい「武雄温泉」の外湯を魅力や特徴と共に紹介していくが、この他にも日帰り入浴ができる施設はたくさんある。興味があれば、調べてみるとおもしろいだろう。
1. 日本最古の歴史を持つ温泉施設「元湯」
「武雄温泉楼門」を抜けた敷地内にあるのが「元湯」。
神経痛や筋肉痛、関節痛などに効くとされる湯が温度別に2つ用意されている。
1876年に建築され、現在も使用されている温泉施設の中では日本最古の歴史を持つ建物だ。
歴史感じるレトロな雰囲気の中で、温泉に浸かれることが最大の魅力だろう。
木造建築らしいぬくもりと高い天井による開放感が楽しめる。
「武雄温泉」の中でも、特にお勧めしたい場所と言っても良いだろう。
2. 露天風呂とサウナも備え付けられた「鷺乃湯」
「鷺乃湯」(さぎのゆ)も「元湯」と同様、「武雄温泉楼門」を通り抜けた先の敷地内にある。
洗練された印象を与える、おしゃれな空間が魅力的だ。
レトロな「元湯」とはまるっきり違う雰囲気を醸し出しており、入り比べてみるとより楽しいだろう。
旅館である「楼門亭」の浴場でもあるため、良い意味で大衆浴場っぽさがないのが特徴だ。
露天風呂とサウナも付いており、温泉は冷え性や疲労回復に効くとされている。
3. 領主専用の風呂に浸かれる「殿様湯」
「殿様湯」も「武雄温泉楼門」内の敷地内に位置する大衆浴場、外湯だ。
江戸時代(1603年~1868年)中期に武雄の領主だった鍋島(なべしま)氏の専用風呂として造られた。
大きな特徴は総大理石の風呂であることで、白と黒の市松模様が美しい上品な作りが魅力だ。
なお、シーボルトの紀行文である「江戸参府紀行」にはシーボルトが「殿様湯」へ入浴したときの様子が記されている。
効能は神経痛や捻挫などに効果があるとされる。
武雄温泉の周辺観光スポット3選
「武雄温泉」やその周辺には、訪れたい魅力的な観光スポットが豊富にある。
可能であれば「武雄温泉」で1泊して、これから紹介する「武雄温泉」の周辺にある観光スポットも満喫してほしい。
宿泊することで、温泉もより楽しめるだろう。
1. 御船山楽園
武雄のシンボルでもある御船山の断崖を借景に、鍋島藩の第28代武雄領主・鍋島茂義が3年の歳月をかけて1845年に築いた庭園。
大きな池のある池泉回遊式庭園で、東京ドーム約10個分、約15万坪の広大な敷地を誇る。
園内には、数十万本の植物が植えられており、四季折々の花が咲き誇る名所として、いつも多くの人でにぎわう。
2. 武雄市図書館・歴史資料館
本、雑誌、雑貨の購入ができる「蔦屋書店」やカフェを併設した、新しいスタイルの図書館。
木のぬくもりあふれる広々とした館内は、2階の天井まで本が並ぶ圧巻の蔵書レイアウトが印象的。
いまや武雄の観光スポットとして欠かせない存在の武雄市図書館。ガイドブックで武雄の観光情報をゲットしたり、コーヒーで一息ついたりと、市民だけでなく観光客も思い思いに過ごせる。
3. 武雄神社
御船山の東麓にある、1200年の歴史ある神社。
主祭神の武内宿禰は、日本一長寿の神様として知られ、武運や開運、厄除けにもご利益がいただけるといわれている。
毎年7月から11月の週末、日没から22時まで市内の名所がライトアップされるイベント「武雄のあかりめぐり」の会場のひとつで、武雄神社では期間限定のお守りの授与もある。
御祭神である仲哀天皇・神功皇后の御神威で、2本の檜が根元で結ばれている夫婦檜にも注目したい。
武雄温泉に関するよくある質問
Q
武雄温泉の魅力は?
関節痛や筋肉痛などに効くとされる温泉はもちろん、美しい建築物も魅力のひとつです。
Q
武雄温泉に日帰り入浴施設はある?
複数個所あり、それぞれで異なる趣向の風呂が楽しめます。
まとめ
この記事では「武雄温泉」の見どころや周辺の観光スポットなど、温泉以外の魅力も含めて紹介してきた。
美人の湯としても名高い「武雄温泉」だが、国に指定された重要文化財である美しい建築物なども魅力のひとつだ。
歴史上の著名人にも愛された「武雄温泉」へ、ぜひ訪れてみてもらいたい。
なお、以下の記事では厳選した佐賀県の観光スポットを紹介している。
合わせて読んでみてほしい。