【有馬温泉の観光ガイド】豊かな自然と深い歴史を持つ温泉街で癒されよう
日本最古の歴史書「日本書紀」に登場するほど長い歴史を持つ、日本有数の温泉地が「有馬温泉」だ。
豊かな自然に囲まれた美しい自然と情緒溢れる温泉街の雰囲気が魅力で、国内外を問わず数多くの観光客を魅了している。
この記事では「有馬温泉」の楽しみ方やお勧めの観光スポットなど、観光前に知っておきたい情報を詳しく紹介していく。
記事の内容を参考に「有馬温泉」へ観光・滞在すれば、その魅力を余すところなく味わえるだろう。
有馬温泉ってどんなところ?
兵庫県神戸市北区の有馬町に位置する「有馬温泉」。
愛媛県の「道後温泉」、和歌山県の「白浜温泉」と並んで日本三古湯に数えられるほか、日本三名泉のひとつにも選ばれている。
それほどまでに歴史の深い「有馬温泉」は古くから数々の文人をはじめ、戦国時代の武将・豊臣秀吉(とよとみひでよし)にも愛されてきた。
「有馬温泉」は大きく分けて、金泉と銀泉の2種類の源泉を有する。
金泉の泉質は含鉄ナトリウム塩化物強塩高温泉で神経痛や筋肉痛、関節痛などに効くとされる。
対して銀泉は二酸化炭素泉や放射能泉であり、むくみの解消や高血圧などに効果があると言われている。
周囲を山々に囲まれた「有馬温泉」は豊かな自然に恵まれ、関西の奥座敷とも評される。
深い歴史を持つ「有馬温泉」ならではの情緒が温泉街には溢れており、旅行気分を存分に味わえる。
温泉街では食べ歩きもできるので、名物グルメを片手に「有馬温泉」の情緒を感じながら散策してほしい。
有馬温泉へのアクセス
兵庫観光において移動拠点となる「神戸駅」を起点に、「有馬温泉」へのアクセスを紹介しよう。
もっと所要時間が短い方法もあるが、乗り換え回数が多いので、以下の方法がお勧めだ。
- 経路
-
1.「神戸駅」から10分ほど歩いて「高速神戸駅」から神戸高速線に乗車し、「新開地駅」で下車。
2.「新開地駅」で神戸高速線に乗車し、「有馬温泉駅」で下車。 - 所要時間
- 約1時間10分
有馬温泉のお勧め観光シーズンは?
「有馬温泉」を訪れるなら、お勧めしたい観光シーズンは初夏にあたる新緑の季節だ。
散策にぴったりの過ごしやすい気候に加え、新緑に芽吹く山々の自然景観も美しい。
「有馬温泉」は紅葉の人気スポットでもあるため、秋に訪れるのもお勧め。
とはいえ、観光のベストシーズンであるがゆえに観光客はかなり多いので注意しておこう。
有馬温泉のお勧め日帰り入浴施設3選
ここからは「有馬温泉」に数多くある日帰り入浴が可能な施設の中でも、特にお勧めしたい施設を紹介しよう。
日帰り入浴できる施設はリーズナブルなうえ、気軽に温泉を楽しめるのが魅力だ。
温泉を満喫したいなら、これから紹介する施設を中心に湯巡りを楽しんでほしい。
1. 金の湯
赤褐色の「金泉」と無色透明の「銀泉」、2種の泉質のうち「金泉」が気軽に楽しめる日帰り入浴施設が「金の湯」だ。
館内には、男風呂として使用されている「一の湯」と、女風呂の「二の湯」、2つの浴室がある。
「一の湯」は、有馬温泉の伝統工芸品に欠かせない竹をイメージされている。「二の湯」は、紅葉の名所として知られる有馬の瑞宝寺公園のモミジがテーマ。
2. 銀の湯
「銀泉」が気軽に楽しめる日帰り入浴施設がこちら。浴室は太閤秀吉が入浴したという岩風呂をイメージ。
銀泉をたたえた広々とした浴槽に加え、噴き出す気泡が身体を刺激する「バイブラバス」や「打たせ湯」、「蒸気式サウナ」も備える。
ボディソープやリンスインシャンプー、ドライヤーが完備され、タオル類は販売しているので、手ぶらでも気軽に利用できる。
3. 太閤の湯
日本一の温泉成分濃度をもつ有馬の名湯・金泉をはじめ、26種類の風呂と岩盤浴が楽しめる。
露天風呂は6つあり、岩風呂や五右衛門風呂、人工の炭酸泉やハーブ風呂など多彩。大浴場では金泉、銀泉を満喫することができる。
有馬温泉を満喫するために実践すべき3つの楽しみ方
温泉が最大の魅力である「有馬温泉」だが、その他にも魅力や見どころは多い。
ここからは温泉以外の楽しみ方も紹介するので、ぜひ実践して「有馬温泉」での観光を満喫してほしい。
1. 温泉街に残る歴史の面影を散策する
「有馬温泉街」には、「有馬温泉」を愛した豊臣秀吉とゆかりのある場所が多い。
中でも、特にお勧めしたいのは「ねね橋」。
ねねは豊臣秀吉の正室であり、北政所(きたのまんどころ)の通称で知られている。
朱色の欄干(らんかん)と、向き合うように建てられた豊臣秀吉像とねね像が見どころだ。
趣深いだけでなく、日本文化や歴史に触れるきっかけにもなるだろう。
2. 情緒溢れる温泉街で名物グルメを満喫
情緒溢れる温泉街を散策しながら、様々な名物グルメを楽しめるのも「有馬温泉」の魅力のひとつだ。
特に外せないのは名産品である、神戸牛を使った料理だろう。
ステーキなど、肉本来の味わいを楽しめる食べ方がお勧めだ。
地元の食材を使った釜飯も人気で、日本ならではの味覚を楽しめる。
温泉街を散策するなら、食べ歩きも忘れてはならない。
金泉をイメージした生菓子の金泉焼が人気を博しており、柔らかい口当たりが特徴だ。
食べ歩きなら酒まんじゅうもお勧めしたい。
滑らかなこし餡が味わい深く、お酒は香る程度なのでお酒に弱い方でも食べやすいだろう。
3. 有馬伝統のお座敷遊びで芸妓文化を堪能
「有馬温泉」を含む有馬には、芸妓(げいこ)文化が今も残っている。
芸妓とは、舞踊や音楽で宴会の席を盛り上げながらお客をもてなす女性のことで、芸者とも呼ばれる。
「有馬温泉」で4月上旬に行われる「さくらまつり」や、7月中旬の芸妓の浴衣会、7月下旬から8月中旬の涼風川座敷などで芸妓が登場し、舞い踊りを鑑賞できる。
「有馬温泉」において芸妓とお座敷遊びをするには、宿泊予約をした宿に頼んで来てもらうのが一般的。
ほとんどの宿泊施設で対応可能ではあるものの、念のために予約時にお座敷遊びができるかは確認しておこう。
自然と文化に触れられる!有馬温泉のお勧め観光スポット5選
「有馬温泉」には温泉施設以外にも、魅力的な観光スポットがたくさんある。
自然景観を楽しめるスポットや様々な文化に触れられる施設などにも、ぜひ足を運んでほしい。
ここからは「有馬温泉」にある数々の観光スポットの中でも、特に外せないスポットを厳選して紹介しよう。
1. 炭酸泉源公園
「炭酸泉源公園」は「有馬温泉駅」の南、温泉街を奥に進んで坂を上がった先にある。大きな見どころは飲泉が可能で、炭酸泉を飲めること。
日本初の国産オリジナルサイダーの素でもある。
美味しくはないものの、貴重な体験になるのでぜひ飲んでみてほしい。
「炭酸泉源公園」は「有馬温泉街」を見渡せる高台にあるので、美しい景色を楽しめるのも魅力的だ。
2. 鼓ヶ滝公園
「鼓ヶ滝(つつみがたき)公園」は「有馬温泉駅」から見て南の方角、六甲有馬ロープウェーにおける「有馬温泉駅」からほど近くの場所に位置する。
四季を感じられる美しい自然に囲まれた場所で、8mの高さから流れ落ちる滝が見どころ。温泉とは違った癒しを体感できるだろう。
3. 愛宕山公園
「愛宕山(あたごやま)公園」は「有馬温泉駅」の南、「炭酸泉源公園」から西の方角にある。
標高462mの小山が「愛宕山」で、約2,000万年前に起きた火山活動によってできた山だ。
地形を生かした公園で、見どころは展望台から「有馬温泉街」を一望できる絶景。
豊かな自然の中で、情緒のある街並みを眼下に収められる。
フォトスポットとしてもお勧めできる場所だ。
4. 有馬玩具博物館
神戸電鉄の「有馬温泉駅」から南に歩いて5分ほどの位置にあるのが「有馬玩具博物館」。
ドイツをはじめとする世界のおもちゃや、それらに関わる展示の数々が見どころ。
ユーモラスで不思議な世界観を堪能しつつ、世界の文化にも触れられるのが魅力だ。
家族連れ、特に子どもと一緒に訪れるとより楽しめるだろう。
5. 有馬切手文化博物館
「有馬温泉駅」から東の方角に位置するのが「有馬切手文化博物館」だ。
世界中で愛される切手は一種の美術品と称されるほど。
「有馬切手文化博物館」では貴重な切手コレクションを多数見られるほか、切手にまつわる様々な展示品を鑑賞できる。
身近で奥深い切手の世界を新たな発見や驚きと一緒に楽しめる、魅力的なスポットだ。
有馬温泉の魅力を満喫できる人気旅館3選
「有馬温泉」に数ある温泉旅館の中でも、特に人気の高い旅館を厳選してご紹介。
長い歴史に育まれた情緒を感じられる旅館や、美しい景観を楽しめる旅館など、どの旅館に宿泊しても「有馬温泉」の魅力を満喫できるだろう。
1. 兵衛 向陽閣
室町時代(1336-1537)の文献「蔭凉軒日録(いんりょうけんにちろく)」(1466年)にその名が登場する、創業700年を超える老舗温泉旅館。
有馬温泉の中でも最古かつ最大規模の異なる3つの大浴場で、名湯を楽しめる。
客室も、和室・和洋室をはじめ露天風呂付き客室など多彩。周囲に広がる温泉街の街並みや四季折々に景観が変化する六甲山の山並みを眺めることができるくつろぎの空間で、非日常を演出。
2. 陶泉 御所坊
創業は1191年と、有馬温泉最古の湯宿で、平安時代に活躍した歌人・藤原定家や時の太閤豊臣秀吉、伊藤博文や与謝野晶子、谷崎潤一郎など、今日に至るまで歴史上の著名人たちに愛されてきた名湯だ。
温泉は金泉の源泉掛け流し。客室は各部屋で間取りや設えが異なり、源泉かけ流し温泉付きプレミアムスイートから枯山水の庭が見えるスタンダードタイプまであり、なかには文豪たちが執筆活動をしていた部屋も。
3. 竹取亭円山
有馬温泉の中で、比較的高台にある温泉旅館。
館内には金泉・銀泉の湯が8ヵ所の貸切風呂があり、無料で利用可能。木々に囲まれたシチュエーションで、森林浴も楽しめる。
客室は全30部屋で、すべて異なる間取りの多彩な部屋タイプ。
料理は、すべて館内にあるレストラン(すべて禁煙)で用意され、季節の海の幸、山の幸の食材を豊富に取り揃えた会席料理が味わえる。
有馬温泉で訪れるべき人気飲食店3選
有馬に残る芸妓文化を堪能できるカフェだけでなく、気軽に食べ歩きできるグルメや温泉巡りの合間に一息つくのにピッタリなカフェをご紹介。
有馬温泉周辺で人気の飲食店を紹介するので、ぜひ足を運んでみてほしい。
1. 芸妓カフェ・バー 一糸
日本の伝統芸能の一つである芸妓の踊りやお座敷遊びが気軽に体験できるカフェ。
2015年、芸妓の事務所である有馬検番の1階を、常設舞台があるカフェバーとしてリニューアル。
2021年に有馬温泉の芸妓文化が神戸市歴史遺産に認定。
カフェでは有馬芸妓が常駐し、三味線や長唄にのせた踊りを披露してくれる。
2. 竹中肉店
「有馬温泉」駅から徒歩6分のところにある老舗の国産黒毛和牛、神戸牛専門店。
有馬温泉の旅館などへの卸売のほか一般客向けに小売も行っており、イートインも可能。
店内ではビーフコロッケやミンチカツ、牛串などが味わえる。
「竹中肉店」で取り扱うのは、出荷証明書、生産履歴証明書、子牛登録のある生産履歴がはっきりした牛肉ばかり。おいしくて安心な牛肉だけを厳しい選定基準のもとで仕入れて提供している。
3. カフェ・ド・ボウ
カフェ・ド・ボウは、有馬温泉の褐色の名物湯、金泉が出る金の湯の近くにあるレトロカフェだ。
「もし有馬温泉で仏蘭西人がカフェを開いたら・・・」と想像し、「浴衣がけでも、洋服でも似合う仏蘭西菓子店は?」と発想を膨らませてオープンしたこちらのお店は、オーナーがかつて住んでいた洋館を改装。
こだわりのあるアンティーク家具とオーナーが集めたカメラが並び、ノスタルジックな雰囲気が楽しめる。
有馬温泉と合わせて巡りたい2つの温泉郷
兵庫県には「有馬温泉」以外にも、魅力的な温泉郷が多い。
温泉が好きな方は、これから紹介する温泉郷にも立ち寄ってみてほしい。
「有馬温泉」と比較しながら温泉街巡りや湯巡りすれば、双方の魅力をより感じられるだろう。
1. 赤穂温泉
播磨灘に面した赤穂御崎の高台にあり、瀬戸内海を一望する景観が自慢の赤穂温泉。
開湯は1969年と比較的新しく、2000年には地下1,600mから新たな源泉も掘削された。
ミネラル成分を豊富に含む中性の食塩泉はなめらかな肌触りで保温効果も高く、「よみがえりの湯」の別名で親しまれている。
2. 城崎温泉
志賀直哉や島崎藤村ら文豪にも愛された伝統ある温泉街で、その歴史は1,300年以上。
徒歩20分圏内に7つの外湯(共同浴場)があり、風情たっぷりな街並みを歩きながら外湯めぐりを楽しめる。
7つの外湯はそれぞれできた時期が異なり、お湯の温度や建物の雰囲気はさまざま。
江戸時代の名医が天下一と称えた「一の湯」や、城崎温泉発祥の地「まんだら湯」、恋愛成就の湯として人気の「御所の湯」などを巡りながら、お気に入りを見つけよう。
有馬温泉に関するよくある質問
Q
有馬温泉は日帰りで温泉に入浴できる?
「有馬温泉」には日帰りで入浴できる施設もたくさんあります。
Q
有馬温泉でお勧めの旅館は?
「有馬御苑」や「兵衛向陽閣」は人気もあるのでお勧めです。
まとめ
深い歴史を持つ、情緒のある温泉街と温泉が魅力の「有馬温泉」。
この記事では、そんな「有馬温泉」の見どころや楽しみ方などを紹介してきた。
日本ならではの文化や趣に触れられる「有馬温泉」へ、ぜひ足を運んでみてほしい。
以下の記事では兵庫県の観光スポットを厳選して紹介している。
併せて読むことで、兵庫観光をする際のプラン作りに役立ててもらいたい。