魅力をより深く知るために読むべき徳島旅行ガイド
鳴門海峡のうず潮や阿波踊りで知られる「徳島」。
瀬戸内海に面しているだけでなく山も多いため、多様な自然景観を楽しめる。
なかには秘境とも呼べる場所もあり、徳島でしか出会えない絶景も多い。
魅力的な徳島を遊び尽くすために知っておくべき、エリア別の魅力や交通情報、モデルコースなどを紹介しよう。
この記事の情報とモデルコースを参考に、徳島の旅行プランを立ててみよう。
目次
バリエーション豊かな自然と伝統文化に触れられる「徳島」
徳島は四国地方の東部に位置し、北部は香川、西部は愛媛、南西部は高知に面している。
面積の約8割を山地が占めており、標高1,000mを超える山々も少なくない。
日本でも有数の大河川である「吉野川」が流れ、東部は瀬戸内海に面しているため、多様な自然景観を楽しめる。
なかでも「鳴門市」と「淡路島」の間に広がる「鳴門海峡」と、海峡に発生する「鳴門のうず潮」は、徳島ならではの絶景として特に有名だ。
阿波おどりや国の重要無形文化財である「阿波人形浄瑠璃(じょうるり)」など、徳島ならではの文化も見どころのひとつ。
絶景だけでなく、徳島の伝統文化にも触れて、徳島の魅力をより深く楽しもう。
徳島の平均気温と着衣例
徳島の気候は北部と南部で大きく分かれる。
北部は基本的に温暖で雨も少ないが、南部は日本でも有数の雨が多い地域だ。
徳島は山地が多く、山間部は気温と天気の変化が激しいため体温調節には気をつけよう。
徳島の月別平均気温
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
平均気温(度) | 6.3 | 6.8 | 9.9 | 15.0 | 19.6 | 24.0 | 26.8 | 28.1 | 24.8 | 19.3 | 13.8 | 8.7 |
徳島の季節ごとの着衣例
- 春(3月 - 5月):軽めのジャケットや薄手のニット
- 夏(6月 - 8月):半袖シャツや通気性の良い洋服
- 秋(9月 - 11月):軽めのジャケットやセーター
- 冬(12月 - 2月):厚手のセーターやコート、ダウンジャケット
徳島へのアクセス
徳島には空港があるため、東京からは飛行機を利用すれば約1時間15分でアクセスできる。
大阪からは在来線と高速バスを使えば、2時間30分ほどで到着する。
四国の玄関口である香川の高松からは、在来線1本で1時間ほど。
なお、徳島の「徳島阿波おどり空港」には国際線がないため、海外からアクセスする場合は東京・関西・福岡などの国際線がある空港を経由しなくてはいけない。
徳島阿波おどり空港から主要駅へのアクセス
ここからは国内線の飛行機で徳島へアクセスする際の起点となる、「徳島阿波おどり空港」から「徳島駅」へのアクセスを紹介しよう。
「徳島駅」は徳島各地へ電車で移動する際の拠点となるため、空港からのアクセス方法と所要時間をざっくりでも良いので把握しておこう。
- 経路
-
1.「徳島阿波おどり空港」から徳島バスに乗車して、「徳島駅前」で下車
2.「徳島駅前」から歩いて3分ほどで「徳島駅」に到着 - 所要時間
- 約30分
徳島の主要交通手段
徳島での主要交通手段は電車とバスになる。
人気観光スポットなら公共交通機関だけでも巡れるが、地域やスポットによってはタクシーかレンタカーの利用が必要となる場合もある。
運行本数が少ない路線もあるため、できるだけ多くの観光スポットを巡りたいなら、交通情報をしっかり調べた上でプランを立ててほしい。
徳島旅行前に把握しておくべき3つのエリアの魅力
徳島は魅力・見どころが異なる3つのエリアに分けられる。
エリアごとの魅力と人気観光スポットを知っておくことで、より徳島の旅行プランが立てやすくなるはずだ。
鳴門海峡のうず潮を見られる「東部エリア」
県庁所在地の徳島市や、鳴門海峡で知られる鳴門市が属する東部エリア。
このエリア最大の見どころは、やはり鳴門海峡のうず潮だ。
春・秋の大潮時には「うず潮」の直径は20〜30mにもなり、その大きさは世界一と言われている。
徳島市にも観光スポットは多く、そのほとんどが徳島駅から徒歩でアクセスできるため、短時間で色んなスポットを回りたい方は鳴門市と併せて徳島市も観光しよう。
また、標高約1,000mの「山犬嶽(やまいぬだけ)」も美しい自然景観で有名なスポットだ。
苔むした岩石と木々が織りなす景観は神秘的で美しい。
海岸線と山々が織りなす絶景が魅力の「南部エリア」
太平洋に面する美しい海岸が続く南部エリア。
シーズン中は多くのサーファーで賑わう「大手海岸」を筆頭に、魅力的なビーチスポットが多い。
それだけでなく、蒲生田岬や千羽海崖などの絶景スポットも点在している。
内陸部は山地が広がっており、山や川、滝などが織りなす雄大な自然景観も楽しめる。
人気観光スポットは少ないが、人も少なくゆったりと美しい山と海を見られる、徳島の穴場エリアだ。
スケールの大きな絶景を楽しめる「西部エリア」
西部エリアには壮麗な山々や渓谷などが広がり、スケールの大きな景色を楽しめる。
「日本百名山」にも選ばれている「剣山」が特に有名で、四国地方の中央に位置する「四国山地」を構成する山のひとつだ。
険しい道が少ない上に山頂付近はなだらかで、季節によってはリフトも運行されており、登山初心者でも気軽に楽しめる。
その他にも絶景からアクティビティ、温泉まで楽しめる「祖谷」、城下町として栄えた面影が色濃く残る「うだつの町並み」も人気の観光スポットだ。
徳島を満喫するために必要な日数
東部エリアの人気観光スポットを巡るだけなら1日でも楽しめるが、南部エリアと西部エリアも満喫するなら、レンタカーを利用した上で2泊3日は必要だ。
南部エリアと西部エリアは公共交通機関だけではアクセスが難しいスポットが多いため、レンタカーを利用できるかどうかで訪れるエリアと日数を決めてほしい。
車と時間がなくても楽しめる!徳島の1Dayモデルコース
レンタカーの利用が難しく、短期間で徳島を満喫したい方にお勧めの1Dayモデルコースを紹介しよう。
主に徳島市と鳴門市を巡るため、短時間で多くのスポットを観光でき、徳島の見どころである「うず潮」も満喫できる。
徳島の旅行プランに迷ったら、紹介するモデルコースを参考にしてほしい。
8:50 JR徳島駅からスタート
モデルコースの1日目はJR徳島駅から。
まずは歩いて約10分の「眉山ロープウェイ」の山麓駅へ。
ロープウェイからの眺めを楽しみつつ、眉山の山頂へ向かおう。
9:30 「眉山」の山頂に広がる絶景を満喫
標高290mの「眉山(びざん)」は「徳島市」のシンボルで、山頂にある無料展望台からは徳島市の街並みや吉野川、鳴門海峡、淡路島が一望できる。
標高が高くないため、眼下に広がる街並みをしっかりと捉えられる点も魅力のひとつだ。
展望台周辺の遊歩道を散策して、眉山の自然景観も楽しもう。
10:30 「阿波おどり会館」で400年以上続く伝統芸能を鑑賞
眉山山頂を満喫したら、ロープウェイを使って下山。
下山してすぐの場所にある「阿波おどり会館」へ。
400年以上歴史があり、日本三大盆踊りのひとつである「阿波おどり」を年中鑑賞できるのが「阿波おどり会館」だ。
ホール入り口には顔出しパネルもあるので、記念撮影を忘れずに。
12:10 「中華そば いのたに本店」で徳島ラーメンを堪能
阿波おどりの魅力を満喫したら、ランチに名物の「徳島ラーメン」を食べに行こう。
阿波おどり会館から徒歩でJR徳島駅へ戻り、電車でJR佐古駅へ。
駅から歩いて約11分の場所に、有名店「中華そば いのたに本店」がある。
醤油豚骨スープは、煮干などからもダシをとっており、深い味わい。麺はこだわりの自家製麺で、もっちりした歯ごたえが絶品。
様々なトッピングとともに、徳島ラーメンをゆっくり味わおう。
14:30 「うずしお観潮船」で大迫力のうず潮を見学
徳島ラーメンを堪能したら、歩いてJR佐古駅へ戻り、電車でJR鳴門駅へ。
バスに乗り、バス停「鳴門観光港」で下車すれば「うずしお観潮船」に到着だ。
うずしお観潮船は、予約なしで乗船可能な大型観潮船「わんだーなると」と、事前予約が必要な小型水中観潮船「アクアエディ」の、タイプの異なる2つがスタンバイ。
「わんだーなると」へ乗船し、瀬戸内海と紀伊水道の干潮差が生み出す自然現象「鳴門のうず潮」。
世界三大潮流のひとつにもあげられる、世界最大級のうず潮を間近で見学しよう。
16:30 「大鳴門橋渦の道」のガラス床からうず潮を鑑賞
うずしお観潮船でうず潮の美しさと迫力を満喫したら、歩いて約8分の次のスポットへ向かおう。
大鳴門橋渦の道は、大鳴門橋の車道下に設置された約450mの海上遊歩道。
うず潮を約45mの高さのガラス床から覗き込める。
船の上からとは異なる光景を楽しもう。
レンタカーを利用できるなら訪れるべき徳島の秘境3選
レンタカーが利用できて1泊2日の日程を確保できるなら、これから紹介する秘境も観光してほしい。
アクセスするために時間と労力はかかるが、辿り着いた際の達成感も含めて、思い出に残る観光ができるはずだ。
1. 大歩危・小歩危
「大歩危・小歩危」は、2億年の時を経て四国山地を横切る吉野川の激流によって創られた約8kmにわたる渓谷で、そそりたつ彫刻のような美しい景観を誇る。
間近に見える美しい岩石やV字谷の様子から日本列島の成り立ちがわかる貴重な場所として、国の天然記念物に指定されている。
昔から「大股で歩いても、小股で歩いても危険」と言われていた。
2. 祖谷のかずら橋
大歩危の中でも特に人気の高い、「祖谷(いや)川」に架かる「祖谷のかずら橋」。
国の重要有形民俗文化財に指定され、日本三奇橋のひとつにも数えられている。
周囲の自然景観に溶け込みつつ、強烈な個性を持つ見た目を持つ祖谷のかずら橋は、シラクチカズラという植物で作られている。
季節によって異なる絶景だけでなく、19時から21時にはライトアップが行われ、幻想的な景色も楽しめる。
足元の隙間から覗く谷底や橋を渡る時の揺れからは、スリルも感じられるだろう。
3. 奥祖谷二重かずら橋
大歩危の「祖谷のかずら橋」のさらに奥の奥。標高約1000mの高地に、シラクチカズラなどの葛類を使って作られた2つの吊り橋「奥祖谷二重かずら橋」がある。
男橋と女橋という2つの橋がかかっていることから、別名「夫婦橋」とも呼ばれている。
祖谷のかずら橋よりも、さらに奥深い自然の中にかかる2つの吊り橋からは秘境の雰囲気をより強く感じられるだろう。
徳島旅行に外せないご当地グルメ3選
ここからは徳島のご当地グルメを厳選して紹介しよう。
徳島の自然に育まれた食材を生かしたグルメ、様々な味わいを食べ比べできるご当地ラーメンは、徳島を旅行するならぜひ味わってほしい。
1. 鳴門鯛
3〜4月に旬を迎える「鳴門鯛」は弾力がありながらも、歯切れの良い食感と深みと旨味のある脂が特徴の真鯛。
鳴門鯛を食べるなら、食感や脂の甘さをダイレクトに感じられるお刺身がお勧めだが、凝縮した鳴門鯛の旨味を味わえる鯛めしも食べてほしい。
鳴門鯛の出汁が染み込んだご飯は絶品で、上品な味わいと風味が口の中に広がる。
2. 徳島ラーメン
徳島のご当地ラーメン「徳島ラーメン」には3つの系統があり、それぞれ特徴が異なる。
系統ごとの特徴は、以下の通りだ
- 濃口醤油で味付けした濃厚な豚骨スープが特徴の茶系
- 同じく豚骨スープだが薄口醤油で味づけしたあっさり目の白系
- 鶏ガラベースのあっさりしたスープが特徴の黄系
トッピングに甘辛く煮た肉と生卵を乗せる点も、徳島ラーメンの特徴だ。
ラーメンが好きな方なら、ぜひ3つの系統を制覇してほしい。
3. 阿波尾鶏
阿波尾鶏は徳島で生産されている鶏の品種で、いわゆる地鶏だ。
低脂肪かつ高たんぱくで、コクと旨味が強い点が阿波尾鶏の特徴。
様々な料理に使われるがお勧めの料理は、食材の旨味とコクを感じやすい焼き鳥だ。
同じく徳島の特産品である柚子との相性も良く、爽やかな風味がコク深い阿波尾鶏の美味しさを倍増させてくれる。
春の旅行プランに加えるべき徳島の桜の名所
春に徳島へ訪れるなら、桜の名所も旅行プランに加えてみよう。
約8,000本の桜が咲き乱れ、濃いピンク色の花びらに包まれた「八百萬神之御殿(やおよろずのかみのごてん)」は必見。
モデルコースでも訪れる「眉山」の山頂に整備された「眉山公園」も、春には約1,500本もの桜が咲き誇る。
桜並木を散策したいなら、「日本さくら名所100選」に選ばれている「西部公園」もお勧めだ。
徳島の例年の桜の開花日と満開日、見頃は以下の表を参考にしてほしい。
なお、その時の気候や気温、スポットによって開花日と満開日、見頃は前後するため注意してもらいたい。
- 開花日
- 3月28日
- 満開日
- 4月4日
- 桜の見頃
- 4月4日〜4月10日
参考:気象庁 さくらの開花状況
参考:気象庁 さくらの満開状況
秋ならではの絶景に出会える徳島の紅葉
秋なら紅葉に染まる絶景スポットに足を運んでみてほしい。
日本でも屈指の秘境として知られる「祖谷渓」も紅葉の名所であり、神秘的な絶景に出会えるだろう。
アウトドアが好きな方なら、紅葉を楽しみつつ登山を気軽に楽しめる「剣山」もお勧め。
深く濃く染まった紅葉で山々が彩られる「高の瀬峡」も、人気の高い紅葉の名所だ。
10月上旬〜10月下旬に紅葉の見頃を迎えるスポットが多いが、その年の気候や気温、スポットによって見頃は前後する。
徳島旅行に関するよくある質問
Q
徳島を旅行するのにお勧めの季節は?
秘境を楽しみたいなら、紅葉も見られる秋がお勧めです。
Q
親子旅行でお勧めの徳島の観光スポットは?
鳴門海峡のうず潮を楽しめる大型観船「わんだーなると」と、渦の道がお勧めです。
まとめ
この記事では徳島を遊び尽くすために知っておくべき、エリア別の魅力と見どころ、交通情報やモデルコースなどを紹介してきた。
可能であれば1泊以上して、秘境と呼ばれるスポットも巡ってみよう。
徳島の観光スポットをもっと知りたい方は、定番スポットやお土産などをまとめて紹介している、こちらの記事も参考にしてほしい。