香川屈指のパワースポット!金刀比羅宮の観光ガイド
「こんぴらさん」の愛称で親しまれる「金刀比羅宮(ことひらぐう)」は、香川を代表する歴史的な神社だ。
特に本宮まで続く連なる石段が有名で、道中には自然の美しさ、伝統、文化的豊かさなど、楽しめるポイントが満載。
多くの人で賑わう活気にあふれる雰囲気も相まって、心地よく参拝ができる。
この記事では、「金刀比羅宮」の注目スポットや魅力を中心に紹介していく。
初めての観光でも楽しめるように要点を絞ってまとめているので、ぜひ最後まで読んでほしい。
目次
金刀比羅宮ってどんなところ?
香川県仲多度郡琴平町に位置する「金刀比羅宮」は、標高521mの象頭山(ぞうずさん)の中腹に建つ神社。
1,000年以上の歴史を持ち、全国に600ほどある「金比羅神社」の総本宮を担っている。
国内外から年間400万人もの参拝者が訪れる、四国有数のパワースポットとしても有名だ。
石段が多く傾斜も激しい参道が特徴で、本宮までは785段・約40分、奥社までは1,368段・約1時間20分かけて登らなければならない。
それ故、登り切った時の達成感は大きく、高台からの美しい眺望が疲れを癒す。
参拝時は体力を確保し動きやすい服装で向かおう。
また表参道をはじめ、道中には魅力的な建造物・自然景色・お店が盛りだくさん。
貴重な障壁画が飾られる「表書院」、精巧な彫刻が施される「旭社(あさひのやしろ)」などの重要文化財がその一例だ。
主祭神は海上交通の守り神・大物主神(おおものぬしのかみ)と崇徳天皇(すとくてんのう)。
商売繫盛・五穀豊穣・病気平癒などのご利益をもたらすとされている。
金刀比羅宮の成り立ち
「金刀比羅宮」の由緒は複数の説があるが、大物主命が象頭山に行宮(あんぐう/仮の御殿)を祀った「琴平神社(推定創建:668~671年)」から始まったとされる。
平安時代(794年~1185年)以降は、本地垂迹説(ほんじすいじゃく/仏が神に姿を変えて現れる)によって仏教の金毘羅(こんぴら)と習合し、「金毘羅大権現」に改称した。
また1165年には、相殿に崇徳天皇を合祀(ごうし/一緒に祀る)している。
1868年の神仏分離令で「琴平神社」に戻り、その後「金刀比羅宮」と改称し、現在に至る。
金刀比羅宮へのアクセス
- 経路
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1.「JR高松駅」からJR予讃(よさん)線・琴平行に乗車し、「JR琴平駅」で下車
2.「JR琴平駅」から徒歩(20分~30分)もしくはタクシーで「金刀比羅宮」まで移動し到着
※JR予讃線・琴平行(直通)は1時間に約1本、多度津駅や坂出駅で乗り換えるルートも可 - 所要時間
- 約1時間40分(JR琴平駅から徒歩の場合)
参拝に便利な「こんぴら参拝登山シャトルタクシー」
「こんぴら参拝登山シャトルタクシー」とは、「金刀比羅宮」参道の中間地点である「大門(おおもん/365段目)」までの送迎を行う完全予約制のタクシー。
一般車両の立ち入りが禁止されている専用の通行道を通るため、最長10分で「大門」に到着する。
琴平町内であればどこからでも乗車可能で、指定した場所(大門以外も可)で降ろしてくれるのもうれしいポイント。
片道700円の料金が設定されており、登りor下りだけという使い方もできる。
上述のように最寄り駅から「金刀比羅宮」は遠いので、効率的に観光したい方や785段を登る自信のない方、小さい子供がいる方にお勧めのサービスだ。
金刀比羅宮のお勧め観光シーズンは?
「金刀比羅宮」への観光は美しい桜が境内を彩る春をお勧めしたい。
例年3月下旬~4月上旬に見頃を迎え、満開に咲いた約3,500本のソメイヨシノ・ヤマザクラなどが一帯を包み込む。
特に名所で知られる表参道の「桜馬場(さくらのばば/370段目付近)」は絶好のスポットで、優雅な桜並木は散策にピッタリ。
また、本格的な春の訪れを告げる「桜花祭」や五穀豊穣を祈念する「御田植祭」といったイベントも楽しめる。
参拝するなら訪れるべき金刀比羅宮の注目スポット5選
香川で最も有名なお寺の「金刀比羅宮」には、重要文化財に芸術品、歴史的な建造物や絶景と多彩な魅力が詰まっている。
石段を登っていくごとに注目スポットが姿を見せるため、楽しみながら参拝ができるだろう。
ここでは押さえておきたい5つのスポットを紹介していくので、「金刀比羅宮」に訪れた際はぜひ巡ってほしい。
1. 金刀比羅宮参拝の目的地「本宮」
「本宮」は785段の石段を登った海抜251メートル地点にある厳かな社殿。
古来より伝わる日本伝統の檜皮葺(ひわだぶき/樹皮を用いた屋根)、大社関棟造(たいしゃせきむねづくり)という他では見られない外観的特徴を持つ。
現在の社殿は1878年に改築されたものだが、創立は645年以前まで遡ると言われている。
ご祭神の大物主神と崇徳天皇は農業・医薬をはじめ、広範なご利益を持つ神様として一般大衆に親しまれており、特に海の神様のイメージが強い。
広場や北西側に設けられた展望台からの眺望も魅力的だ。
天候に恵まれれば、瀬戸大橋・讃岐富士までの絶景が見渡せる。
2. 歴史的背景を伝える「こんぴら狗の銅像」
江戸時代(1603年~1868年)には、犬が代参(飼い主の代わりに参拝)するという風習があった。
「金刀比羅宮」へ参る犬を「こんぴら狗(いぬ)」と呼び、首に”こんぴら参り”の袋をかけていたそうだ。
木札や初穂料などが袋の中に入っていて、道中の旅人や住民に助けを借りながら参拝を果たした。
そんな犬たちを称えた「こんぴら狗」の銅像が431段目に建っている。
銅像は現在も愛される存在で、歴史的背景と愛らしい表情が長い石段を登る参拝者の心に安らぎを与える。
一息つく場所にもなっており、銅像の写真を撮る人も多い。
3. 帰路に参拝すべき豪華な意匠が美しい「旭社」
完成までに約40年を要し、江戸時代末期に建立された「旭社」は628段の石段を登った場所に鎮座する重要文化財。
なお「旭社」は帰路で参拝する習わしなので、先に「本宮」を目指してほしい。
二重入母屋造り(いりもやづくり)の堂々とした構造で、銅板葺き(どうばんぶき)の屋根が特徴的だ。
社殿の随所に巻雲・鳥獣・人物・花卉など、美しく細やかな彫刻が施されており、その豪華な意匠には思わず息を飲む。
目の前にある大きな水がめでは、一円玉が浮かぶと願いが叶うと言われているので挑戦しよう。
4. 芸術品・文化財が収められている「書院」
江戸時代前期に建築された「書院」は、儀式・参拝に訪れた人々との応接の場所に用いた客殿だった。
現在は建造物自体が重要文化財になっており、檜皮葺の表書院のほか、奥書院・白書院がある。※一般公開は表書院のみ
内部に貴重な芸術品・文化財が納めら(飾ら)れている。
絵師・円山応挙(まるやまおうきょ)、画家・邨田丹陵(むらたたんりょう)、絵師・森寛斎(もりかんさい)らの障壁画がその代表だ。
特に30畳の大広間を囲む16面の襖に8頭の虎が描かれた円山応挙の「虎之間」の襖絵は、圧巻の迫力を放つ。
また、奥書院には近年評価を高める画家・伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)や絵師・岸岱(がんたい)による障壁画が残されている。
5. 時間があれば立ち寄るべき「厳魂神社(奥社)」
「本宮」からさらに583段(合計1,368段目)の石段を上がった最奥の地に鎮座するのが、奥社と呼ばれる「厳魂神社(いづたまじんじゃ)」。
本殿は檜皮葺、一帯は荘厳な空気が漂う。
金刀比羅本教の教祖・厳魂彦命(いずたまひこのみこと)をご祭神に祀っている。
“こんぴらさん”の守り神とも言える厳魂彦命から神秘的な力をいただけるだろう。
「厳魂神社」でしか授かれない「天狗御守(1,000円)」の購入もお勧め。(WEBサイトからも購入可)
ややわかりづらいが、断崖の左上側にある天狗とカラス天狗の彫物も見どころのひとつだ。
裏側に設置された無料の双眼鏡からは琴平町の絶景を楽しめる。
金刀比羅宮参拝の記念にもピッタリ!頂くべき2つのお土産
「金刀比羅宮」に訪れたら、お土産に買ってほしい2つの商品を紹介しよう。
どちらも深い伝統と歴史を持った「金刀比羅宮」を象徴する名物品である。
ここでしか購入できずご利益も期待できるため、もらう人も必ず喜んでくれるはずだ。
もちろん、自分用のお土産として買うのもお勧め。
幸福の黄色いお守り
「幸福の黄色いお守り」は「金刀比羅宮」を代表するお守り。
昔から薬用・魔除け・災い除けに使われた鬱金(うこん)の絹糸を用いて作られており、鮮やかな黄色に「金」の一文字が入ったシンプルなデザインが特徴だ。
黄色は、”あふれんばかりの恵みと愛”・”エネルギーにあふれた力強さ”・”稲や麦の稔り”など、多くの意味合いを持つ。
そして、病気や災いから身を守り、健康と幸せを願う気持ち(ご利益)が込められている。
金額は1,000円で、石段を785段登った本宮神札授与所でしか手に入らないため、達成感とともに特別な価値を感じられるだろう。(WEBサイトからも購入可)
「金刀比羅宮」を訪れた証明にもなるので、ぜひゲットしてほしい。
五人百姓の「加美代飴」
石段365段目の「大門」を抜けると、印象的な5つの大きな白い傘が姿を見せる。
通称「五人百姓」と呼ばれる5軒の飴屋で、聖域である境内で鎌倉時代(1185年~1333年)から商売を許された特別なお店だ。
傘の下では、古くからの琴平町名物「加美代飴(かみよあめ/べっこう飴)」が売られている。
扇型の「加美代飴」はシンプルながらも、柚子油を加えた独特の風味が香り優しい味がする。
一般的な飴の食べ方と違い、付属の小さなハンマーで割って食べるのも特徴のひとつ。
「加美代」は「神代」を指し、割って食べることで参拝者だけでなく、みんなでご利益を分かち合うという意味が込められている。
家族や友人もご利益にあやかれるようにお土産として購入しよう。
金刀比羅宮の表参道の立ち寄るべき飲食店3選
「金刀比羅宮」の表参道は、酒蔵「金陵(きんりょう)の郷」から「大門」までを繋ぐ道。
表参道とその周辺には、様々な飲食店やお土産屋が立ち並んでおり多くの人で賑わいを見せる。
ここでは香川の伝統に触れられる3つのお店を紹介するので、足を運んで参拝とともに食事も楽しんでほしい。
1. こんぴらうどん 参道店(本店)
“こんぴらうどん参道店”は、創業65年以上の歴史を持つうどん屋。
風格ある外観と内装が印象的で、築百数年の建物自体が登録文化財に指定されている。
100席の広々とした空間の店内では、ケヤキやトチの木で作られたテーブルと椅子が落ち着いた雰囲気を醸し出す。
愛媛県の砥部焼の窯元に発注した、どんぶり・湯呑みなどの器も、同店ならではの魅力を形成する。
讃岐うどんの伝統的な製法を踏襲した料理へのこだわりも見逃せない。
粉から麺になるまでのすべての工程を店内で行っており、その手間ひまが生み出す味わいは格別だ。
オリジナルブレンドのだし、揚げたての天ぷら・炊き込みごはんもうどんの旨みを引き出す。
来店時は人気No.1の「しょうゆうどん」に好みの天ぷらをセットで注文しよう。
2. 骨付鳥 田中屋
「骨付鳥(ほねつきどり)」は、香川を代表するご当地グルメのひとつ。
そんな伝統料理を看板メニューに打ち出しているのが、“さぬき名物骨付鳥 田中屋”だ。
地元の人々はもちろん、観光客からも高い評価を受けており、参拝の際に訪れる飲食店のひとつになっている。
シンプルながらも独自の下味と高温での焼き上げにより、鶏肉本来の旨味を引き出すのが同店の骨付鳥の特徴である。
塩・コショウ・ガーリックのみで味付けされた鶏肉は、皮はパリッと中はジューシーで肉汁が溢れるほど。
コリコリで嚙み応えの抜群の親鶏(大人・お酒のおつまみ向き)と、ふっくらと柔らかい若鶏(子供・食事向き)の2種類から好みの方を選ぼう。
定食セットや別々に頼んで食感の違いを楽しむのもお勧め。
3. しょうゆ豆本舗 表参道店
“しょうゆ豆本舗 表参道店”は、地元の食文化を反映した斬新なスイーツの販売を行う軽食店。
観光客・外国人からの人気が高く、伝統を大切にしながらも新しい味の体験に向けた姿勢が評価されている。
なかでも、テレビや雑誌に度々取り上げられるユニークなソフトクリームが有名だ。
ねぎ・しょうゆをかけて食べる「かまたまソフト」は、うどんの味がするとお客さんを驚かせる。
また、「和三盆ソフト」・「金箔ソフト」・「ゴールドソフト」など、他では味わえないような特別なフレーバーの数々も魅力のひとつ。
SNS映えバッチリな見た目も特徴と言え、視覚・味覚・食感と様々な楽しみ方ができるのもうれしい。
金刀比羅宮の裏参道にも足を運んでみよう
裏参道は、「高橋由一館」~「宝物館」に繋がるアスファルトの道。
さらに「明野(あけの)」を通って下り、森に囲まれた道を進むと琴平の町まで続く。
ちなみに、表参道と裏参道の間の区域を「神苑」と呼ぶ。
裏参道では「青葉岡」・「常磐森」など6区域を散策でき、日本の歴史や四季折々の自然を楽しめる。
春は桜が咲き誇り、初夏にはツツジが彩りを加え、秋に色付く紅葉が参拝者の心を掴む。
また、表参道と違って石段はなく、穏やかな美しさと静寂に包まれているのが特徴だ。
心を落ち着かせる場所としての役割も担い、お店もほとんどないので、ゆったりと過ごしても良いだろう。
行きは表参道、帰りは裏参道を歩くのもお勧め。
金刀比羅宮と合わせて巡りたい香川の人気観光スポット3選
香川県には「金刀比羅宮」以外にも、魅力的な観光名所が盛りだくさん。
香川を観光するなら、これから紹介していく3つの人気観光スポットも一緒に巡ってほしい。
いずれも重要文化財もしくは特別名勝指定のお勧めの場所で、日本の歴史を感じられるだろう。
1. 栗林公園
高松藩主松平家の別邸として、歴代藩主が修築を重ね300年近く前に完成した栗林公園。
平庭部の広さは、16ヘクタールととても大きいが、背景となっている紫雲山を含めた面積は、なんと約75ヘクタールにも及ぶ。国の特別名勝に指定されている文化財庭園の中で、日本一の大きさを誇る。
2. 丸亀城
400年の歴史を持つ丸亀のシンボル的存在。武将・生駒親正がその子である一正とともに5年がかりで築いた平山城だ。
内堀から天守にかけて積み重ねられた石垣は日本随一の高さ約60mを誇り、その特徴的な曲線から“扇の勾配”と称されている。また、天守は全国に12しかない木造天守の一つで、国の重要文化財に指定。
3. 史跡高松城跡(玉藻公園)
生駒家4代、松平家11代の歴代藩主の居城であった高松城。
愛称・玉藻城。瀬戸内海に面して築城された海城であり、日本三大水城の一つに数えられている。現在は「玉藻公園」として一般開放。
かつて四国最大規模であった天守は1884年に老朽化の為に解体されているが、国の重要文化財に指定されている月見櫓・水手御門・渡櫓・艮櫓といった建物が残っており、見学できる。
金刀比羅宮に関するよくある質問
Q
金刀比羅宮に祀られている神様は?
「大物主神」と「崇徳天皇」が主祭神として祀られています。
Q
金刀比羅宮のご利益は?
海上安全をはじめ、商売繫盛・五穀豊穣・病気平癒など様々なご利益があるとされています。
まとめ
「金刀比羅宮」の注目スポットやお勧めのお土産・飲食店を中心に紹介してきた。
785段もの石段を登るのは大変と思うかもしれないが、参道には魅力的なスポットがたくさんある。
立ち寄って見学・休憩を挟みつつ自分のペースで目指せば、楽しんで参拝できるはずだ。
「一生に一度はこんぴら参り」と言われる「金刀比羅宮」へ観光し、パワーをもらってほしい。
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