絶景スポット・フォトスポットが盛りだくさん!奥入瀬渓流の観光ガイド
東北地方の神秘的な湖「十和田湖」から流れ出す「奥入瀬渓流」。
澄み渡った流れと豊かな緑、迫力ある断崖絶壁が、浮世離れした美しさを見せる景勝地だ。
ミシュラン・グリーンガイドで二つ星に選ばれたこともあり、東北地方で随一の人気観光スポットとなっている。
この記事では「奥入瀬渓流」の魅力と見どころを中心に、お勧めのシーズンやアクセス方法、周辺の観光情報など、観光に必須の情報を紹介していく。
奥入瀬渓流ってどんなところ?
本州の北端「青森県」とその南側「秋田県」の県境にある、面積61.1㎢の湖「十和田湖」。
その十和田湖から流れ出しているのが「奥入瀬川」だ。
十和田湖の流出地である「子ノ口(ねのくち)」から、川の流れに沿って約14km、「焼山(やけやま)」までを「奥入瀬渓流」と呼ぶ。
全14㎞を徒歩で巡ると4時間ほどかかるが、アップダウンは少なく、整備された道なので初心者でも気軽にハイキングを楽しめる。
レンタサイクルもあるので、サイクリングしながら奥入瀬渓流の見どころを巡るのもお勧め。
「奥入瀬渓流」は、「ミシュラン・グリーンガイド」で二つ星に選ばれ、国の「特別名勝」と「天然記念物」にも指定されている、各方面からお墨付きの、人気の観光地だ。
その魅力は、なんといっても景観の美しさ。
切り立った周囲の奇岩の迫力、清らかな流れ、あふれる鮮やかな緑が、現代社会の喧騒を忘れさせてくれる。
マイナスイオンに満ちた美しい空気を吸い込みながらゆっくり歩くことで、心身ともにリフレッシュできる。
奥入瀬渓流へのアクセス
国際線があり、青森県の空の玄関口となる「青森空港」から「奥入瀬渓流」へのアクセス方法を紹介する。
青森空港から奥入瀬渓流までのアクセス方法を押さえておけば、安心して「奥入瀬渓流」に向かえるだろう。
ただ、空港からは少し時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールを立てておこう。
- 経路
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1. 「青森空港」から「空港連絡バス・JRバス東北」に乗り「青森駅前」下車
2. 「青森駅前」から「JRバス東北(十和田湖休屋行き)に乗り「焼山」下車 - 所要時間
- 約2時間40分
四季折々の魅力を持つ奥入瀬渓流
四季折々で異なる表情を見せる奥入瀬渓流。ここでは奥入瀬渓流の季節ごとの魅力を紹介する。
この記事を読めばわかる通り、どの季節でも楽しめるが、秋が特にお勧め。
春や夏は緑色一色だった木々が、赤や黄色に色づき、渓流の風景を美しく彩る。
生命の息吹を感じられる爽やかな春の奥入瀬渓流
日本の中でも北に位置し、寒冷な青森県にある奥入瀬渓流は、春の訪れが遅い。
しかし、遅い分、春が訪れる喜びと輝きを一段と強く感じられる。
奥入瀬は4月になっても、冷たい雪解け水を含んだ流れと、寒々とした雰囲気を残しているが、残雪を分けて顔を出す「フキノトウ」や木々の枝先についたつぼみなど、着々と春支度する植物の営みも見られる。
5月後半になると、ようやく緑が芽吹いて、鮮やかな新緑が見られるようになる。
花が咲き、鳥が鳴き、木漏れ日があふれる輝かしい光景と、瑞々しい生命の息吹を感じたいなら、春の奥入瀬がお勧め。
五感で涼を感じられる夏の奥入瀬渓流
蒸し暑い日々が続く夏は、水辺が恋しくなる、渓流の散策に適した季節だ。
清らかな流れと水しぶきが生み出す清涼感を味わいながら、強い陽光をきらきらと乱反射させる木々の緑を眺められるのが夏の奥入瀬渓流の魅力。
木々、草花、野鳥に虫など、すべての生き物が最も活気づき、生命力に溢れている。
岩や木々の間を激しく水が流れる「阿修羅の流れ」や、「千筋(ちすじ)の滝」、「雲井の滝」といった滝のそばに行けば、肌で感じるだけでなく、五感で涼しさを味わえる。
紅葉に彩られる美しい秋の奥入瀬渓流
奥入瀬渓流が最も魅力的になる秋。
気候も徐々に涼しくなっていき、風は冷たく澄み、散策にもちょうど良い。
岩々と清流を包み込む緑が徐々に色づいていき、黄色や赤の部分、徐々に色づいていく途中のグラデーションになっている部分が、それぞれ繊細な色合いを見せる。
各スポットも秋ならではの光景が見られ、たとえば「石ヶ戸の瀬」では、苔と紅葉の色の対比を楽しめる。
「阿修羅の流れ」では、水流の荒々しさと紅葉の鮮やかさの調和が見事。
まるで構図を計算したかのような景観に息をのむ。
幻想的な風景が広がる冬の奥入瀬渓流
雪が深く降り積もる冬の奥入瀬渓流。ほかの季節と一線を画す絶景が広がる。
渓流周辺は湿気が多いため、雪の塊が木の上にぽつぽつと生まれ、白い綿花が咲いているよう。
時折現れる野生動物の足跡が雪原に残ることもあり、浮世離れした雰囲気を醸し出す。
冬の奥入瀬渓谷の最大の魅力は「氷瀑」。
「氷瀑」とは凍りついた滝のことを指し、滝から流れる水が外気に触れることで凍っていく現象だ。
どこでも見られるものではなく、条件があった地域でしか見られない貴重な自然現象だ。
凍りついた滝は、時が止まっているようにも見える、とても幻想的なもの。
氷点下の自然が作り出すダイナミックな氷の彫刻だ。
ここだけは外せない!奥入瀬渓流の見どころ5選
ここでは全長約14kmの奥入瀬渓流の中で、絶対に見るべき絶景スポットや訪れるべき観光施設について紹介する。
それぞれのスポットがどの辺りにあるか、どのような光景が見られるかを知れば、奥入瀬渓流満喫だろう。
1. 石ヶ戸の瀬
十和田湖から水が流れ入る「子ノロ水門」から「焼山」に向かい3分の2ほどの地点にあるのが「石ヶ戸の瀬」。
「ヶ戸」とは地域の言葉で「小屋」の意なので「石ケ戸」とは石でできた小屋、岩屋を意味する。
大小さまざまな大きさ・形の岩があり、流れも場所により緩急が異なる。
見晴らしも良く、いかにも渓流らしい風景が広がる。
付近の木橋から見渡したり、川辺まで降りて流れを間近で見たりもできる。
2. 阿修羅の流れ
奥入瀬渓流の中ほどにある「阿修羅の流れ」。
凄まじい力を持つ怒りの神「阿修羅」の名を冠する通り、激しい流れとごつごつした岩の荒々しい景観が魅力のスポット。
ほとばしるしぶきがマイナスイオンを飛び散らせ、周囲の豊かな緑が清涼感を感じさせるので、夏場は特に心地よい。
茂った木々の間を流れる激流がフォトジェニックで、映像作品にも使われる「奥入瀬渓流」を代表する絶景スポット。
3. 銚子大滝
十和田湖から流れ出た水が、奥入瀬渓流と交わる場所にある滝。
高さ約7m、幅約20mにもおよぶ奥入瀬渓流最大の滝で、本流にかかる唯一の滝でもある。十和田湖の形状をとっくりに見立て、銚子大滝がとっくりの注ぎ口に見えることが名前の由来。
4. 雲井の滝
奥入瀬渓流の中流域にある「雲井の滝」。
段に分かれ、25mの落差を持つ巨大な滝。
近くまで行って眺められるので、その迫力を間近で体感できる。
水量が多く、周囲の樹木の間から力強く流れ落ちる重厚な姿が美しい。
遊歩道から全体像を眺められ、写真に収めることも可能。
フォトスポットには行列ができることもある。
新緑の春と夏、紅葉の秋も美しいが、冬になると氷瀑が見られ、より幽玄で神秘的な雰囲気に満ちる。
5. 奥入瀬渓流館
奥入瀬渓流の最下流の辺りにある「奥入瀬渓流館」。
奥入瀬渓流で生きる動植物の生態系や、周辺の自然について詳しく知れる展示がある。
楽しく学べるジオラマやデジタルサイネージもあり、向学心をそそる。
もちろん展示物だけでなく、奥入瀬渓流に息づく動物や植物をモチーフにしたグッズが販売されている「奥入瀬フィールドミュージアムショップ」があったり、りんごの名産地青森ならではのりんご専門店「あら、りんご」があったり、ショッピングも楽しめる。
ガイドツアーの申し込みや、苔を使ったアート体験もできる、多角的に奥入瀬を楽しむための施設。
癒やしのロケーションが魅力!奥入瀬渓流の周辺で人気宿泊施設2選
奥入瀬渓流を堪能するなら、周辺の宿泊施設を利用しよう。
ここでは奥入瀬渓流の周辺にある宿泊施設のうち、特に景観が美しく心身ともに癒されるお勧めの宿を紹介する。
1. 星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル
滝や清流、苔むした岩など多くの見どころが点在する、奥入瀬渓流の畔に佇むのがこちらのリゾートホテルだ。
ホテルのロビーやテラスはもちろん、客室からも季節や時間によって異なる表情を見せる自然を観賞することができる絶好のロケーション。美しい自然に包まれてゆったりと過ごせる。
2. 奥入瀬 森のホテル
奥入瀬の森の中にひっそりと佇む、ロケーション抜群のリゾートホテル。国指定特別名勝の「奥入瀬渓流」のすぐそばに立地し、ホテルにいながら奥入瀬の四季を感じられる。
お箸で食べるディナーのコース料理「奥入瀬キュイジーヌ」をはじめ、十和田・奥入瀬の旬の恵みをふんだんに使った料理も評判だ。
奥入瀬渓流と併せて楽しむべき観光スポット3選
奥入瀬渓流の自然を満喫したら、併せて周辺の観光地にも足を延ばしてみよう。
奥入瀬渓流のある青森県には、「十和田湖」とその湖畔、「八甲田山」といった、他では見られない雄大で荘厳な光景が見られるスポットがたくさんある。
ここで紹介するスポットにも足を延ばせば、自然の偉大さをより実感できる。
1. 十和田湖
青森県十和田市と秋田県鹿角郡小坂町にまたがる十和田湖。
約20万年前に始まった十和田火山の噴火活動によって形成されたカルデラ湖で、日本の湖沼の中で面積は12番目、最大水深は327mで3番目。
湖から流れ出る奥入瀬渓流とともに国の特別名勝及び天然記念物に指定されている。
2. 十和田神社
十和田湖に突き出た中山半島に位置する古社。
大同2年(807)に征夷大将軍の坂上田村麻呂が、武神の祖として仰がれた日本武尊(やまとたけるのみこと)を祀り創建したと伝わる。江戸時代には恐山と並ぶ二大霊場として信仰を集め、修行場として栄えた。
3. 八甲田山
青森市の南部にそびえる複数の山々の総称であり、日本百名山のひとつ。
1,585mの大岳を主峰とし、高田大岳、井戸岳、赤倉岳など10の山々が北八甲田、櫛ヶ峰など6峰の山々が南八甲田と呼ばれている。
八甲田ロープウェイの終着駅「山頂公園駅」がある田茂萢岳一帯には高山植物が咲き乱れ、多数の池や沼が点在するなど、美しい景色を見ることができる。
奥入瀬渓流に関するよくある質問
Q
奥入瀬渓流に飲食店はある?
奥入瀬渓流館の中にある「あら、りんご」には喫茶コーナーもある。渓流周辺には他にもいくつか飲食店があります。
Q
奥入瀬渓流から十和田湖までのアクセスは?
奥入瀬渓流の焼山側から、十和田湖東岸の子ノ口(ねのくち)までは約14km。徒歩でも行けるが、バスに乗って20〜30分で行けます。
Q
奥入瀬渓流から八甲田山までのアクセスは?
奥入瀬渓流温泉バス停から八甲田山ロープウェイ駅までバスで約1時間10分です。
まとめ
この記事では奥入瀬渓流の魅力や見どころ、季節ごとの魅力を中心に、アクセス方法や周辺観光スポットについて紹介してきた。
清い流れと迫力の岩壁、滝、木々の調和が様々な表情を見せる神秘的な奥入瀬渓流。
1度訪れたらその自然美に虜になるだろう。
奥入瀬渓流を堪能したら、青森の他の観光スポットにも足を延ばそう。
青森の観光地について紹介するこの記事も、ぜひ読んでみてほしい。