
【九重"夢"大吊橋の観光ガイド】日本一高い歩行者専用吊橋で絶景を満喫!
大分県九重町にある「九重”夢”大吊橋(ここのえ“ゆめ”おおつりはし)」は、日本一高い歩行者専用吊橋で有名な人気観光スポット。
標高777m、高さ173mの橋の上からは圧倒的なスケールの渓谷美が広がり、雄大な景観を存分に堪能できる。
橋の中央には足元の格子から谷底をのぞける場所もあり、大自然の中でスリルと絶景を同時に味わえるのも、この橋ならではの魅力だ。
この記事では九重”夢”大吊橋の概要や楽しみ方、周辺のお勧めスポットを中心に紹介していく。
初めて訪れる人にもわかりやすく、必要な情報を網羅的にまとめたので、ぜひ最後まで読んでほしい。
九重"夢"大吊橋ってどんなところ?
大分県玖珠郡九重町にある九重”夢”大吊橋は、標高777mの鳴子川渓谷に架かる歩行者専用の大きな吊橋。
人が渡れる橋としては日本一の高さ173mを誇り、長さ390m・幅1.5mには一度に大人(体重65kg)が約1,800人乗っても耐えられる設計というのも特徴だ。
名称は一般公募で決定し、2006年の開通以来、多くの観光客を魅了し続けている。
橋の上からは、日本の滝100選に選ばれた「震動の滝」や、紅葉で有名な「九酔渓(きゅうすいけい)」の原生林が周囲に広がる。
天気に恵まれると、遠くに壮大な「くじゅう連山」が横たわる360度のパノラマも望め、四季折々に織りなす自然の渓谷美を楽しめる。
また橋の中央部分は格子状になっており、足元から谷底を見下ろせるスリル満点の体験も魅力のひとつ。
「天空の散歩道」の名にふさわしい、まるで空中を歩いているかのような気分を味わえるだろう。

九重"夢"大吊橋へのアクセス
大分県内から九重”夢”大吊橋へのアクセスは、まずは最寄り駅のJR「豊後中村駅」に行き、同駅からコミュニティバスで向かうのが基本ルートだ。
ここでは、大分の玄関口である「大分空港」を起点にした行き方を以下の表にまとめた。
電車・バスの本数が少なく、途中で経由するJR「湯布院駅」・JR「豊後中村駅」でそれぞれ1時間近く待たなければならない。
大分空港で11時台発車のバスに乗り遅れると当日中の観光が厳しくなるので、気を付けよう。
そのため、飛行機の発着時刻次第では、1日目・最終日の観光は避けて、他のスポットを訪れる旅行プランを組むのがお勧め。
- 経路
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1. 「大分空港」から空港バスのりば3番まで徒歩で移動
2. 大分交通空港バス湯布院ライナー・由布院駅前BC行に乗車し、「由布院駅前バスセンター」で降車、JR「湯布院駅」まで徒歩で移動
3. JR「湯布院駅」からJR久大本線・日田行などに乗車し、「豊後中村駅」で下車、バス停まで徒歩で移動
4. バス停「豊後中村駅」からコミュニティバス・九重町縦断線に乗車し、「大吊橋中村口」で降車し、九重”夢”大吊橋に到着 - 所要時間
- 約3時間30分
九重"夢"大吊橋の営業時間と料金
九重"夢"大吊橋の営業時間と料金は、以下の表にまとめたので参考にしてほしい。
定休日はなく、無休で営業しているので、営業時間内であればいつ訪れても楽しめる。
- 営業時間
-
・8:30〜17:00
※1. 7月〜10月の期間のみ、8:30〜18:00
※2. 入場券の販売は営業時間終了の30分前まで - 入場券
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・中学生以上:500円
・小学生:200円
・小学生未満:無料
九重"夢"大吊橋の楽しみ方5選
九重”夢”大吊橋の代表的な楽しみ方を5つ紹介する。
言わずと知れた紅葉と渓谷美のほかにも、人道専用として日本一高い173mから眺める絶景やスリルスポットなど見どころが満載。
ここでしか味わえないことも多く、記憶に残る体験ができるはずなので、内容を参考に季節や好みに合わせて実践してほしい。
1. 震動の滝が織りなす絶景を楽しむ
九重”夢”大吊橋の中間地点まで歩くと、日本の滝100選にも選ばれた「震動の滝」の勇壮な姿を一望できる。
「震動の滝」は雄滝(落差83m)と雌滝(落差93m)からなり、岩肌をしなやかに流れ落ちる水の流れが特徴だ。
周囲を振動させるほどの迫力が名前の由来で、滝の近くに立つと地面が揺れているかのように感じられる。
橋の上からは、滝と深い渓谷が作り出す壮大な景色を楽しめ、自然の力強さ・偉大さが全身に染み渡る。
特に紅葉や新緑の季節に見られる、色彩豊かな風景と滝の白い水しぶきが美しいコントラストは圧巻のひと言。
フォトジェニックな光景が無数に広がる絶好の撮影ポイントでもあるので、特別な体験を記念に残してほしい。

2. “スリルスポット”で絶景とスリルを同時に楽しむ
九重”夢”大吊橋の中央部の足元は、グレーチング(格子状の金属板)になっている。
この部分は透明に近く、橋の真下から高さ173mの景色を直接のぞけるため、通称「スリルスポット」と呼ばれる。
スリルスポットからは、深い渓谷の下を流れる鳴子川や迫力のある震動の滝を間近に見られ、特別な空中散歩を楽しめるのが魅力だ。
風が吹くと橋がわずかに揺れ、さらにスリルが増してひやひやする。
橋を渡る途中で最も高さを感じる場所でもあり、高所が苦手な人には少し勇気が必要だが、その分スリルと絶景を同時に味わえる。
ハイヒールやパンプスでの歩行は危険なので、スニーカーなどを履いていこう。

3. 紅葉が織りなす絶景を楽しむ
紅葉の見頃を迎える例年10月下旬~11月中旬になると、渓谷全体が鮮やかな赤や黄、オレンジ色に染まっていく。
九重”夢”大吊橋の一帯はまるで絵画のような美しい風景が広がり、橋の上からは360度のパノラマビューが楽しめる。
特に玖珠川流域の両岸2kmほどにわたり断崖絶壁が続く「九酔渓」は、別名「十三曲がり」と呼ばれる紅葉の名所で、圧巻の渓谷美に魅了される。
また、標高777mの眼下には深い谷間を彩る色とりどりの木々が絶妙なコントラストを生み出し、風に揺れる葉が光を受けて輝く様子も風情があって良い。

4. 雪景色に染まる渓谷美を楽しむ
冬の九重”夢”大吊橋は渓谷全体が白銀の世界に包まれ、普段とは異なる静寂と美しさが観光客に感動をもたらす。
「九酔渓」を筆頭に雪化粧をまとった渓流や岩肌が広がり、橋からの眺めは他の季節と比べると幻想的な雰囲気が漂う。
寒さが厳しい日には渓谷に霧がかかることもあり、自然が創り出す繊細なアートを楽しめるのが魅力。
澄んだ空気と相まって、遠くの山々までくっきりと見渡せるのもこの時期ならではの特徴だ。
例年11月下旬~3月下旬の期間に降雪や降霜が発生し、積雪する可能性が高いので足元に気を付けて壮大な景観を堪能しよう。

5. 天空館でグルメとお土産選びを楽しむ
「天空館」とは、九重”夢”大吊橋施設内で運営する物産直売所で、1号館と2号館に分かれている。
1号館には、地元の農産物や加工品、地酒のほか、お菓子類・ジャム・小物など九重町の名物品がずらりと並んでおり、お土産の購入場所にもお勧め。
一方、2号館には飲食スペースがあり、ソフトクリーム・焼とうもろこし・アメリカンドッグといった、テイクアウト商品を販売している。
なかでも人気なのがご当地グルメの「“夢”バーガー」。
地産の素材をふんだんに使ったボリューム満点のハンバーガーで、ジューシーな手作りパテと新鮮な野菜が絶妙にマッチした一品だ。
パテは牛肉以外にも猪肉・鹿肉も選べ、それぞれの風味を楽しめる。
※2号館は当面の間、土・日曜日のみの営業

優れたロケーションも魅力!九重"夢"大吊橋周辺の人気飲食店3選
天空館でもグルメを堪能できるが、九重"夢"大吊橋の周辺には、他にも魅力的な飲食店が点在している。
その中でも、大分のご当地グルメだけでなく、周辺の景色も楽しめるロケーションの飲食店を紹介していこう。
1. 農家レストラン べべんこ
標高およそ900m、雄大な九重連山に囲まれた展望スポット「朝日台」に店を構えるレストラン。
大分県のブランド食材・豊後牛を肥育する「鷲頭牧場」が手掛けており、品質の良い牛肉を用いたメニューを幅広く提供している。
一押しのおおいた和牛ステーキ定食のほかに、手頃な焼肉丼、豊後牛コロッケ定食、豊後牛カレーも絶品。

2. 桂茶屋
断崖絶壁が続き、周囲に原生林が広がる渓谷「九酔渓」の真ん中付近で営業している。
食事処では、素朴ながらも個性的なメニューがバラエティ豊かに勢揃い。
炭火で1本1本丁寧に焼き上げる「山女魚の塩焼き」、特製ゆず醤油をつけて食べる「焼き団子」といった軽食に加え、大分名物の「鳥天定食」などボリューミーな定食もある。

3. あいのせ茶屋
阿蘇くじゅう国立公園に位置する「飯田高原」、色彩ロード沿いに建つレストハウス。
名物である地鶏蕎麦やうどんをはじめ、様々な種類の蕎麦・うどんが揃うほか、カレーライスやおにぎりといったご飯ものも充実している。
また、売店ではこの地域ならではのお土産が並び、展望所からは隠れた紅葉の名所「あまがたに渓谷」を一望できる。

九重"夢"大吊橋周辺と併せて巡りたい人気観光スポット3選
最後に、九重”夢”大吊橋と併せて訪れたい周辺の人気観光スポットを紹介しよう。
いずれも、玖珠郡九重町から竹田市北部にかけて広がる「くじゅう連山」の自然景観や自然の恵みを感じられるスポットだ。
1. くじゅう花公園
周辺をくじゅう連山と阿蘇五岳に囲まれた、阿蘇くじゅう国立公園内の久住高原に設けられた公園。
すがすがしい空気のなか、色とりどりの季節の花々を観賞することができる。
敷地は約22万㎡と広大で、花のじゅうたんを楽しめる複数の丘、ローズガーデン、イギリスの庭をイメージした久住ガーデン、雨天でも楽しめる温室アンティルなどがあり、いつ訪れてもさまざまな種類の花を見ることができるようになっている。

2. 筋湯温泉
九重連山の北に点在する個性豊かな12の温泉地「九重”夢”温泉郷」のなかでも、ひときわユニークな温泉郷のひとつ。
「日本一の打たせ湯」を標榜し、多くのホテルや旅館が独自の打たせ湯を設けている。
泉質は単純温泉、ナトリウム・塩化物泉などで、「筋湯」という名称も肩こりなどの筋の病に効くことに由来し、打たせ湯がその効果を高めている。
飯田高原への起点や九重連山の登山基地としても人気で、登山客の利用も多い。

3. 長者原ビジターセンター
長者原ビジターセンターは、くじゅう連山の登山口に位置し、くじゅうの歴史や自然などを紹介する博物展示施設。
自然や生物、タデ原湿原などに関する資料や解説が豊富で、この地を訪れる楽しみをより深くしてくれる。
山の自然は美しい四季の映像でも紹介。フロアには阿蘇くじゅう国立公園の巨大な衛星写真が敷かれていて、巨人になったような感覚が味わえる。

九重"夢"大吊橋に関するよくある質問
Q
九重"夢"大吊橋の観光に必要な時間はどれくらい?
渡橋の所要時間は往復でおよそ13分、ゆっくり歩いても20分程度です。周辺の観光と合わせて1時間弱を目安に考えると良いでしょう。
Q
九重"夢"大吊橋の高さと長さは?
高さは173m、長さは390mで歩道専用の橋としては日本一の高さを誇る吊橋です。
まとめ
九重”夢”大吊橋の見どころや楽しみ方、アクセスを中心に紹介してきた。
迫力満点の橋を渡ると360度大パノラマの雄大な自然を肌で感じられ、まるで空中を歩いているような気分になれる。
名瀑や渓谷が作り出す絶景は唯一無二なので、特別な体験と心に残る思い出が作れるはずだ。
周辺にはご当地グルメを味わえる飲食店や、疲れを癒す温泉施設もあるのも魅力的。
ぜひ一度九重”夢”大吊橋へ観光してほしい。
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