日本の伝統的な運勢カレンダー「高島暦」を手に入れよう!

日本の伝統的な運勢カレンダー「高島暦」を手に入れよう!

更新 :
筆者 : 元村颯香
監修 : GOOD LUCK TRIP / 高島暦出版株式会社

今日というこの日はいったいどんな日か知っていますか?冠婚葬祭や引っ越し、作物の種植えなど、生活のどんなことに関しても、日本人がきょうを生きるヒントとして活用してきたのが「高島暦」(たかしまこよみ)というものです。この「高島暦」が、どのようにして日本人から親しまれてきたのかをご紹介します。

高島暦とは?

高島暦の概要と歴史

神正館高島暦は、もとは高島聖明(たかしま・しょうみょう)という人が考えだしました。1949年に発行、そしてその翌年の1950年に出版されました。元々暦というものは日本では、宮内省・伊勢神宮が独占してきたもので、一般に暦を出版されることは許されていませんでした。しかし戦後になると暦出版業が民間にも開放されたのです。このタイミングで「高島暦出版」は創業し、「暦を通して、生活に律動と潤いを」という理念のもと、創業してから75年以上もの間「神正館 高島暦」を発行し続けています。

高島暦出版株式会社を訪ねると、出迎えてくれたのは、初版の高島暦です!

初版の高島暦 1949年発行
初版の高島暦 1949年発行

その風合いから長い歴史を感じ、貴重なものというのが一目でわかりました。ちなみに、現在の高島暦は表紙が「獅子」ですが、当時は「トラ」だったようです。

日本人にとって「高島暦」とは?

「神正館 高島暦」は、日々の暮らしに役立つように編集されているため、日本人の私たちは日常的に手に取ることが多い本のひとつです。
1年間のカレンダー的要素や運勢、農事や季節のことばなど、日本人のあらゆる生活に密着したことが記載されています。そのため日本人はきょうが何の日か確認するために使うこともあれば、きょうの運勢を知るために使うこともできる一冊になっているのです。ある日が冠婚葬祭に向いている日かどうかも一目でわかるため、かつては電話帳とともに電話の横に置いている家庭も少なくありませんでした。特に年末年始に親戚や友人で集まった際には、高島暦を囲みながら、新年の運勢についてみんなで盛り上がります。

高島暦の特徴

では具体的に高島暦はどういうことが書かれた本なのでしょうか。詳しくご紹介します。

暦と運勢の見方

九星気学から導き出した方位の吉凶が書かれているページ
九星気学から導き出した方位の吉凶が書かれているページ

①新暦(しんれき)

現在運用されている暦です。1872年(明治5年)11月9日に太陰暦を廃止し、太陽暦を採用することが定められました。1年を365日、1日24時間とし、365日を12月に分けて、4年ごとにうるう年をおくことや旧暦の1872年(明治5年)12月3日を新暦の1873年(明治6年)1月1日にすることが定められました。

②七曜(しちよう)

日・月・火・水・木・金・土曜日の7つの曜日のことです。

③九星(きゅうせい)

九星気学から導き出したその日の運勢や方位の吉凶

④六十干支(ろくじっかんし)

暦に載っている日時・方位にまつわる吉凶や運勢に関連する事項である「暦注」の多くは、陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)という古代中国の思想や易から発生し、それを月日に当てられるようになったものです。その大きな柱となるものが「干支」なのです。

干支(えと)とは、十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)の組み合わせでできたものです。
十干とはもともとは、甲、乙、丙…と、日を10日のまとまりで数えるための呼び名(符号のようなもの)でした。10日ごとに「一旬(いちじゅん)」と呼んでいて、3つの旬、つまり上旬、中旬、下旬で1ヵ月になります。そのため今でも広く使われています。

古代中国では、万物はすべて「陰」と「陽」の2つの要素に分けられるとする「陰陽説(いんようせつ)」という思想と、すべて「木」、「火」、「土」、「金」、「水」の5つの要素からなるとする「五行説(ごぎょうせつ)」という思想がありました。これらを組み合わせて「陰陽五行説」といいます。やがて陰陽五行説を「十干」に当てはめるようになりました。また、日本では、この「陰」と「陽」を「兄(え)」と「弟(と)」に見たて、「兄弟(えと)」と呼ぶようになりました。

十干 音読み 五行 陰陽 五行陰陽 訓読み
こう 陽(兄) 木の兄 きのえ
おつ 陰(弟) 木の弟 きのと
へい 陽(兄) 火の兄 ひのえ
てい 陰(弟) 火の弟 ひのと
陽(兄) 土の兄 つちのえ
陰(弟) 土の弟 つちのと
こう 陽(兄) 金の兄 かのえ
しん 陰(弟) 金の弟 かのと
じん 陽(兄) 水の兄 みずのえ
陰(弟) 水の弟 みずのと

一方で十二支は、もともとは12ヶ月の順を表わす呼び名でした。その後この呼び名に12種の動物を当てはめるようになっていきます。

十二支 音読み 訓読み 五行
ちゅう うし
いん とら
ぼう
しん たつ
うま
ひつじ
しん さる
ゆう とり
じゅつ いぬ
がい

そして、干支の組み合わせ(十干と十二支の組み合わせ)は60通りもあり、これを六十干支と呼んでいます。これが一巡するといわゆる還暦になります。例えば、「甲」と「子」を組み合わせた「甲子」は、「こうし」、「かっし」または「きのえね」と読みます。

番号 干支 音読み  訓読み  番号 干支 音読み 訓読み
1 甲子 こうし きのえね 31 甲午 こうご きのえうま
2 乙丑 いっちゅう きのとうし 32 乙未 いつび きのとひつじ
3 丙寅 へいいん ひのえとら 33 丙申 へいしん ひのえさる
4 丁卯 ていぼう ひのとう 34 丁酉 ていゆう ひのととり
5 戊辰 ぼしん つちのえたつ 35 戊戌 ぼじゅつ つちのえいぬ
6 己巳 きし つちのとみ 36 己亥 きがい つちのとい
7 庚午 こうご かのえうま 37 庚子 こうし かのえね
8 辛未 しんび かのとひつじ 38 辛丑 しんちゅう かのとうし
9 壬申 じんしん みずのえさる 39 壬寅 じんいん みずのえとら
10 癸酉 きゆう みずのととり 40 癸卯 きぼう みずのとう
11 甲戌 こうじゅつ きのえいぬ 41 甲辰 こうしん きのえたつ
12 乙亥 いつがい きのとい 42 乙巳 いつし きのとみ
13 丙子 へいし ひのえね 43 丙午 へいご ひのえうま
14 丁丑 ていちゅう ひのとうし 44 丁未 ていび ひのとひつじ
15 戊寅 ぼいん つちのえとら 45 戊申 ぼしん つちのえさる
16 己卯 きぼう つちのとう 46 己酉 きゆう つちのととり
17 庚辰 こうしん かのえたつ 47 庚戌 こうじゅつ かのえいぬ
18 辛巳 しんし かのとみ 48 辛亥 しんがい かのとい
19 壬午 じんご みずのえうま 49 壬子 じんし みずのえね
20 癸未 きび みずのとひつじ 50 癸丑 きちゅう みずのとうし
21 甲申 こうしん きのえさる 51 甲寅 こういん きのえとら
22 乙酉 いつゆう きのととり 52 乙卯 いつぼう きのとう
23 丙戌 へいじゅつ ひのえいぬ 53 丙辰 へいしん ひのえたつ
24 丁亥 ていがい ひのとい 54 丁巳 ていし ひのとみ
25 戊子 ぼし つちのえね 55 戊午 ぼご つちのえうま
26 己丑 きちゅう つちのとうし 56 己未 きび つちのとひつじ
27 庚寅 こういん かのえとら 57 庚申 こうしん かのえさる
28 辛卯 しんぼう かのとう 58 辛酉 しんゆう かのととり
29 壬辰 じんしん みずのえたつ 59 壬戌 じんじゅつ みずのえいぬ
30 癸巳 きし みずのとみ 60 癸亥 きがい みずのとい

⑤行事など

祝日や二十四節気・雑節(後述)、行事、お祭り、選日(後述)が書かれています。

⑥旧暦(きゅうれき)

一般的に旧暦といわれているものは、古代中国から伝わった暦で、月の満ち欠けを基準にした太陰暦と、太陽の動きを基準にした太陽暦を組み合わせたものでした。日本では、1872年(明治5年)の改暦まで使用されていました。

⑦六曜(ろくよう)

六曜(ろくよう)は14世紀ごろに中国から日本に伝来したと考えられています。しかしながら国内で広く行われるようになったのは幕末以降のことなのです。時代とともにその名称や順序も変遷しています。

現在は、先勝(せんしょう、せんかち、さきかち)、友引(ともびき、ゆういん)、先負(せんぷ、せんぶ、せんまけ、さきまけ)、仏滅(ぶつめつ)、大安(たいあん、だいあん)、赤口(しゃっく、じゃっく、しゃっこう、じゃっこう、せきぐち)という名称と順序になっています。例えば、1月、7月(旧暦)の1日(朔日)に先勝を当て、以後順に配当していきます。意味の解釈は様々でどれが正しいという基準はありません。
以下はあくまで一般的な解釈としてご紹介しています。

六曜 基準日 意味
先勝 1月、7月の1日 諸事早くするに吉です。午前は吉、午後は凶。
友引 2月、8月の1日 友を引く。祝い事はいいですが、葬式などの凶事は忌む。朝夕は吉、正午は凶。
先負 3月、9月の1日 何事も控えめに平静を保つ日。午前は凶、午後は吉。
仏滅 4月、10月の1日 仏も滅亡するような万事大凶の日。何事も忌む、この日病むと長引く日です。ただし、葬式や法事をすることは構いません。
大安 5月、11月の1日 万事大吉。特に婚礼を行うにはいい日です。ほかに旅行や移転開店にもおすすめです。
赤口 6月、12月の1日 凶日。特に祝い事は大凶です。火の元や刃物にも要注意の日。正午だけ吉、ほかは凶。

⑧十二直(じゅうにちょく)

十二直の「直」は「当たる」という意味があり、つまりよく当たる暦注と信じられていたということです。建(たつ)、除(のぞく)、満(みつ)、平(たいら)、定(さだん)、執(とる)、破(やぶる)、危(あやぶ)、成(なる)、収(おさん)、開(ひらく)、閉(とづ)の12種類があります。

たつ(建)
最吉日。
大吉:神仏の祭祀や婚礼、開店・開業、移転、旅行、棟上げ
凶:建築などのための動土
のぞく(除)
百凶を除き去る日。
吉:病気などの治療開始、種まき、井戸掘り
凶:婚礼、建築などのための動土
みつ(満)
万象万物満ち溢れ、福が成就する良日。
吉:建築、移転、結婚、お祝いごと、種まき、建築などのための動土
たいら(平)
吉:地固め、柱立て、種まき、旅行、結婚
凶:池や穴を掘ること
さだん(定)
いいことも悪いことも物事のすべてが定まってとどまる日。
吉:建築、移転、婚姻、開店、開業
凶:訴訟、旅行
とる(執)
万物を行う日。
吉:神仏祭祀、結婚、祝い事、井戸掘り、造作、種まき
凶:金銭支出、財産整理
やぶる(破)
破壊の日。
凶:結婚などのお祝いごとはすべて凶
あやぶ(危)
万事に危惧を含むため、控え目に慎むことが大切になる日。
凶:旅行、登山
なる(成)
成就する日。
吉:建築、開店、種まきなど
凶:訴訟、談判ごとなど
おさん(納)
万事収め入れることに良い日。
吉:五穀の収納、商品の買い入れなど
凶:結婚や見合い
ひらく(開)
吉:建築、移転、結婚、開店
凶:葬式などの不浄ごと
とず(閉)吉:金銭の収納、トイレ造り
凶:結婚、開店

古くから中国の人たちは、一定の位置にあって動かない北極星を中心に1日1回転する北斗七星に興味があり、北斗七星のひしゃくになっている部分が、夕方どの方角を向いているかをその方位の十二支に当てはめて各月の名を決めていました。それを暦に記したのです。これを月建(げっけん)といいます。冬至(旧暦11月)には、ひしゃくの部分が真北(十二支の子の方角)を指す(建(おざ)す)ため、建子の月と名づけていて、それと同じように、12月は丑、正月は寅…という要領で各月を名づけました。

そして、その節月と同じ十二支を持つ最初の日を建として、その以後、順に、除、満…と配当していきました。例えば1月の月建は寅なので、1月節(立春)後の最初の寅の日が建となり、次の卯の日には除、辰の日には満…と順に配当します。原則として十二直は12のサイクルですが、毎月の節入りの日のみはその前日と同じ十二直を配しています。

時代によって、十二直の意味の解釈は少しずつ違ったものになっています。現在ではほとんど使われることはなくなりましたが、建築や引越しの吉凶を見るために使われることもあります。

⑨二十八宿(にじゅうはっしゅく)日ごと

十二直とともに使われることが多い二十八宿。もともとは中国の天文学や占星術で用いられていました。よってその日の運勢を見るときは十二直と併せて見るといいでしょう

角(かく)
婚礼・普請・旅行・井戸掘り 吉
亢(こう)
種まき・婚礼 吉
家づくり 凶
氐(てい)
婚礼・酒造・種まき 吉、ほか凶
房(ぼう)
移転・旅行・建築 吉
心(しん)
旅行・掛合ごと 吉、ほか凶
尾(び)
薬配合に吉、ほかは凶
箕(き)
普請・造作 吉、ほか凶
斗(と)
土工・井戸掘り 吉、家毀 凶
牛(ぎゅう)
迅速に進めて吉
女(じょ)
芸始め 吉、仏事・葬送 凶
虚(きょ)
縁談・造作・葬送 凶
危(き)
悪日移転旅行開店 凶
室(しつ)
祝祭・婚礼ほか一切吉
壁(へき)
婚姻・旅行・開店 吉
奎(けい)
神事・普請・柱立に吉
婁(ろう)
企業・開店 吉、南行 凶
胃(い)
食あたりに注意・一切凶
昴(ぼう)
家具作り・造作等 吉
畢(ひつ)
示談解決・橋かけ 吉
觜(し)
入学・神詣り等皆吉
参(しん)
普請・旅行・開店等 吉
井(せい)
種まき・井戸掘り・旅行 吉
鬼(き)
万事進むに大吉
柳(りゅう)
何事も用うべからず
星(せい)
婚礼・開店そのほか皆 凶
張(ちょう)
入学・事始め一切吉
翼(よく)
事始め 吉、仏事・葬祭 凶
軫(しん)
田地・家屋・買入に吉

⑩月

⑪旧暦の「大の月」「小の月」

「大の月」30日まである月、「小の月」29日までしかない月。
旧暦で使われていた「太陰太陽暦(たいいんたいようれき)」。これは1ヶ月を天体の月が満ち欠けする周期に合わせていました。天体の月が地球をまわる周期は約29.5日なので、30日と29日の長さの月を作って調節し、30日の月を「大の月」、29日の月を「小の月」と呼んでいたのです。
ちなみに、地球が太陽をまわる周期は約365.24日。季節はそれによって移り変わります。そうすると、「大の月」「小の月」の繰り返しでは、徐々に暦と季節が合わなくなってきますね。そこで、2~3年に1度は閏月(うるうづき)を設けて13ヶ月ある年を作って季節と暦を調節していました。

⑫月の吉凶を示す二十八宿
⑬和風月名・二十四節気
⑭東京晴海を基準にした日の出と日の入り時間
⑮旧暦の月名
⑯農作業に適していること

開運日・凶日とは?

⑤の「選日(せんじつ)」。これは日の吉凶を占うものです。たとえば「天赦日(てんしゃび)」は暦の中でもっとも吉日とされている開運日です。「天が万物の罪をゆるす日」という意味があります。ほかに「一粒万倍日(いちりゅうまんばいにち)」は“ひと粒のモミが万倍にも実る稲穂になる”というとてもおめでたい日のことをさします。「増える」意味があるため日本人はこの日によく宝くじを買います。

宝くじ売り場でも「本日、一粒万倍日」といったような旗が掲げられるほど。ほかにも仕事始めや開店、種まき、出金などは吉なのですが、「増える」という意味があるため、借金や借り物は凶とされています。一方で「不成就日(ふじょうじゅび)」は万事不成就の日です。なにをするにも良くない日とされているため、こういう日は穏やかに過ごす方がいいのかもしれませんね。

二十四節気をはじめ、さまざまな情報から日本人の暮らしを垣間見ることができる
二十四節気をはじめ、さまざまな情報から日本人の暮らしを垣間見ることができる

日本文化を深く知るためのヒント~日本に根付く二十四節気や雑節~

二十四節気(にじゅうしせっき)

前述のとおり、日本では1872年12月2日までは、太陰太陽暦という月の満ち欠けを基準に運用する暦で生活をしてきました。いわゆる旧暦です。この暦は「月の満ち欠け」に基づいて運用されていたので1年間が354日となりました。すると、本来の気候や季節とのズレが出てしまい、農作や生活に不便が出てきていたのです。そこで、季節を正確に捉えるために1年の太陽の運行をもとに考え出されたのが「二十四節気」なのです。

季節 二十四節気名 意味 新暦の日付
立春(りっしゅん) 暦の上で春を迎える 2月4日頃
雨水(うすい) 雪が雨に変わり、雪が溶け出す頃 2月19日頃
啓蟄(けいちつ) 虫が土の中から出てくる頃 3月5日頃
春分(しゅんぶん) 本格的な春の到来。昼と夜の長さが同じになる 3月21日頃
清明(せいめい) 万物が清らかでいきいきと輝く頃 4月5日頃
穀雨(こくう) 雨が降って百穀を潤す 4月20日頃
立夏(りっか) 暦の上で夏を迎える 5月5日頃
小満(しょうまん) 万物が生命力に満ち溢れる頃 5月21日頃
芒種(ぼうしゅ) 穀物の種まきに適した時期 6月6日頃
夏至(げし) 1年でいちばん昼が長く夜が短い日 6月21日頃
小暑(しょうしょ) 日に日に暑さが強まる頃 7月7日頃
大暑(たいしょ) 暑さが最も厳しい時期 7月23日頃
立秋(りっしゅう) 暦の上で秋を迎える 8月8日頃
処暑(しょしょ) 厳しい暑さを越した頃 8月23日頃
白露(はくろ) 朝に草花に露がつきはじめる頃 9月8日頃
秋分(しゅうぶん) 昼と夜の長さが同じになる 9月23日頃
寒露(かんろ) 草花に冷たい露ができる頃 10月8日頃
霜降(そうこう) 冷え込みが強まって霜がおりる頃 10月24日頃
立冬(りっとう) 暦の上で冬を迎える 11月7日頃
小雪(しょうせつ) 雪が降り始める頃 11月22日頃
大雪(たいせつ) 本格的な冬の到来 12月7日頃
冬至(とうじ) 一年で最も昼が短く夜が長い日 12月21日頃
小寒(しょうかん) 寒さの厳しさが増す頃 1月5日頃
大寒(だいかん) 一年を通して寒さがいちばん厳しくなる頃 1月21日頃

雑節(ざっせつ)

二十四節気と同じように、「雑節」という季節の移り変わりの目安となるものがあります。

節分
立春の前日で、冬と春の分かれ目の日。厄払いのために豆まきを行ったり、恵方巻を食べたりします。
彼岸
仏教から入ってきた暦注。春分・秋分の日を彼岸の中日として、前後三日を含めた七日間を仏事としています。各家庭では先祖の冥福を祈る法事が行われます。
八十八夜
立春から数えて八十八日目のこと。種まきの目安の日。
入梅
梅雨の時期に入る日のこと。
二百十日
立春から数えて二百十日目のこと。
中元
陰暦7月15日のこと。
土用
立春・立夏・立秋・立冬の前のそれぞれおよそ18日間のこと。

これらのように季節を正確に捉え、日々の生活にリズムをつけるために我々日本人は二十四節気や雑節を大切に生きてきました。こういった考え方があるのは、四季がある日本ならではのものだと感じます。

高島暦の使い方&楽しみ方

自分の九星を知ろう!無料でチェックできるWEBサイト

日本人は高島暦を「暦」として活用していただけではありません。運勢を確認することにも使っていました。その運勢を知るために、まずは自分の九星を知る必要があります。 
九星気学では、その人が生まれた年や月に基づいて、一白水星(いっぱくすいせい)、二黒土星(じこくどせい)、三碧木星(さんぺきもくせい)、四緑木星(しろくもくせい)、五黄土星(ごおうどせい)、六白金星(ろっぱくきんせい)、七赤金星(しちせききんせい)、八白土星(はっぱくどせい)、九紫火星(きゅうしかせい)の9つの星を用いていて、この星のうちの生まれた年に関連付けられる星のことを「本命星」と呼びます。

本命星ではその人の性格、感性をはじめとした、その人の本質を表すとされています。これらの星は実際の天体ではなく、人が持つエネルギーである「気」のこと。この九星気学を見ることで、自身のことだけでなく、身近な人の性格や傾向、相性などを知ることができるのです。

高島暦出版の公式サイトから簡単に自分の九星が分かる
高島暦出版の公式サイトから簡単に自分の九星が分かる

こちらのページから、自分の生年月日を入力するだけで自身の九星が表示されます。日本語だけでなく英語のサイトもあります。
高島暦(九星気学)は風水の一種で、「立向」に分類されています。いわゆる一般的なインテリア風水と呼ばれているものは「座山」に分類されているため、“住んでいる場所に祐気(運気)を呼び込む”という考え方です。一方で高島暦は、“運気をつかむために自ら移動(祐気採り)して、開運する”という考え方に基づいています。ですから、日本人は長い間この高島暦で運気を予測し、運命を知って、行動によって自らの人生を切り開いて改善する手段として、高島暦を役立ててきました。「高島暦」の「運勢暦」では見開きで九星ごとに、ことしの運勢、各月の運勢、さらに日ごとの運勢が書かれています。

日常生活での活用方法

さらに外国人の方に向けた「高島暦」もあります。日本語版だけでなく、英語版・繁体字版・簡体字版が現在出版されています。

左から英語版・繁体字版・簡体字版
左から英語版・繁体字版・簡体字版

①本命星

生年月日に基づいて分類される九星。個人の性格・感性などその人の本質を表しています。

②丸記号

ことしの運勢を端的に表しています。
整備運、浮沈運、盛大運、喜悦運、変革運、光明運、低迷運、渋滞運、威勢運があります。

③イラストとことわざ

ことしの運勢をイメージしたイラストとことわざが書かれています。

④相性

相手の本命星からその人との相性を知ることができます。この相性は毎年変わるものではなく、一生同じです。人間関係で「なんだかこの人苦手だな…」と感じるときはこの相性をチェックしてみてください。そこで相性がよくないと確認することができれば、それを受け入れて、その人と接するときは気を付けて行動することができます。

⑤年間の運勢

この1年の運勢が書かれています。

⑥誕生年

この九星の誕生年とことしの年齢が書かれています。

⑦方位吉凶図

これを見るとひとめで吉方位と凶方位を知ることができます。方位地図とは逆になっていることに注意してください。これでは上が南で下が北を指しています。もし「凶方位」である「東」に行く予定があれば、一旦「吉方位」の「北」や「南」や「西」を経由してから行くといいでしょう。

⑧各月の運勢

各月の運勢が端的にまとめられています。その月の行動の指針とすることができます。

⑨日々の運勢

この1年の毎日の運勢が記号でわかります。5つにわかれていて、◎大吉、○中吉、△小吉、▲凶、×大凶です。

◎大吉
この上なく縁起・運勢がいい日です。何をするにも向いています。
○中吉
吉の半分を表す運勢です。自分の努力次第で運勢があがります。
△小吉
可もなく不可もない日。ささやかな幸せで停滞するとも言われているのできょうはあまり多くを求めないほうがよさそうです。
▲凶
よくない運勢の日です。しかしながら必ずしも悪いことが起きる日でもありません。気を引き締めるための注意喚起ととらえるといいでしょう。きょうすることは自分の行いを見つめなおして改善すること。そうすると運気は上昇するでしょう。
×大凶
きょうはなにをするにも向いていない日です。挽回のチャンスがくるまで、きょうは静かに過ごすことをおすすめします。

こんなときどうする?

これを活用して、恋愛運や特定の相手との相性を知ることもできます。

①素敵な人と出会いたい!気になる人とうまくいきたい!

吉方位と凶方位、方位吉凶図、月ごとの吉方位を確認しましょう!
自身の九星に示されている吉方位に出かけることがとても重要です。気になる相手とのデートはもちろん、素敵な人と知り合うきっかけとなる集まりに運気が来るように、高島暦を確認して、事前に出掛ける方角や、当日ご自分に優位な方角を知ることが必要です。

②相手との相性を知りたい

相性の項目を確認しましょう!
高島暦は九星で構成されていますが、その九星も木星・火星・土星・金星・水星の五つの要素から成り立っているのです。それぞれの関係には相性があり、自身の九星と相手の九星から相性がわかります。(五行説)

「相生」(そうしょう)
隣り合う要素と相関関係があり、協力関係にあり相性がいいです。五行説の考えでいうと、木は火を生み、火は木を燃やすと灰になり土を生みます。また金(属)は土(鉱脈)から生まれ、金は腐食すると水に還り、木は水の力で育ちます。
「相剋」(そうこく)
相手のエネルギーを奪いとる関係です。たとえば、一緒にいると疲れたり、テンションが落ちたり、ネガティブさに引っ張られたりします。その結果、苦手意識が生まれてしまいます。五行説の考えでいうと、木は根から土の養分を吸収して育ち、土は水を吸収し地形によって水の行く方向を決められます。また水は火を消し、火は金属を溶かし、金属でできた斧で木はなぎ倒されます。
「比和」(ひわ)
同じ五行同士は質を高め、助け合い、盛り上げる関係になっています。気が合う、波長が合うなど相性がいいなと感じるときや、苦手、一緒にいると疲れるなどと感じるときにはこの欄をチェックするといいでしょう。

高島暦を手に入れるには?

英語版や中国語版などを購入できる場所があります。
ぜひ日本を訪れた際は手にとって、旅のお供にしてみてはいかがでしょうか。

最新の販売場所は、以下の公式サイトから確認できます。

まとめ

高島暦の魅力と活用のすすめ(日本の伝統文化としての価値)

日本の伝統的な運勢カレンダー「高島暦」を手に入れよう!
日本の伝統的な運勢カレンダー「高島暦」を手に入れよう!

高島暦が発行されて以来75年以上、時代とともにいろいろな要素が入ってきて、高島暦の内容もその要素を取り込みながら変わってきたそうです。ただ発行以来変わらずこの高島暦が伝えたいことは「運命は決まっているものではなく変えられるものである」ということ。日本人も生活や運命を変える指針として身近に活用してきました。

ぜひ日本を訪問した際は高島暦を手に入れて、いろんな場所に行くヒントにしてください。きょうの吉方位をヒントに訪問先を決めるのもいいでしょう。人気店はどこに行っても行列です。待ち時間にはぜひ「高島暦」を開いて、友人や家族、恋人と相性やきょうの運勢を確認して盛り上がって楽しんでください。
高島暦を活用した日本旅行がとても素敵なものになるように心から願っています。

元村颯香

筆者

フリーアナウンサー

元村颯香

伝統文化や芸能、歴史を中心に発信