
【春の仙台市観光ガイド】桜と水辺の景観を楽しむ杜の都さんぽ
東北を代表する都市・仙台市は、「杜の都」の名のとおり豊かな自然と都市景観が調和するまち。広瀬川や青葉山を中心に、水と緑が織りなす風景が街のいたるところに広がっている。
西公園や仙台城跡、榴岡公園などでは桜が咲き誇り、水辺を歩けば春のやわらかな光と花の彩りが心地よく包み込む。
清らかな流れとともに、桜の香りが漂う杜の都の春さんぽへ出かけたい。
水辺に息づく景観をたどる、春の仙台の楽しみ方
街のあちこちで水のきらめきと若葉の色が重なり合う春の仙台。
広瀬川や青葉山を中心に、自然と都市が近くにある風景がこの街の特徴だ。
西公園では川辺の散策が心地よく、橋の上から眺める流れが春の景色を映し出す。少し足をのばせば、水の森公園の静かな池や木々の芽吹きに出会い、自然と街が寄り添う“杜の都”らしい風景に包まれる。穏やかな風と水音に導かれて、春の一日をのんびりと歩きたい。

春観光の定番! 桜が彩る街と自然、仙台の花見スポット3選
寒い冬が終わりを告げ、3月ごろには仙台の街にも春の気配が広がる。
例年4月上旬から4月中旬にかけて、桜が見ごろを迎え、通りや川辺の木々が次々に花を咲かせる。 少し歩けば、公園や丘の上でも桜が揺れ、都市の中にいながら自然の息づきを感じられるのがこの街の魅力だ。 街と自然が寄り添う“杜の都”で、春を感じる花の風景をゆっくり楽しみたい。
1. 西公園
明治8年(1875)に開園した仙台市最古の都市公園で、市街地にありながら自然に包まれるのが特徴。約10.8ヘクタールの敷地内にはしこけし塔や彫刻作品など見どころも多い。特に春は約200本の桜が咲き誇り、夜には提灯が灯る夜桜も人気で、仙台屈指の花見スポットとして親しまれている。
地下鉄東西線大町西公園駅からすぐとアクセスもよく、春の仙台散策に組み込みやすい。

2. 仙台東照宮
仙台東照宮は仙台藩2代藩主・伊達忠宗公によって創建、本殿や唐門などの社殿が国の重要文化財に指定されている。
境内は、拝殿以外にも桜が見られることでも有名。ソメイヨシノをはじめ、拝殿西側のしだれ桜や境内北側の山桜など約80本の桜の木が植えられている。建築と桜が重なり合う風景が、静かな春の時間をつくり出している。

3. 長命館跡
中世に長命氏が丘陵上に築いた館跡で、現在は歴史公園として整備され、市街地近くの憩いの場となっている。
春には園内のサクラが咲き、芝生広場が明るい景色に包まれる。展望台周辺にもサクラの木が多く植樹され、満開のサクラと市内の眺望を一度に楽しめる。歴史と自然が調和する、春の散策に最適なスポットだ。

水と緑が息づく、春の仙台の観光スポット7選
街にやわらかな陽射しが差し込み、川辺や公園の緑がいっせいに芽吹く春の仙台。
広瀬川や青葉山をはじめ、水と緑が織りなす風景が街のすぐそばに広がり、発電所や蒸溜所、公園や庭園など、人と自然が調和する“杜の都”らしい景観に出会える。
歩くたびに季節のぬくもりを感じられる、春の仙台の観光スポットはこちら。
1. 三居沢電気百年館(三居沢発電所)
日本の水力発電発祥の地として知られる三居沢発電所に併設された資料館で、発電の歴史や地域の自然環境について学べる。
明治時代から電気を作り続ける発電機と水車をガラス越しに観察できるほか、さまざまな展示で電気の歴史や発電を支えてきた地域の自然環境を紹介している。広瀬川と人の暮らしの関わりを知ることができる施設だ。

2. ニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所
ニッカウヰスキーの原酒工場で、竹鶴政孝が余市に続く第2の拠点として昭和44年(1969)に開設。蒸留所は山形県との県境にほど近い山あいに位置し、新川と広瀬川に囲まれている。
赤れんがの施設が森に溶け込む景観が特徴で、敷地内にはキルン塔など蒸留所ならではの建物が残る。蒸留所限定のボトルが並ぶショップも立ち寄りたい。

3. 仙台市野草園
仙台市太白区にある植物園で、東北の野草を中心に多様な植物を植栽展示している。
広さ約9.5 haの園内は、水生植物区、海辺の植物区、薬草区、高山植物区、沢・深山植物区などのゾーンに分かれており、四季を通じてさまざまな草花を観察できる。春はカタクリやサクラソウが可憐な花を咲かせ、芝生広場や彫刻広場などを散策しながら自然にふれられる。

4. 水の森公園
仙台市の青葉区と泉区にまたがる自然公園で、三共堤や丸田沢堤を中心にアカマツやコナラの自然林が広がる。
園内には林間の園路が整備され、春にはカタクリやヤマザクラが咲き、水辺ではダイサギが羽を広げる。湖畔の景色を眺めながら歩ける散策路が多く、里山の自然にふれられる公園だ。

5. 榴岡天満宮
仙台市中心部にありながら静かな緑に包まれた社で、学問の神様・菅原道真公を祀る。
境内には小川や池があり、静かな水音とともに季節の花木が彩りを添える。とくに仙台で最も早く咲くとされる早咲きのウメが春の訪れを知らせてくれる。樹齢の古いシダレザクラなどもあり、花の季節は境内が明るい雰囲気に包まれる。句碑や歌碑が並ぶ俳諧碑林を歩けば、静かな社の歴史にもふれられる。

6. せんだい農業園芸センター みどりの杜
仙台市東部に位置する、農業と園芸をテーマにした体験型施設。
園内には花壇やガーデンが整備され、季節ごとに多様な花が彩りを添える。バラ園には約200種、1,200株のバラが咲き、見ごろは春と秋の2回。梅園では約60種のウメも楽しめるほか、園内には池やせせらぎを配した庭園もあり、散策しながら農業や園芸にふれられる。

7. 仙台城跡(青葉城)
仙台市を見渡せる高台に整備された公園で、伊達政宗公によって築かれた仙台城の跡地。
現在一帯は公園として整備され、石垣と再建された大手門の脇櫓と大手門北側土塀を見ることができる。公園内には伊達政宗公の騎馬像が建ち、広瀬川を見下ろす高台ならではの眺望が広がる。

春の仙台観光をより楽しく! 注目イベント3選
春風とともに、仙台の街が華やぐ季節。
公園では桜まつりが開かれ、街の通りでは歴史ある祭りが行われるなど、あちこちで春らしい風景に出会える。花や緑に包まれた会場に人びとの笑顔や太鼓の音が響き、街全体がやわらかな活気に包まれる。旅の予定にあわせて訪れれば、春の仙台をより深く楽しめるはず。
1. 榴岡公園「桜まつり」
榴岡公園は、仙台四代藩主である伊達綱村が生母を供養するために釈迦堂を建てたことに始まる。
隣接地には馬場が整備され、京都から取り寄せたシダレザクラなど約1,000本が植えられた歴史をもち、桜の名所として親しまれてきた。春には「桜まつり」を開催、公園一帯が淡い花色に包まれ、春ならではのにぎわいが生まれる。

2. 三神峯公園「さくら祭り」
市内でも屈指の規模を誇る桜の名所で、多品種の桜が園内を彩る。それぞれ満開になる時期が異なるので、4月中旬から5月上旬までと、比較的長い期間桜を楽しむことができる。
例年4月には桜まつりが開催され、公園一帯が花見客でにぎわう。広々とした芝生広場もあり、春ならではのにぎわいを感じられるスポットだ。

3. 仙台・青葉まつり
昭和60年(1985)、伊達政宗公没後350年の節目に、仙台の祭りの伝統を復活させる目的で始まった仙台・青葉まつり。
現在では、仙台三大まつりのひとつとして国内外の多くの人が足を運ぶ仙台の夏の風物詩となった。宵まつりでは仙台すずめ踊りが披露され、「本まつり」では神輿渡御や山鉾巡行が行われる。街なかで伝統が息づく春の催しとして親しまれている。

水辺の景観とともに楽しむ、春の仙台グルメスポット5選
川沿いのカフェや公園近くの食事処など、自然と街が近い仙台では散策の途中に立ち寄れる店が多い。
ずんだや牛たんなど、土地の味を気軽に楽しめるのもこの街ならでは。広瀬川の流れや新緑を眺めながら味わうひとときが、春の旅にやさしい余韻を添えてくれる。
1. ずんだ茶寮 仙台駅ずんだ小径店
宮城県の名物「ずんだ」を使ったスイーツを気軽に味わえる専門店で、カフェスペースも備えている。
定番のずんだ餅セットをはじめ、まろやかな味わいのずんだシェイクなど多彩なメニューがそろう。駅構内で仙台らしい甘味を楽しめる一軒だ。
JR仙台駅3階・新幹線中央口改札前にあり、電車の待ち時間の合間に立ち寄りやすい。

2. 伊達の牛たん本舗 青葉城店
仙台のご当地グルメ「牛たん」が堪能できる専門店で、1991年創業の「伊達の牛たん本舗」が展開する青葉城店。
職人の手によってじっくりと焼き上げた牛たんは、専門店ならではの焼き上がり。看板商品の「芯たん」はたん元の柔らかな部位を使い、歯切れの良さと旨みが際立つ。
仙台城観光の途中にも立ち寄りやすい一軒だ。

3. カフェ モーツァルト アトリエ
JR仙台駅から車で10分ほどの場所にあるカフェ。
ビルの地下へと続く階段を進んだ先にアンティーク調の椅子やテーブルが並ぶ店内席と、広瀬川沿いの緑に包まれたテラス席が広がっており、まるで隠れ家のような雰囲気。広瀬川周辺の散策と合わせて立ち寄りやすく、ランチや手作りケーキも楽しめる。貸切の日は事前確認が安心だ。

4. 中華美点菜 彩華
宮城県仙台市にある老舗中華レストランで、店内は2013年にリニューアルされ明るい雰囲気。
人気は仙台名物で、1年中提供されている「クラゲ入り五目冷やし中華」。特注麺にクラゲやエビなどを盛り付けた上品な味わいで、タレはゴマと醤油の二種から選べる。ほかに「麻婆焼きそば」や点心も評判だ。テイクアウトメニューもあり、宿泊先で味わう楽しみ方もできる。

5. せり草庵
仙台駅すぐそば、レトロな雰囲気漂う「仙台せり鍋と個室和食 せり草庵」。完全個室なので、周りを気にせず、ゆっくりと宮城の味覚がいただける。
冬の名物「合鴨の仙台せり鍋」は、合鴨の旨みとせりの爽やかな風味が絶妙。せりを使った一品料理や仙台らしい酒肴もそろい、締めのはらこめしまで味わえる。
旅の途中でも利用しやすい立地も魅力。

仙台の春旅を楽しむ、観光拠点に便利なホテル3選
春の仙台を巡るなら、観光や街歩きの拠点に便利なホテルを選びたい。
駅直結のホテルや街を見渡す高層ホテル、自然に包まれた温泉宿など、都市と自然の魅力をどちらも楽しめるのが仙台の春旅。アクセスの良さと快適な滞在で、旅の時間を心地よく彩りたい。
1. ホテルメトロポリタン仙台イースト
東北の玄関口・JR仙台駅直結の観光にもビジネスにも利便性が高いホテル。
「東北六感 SENSE OF TOHOKU」をコンセプトにした落ち着いた空間が広がり、客室は全9タイプで旅のスタイルに合わせて選べる。全室バス、トイレ別になっており、ゆったりと旅の疲れを癒やすことができる。
館内には朝食からディナーまで使えるレストランも備わり、春の仙台観光の拠点として心地よく過ごせる。

2. ウェスティンホテル仙台
仙台駅から徒歩圏に位置し、「仙台トラストタワー」高層階に位置するラグジュアリーホテル。クラス感漂う客室からは、周辺の山々や市街地、太平洋を一望する素晴らしい眺望が広がる。
「Westin Heavenly® Bed(ウェスティンヘブンリーベッド)」を備えた客室は床から天井までの大窓が特徴で、春の光に包まれながら快適に過ごせる。街歩きや観光の拠点として、上質な滞在が叶う一軒だ。

3. 仙台・作並温泉 ゆづくしSalon 一の坊
広瀬川源流の自然に包まれた作並温泉に佇む温泉宿。自家源泉かけ流しの温泉を、趣異なる露天・内湯で堪能できる。
里山の景観を感じながら過ごせる客室がそろい、静かな環境で心身ともにリラックスできる。飲食やアクティビティが料金に含まれるオールインクルーシブスタイルで、春の仙台旅をゆったり楽しめる。

春の水辺と緑の街をめぐる、仙台おすすめ観光モデルコース
冬の名残がやわらぐころ、仙台の街にも少しずつ春の気配が広がる。
川辺の風や街路樹の若葉、陽だまりの光に季節の移ろいを感じながら歩く時間は格別だ。街の景観と自然が調和する仙台で、春の訪れをゆっくりと味わう旅へ出かけたい。
- 1日目
- 仙台駅→「西公園」で春の街並みと桜を散策→「カフェ モーツァルト アトリエ」でランチ→「仙台城跡(青葉山公園)」で街と広瀬川の春景を一望→駅周辺でディナー→「ウェスティンホテル仙台」に宿泊
- 2日目
- 「榴岡公園」で桜まつり散策→「榴岡天満宮」に参拝→仙台駅西口の「せり草庵」でランチ→「三居沢発電所・三居沢電気百年館」で水と歴史にふれる→仙台駅構内の「ずんだ茶寮」でスイーツ
春の仙台の平均気温
仙台の3月は平均気温が5℃前後と、まだ肌寒く、朝晩はコートが欠かせない。
4月に入ると10℃を超えて日差しがやわらぎ、公園や街路樹の芽吹きが始まる。5月には15℃を超え、昼間は上着なしでも過ごせる陽気に。川沿いや公園の散策が心地よく、屋外観光にぴったりの季節となる。
| 月 | 3月 | 4月 | 5月 |
|---|---|---|---|
| 気温 | 5.5 | 10.7 | 15.6 |
出典:気象庁
春の仙台を快適に過ごす服装のポイント
春の仙台は寒暖差が大きく、3月はまだ冬の装いが欠かせない。
平均気温は5℃前後で、厚手のコートやマフラーがあると安心だ。4月に入っても朝晩は冷え込む日が多く、ニットにトレンチコートや中綿入りのアウターを合わせたい。5月になると日中は暖かくなるが、風が冷たく感じられることも。薄手のセーターやカーディガンを一枚持っておくと快適。
花見や公園散策では、脱ぎ着しやすい重ね着スタイルがちょうどよい。
春の仙台観光に関するよくある質問
Q
仙台で桜が見頃になるのはいつごろですか?
例年4月上旬から中旬にかけてが見頃。西公園や榴岡公園では4月10日前後に満開を迎え、郊外では1週間ほど遅れて咲くこともあります。
Q
春の仙台はどんな服装がよいですか?
3月は冬物のコートが必要で、4月でも朝晩は冷え込みます。昼間は暖かくても夜は5℃前後まで下がることがあるため、重ね着できる服装がおすすめです。
Q
春の仙台は風が強いですか?
はい。特に3〜4月は「春風」と呼ばれる強い風が吹く日が多く、水辺や高台では体感温度が下がります。帽子やスカーフなど飛ばされにくい服装を意識すると安心です。
まとめ
長い冬が終わり、街にやわらかな陽射しが差し始める春の仙台。
広瀬川や公園の風景に春のぬくもりが広がり、歩くたびに季節の変化を感じられる。自然と街が寄り添う穏やかな時間の中で、仙台らしい春の魅力にふれてみたい。