平安時代前期の874(貞観16)年、弘法大師空海の孫弟子で修験道中興の祖とされる理源大師聖宝が創建した寺院で、真言宗醍醐派の総本山。醍醐山全山の200万坪にも及ぶ寺域をもち、その広さは、京都市内でも最大規模。境内は山上の「上醍醐」と山裾の「下醍醐」に分かれ、80余りの堂塔が点在している。創建当初は、「上醍醐」を中心に発展。後に醍醐天皇の御願寺として天皇の厚い帰依を受け、山麓にも壮大な伽藍が形成されていったという。
1100有余年の歴史をもつ古刹では、堂塔建築や仏像彫刻をはじめとした木の文化財、経典や文書、絵画といった紙の文化財など、膨大な数の寺宝が伝承されてきた。多くが国宝や重要文化財に指定されており、その数は約75,000点にも上る。1994年には、「古都京都の文化財」の一つとしてユネスコ世界文化遺産に登録された。
また、古くから「花の醍醐」と称された花の名所としても知られる。後に戦乱の世を平定し天下人となった豊臣秀吉は、700本ともいわれる桜を畿内各地から移植し、1598(慶長3)年の春に、日本史上名高い盛大な花見の宴「醍醐の花見」を催した。その故事にちなみ、毎年4月第2日曜には「豊太閤花見行列」が開催されており、当日は多くの参拝者で賑わう。
ポイント
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京都市内で最も大きい寺域をもつ大寺院。
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国宝や重要文化財など、文化財の宝庫。
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霊宝館では多くの寺宝を収蔵・公開。
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桜、新緑、紅葉、雪景色など、四季の風景が見事。