東山手十二番館

幕末から明治初期にかけて旧外国人居留地が造成されていた、東山手エリアの一画に立つ国指定重要文化財。日本における初期洋風建築の代表的な建物であり、オリジナリティあふれるいくつかの様式を目にすることができる。

正面側には幅を広くとったベランダ付きの主屋が設けられ、威風堂々とした構えは、往時に領事館として用いられていた建物にふさわしい造りになっている。また外壁は「下見板張り」という施工がされており、これは国内最古の事例として建築関係者らの注目を集めている。ほかにも美しい装飾の施された柱など、ディテールまでじっくりと見学したくなるこだわりが随所に。

様式やデザインのみならず、同建物が歩んできた歴史も華やかで1868年に建設（推定）されて以降、プロシア領事館からロシア領事館、さらにアメリカ領事館として受け継がれたという経歴を持つ。館内に展示された私学に関する資料とともに、建物が歩んできた歴史を振り返ろう。