【藤枝市・静岡市「駿州の旅」日帰りモデルコース】 江戸時代の面影を求め、東海道の日本遺産歴史スポットをめぐる
日本のほぼ中央に位置し、世界遺産の富士山があることでも知られる静岡。 かつて「駿州」と呼ばれていたこのエリアは、江戸(現在の東京)と京都を結ぶ東海道の通り道として古くから人の往来が多く、江戸時代から続く建物や食文化、伝統工芸、絶景が数多く残り、日本遺産にも認定されています。そんな歴史のある静岡を余すことなく楽しめる日帰り旅へ出かけてみませんか。
江戸時代後期の小説家・十返舎一九(じっぺんしゃいっく)の代表作「東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ)」。
1802年から1809年にかけて出版され、江戸時代最大のベストセラーといわれるほどの人気となったコメディ小説。
主人公の弥次郎兵衛(やじろべえ)と喜多八(きたはち)のふたりが、江戸(現在の東京)から三重県の伊勢神宮に向かい、「東海道」を歩いて旅する様子が面白おかしく書かれている。
旅の途中で立ち寄る各地の宿場や名物、ご当地グルメ、風俗が詳しく書かれていることから、江戸時代の人々には旅のガイドブックとしても好評だった。
当時の口語体で書かれた文章から、江戸時代に生きていた人々のやり取りが鮮明にイメージできるのも魅力のひとつだ。
現代語訳の小説が出版されているだけでなく、歌舞伎や映画、ドラマの題材となることも多く、江戸時代から続く不朽の名作といえる。
生まれつきの遊び人である「栃面屋弥次郎兵衛(とちめんや やじろべえ)」・通称「弥次さん」と、落ち着いた暮らしができない「喜多八(きたはち)」・通称「喜多さん」は、とあるきっかけで住んでいた江戸から離れ、三重県の伊勢神宮へお参りするために旅立つ。
江戸時代の主要街道であり、江戸と京都を結ぶ「東海道」の途中にある53の宿場(東海道五十三次)で、次々と珍事件を起こしていく。
根が軽薄でどうしようもない「弥次さん喜多さん」コンビは、気に入った娘に夜這いをかけたつもりが宿屋のお婆さんに手を出して怒られたり、初めての五右衛門風呂にはしゃぎすぎて壊したりと、宿場の人々にちょっかいを出しては痛い目を見て、最後は下手な歌で〆る軽快ドタバタコメディ。
よくある質問に対する掲載施設の公式回答です。
Q
「東海道中膝栗毛」の著者・十返舎一九はどんな人?
駿河国府中(現在の静岡市)出身で、日本初の職業作家。江戸時代には作家に印税を支払う制度がなかったため、執筆だけで生計を立てていける小説家はいなかった。そんな時代に「東海道中膝栗毛」のヒットによって執筆だけで食べているようになった初めての小説家。ユーモラスなのは作風だけでなく、著者自身のユーモラスな逸話も多く残っている。
Q
「東海道中膝栗毛」が人気になった理由は?
物語としての面白さだけでなく、旅先の名所や名物、ご当地グルメなどが詳しく描写されており、旅のガイドブックとしての魅力があったことも人気になった理由のひとつ。戦国時代が終わり、長く平和な時代が続いた江戸では識字率が上がり、余暇の時間が生まれたことから、娯楽としての読書が流行していたことも人気になった背景として知っておきたい。
Q
「東海道中膝栗毛」の膝栗毛の意味は?
歩いて旅行することを意味する言葉。栗毛とは「栗毛の馬」のことで、自分の膝を栗毛の馬に見立てている。
Q
現代語に訳された本はある?
現代語訳された本も出版されており、現代でも読み継がれている。
Q
「東海道中膝栗毛」の続編はある?
「東海道中膝栗毛」の続編である「続膝栗毛」も出版されており、初編から十二篇まで続く大作だった。