
【奈良で見つける「異界」の風景9選】神々が潜む山と水の迷宮への誘い
奈良の奥深くには、瀞峡や大台ヶ原のような原始の景観と、室生寺や玉置神社に代表される信仰の場が点在する。水と岩が形づくる地形と、そこに重なる祈りの歴史が、この土地ならではの空間を生み出してきた。自然と信仰が交差する場所をたどりながら、日常から少し離れた風景へ足を踏み入れてみよう。

奈良県宇陀市に位置し、高龗神(たかおかみ)を祀る古社として知られる。水や雨をつかさどる神として信仰され、平安時代には朝廷から雨乞いの使者が派遣された記録が残る。室生寺よりも古い歴史を持つとされ、古代から龍神信仰の中心地として重きをなしてきた。
現在の本殿は寛文11年(1671)に春日大社若宮の社殿を移築した春日造りで、奈良県の指定文化財となっている。境内には杉木立が広がり、社殿の背後には「妙吉祥龍穴」と呼ばれる岩窟がある。龍神が棲むと伝えられてきたこの場所は、古来より磐境として特別視されてきた。
毎年10月には秋祭りが催される。室生寺の天神祠から御幣を携えて神社へ渡御し、獅子舞が奉納される行事である。雄と雌の獅子が鈴と共に舞うこの神楽は、県の無形民俗文化財に指定され、五穀豊穣や無病息災を祈る祭礼として継承されている。
境内には文化財建築と信仰の対象となる自然景観が共存しており、歴史と伝承を学びながら歩くことができる。

水や雨をつかさどる神として信仰される、高龗神を祀る

春日大社若宮の社殿を移築した春日造りの本殿
よくある質問に対する掲載施設の回答です。
Q
御朱印はありますか。
あり。(社務所が開いている際に購入可能)
Q
駐車場はありますか?
あり。
Q
コインロッカーはありますか?
なし。