高山陣屋に足を踏み入れると、まるで百年の歴史をさかのぼったよう。ここは、江戸幕府の代官所として日本で唯一、完全な形で現存する場所でもあります。幕府が飛騨を直轄領とした後、政治・税・司法をつかさどる中枢機関となり、厳格な江戸時代の役所文化を見届けてきました。
陣屋内部には、至るところに歴史の面影があります。立派な大広間からは往時の役所の威厳が伝わり、取り調べの跡や昔の刑具からは江戸時代の裁判制度を垣間見ることができます。また、日本に現存する最大かつ最古の「御蔵」(米蔵)は、年貢米を収納していた歴史を物語っています。
見どころは、梁や柱にある防火と魔除けの象徴「真向兎」の釘隠し。見学の際は忘れずに注目してみてください。細部まで職人の技と工夫が光っています。






