価値ある歴史的建造物が盛りだくさん!彦根城見どころガイド
国宝指定の天守で有名な「彦根城」。
実は天守以外にも重要文化財に指定された4つの櫓や、日本遺産に指定された庭園など、見どころが多い。
大阪や名古屋からもアクセス良好で、びわ湖からも近く、滋賀観光では外せない観光スポットだ。
そんな魅力たっぷりの「彦根城」の、知っておくべき見どころを厳選して紹介しよう。
目次
彦根城ってどんなところ?
滋賀県彦根市、びわ湖のすぐ近くに位置する彦根山にそびえ立つ「彦根城」。
江戸幕府を開いた初代将軍「徳川家康」の命令で、側近である井伊直政(いい なおまさ)が「彦根城」の築城を1604年に開始。
約20年の歳月をかけ、1622年に完成した。
江戸時代以前に建てられた天守で、現存するものはたった12基。
うち5つは国宝に指定されており、国宝5城と呼ばれている。
その国宝5城のひとつが「彦根城」にある3階3重屋根構造の天守である。
「彦根城」の4つの櫓は重要文化財に、「彦根城」に隣接する「玄宮園」や「楽々園」は、国の名勝に指定されており、歴史的価値が高い建造物や敷地が多い。
「彦根城」の天守や櫓などは、佐和山城(彦根市)や安土城(近江八幡市)、長浜城(長浜市)など、周辺の城の用材や石垣などを活用して造られたと言われており、リサイクル城としても知られている。
彦根城へのアクセス
「彦根城」は、大都市である東京・名古屋・大阪からアクセスしやすい立地にある。
最寄り駅のJR彦根駅は、JR米原駅からJR琵琶湖線で1駅
JR米原駅には東海道新幹線と山陽新幹線が乗り入れるため、各都市から以下の所要時間でアクセスできる。
- JR東京駅からJR米原駅
- 約2時間10分
- JR名古屋駅からJR米原駅
- 30分
- JR新大阪駅からJR米原駅
- 40分
JR彦根駅からは徒歩15分と少しかかるが、城下町の面影を残る道を散策しながら歩くのも楽しい。
彦根城の営業日・開場時間・料金
彦根城は年中無休で見学できるが、開国記念館のみ12月25日から12月31日は休館となるため、注意してほしい。
- 営業日
-
年中無休
(開国記念館は12月25日から12月31日まで休館) - 開場時間
- 8:30〜17:00
- 入城券の料金
-
・大人:800円
・小中学生:200円
彦根城のお勧め観光シーズンは?
「彦根城」を観光するなら、お城と桜がコラボレーションした絶景を見られる、春がお勧め。
「彦根城」のお堀沿いには約1,100本もの桜が植えられており、お堀の中を屋形船でクルーズしながら、美しい景観をゆっくり楽しめる。
「桜まつり」の開催中は夜になると、桜がライトアップされ、桜がお堀の水面に浮かぶ幽玄な景色を眺められる。
国宝も重要文化財も日本遺産も見られる!彦根城の見どころ5選
国宝の天守が圧倒的な知名度を誇る「彦根城」だが、重要文化財に指定されている櫓や日本遺産に指定されている庭園など、天守以外にも見どころが多い。
天守はもちろん、「彦根城」で訪れるべき見どころを紹介しよう。
1. デザイン性だけでなく実用性にも優れた国宝の「天守」
「彦根城」といえば、国宝に指定されている「天守」は絶対に見逃せない。
決して大きい天守ではないものの、雨や火災から建物を守る3種類の破風や尖頭アーチ状になった黒漆の花頭窓などを配した、美しい外観が特徴のひとつ。
弓矢や鉄砲を撃つための穴もあり、デザインだけでなく実用性にも優れている。
内部の見学も可能で、最上階からは彦根市街地や琵琶湖、佐和山城跡を一望できる。
2. 重要文化財に指定された4つの櫓
彦根城に残る4つの櫓、天秤櫓・太鼓門櫓・西の丸三重櫓・二の丸佐和口多聞櫓は全て重要文化財として指定されている。
櫓ごとに特徴が異なるため、見比べてみると面白いはずだ。
天秤櫓
名前の通り、天秤のような形状が特徴の「天秤櫓」。
左右対称の櫓は珍しく、その美しい構造から人気のスポットとなっている。
太鼓門櫓
本丸を守る最後の砦となる「太鼓門櫓」。
「太鼓門櫓」内は東壁がない、珍しい構造となっており、一説には敵が来たことを知らせる太鼓の音を響かせるための工夫だと言われている。
西の丸三重櫓
西と城の裏手を守る要である「西の丸三重櫓」。
北と東に向かって「くの字」型をしており、天守と同じ3階建てだ。
「西の丸三重櫓」の外には深い堀と、櫓と外を繋ぐ出島のような「出曲輪」で外敵の侵入を防ぎやすい構造になっている。
二の丸佐和口多聞櫓
表門に通じる東の城門である「二の丸佐和口多聞櫓」。
二階二重の隅櫓と多聞櫓で構成されており、壁には三角形と四角形の狭間(弓矢や城を撃つための窓)を交互に配置し、防御力を高めている。
彦根駅から「いろは松」を歩くと辿り着く城門であるため、現在は観光客の玄関口となっている。
3. 他に例を見ないほど大規模な「馬屋」
「彦根城」の城主などの馬を管理していた施設で、現在は21頭が収容できる建物が残っている。
ここまで大規模な馬屋は他に例がなく、国の重要文化財に指定されている。
L字形の建物で、佐和口の櫓門に接する東の端に畳敷の小部屋、反対の西端近くの門以外は、全て馬を休める場所と馬のお世話をする場所になっている。
4. 日本遺産にも指定される庭園「玄宮園」
城の完成から約50年後の1677年、彦根城の4代目藩主「井伊直興」がお堀沿いに庭園の造営を開始、1679年に完成した大名庭園が「玄宮園」だ。
「楽々園」と呼ばれる「二の丸御殿」とともに、「玄宮楽々園」として1951年に国の名勝に指定。
2015年には「琵琶湖とその水辺の景観―祈りと暮らしの水遺産」の構成文化財として日本遺産にも認定されている。
広大な池を中心に造られた回遊式庭園で、入り江に架かる9つの橋や池中の島など、さまざまな風景を楽しめる。
5. 城主の気分で彦根城のお堀をクルーズ
城主の視察や大名を接待するための船を復元した屋形船で、お堀の中をクルーズできる。
お堀の中から見上げる「彦根城」は、地上から見るのとは違った迫力がある。
堀沿いは自然豊かで、春には桜を、秋には紅葉が楽しめる。
予約は必要だがお弁当を注文して、屋形船の中で食べることも可能だ。
城主や大名の気分になって、「彦根城」のお堀をクルーズしてみてはいかがだろうか。
彦根城周辺の観光スポット3選
彦根城周辺には城下町の面影が残るスポットも多く、「彦根城」と合わせて観光することで、滋賀観光はさらに充実するはずだ。
「彦根城」と合わせて訪れるべき観光スポットと、歴史を感じる宿泊施設を紹介しよう。
1. とばや旅館
彦根城のお膝元で、1880年から約140年もの間、宿泊客をもてなす和風旅館。
重要伝統的建造物群保存地区に選定された花しょうぶ通りに面した場所で営業している。
お香の香りが漂う玄関に入ると見えるのは、レトロな暖簾や提灯、木版画に加え、井伊直弼が書き残した額縁など。その数々の調度品が歴史を物語っている。
全12部屋の客室は、江戸時代当時の面影を残した風情ある佇まいで、落ち着いた雰囲気が漂う。1階の廊下から見える中庭は、夜になるとライトアップされ、庭園美を楽しむことができ、伝統ある旅館の魅力を堪能できる。
2. 佐和山城跡
JR「彦根」駅の北側、高さ232.5mの佐和山にある城跡で、鎌倉時代初期に近江守護である佐々木氏によって築城されたという。
1595年には安土桃山時代の武将で豊臣秀吉につかえた石田三成が城主となり、当時は本丸以下、二の丸、三の丸など5層の天守を構えた鳥居本を大手とする城で栄華を誇り、堀の内には城下町がすでに形成されていたとも伝わる。
山頂までは「彦根」駅を基点とする約30分程度のハイキングコースが整備されており、西の丸跡や本丸跡をはじめ、佐和山城の北側を通る「切通し」やわずかに残る「隅石垣」など、史跡名勝を楽しむことができる。
3. びわ湖
一級河川「淀川水系」に属し、滋賀県の中心部にある琵琶湖は、約670k㎡と県土の約6分の1の面積を占め、周辺を囲む伊吹山、鈴鹿山系、比良山系と1,000m超の山々から河川を通して注ぎ込んだ水が275億tと、面積・貯水量ともに日本最大。
現在の三重県伊賀市付近にできた狭い湖が断層運動などの影響を受け、形状や場所を移動しながら形成、約40万年前には現在の場所に定まったとされる、世界でも約20ほどしか確認できない古代湖のひとつ。
そのため、琵琶湖に生息する生きものも、独自の変化を遂げたものが多く、世界でここだけの固有種が60種以上と多彩なのも特徴的だ。
彦根城に関するよくある質問
Q
彦根城の城下町を楽しむならどこに行けばいい?
城下町の町並みを再現した「夢京橋キャッスルロード」がお勧めです。
Q
彦根城の桜の見頃は?
3月下旬〜4月中旬が見頃です。
Q
彦根城の観光にかかる時間はどれくらい?
見どころが多いため、最低でも1時間。できれば2時間は観光する時間を確保しておきましょう。
まとめ
魅力たっぷりの「彦根城」の見どころを紹介してきたが、いかがだっただろうか。
国宝に重要文化財、日本遺産といった歴史的建造物だけでなく、春ならお堀に咲き誇る桜まで楽しめる。
「彦根城」やその周辺の観光スポット以外にも、滋賀県には魅力的な観光スポットは多い。
滋賀観光で回るべき観光スポットを知りたい方は、観光スポットを厳選して紹介している、こちらの記事も参考にしてほしい。