【日本全国の梅の名所27選】梅の絶景と香りを楽しもう!

【日本全国の梅の名所27選】梅の絶景と香りを楽しもう!

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筆者 : GOOD LUCK TRIP

桜と同じく日本人が古くから愛してきた春の花「梅」。
日本人の花見といえば桜のイメージが強いかもしれない。
しかし、梅の鑑賞から花見という習慣が始まったという説がある。
その期限は奈良時代(710年〜794年)まで遡る。
梅の見頃は桜よりも少し早い2月から3月。東北地方北海道など、寒い地域なら4月から5月が見頃だ。
春に日本を旅行するなら、桜と比べると上品さと優美さがあり、強い香りを持つ梅の鑑賞も楽しもう。
日本で梅を楽しむなら訪れるべき人気の梅の名所を、地域別に3つずつ厳選して紹介するので、ぜひ参考にしてほしい。

目次

知れば花見がさらに楽しくなる!日本の梅の品種

梅には様々な品種があり、見頃になると梅の名所では白や薄紅色、ピンクに近い紅色の梅が咲き乱れる。
中国から渡来してきた種類だけでなく、江戸時代(1603年〜1868年)に品種の育成・改良が進み、現在では梅の品種は300以上あると言われる。

園芸学的には、花を鑑賞する「花梅」と実を収穫できる「実梅」に分かれ、花梅はさらに野梅系・緋梅系・豊後系に分類されることが多い。
どの系統の梅か見極めるように鑑賞してみると、同じように見える梅でも細部に違いを発見できて、より花見を楽しめるだろう。

偕楽園の梅
偕楽園の梅

花梅の分類は下記の表を参考にしてほしい。

野梅系(やばいけい)
中国から渡来した梅の子孫と言われ、枝は細く、花も葉も比較的小さい。
比較的、香りが強い。
緋梅系(ひばいけい)
野梅系から変化した品種で、緋梅系の花の色は、ほとんどが紅色か緋色。
庭木や盆栽に使われることが多い。
豊後系(ぶんごけい)
梅と杏との雑種。
葉が大きく、桃色の花が多い。
梅の品種を見極めるように、ひとつひとつの花をじっくり見てみよう
梅の品種を見極めるように、ひとつひとつの花をじっくり見てみよう

日本各地の梅の見頃

梅の見頃は地域によって異なるため、以下の表を参考にしてほしい。
例年の見頃であるため、ある程度前後すると考えておこう。
また、梅の名所によっても見頃は変わるため、詳しくはこれから紹介する各スポットの例年の見頃を参考にしてほしい。

北海道
5月上旬~中旬
東北地方(青森県・秋田県・岩手県・宮城県・山形県・福島県)
3月上旬~下旬
関東地方(茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県)
2月上旬~3月下旬
中部地方(山梨県・長野県・岐阜県・静岡県・愛知県)
2月上旬~3月中旬
北陸地方(新潟県・富山県・石川県・福井県)
2月下旬~3月下旬
関西地方(大阪府・京都府・兵庫県・滋賀県・奈良県・和歌山県・三重県)
2月中旬~3月下旬
中国地方(鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県)
2月上旬~3月下旬
四国地方(徳島県・香川県・愛媛県・高知県)
2月上旬~3月下旬
九州地方・沖縄(福岡県・佐賀県・長崎県・大分県・熊本県・宮崎県・鹿児島県・沖縄)
1月中旬~3月上旬

桜と梅を同時に楽しめる!北海道の梅の名所3選

日本列島の最北に位置する北海道。
春の訪れが遅い北海道の梅は、桜とほぼ同時に開花する。
梅と桜の共演、雄大な大地を彩る梅など、北海道ならではの素晴らしい春の景観を楽しめる梅の名所を紹介しよう。

1. 平岡公園

札幌市の南東に位置し、広大な敷地面積を誇る「平岡公園」。
遊具広場や芝生広場など5つ広場があり、札幌で人気の公園だ。
自然に恵まれた公園内では、様々な野鳥や昆虫類が生息し、自然観察が楽しめる。
梅の名所としても知られており、札幌で最大級の梅林には約1,200本もの紅白の梅が咲き誇る。
梅の開花に合わせて開催される「ひろおか梅まつり」では臨時売店が出店し、毎年多くの花見客で賑わう。
梅ソフトクリームなどの梅にちなんだ商品が販売され、梅の観賞と併せて美味しいグルメも味わえる。

梅の見頃(例年)
4月下旬~5月上旬
約1,200本もの白梅と紅梅が咲き誇る平岡公園
約1,200本もの白梅と紅梅が咲き誇る平岡公園

2. 壮瞥公園

美しい自然景観で有名な洞爺湖の南東側、湖畔の高台に位置する「壮瞥公園」。
洞爺湖はもちろん、昭和新山・有珠山、晴れていれば羊蹄山ニセコ連峰まで見渡せる、洞爺湖周辺屈指のビューポイントだ。
洞爺湖畔を見下ろす斜面には梅林が広がり、見頃になると約300本もの梅が一斉に開花する。
梅と同じ時期に桜も開花するため、梅と同時に桜も鑑賞できる。
湖の青さと山々の緑、桜と梅の桃色との美しい色彩を楽しもう。

梅の見頃(例年)
5月上旬〜5月中旬
絵画のような春の絶景を楽しもう
絵画のような春の絶景を楽しもう

3. 狩勝高原梅園

北海道の南富良野町と上川郡新得町の境にある狩勝峠。
その裾野に広がる高原に位置する「狩勝高原梅園」では、約1,000本もの豊後梅が咲き誇る。
標高が高く気温も低い地域で梅が開花するのは珍しいため、「奇跡の梅園」と呼ばれている。
標高が高いからこその景色と、桃色や白色の梅とのコラボレーションを楽しもう。
甘くさわやかな香りも、ぜひ感じてほしい。

梅の見頃(例年)
5月下旬
奇跡の梅園ならではの春の景色をじっくり鑑賞しよう
奇跡の梅園ならではの春の景色をじっくり鑑賞しよう

日本情緒を感じる場所で梅を楽しむ!東北地方の梅の名所3選

本州北部に位置し、寒冷な気候で冬には豪雪に見舞われることも多い東北地方。
桜の名所が多いことでも知られ、青森・岩手・秋田にある「みちのく三大桜名所」は特に人気が高い。
もちろん、桜だけでなく梅の名所も多く、歴史ある神社仏閣や里山、温泉郷など、日本情緒を感じられる場所で梅を鑑賞できる。
東北地方の中でも、特に人気が高い梅の名所を3つに厳選して紹介しよう。

1. 瑞巌寺

9世紀はじめに天台宗の寺として開創されたと伝わる古刹。
山号を含めた正式名称は松島青龍山瑞巌円福禅寺といい、現在は臨済宗妙心寺派に属する禅宗寺院だ。
現存する建物は伊達政宗が完成させたもので、桃山美術を今に伝える貴重な建造物であることから、本堂、庫裡が国宝に指定された。
境内には伊達政宗がお手植えしたと伝わる紅白の梅(臥龍梅)があり、本堂に向かって右側に紅梅、左側に白梅が植えられている。ともに八重咲きで、実を7~8個鈴なりにつけることから、「臥龍八ツ房」という異称がつけられた。例年3月下旬から4月上旬が見頃の時期。

梅の見頃(例年)
3月下旬〜4月上旬
伊達政宗が手植えしたと伝わる臥龍梅は必見
伊達政宗が手植えしたと伝わる臥龍梅は必見

2. 堤梅団地

宮城県南部に位置する大河原町は桜の名所「白石川堤一目千本桜」で有名だが、歴史ある「梅の里」としても知られている。
そんな大河原町にある「堤梅団地」には、広大な敷地に3,000本以上の様々な品種の梅が植えられている。
見頃になると白や薄ピンクの梅が、広大な敷地の各所に咲き誇る。
ただ、「堤梅団地」は私有地のため、常識の範囲内で梅の観賞を楽しんでほしい。

梅の見頃(例年)
3月中旬から4月上旬
白く可憐な梅が一面に咲き乱れる
白く可憐な梅が一面に咲き乱れる

3. 湯田川温泉 梅林公園

山形県鶴岡市に位置する、開湯1300年以上の歴史ある湯田川温泉。
「国民保養温泉地」にも指定された風光明媚な温泉郷で、源泉かけ流しの温泉が楽しめる。
湯田川温泉郷の「梅林公園」では、春になると約300本の紅白の梅や水仙や牡丹などの花々が咲き誇る。
4月に開催される「梅まつり」では、温泉旅館特製の梅見弁当やキッチンカーによるご当地グルメなども出店し、花見客で賑わう。
温泉と梅に癒されに、湯田川温泉へ足を運んでみてはいかがだろうか。

梅の見頃(例年)
3月下旬〜4月上旬
梅をはじめとする様々な花とご当地グルメ、温泉を満喫しよう
梅をはじめとする様々な花とご当地グルメ、温泉を満喫しよう

関東地方で梅を鑑賞するなら外せない「関東三大梅林」

東京や神奈川、千葉を含む、1都6県からなる関東地方
都市部が多いイメージの関東地方だが、実は梅の名所も多い。
その中でも特に有名な茨城県水戸市の「偕楽園」、神奈川県小田原市の「曽我梅林」、埼玉県入間郡の「越生梅林」の3つは「関東三大梅林」と称される。
関東地方で梅を見るなら、この3つの名所は外せない。

1. 偕楽園

由緒ある水戸藩の第九代藩主・徳川斉昭公によって造園。
金沢の兼六園、岡山の後楽園とともに日本三名園のひとつに名を連ねる。
およそ13haにもおよぶ園内は見所が随所に。
同園の東門から入った先に見えてくるのが、木造二層三階建ての「好文亭」。
柿葺き&茅葺きの2棟構成の姿は素朴ながらも清雅な風情が漂っている。
早春には約100品種・3000本もの梅が見頃に。
毎年2月中旬~3月下旬は「水戸の梅まつり」が行われる。

梅の見頃(例年)
2月中旬~3月下旬
ライトアップされた梅香る夜の偕楽園
ライトアップされた梅香る夜の偕楽園

2. 曽我梅林

神奈川県小田原にある「曽我梅林」は、室町時代(1336年〜1573年)に兵糧用の梅を栽培するための場所として作られた。
江戸時代に当時の領主が梅の栽培を推奨したことや、小田原が宿場町(各地に移動するための拠点)として栄えたこともあり、時代を超えても梅干しは重宝された。
「曽我梅林」に咲く梅の美しさから、食用の梅を栽培する場所としてだけでなく、鑑賞する場所として楽しんでもらうべく、梅まつりを開催。
今では富士山箱根の山々を背景に、約35,000本もの梅が咲き誇る景観を楽しめる、梅の名所として知られている。
もちろん、現在でも梅干しや梅酒など様々な梅グルメを味わえる。

梅の見頃(例年)
2月上旬〜2月下旬
富士山を背景に咲き誇る紅白の梅
富士山を背景に咲き誇る紅白の梅

3. 越生梅林

豊かな自然が魅力の埼玉県入間市、越辺川沿いに位置する「越生梅林」。
川沿いに咲く約1,000本もの梅並木からは、春の訪れを感じられる。
樹齢約670年以上もの古木「魁雪(かいせつ)」も見どころのひとつ。
周辺の梅も含めると20,000本もの美しい梅が山里を彩る光景は、まさに春の絶景。
梅の香りが漂う山里を散策して、春の訪れを感じてみてはいかがだろうか。
梅の見頃の時期にあわせて開催される「越生梅林梅まつり」では、お囃子や和太鼓など日本の伝統文化を感じられるイベントも楽しめる。

梅の見頃(例年)
2月下旬~3月中旬
梅が咲き並ぶ川沿いを散策して春の訪れを感じよう
梅が咲き並ぶ川沿いを散策して春の訪れを感じよう

ゆっくり散策しながら梅の香りと美しさを堪能!中部地方の梅の名所3選

日本の中央部に位置する中部地方
富士山が織りなす絶景を見られる静岡や山梨、名古屋のある愛知を含む、5県からなる地方だ。
早春の芳しい梅の香りを楽しみながら、ゆっくり散策できる中部地方の梅林と梅園を厳選して紹介しよう。

1. 熱海梅園

明治19年(1886)、横浜の資産家・茂木惣兵衛が開いた梅園をルーツにもつ都市公園。
初川沿いに広がる約44,000㎡の広い園内には、樹齢100年を越える古木を含め60品種469本の梅が植えられ、毎年11月下旬~12月上旬に第1号の梅が開花。
「日本で最も早咲きの梅」として広く知られている。
1~3月にかけて早咲き、中咲き、遅咲きの梅が順番に開花するのに合わせて、1月上旬~3月上旬に「熱海梅園梅まつり」を開催。

梅の見頃(例年)
1月上旬~3月上旬
「日本で最も早咲きの梅」と「日本で最も遅い紅葉」で知られる名所
「日本で最も早咲きの梅」と「日本で最も遅い紅葉」で知られる名所

2. 佐布里池

愛知県知多市の佐布里池周辺には梅林があり、愛知県屈指の梅の名所となっている。
25種類の約5,700本の梅が咲き誇り、辺り一面を薄ピンクや白色の淡く美しい色に染める。
この地域で生み出された「佐布里梅」は、知多市を代表する梅の品種。
薄ピンク色の梅が「佐布里梅」なので、ぜひ注目してほしい。
2月下旬から3月上旬にかけて、梅林がライトアップされ、昼間とは違った幻想的な景色が広がる。
菜の花と梅の共演が見られるスポットもあるので、周辺をゆっくり散策してみよう。

梅の見頃(例年)
2月中旬~3月中旬
梅と菜の花の春を感じられるコラボレーション
梅と菜の花の春を感じられるコラボレーション

3. 豊岡梅園

静岡県西部の磐田市に位置する「豊岡梅園」。
広大な敷地に3,000本もの梅が咲き、辺り一面に甘い梅の香りが広がる。
白梅を中心に、八重や薄桃色の紅梅が彩りを添える梅園は、春ならではの光景を楽しめる。
散策道もあるので、時間をかけてゆっくりと春を告げる美しい梅を満喫しよう。

梅の見頃(例年)
2月中旬~3月上旬
白い梅の中に点在する紅色の梅が美しさを際立たせる
白い梅の中に点在する紅色の梅が美しさを際立たせる

梅が咲く趣ある景観を満喫!北陸地方の梅の名所3選

本州の中央部、日本海に面した北陸地方で、富山県石川県をはじめとする4つの県からなる。
歴史的建造物や日本庭園など、日本ならではの景観を見られる観光スポットが多い。
そのため、日本の歴史や文化を感じられる場所に梅が咲く、趣のある景観を楽しめる。
北陸地方に数ある梅の名所の中を、3つに厳選してご紹介。

1. 豪農の館 内山邸

富山県富山市の「豪農の館 内山邸」は、江戸時代末期に建てられた豪農(富裕農家)の邸宅・庭園。
江戸時代の建物がそのまま残っているため、その時代の生活様式や文化を感じられる。
様々な趣向が凝らされた広大な庭園もあり、その東側には梅園が。
梅園には紅白の梅が約60本あり、見頃を迎える時期には雪が残る立山連峰を背景に、初春を感じられる景色を鑑賞できる。

梅の見頃(例年)
1月下旬~3月中旬
庭園の風情と立山連峰を背景にした景観を楽しもう
庭園の風情と立山連峰を背景にした景観を楽しもう

2. 兼六園

加賀前田家歴代藩主によって約180年の長い年月をかけて造られた、日本三名園のひとつに数えられる回遊式庭園。
回遊式とは、御殿の座敷や書院から座って見る座観式の庭園とは異なり、土地全体を巡りながら眺める庭のこと。
約3万4600坪の広大な敷地内に池や曲水、築山などが点在し、各所に立ち寄りながら全体を楽しめる構造になっている。
四季折々の景観を楽しめる兼六園だが、初春には全国の名梅200本が名園の各所を紅白で彩る。

梅の見頃(例年)
3月上旬~3月中旬
梅が咲き誇る庭園を着物姿で散策すれば、風情をより感じられるだろう
梅が咲き誇る庭園を着物姿で散策すれば、風情をより感じられるだろう

3. 高岡古城公園

富山県高岡市の中心部に位置する、国の史跡公園にも指定されている日本有数の水濠公園。
高岡城があった場所に整備された公園で、今も築城当時の石垣が残っている。
3つの水濠に囲まれた広大な敷地内には、神社や博物館、動物園、飲食店などの施設が点在。
公園の一角には、12種類約50本の梅が咲き誇る梅林が。
開花が早い梅は1月から咲き始め、2月下旬になると紅白と薄いピンク色の花が入り混じる。
公園内の射水神社に植えられた、樹齢400年以上のご神木である梅「八重紅梅」も見逃せない。
古くから梅の強い香りは邪気を払うとされており、神社では梅の香りがするお守りも購入できる。

梅の見頃(例年)
2月下旬~3月上旬
運が良ければ雪化粧した満開の梅に出会える
運が良ければ雪化粧した満開の梅に出会える

関西地方の歴史情緒と梅の美しさを感じられる梅の名所3選

本州中西部に位置する関西地方は、日本でも有数の観光地である大阪や京都のある地方だ。
かつては政治・経済の中心地であったため、歴史的建造物が数多く残る。
自然にも恵まれ、歴史情緒の中で美しい自然景観も楽しめる。
関西地方に残る歴史情緒と美しい自然を梅が彩る、絶景スポットを紹介しよう。

1. 大阪城公園

国指定の特別史跡「大阪城跡」を含む一帯を整備して利用された都市公園。
105.6haの広大な敷地内には「大阪城天守閣」をはじめ、江戸初期から後期にかけて建てられた櫓や門などの建物13棟といった数々の重要文化財が点在する。
大阪城公園」は桜の名所として知られているが、園内には梅林があり、実は梅の名所でもある。
約1.7haの梅林には、約1,270本・104品種の梅が植えられている。
1月から3月にかけて、大阪城を背景に紅白の梅が咲き誇る景観は、まさに春の絶景だ。

梅の見頃(例年)
2月中旬〜3月上旬
桜だけでなく、梅の季節も美しい大阪城公園
桜だけでなく、梅の季節も美しい大阪城公園

2. 綾部山梅林

兵庫県の南西部に位置する「綾部山梅林」。
広大な綾部山丘陵で、眼下には瀬戸内海に浮かぶ「小豆島」や「淡路島」などの島々、天気が良ければ四国まで見渡せる絶景が魅力だ。
そんな絶景を彩るのは、約8,000本もの梅。
梅の見える梅林として西日本一ともいわれる春の絶景を見ながら、心地よい早春の風と白梅の香りを感じよう。

梅の見頃(例年)
2月下旬~3月上旬
瀬戸内海の島々と遠くは四国も望める梅林
瀬戸内海の島々と遠くは四国も望める梅林

3. 賀名生梅林

奈良県南西部に位置する五條市は、県内でも有数の梅の名所。
丘陵の中腹から麓までの一面を、約20,000本もの梅が埋め尽くしている。
700年以上前の南北朝時代(1336年〜1392年)の貴族が、この地の梅の歌を詠んでいるほど、古くから梅の名所として親しまれていた。
雲海のように広がる梅の花が織りなす景色を眺めながら、過去に生きた人々も同じ風景を楽しんでいたことを思えば、美しさだけでなく歴史情緒も感じられるだろう。

梅の見頃(例年)
2月下旬〜3月下旬
満開の梅が山を覆いつくす賀名生梅林
満開の梅が山を覆いつくす賀名生梅林

春に中国地方へ旅行するなら行くべき梅の名所3選

本州西部にあり、日本海や瀬戸内海に面している中国地方
鳥取砂丘で知られる鳥取県や、原爆ドームで有名な広島県のある地方だ。
他の地方と同じく中国地方にも、様々な梅の名所はあるが、その中でも特にお勧めの梅の名所を紹介しよう。

1. 萩往還梅林園

江戸時代の街並みが残る城下町や、吉田松陰・高杉晋作など、偉人とゆかりのあるスポットが数多く残る歴史の街・山口県萩市。
萩市で生まれ育った吉田松陰の生誕160周年を記念して、1992年に「萩往還梅林園」が開園。
13種類、約350本もの梅が色とりどりに咲き誇る園内は、梅の名所として知られている。
開花が早い梅は1月下旬から咲き、開花の遅い梅は3月中旬まで楽しめる。
長い期間、様々な梅を楽しめるのが「萩往還梅林園」の魅力だ。

梅の見頃(例年)
1月下旬~3月中旬
様々な品種の梅を長い期間楽しめる「萩往還梅林園」
様々な品種の梅を長い期間楽しめる「萩往還梅林園」

2. 満汐梅林

梅の実を生産する梅園ではあるが、その景観の美しさから梅の名所ともなっている「満汐梅林」。
広島県三原市の菰口山にあり、標高200mに位置するため「天空の梅林」とも呼ばれることも。
園内にある展望台からは、芳しい香りを感じながら、白い可憐な梅が山一面に咲く絶景を見られる。
遊歩道も整備されているため、野鳥のさえずりとともに梅をゆっくり鑑賞してみよう。
「満汐梅林花見まつり」では、梅を使った軽食や商品も購入できる。

梅の見頃(例年)
3月上旬~3月中旬
芳しい香りも思う存分楽しもう
芳しい香りも思う存分楽しもう

3. 岡山後楽園

岡山藩主、池田綱政がやすらぎの場として作らせた大名庭園で、1700年に一応の完成をみた。
綱政の時代には、園内の座敷から眺望を楽しむ庭だったが、時代ごとの社会情勢や藩主の好みにより庭の景観は変化し、水路や池が造られるなど徐々に回遊性が増していった。
藩主の居間として使われた「延養亭」は最も重要な建物で、園内の景色が一望できるように作られている。
園内には約100本の紅白の梅があり、初春には美しい庭園と上品に咲く梅の趣ある景観を堪能できる。
売店では梅林で収穫した青梅で作られた、ジャムや梅酒・梅の実なども購入できる。

梅の見頃(例年)
2月上旬~3月上旬
梅の香りを楽しみながら名園を散策しよう
梅の香りを楽しみながら名園を散策しよう

山を彩る梅で早めの春を感じよう!四国地方の梅の名所3選

四国地方は日本の南西部にある島で、その名の通り徳島県香川県愛媛県高知県の4県で構成される。
温暖な気候で春の訪れも早いので、桜や梅の咲き始めも比較的早いのが特徴だ。
春を先取りしたい方は、紹介する四国の梅の名所をぜひ巡ってほしい。

1. 栗林公園

高松藩主松平家の別邸として、歴代藩主が修築を重ね300年近く前に完成した栗林公園
平庭部の広さは、16ヘクタールととても大きいが、背景となっている紫雲山を含めた面積は、なんと約75ヘクタールにも及ぶ。
国の特別名勝に指定されている文化財庭園の中で、日本一の大きさを誇る。
公園内の北梅林と南梅林を合わせて約150本の梅の木があり、春になると美しい紅白の梅が花を咲かせる。
その他にも園内各所に梅が植えられており、散策すれば春の風情を強く感じられるだろう。
見頃には梅まつりも開催され、花見だけでなく日本の伝統芸能も楽しめる。

梅の見頃(例年)
1月下旬〜3月上旬
可憐に咲く梅の花と風情ある景観を楽しめる栗林公園
可憐に咲く梅の花と風情ある景観を楽しめる栗林公園

2. 七折梅園

愛媛県砥部町の七折地区の小高い山に広がる「七折梅園」。
約30種類・16,000本もの梅の花が山を彩る梅の名所だ。
淡い紅白の梅が咲き誇る山の中は、鶯の鳴き声が響き渡り、春の長閑さを感じられる。
梅の見頃に合わせて開催される「七折梅まつり」では、梅にちなんだ商品やグルメも楽しめる。
梅を見ながら用意したお弁当や、その場で購入したグルメを味わうのもお勧めだ。

梅の見頃(例年)
2月下旬〜3月上旬
鶯の鳴き声と美しい梅が山を覆いつくす風景
鶯の鳴き声と美しい梅が山を覆いつくす風景

3. 阿川梅の里

徳島県では梅の生産地として有名な「阿川梅の里」。
山間に約16,000本もの梅の花が広がり、春の訪れを感じる風景はやすらぎを与えてくれる。
「鶯宿」と呼ばれる品種を中心に、南高梅・林州・白加賀など、全部で4種の梅を観賞できる。
色の違いや香りもそれぞれ違うので、散策しながら楽しもう。
毎年開催される「阿川梅の里梅まつり」の期間中は、もち投げや梅の種飛ばし大会、特産物の販売などがあり、多くの観光客で賑わう。

梅の見頃(例年)
2月中旬〜3月中旬
梅の香りが広がる山里で春の風景を楽しもう
梅の香りが広がる山里で春の風景を楽しもう

どこよりも早く春を先取り!九州地方・沖縄の梅の名所3選

九州地方は日本列島の南西に位置する島であり、福岡県をはじめとする7つの県で構成されている。
比較的に早く春が訪れる九州地方の数ある梅の名所の中でも、特にお勧めの梅の名所を紹介しよう。
また、沖縄には梅の名所が少ないため、九州地方の梅の名所と合わせて紹介する。

1. 太宰府天満宮

天神さま(菅原道真)を祀る全国12,000社の総本宮。
菅原道真は、無実ながら政略により京都から太宰府に左遷され、この地で亡くなった。
本殿はその墓所の上に建立されている。現在の本殿は1591年に再建されたもので国の重要文化財に指定されている。
初春の見どころは、約200種・約6,000本の白梅・紅梅が咲き誇る景観だ。
特に歴史ある本殿と梅の景観は素晴らしく、見逃せない。
品種も多いため、早咲きから遅咲きの梅まで長い期間見事な梅を観賞できる。

梅の見頃(例年)
1月下旬〜3月上旬
歴史的建造物と梅が調和した美しい景観
歴史的建造物と梅が調和した美しい景観

2. 谷川梅林

九州の「梅の三名園」のひとつとされる「谷川梅林」。
広い敷地の斜面に、20,000本もの白梅が咲き誇る光景は格別の美しさ。
梅の見頃である2月下旬に開催される「夢たちばな観梅会」では、日本の伝統芸能や約3,000本の竹を使用した幻想的な空間など、様々なイベントが行われる。
谷川梅林は生産者の私有地であるため、観梅会開催日以外の立ち入りはできないので注意が必要だ。

梅の見頃(例年)
2月中旬~2月下旬
約20,000本もの白梅が咲き誇る様子は壮観
約20,000本もの白梅が咲き誇る様子は壮観

3. 大湿帯 梅の並木道

日本の最南端に位置する沖縄県には、梅の名所が少ない。
沖縄で梅を見たいなら、大湿帯と呼ばれる集落にある梅の並木道に足を運んでみよう。
南国のような自然景観を切り開く道の両脇に、約100本の梅が咲き誇っている。
沖縄の木々の濃い緑の中に、淡い白色の梅が咲く景色からは、南国らしからぬ儚さも感じるだろう。
沖縄には本州よりも早く春が訪れ、早ければ1月上旬には梅が咲き始めるため、注意が必要だ。

梅の見頃(例年)
1月中旬〜1月下旬
住所
〒905-1141 沖縄県名護市源河
白い小梅と沖縄の青空のコントラストも実に美しい
白い小梅と沖縄の青空のコントラストも実に美しい

日本の梅の名所に関するよくある質問

Q

日本の梅の見頃は?

A

地域によって異なりますが、2月から3月にかけて見頃を迎える地域が多いです。見頃が早い地域では1月、遅い地域では5月と桜と比べて長い期間楽しめます。

Q

梅まつりって何?

A

梅の見頃になると、梅の名所で開催されるお祭りで、日本の伝統芸能が楽しめたり、梅の実を使ったグルメを楽しめたりと様々なイベントが楽しめます。

まとめ

日本の春の訪れをいち早く知らせてくれる梅。
春といえば桜のイメージが強いかもしれないが、桜の鑑賞よりも長い歴史を持つ梅の花も、ぜひ楽しんでほしい。
春に日本を旅行するなら、この記事で紹介した各地の梅の名所を巡ってみよう。
日本人がどのように春を楽しんでいるか知りたい方は、こちらの記事も参考にしてほしい。
日本の春をより楽しめるようになるはずだ。