
都市景観も自然景観も美しい!北九州市の人気観光スポット27選
九州の北部にある福岡・佐賀・長崎・熊本・大分の5県を指しても「北九州」と呼ぶが、一般的に「北九州」といえば福岡県最北部に位置する「北九州市」を意味する。
九州地方の玄関口・交通の要衝として栄えた歴史と、九州で2番目に多い人口を有する都市を持つ「北九州市」は、その歴史を感じられるレトロな建造物や優れた都市景観が魅力のひとつだ。
それだけでなく景勝地も多く、見どころが多い「北九州市」。
見どころが多い「北九州市」で思う存分楽しむために、訪れるべき人気の観光スポット・ショッピングスポット・グルメなどを紹介しよう。
北九州市ってどんなところ?
九州でも最北部の都市であり、九州地方の玄関口・交通の要衝として栄えた歴史を持つ福岡県北九州市。
かつては九州地方の国道や鉄道の起点であり、交通の要衝として栄えた名残は、今でも色濃く残っている。
また、日本4大工業地帯に指定されているほど、工業が盛んな地域でもある。
九州では福岡市の次に人口が多い大都市でもあり、工業地帯と市街が生み出す夜景は「日本新三大夜景」に選ばれている。
その一方で、自然にも恵まれており、美しい自然景観も楽しめる。
都市と自然どちらも楽しめることが、北九州市の最大の魅力だ。

北九州市のおすすめのシーズンは?
4月下旬から5月下旬が北九州市を観光するお勧めの季節。
なぜなら藤の名所である「河内藤園」が見頃だからだ。
「河内藤園」の美しさは、アメリカCNNから「日本の最も美しい場所31選」に選ばれるほど。
せっかくなら最も美しい景観が見られる時期に訪れてほしい。
北九州市の季節ごとの着衣例
- 春(3月 - 5月): 薄手のジャケットやカーディガン
- 夏(6月 - 8月): 薄手の着衣、半袖
- 秋(9月 - 11月): 軽めのジャケット、コート
- 冬(12月 - 2月): コート、ウールスーツ、厚手のセーターやジャケット
北九州市への移動方法は?
かつては九州地方の玄関口だったこともあり、今もアクセスの良さは抜群だ。
「北九州空港」があるため、飛行機を使えば東京・大阪から約1時間30分で移動できる。国際線もあり、台湾・韓国からの直行便も出ている。
新幹線が停まる「小倉駅」もあるため、九州以外だけでなく九州内からのアクセスも抜群だ。
福岡県で最も栄えている福岡市からは、新幹線を利用すれば20分以内で到着できるので、福岡市とセットで観光を楽しんでほしい。
北九州市観光の主要交通手段
交通の要衝だったこともあり、北九州市内は交通機関が充実している。
JRだけでなくモノレール・西鉄バスも運行しており、この3つの交通手段を組み合わせれば、市内どこにでもアクセスできる。
見どころが盛りだくさん!北九州市の人気観光スポット19選
九州の玄関口・交通の要衝としての歴史を持つ「北九州」には、その歴史を感じられる歴史的建造物が多い。
明治から大正にかけて建てられた建物が多く残る、レトロな雰囲気を味わえるスポットは見どころのひとつだ。
それだけでなく「日本新三大夜景」に選ばれた都市景観、「カルスト台地」をはじめとする自然景観など、見どころ盛りだくさんの北九州市。
数ある魅力的なスポットの中から、人気の観光スポットを厳選して紹介しよう。
1. 皿倉山展望台
北九州市街地が一望できるパノラマ展望台。
標高622mの山頂にある展望台へは、ケーブルカーとスロープカーを乗り継いで登る。
ケーブルカーは山麓駅から山上駅まで全長1100m、標高差440mと西日本最長級。
全面ガラス張りの車窓からは、時間によって刻々と変化する見事な景色が楽しめる。

2. 九州鉄道記念館
門司港レトロ地区にあり、旧九州鉄道本社だった明治時代の赤レンガづくりの建物を活用した鉄道記念館。
昔走っていた車両や歴代の駅員の制服、鉄道用具などが展示され、鉄道ファンだけでなく家族みんなで楽しめる。
本館では、九州の鉄道の歴史を紹介。明治時代の客車が復元され、乗客や車掌などの人形や音響演出で当時の雰囲気が味わえる。

3. 小倉城
関ヶ原の戦いの功労で入国した細川忠興によって1602年から7年間をかけて築城。その後、小笠原氏の居城となったが、1866年、石垣を残して焼失。戦後、市民が熱望して天守閣が再建された。
天守閣内は1階に大迫力のシアターがあり、本州と九州を結ぶ玄関口として賑わった約400年の歴史を学べる。

4. 門司港レトロ
明治初期に開港し国際貿易港として栄えた門司港には、明治から昭和初期にかけて建築された趣ある建物が今も残っていて、歩きながら建物をめぐるのが楽しい。
まずは玄関口である「JR門司港駅」へ。開業から105年経った2019年に保存修理工事を終えて、木造2階建ての大正時代の姿に復元されている。
このほか、「旧門司三井倶楽部」、「旧大阪商船」、「旧門司税関」、「新海運ビル」、「九州鉄道記念館」などなど、見どころ満載。散策途中くつろげるレストランやカフェなどもあるので、名物「焼きカレー」を味わいながら、ゆっくりと時間をかけてめぐると良い。

5. 門司港駅
関門海峡に面した町・門司にあるJR門司港駅はJR鹿児島本線の起点駅。ネオルネサンス様式・木造二階建ての駅舎は「門」をイメージしたと言われる左右対称の外観が特徴的で、長きにわたり門司港のランドマークとして愛され続けている。
昭和63年(1988)には鉄道駅舎として初となる国指定の重要文化財に。2019年に6年に及ぶ復元・耐震工事を終え、かつての姿と輝きを取り戻した。

6. 国定公園平尾台
日本三大カルストのひとつに数えられる自然公園。標高350~600m、南北6㎞、東西2㎞にわたるカルスト台地で、まるで羊の群れのような石灰岩が不思議な景色を作っている。
地下には約200の鍾乳洞があり、中でも国指定天然記念物の「千仏鍾乳洞」は長さ1000m以上と言われる規模を誇る。地下にも神秘の世界が広がっている。さまざまな洞窟を探検する「ケイビング体験」も人気。

7. 千仏鍾乳洞
平尾台にあるのが、千仏鍾乳洞(せんぶつしょうにゅうどう)。
福岡県行橋市にある行基草創と伝わる願光寺の末寺・千仏院に由来し、その名がついたとされる。昭和10年(1935)には国の天然記念物に指定されている。
全長1,200mもあり、これは平尾台にある洞窟の中でも最大規模。
長い年月をかけ、石灰岩地帯特有の地下水の溶食により形作られた鍾乳洞は、入口から900m奥まで見学可能。

8. ソラランド平尾台(平尾台自然の郷)
日本三大カルストの一つ、平尾台の雄大な景観を活かした自然体験施設。
展望台やドリーネデッキなど自然観察を楽しめる施設や、すべり台やトンネルなどの遊具を備えた遊具広場「ゆ~遊広場」、野球場ほどの広さを誇る芝生広場「のびのび広場」など大自然の中のんびりと過ごせる施設や広場を備えている。

9. 河内藤園
日本国内だけでなく世界中から多くの人々が訪れる、藤の花の名所「河内藤園」。
見頃である4月下旬から5月初旬には、22種類もの藤の花が園内のいたるところに絶景を生み出す。
紫・白・ピンクと様々な色彩の藤の花を楽しめるだけでなく、藤の花が作り出す美しいトンネルも魅力。
その美しさはアメリカCNNの「日本の最も美しい場所31選」にも選ばれるほど。
11月中旬から12月上旬には紅葉を楽しめるため、秋に訪れるのもお勧めだ。

10. 到津の森公園
長年、市民に愛されていた「到津遊園」の閉園に伴い、その跡地を整備して誕生した「到津(いとうづ)の森公園」。
春のミモザや秋の紅葉など樹木や草花も園内を彩り、四季折々の景観で訪れる人を楽しませてくれる。
到津の豊かな自然に囲まれた約10ヘクタールの広大な園内は8つのゾーンで構成。
中心となるのは約80種470頭羽の動物たちの飼育展示。

11. 北九州市立いのちのたび博物館
生命の進化の過程と人の歴史を伝えることで未来に向けて人々の生き方を考えて欲しいと、「いのちのたび」をコンセプトにつくられた博物館。
アースモールやカルチャーモールと名付けられたメインストリートを中心にさまざまな展示室が続き、巨大なショッピングモールを散策するような感覚でスケールの大きな展示を楽しめる。

12. 関門海峡(関門橋)
本州の最西端、山口県下関市と福岡県北九州市を隔てる海峡で、形成されたのは約6000年前と伝わる。
馬関(下関市)と門司(北九州市門司区)の頭文字をとって「関門海峡」の名が付いたとされる。
関門海峡を陸路で渡る方法は、「関門橋」と「関門トンネル」、または地下トンネルで繋がるJR線を利用するかの3通り。
関門橋は1973年に開通した、福岡県北九州市門司と山口県下関市を繋ぐ吊り橋。
関門海峡に架かる、全長1,068メートルのこの橋は、開通当時は東洋一の長さを誇っていた。

13. 和布刈公園
関門海峡の九州側、九州北端の瀬戸内国立公園内に位置し、対岸に本州を望む面積約37haの公園。
門司城跡を擁する古城山一帯が公園として整備されており、ウォーターフロントエリアまで広がる。
急流が渦巻く関門海峡や雄大な関門橋、行き交う船などを間近に眺められる展望台をはじめ、夏期のみオープンする珍しい塩水プール、源平合戦をモチーフにした高さ3m長さ44mの有田焼の壁画、姉妹都市にちなんで名づけられた「ノーフォーク広場」、「和布刈神社」など、見どころ満載。

14. TOTOミュージアム
日常でおなじみの水洗便器や洗面台。それらの商品の日本最大手メーカー「TOTO」が、2017年の創立100周年を記念して2015年にオープンしたミュージアム。
館内は4つの展示室にわかれていて、創立から現在に至るまでの水まわりの文化や歴史とともに、ものづくりへの想い、ウォシュレット(※1)やお風呂、キッチンなど、生活に身近なアイテムの進化が学べる。

15. 若戸大橋
洞海湾(どうかいわん)に架かる長大吊橋で、長さ627メートルの吊橋を含む、全長約2キロメートルの一般道路。
日本初の本格的長大吊橋として建設され、昭和37年(1962)に供用開始。
北九州市の若松区と戸畑区を結ぶ赤い躯体はこのエリアのシンボルになっている。

16. ブルーウィングもじ
歩行者専用のはね橋で、全長約108メートルは日本最大級。
門司港の第一船だまりに架かる橋で、船の航行にあわせて1日6回、開閉。水面に対して60度の角度に跳ね上がる様子は必見だ。

17. 北九州市立響灘緑地/グリーンパーク
2022年に開園30周年を迎えた市内最大の公園「響灘緑地(ひびきなだりょくち)/グリーンパーク」。
北九州市の貯水池・頓田貯水池をぐるりと囲むように広がる美しい公園で、「日本の都市公園100選」にも選ばれている。
こちらで注目なのが、2019年に完成した全長163.35m、100人が乗ることができる「世界最長のブランコ」だ。

18. 北九州市立白野江植物公園
植物公園として80年近い歴史を有し、1年を通して植物が織りなす自然風景を満喫できる小高い丘に広がる市民憩いの場。
春のサクラをはじめ、ボタンやアジサイ、ハス、秋の野草や紅葉など四季折々の風景を眺められ、園内には随所に日本的な風情が漂っている。

19. 北九州市漫画ミュージアム
松本零士やわたせせいぞう、北条司など著名な漫画家を数多く輩出する北九州市で2012年に開館した「北九州市漫画ミュージアム」。
「見る・読む・描く」をテーマにした展示で漫画の魅力を伝える施設だ。
数あるコーナーの中でも特に人気なのが、約7万冊の漫画単行本を所蔵する「閲覧(よむ)ゾーン」。館内で自由に読むことができるほか、漫画に関する質問に答えてくれる漫画ソムリエがいる。

名物グルメが満喫できる!北九州市で人気の飲食店3選
北九州市は海に面していることから海鮮グルメが有名だが、その他にも名物グルメは多く、観光だけでなくグルメを満喫できるのも魅力のひとつだ。
北九州市発祥の焼きカレーをはじめとする、北九州市の名物グルメが食べられる人気の飲食店を紹介しよう。
1. 氷菓子屋KOMARU
ミシュランで一つ星を獲得した和食店「御料理まつ山」の松山照三シェフがプロデュースするアイスクリーム専門店。
厳選素材を贅沢に使用した無添加のアイスクリームは、空気をたっぷり含ませることで、コクがあるのに重たくなく余韻は軽やか。

2. ミルクホール門司港
「ミルクホール」とは明治~大正期にかけて人気を博した飲食店で、牛乳や軽食を提供するカフェの前身のような存在。
レトロな街並みが広がる門司港エリアの関門海峡を望む場所にあるこちらも、大正時代をイメージしたメニューの数々が魅力のお店だ。

3. 伽哩本舗 門司港レトロ店
九州最北端に位置する人気観光スポット・門司港に立つ、焼きカレーの専門店。
門司港レトロ店で提供するメニューは焼きカレーのみ。じっくり炒めたブラウンルーと自家製ブイヨンを合わせた深みの味が特徴だ。看板は、昭和30年代に作られた「昔の焼きカレー」。九州産黒毛和牛を使い、角切りにして乗せたプロセスチーズがアクセントになっている。

レトロな雰囲気の中で買い物が楽しめる!北九州市のショッピングスポット3選
レトロな雰囲気で楽しめるショッピングスポットや、路面店を巡っているような感覚で楽しめる人気のショッピングスポットをご紹介。
北九州市の名産品や大切な人にプレゼントしたいお土産が見つかるはずだ。
1. 旦過市場
JR小倉駅から歩いて10分ほどの場所にある、北九州市民の台所「旦過市場」。「昭和」の時代にタイムスリップしたような、どことなく懐かしい雰囲気が漂う。
全長180mの通りを中心に、鮮魚や野菜はもちろん、惣菜や加工品の店など、約120店舗が軒を連ね、小倉名物として有名な「ぬかだき」の店も。
市場内には、ビール、ワイン、日本酒など、全国から厳選した醸造酒を楽しめ、店内にもビール醸造施設を持つ珍しいカフェ&バルも人気を集めている。

2. おみやげ街道海峡プラザ店
ノスタルジックな風情あふれる門司港レトロに立つ複合商業施設「海峡プラザ」内にあるお土産専門店。バナナのたたき売り発祥とされる門司港ならではのバナナ菓子や、門司港の名物グルメ・焼きカレーに関連した商品など、門司港エリアのお土産がずらり。

3. チャチャタウン小倉
10スクリーンを有する大型映画館やゲームセンター、全国でも有名なショップや九州発のブランドなど、多彩な魅力が集結する大型ショッピングモール。
広大な敷地内にショップが点在し、まるで街中の路面店を巡っているような気分に。
ファッションはもちろん、インテリアや100円ショップ、モバイル関連など、ショップもバラエティ豊かなラインアップ。フードコートやレストランも備える。

長い歴史を誇る北九州市のイベント2選
100年を優に超える歴史を持つ、北九州市の伝統行事を2つご紹介。
どちらも7月に開催されるため、タイミングがあえば、ぜひ参加してほしい。
日本の行事ならではの風情や雰囲気、伝統文化を存分に楽しめるだろう。
1. 戸畑祇園大山笠
福岡県夏の三大祭りの一つとして「提灯山」の愛称で親しまれ、220年余りの歴史を誇る伝統行事。
2016年には「山・鉾・屋台行事」のひとつとして、ユネスコ無形文化遺産に登録された。
特に圧巻なのが、全8基の幟山笠(のぼりやまがさ)が揃い踏みする競演会。

2. 小倉祇園太鼓
小倉城鎮護として創建された「八坂神社」の例大祭に合わせて供奉される太鼓芸能で、400年の歴史を誇る「小倉祇園太鼓」。
小倉城を築城した細川忠興が、城下の無病息災と城下町繁栄を願い、1617年に京都の祇園祭を模して始めたとされている。
法被や浴衣を着た人びとが五穀豊穣や無病息災を願って太鼓を叩いて街を練り歩く、全国的にも珍しい太鼓の「両面打ち」「側面打ち」かつ「歩行打ち」が特徴。2019年、国指定重要無形民俗文化財に指定されている。

北九州市に関するよくある質問
Q
「北九州」と「北九州市」って同じ地域?
一般的には「北九州=北九州市」という意味で使われます。「北九州」には九州北部の福岡・佐賀・長崎・熊本・大分の5県を指すこともありますが、一般的ではありません。
Q
北九州市内で観光スポットが集まる地域はどこ?
小倉北区と小倉南区を意味する「小倉」という地域に、小倉城や旦過市場をはじめとする様々な観光スポットが集まっています。
Q
北九州市でお勧めの名物グルメを教えて
北九州市には様々な名物グルメがありますが、その中でも「焼きカレー」は特にお勧め。「焼きカレー」とは、ご飯の上にカレーをかけ、チーズや玉子などをトッピングしてオーブンで焼いた、門司港発祥の名物グルメです。
まとめ
見どころ盛りだくさんの「北九州」で、人気の観光スポット・ショッピングエリア・グルメなどを紹介してきた。
せっかく北九州市を観光するなら、この記事を参考に優れた都市景観と景勝地どちらも楽しんでほしい。
福岡県内には他にも魅力的なスポットが多いので、他の地域も観光してみよう。
福岡で人気の観光スポットやお勧めのグルメは、こちらの記事でまとめているので、合わせて参考にしてほしい。