効率的に多様な魅力を満喫できる!和歌山の旅行ガイド

効率的に多様な魅力を満喫できる!和歌山の旅行ガイド

更新 :
筆者 : GOOD LUCK TRIP

自然が生み出した絶景・温泉を楽しめる「和歌山」。
それだけでなく、歴史的名所や老若男女が楽しめるレジャー施設など、見どころにあふれた魅力的な地域だ。
しかし南北に長い和歌山は移動が大変なため、目的地に応じた交通手段の使い分け、効率的な旅行プランが欠かせない。
この記事では、和歌山を楽しむ1泊2日のモデルコースをメインに、人気観光スポットとその魅力やアクセスを合わせて紹介する。
和歌山旅行に必要な情報を網羅的にまとめているので、最後まで読んで参考にしてほしい。

目次

バリエーション豊富な観光スポットとディープな世界が魅力の「和歌山」

関西地方に位置する「和歌山県」は、面積の8割近くが紀伊山地を中心とした山岳地帯。
海・山・川の豊かな自然に恵まれており、四季折々の美しい景観や歴史ある温泉が点在する。
和歌山城」や「アドベンチャーワールド」など観光名所も充実し、国内外から多くの旅行客が集まる人気の観光地。
また「高野山」・「熊野三山」といった、古くからの日本人文化・精神性を知れる地でもあり、都市部では味わえないディープな世界も魅力だ。

和歌山で日本人文化・精神性に触れてみよう
和歌山で日本人文化・精神性に触れてみよう

和歌山の平均気温と着衣例

南北に地形が長く、北部は降水量が少なめ、南部は一年中温暖と地域によって気候は異なるものの、全体的に過ごしやすい。

和歌山の月別平均気温

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均気温(度) 6.2 6.7 9.9 15.1 19.7 23.2 27.2 28.4 24.9 19.3 13.8 8.6

和歌山の季節ごとの着衣例

  • 春(3月 - 5月): 軽めのジャケットおよび薄手のセーター
  • 夏(6月 - 8月): 薄手の着衣、半袖
  • 秋(9月 - 11月): 軽めのジャケット、コート
  • 冬(12月 - 2月): コート、ウールスーツ、厚手のセーターやジャケット

和歌山へのアクセス

国際線の通らない和歌山に行くには、主に関西国際空港羽田空港経由で向かう必要がある。
大阪・京都からはアクセスしやすいので、関西旅行と合わせて計画するのもお勧めだ。
また和歌山は目的の観光スポットによって、起点とした方が良い場所が異なるため、注意してほしい。
ここでは「大阪駅」・「京都駅」・「東京(羽田空港)」から、和歌山旅行で多くの人が利用する「和歌山駅」までのアクセスを紹介しよう。

空港はあるものの国際線はなく、海外から直接アクセスできない
空港はあるものの国際線はなく、海外から直接アクセスできない

大阪から和歌山へのアクセス

「大阪駅」から「和歌山駅」へのアクセスは以下の通り。
乗り換えなしで行ける大阪は、最もアクセスが良好な場所と言える。
電車の本数自体も比較的多いため、臨機応変なスケジュールにも対応できるだろう。
1時間に1本程度の運行だが、JR特別急行”くろしお号”に乗車すれば最短57分で着く。
運賃を抑えたい場合は、快速電車か高速バスの利用がお勧めだ。

経路
「JR大阪駅」からJR特急or快速に乗車し、「JR和歌山駅」で下車
※乗車する車両で所要時間が約30分変わる
所要時間
約1時間10分

京都から和歌山へのアクセス

「京都駅」を起点とした「和歌山駅」へのアクセスは以下の通り。
大阪からのルートと似ているため、時間・運賃と相談して自身にとってベストな方法を選択してほしい。
なお「高野山エリア」に向かう場合は、快適に移動できる直通の高速バスを利用しよう。

経路
1.「JR京都駅」からJR新幹線に乗車し、「新大阪駅」で下車
2.「新大阪駅」からJR特別急行・くろしお号に乗車し、「和歌山駅」で下車
※乗車する車両で所要時間が前後する
所要時間
約1時間40分

東京から和歌山へのアクセス

東京からアクセスする場合は、以下の通り「羽田空港」から空路で「南紀白浜空港」に向かうのがベスト。
ただし1日に数本しか運航していないため、事前に時刻表と空き情報の確認を忘れないように注意が必要だ。
ちなみに「白浜・串本エリア」が目的の場合は、白浜駅から周辺スポットにアクセスできる。
また「熊野エリア(熊野三山)」には、「南紀白浜空港」から空港リムジンバスで直行するので、観光先次第ではわざわざ和歌山駅まで行かなくても良い。

経路
1.「羽田空港」からJAL・南紀白浜行の飛行機に搭乗し、「南紀白浜空港」に向かう
2.「南紀白浜空港」から「南紀白浜空港・バス停」まで徒歩で移動
3.「南紀白浜空港・バス停」から明光バスに乗車し、バス停「白浜」で降車し白浜駅まで徒歩で移動
4.「白浜駅」からJR特別特急・くろしお号に乗車し、「和歌山駅」で下車
所要時間
約3時間40分

和歌山の主要交通手段

熊本旅行における主要交通手段は、JR在来線(和歌山線・阪和線)・私鉄(南海本線)・路線バスの主に3つ。
起点と目的地に合わせて、電車と路線バスをうまく使い分けると移動が効率的になる。
ただし県内には非常に多くの路線バスが走っているため、乗り間違いには気を付けてほしい。
エリアごとに利用する可能性が高い路線バス会社を簡単に分類したので、参考にすると良い。
また、ホテルや旅館など直接アクセスしづらい場所には、スムーズかつ快適に移動できるタクシーの利用がお勧め。

エリア別の主な路線バス

和歌山市近郊エリア
和歌山バス・リムジンバス
高野山エリア
南海りんかいバス、高野マリンライナー(土日祝のみ+期間限定)
有田・日高エリア
有田鉄道バス
白浜・串本エリア
明光バス
熊野エリア
熊野交通バス・明光バス
多くの路線バスが走っているので乗り間違いには注意しよう
多くの路線バスが走っているので乗り間違いには注意しよう

和歌山を旅行するなら利用するべきお得な乗車券

和歌山旅行の交通費を抑えたい方に、知っておいて損のない乗車券を紹介しよう。
快適な移動を実現し、お得になる可能性も高いので積極的に活用してほしい。

和歌山観光きっぷ

南海電車から発売されている和歌山観光きっぷ(大人2,000円、子供1,000円)は、電車割引往復乗車券とバス1日フリー乗車券がセットになっていて便利。
電車が利用できるのは発売駅(なんば、新今宮、天下茶屋、住吉大社、堺)から和歌山市駅まで。
バスは和歌山バスと和歌山バス那賀の路線すべてが対象となっている(高速バス、リムジンバスなど一部路線は除く)。

電車・バスの運賃がお得に! 特典サービスもゲットしよう
電車・バスの運賃がお得に! 特典サービスもゲットしよう

和歌山旅行プランを立てる前に知っておくべき5つのエリア別

和歌山は市街近郊地を含めて、5つの特色が異なるエリアに分けられる。
それぞれのエリアが持つ魅力と、周辺にある人気観光スポットを紹介していく。
地域ごとに距離が離れているため、1回で全てを回るのは難しい。
気になるエリアを軸に旅行プランを立てよう。

多様な魅力を持つ「和歌山市近郊エリア」

和歌山の北部に位置する「和歌山市近郊エリア」は、大阪府と隣接しており、関西地方をはじめ国内外へのアクセスに優れた場所。
県内でも圧倒的に人口が多く、地元民と旅行客で賑わう和歌山の中枢エリアと言える。
シンボル「和歌山城」を中心とした街全体には、ゆったりとした空気・時間が流れ、都会と田舎の良いところが組み合わさった雰囲気が特色だ。
落ち着きのある田園風景も旅情をかき立てるだろう。
市内に5つの海(海水浴場)があるため、サーフィン・ヨットなどのマリンスポーツが盛んで、新鮮な海の幸も揃っている。
和歌山ならではの特産品や滋味も豊富なので、グルメを楽しみたい方にもお勧め。
また、「根来寺(ねごろじ)」や万葉集に詠まれた景勝地など、自然の美しさを堪能できるスポットも充実する。
猫駅長の「たま」が案内するローカル駅・貴志川(貴志川線)も見どころのひとつ。

和歌山の中枢エリアと言える和歌山市の街並み
和歌山の中枢エリアと言える和歌山市の街並み
自然と歴史を同時に感じられるスポット根来寺
自然と歴史を同時に感じられるスポット根来寺

仏教文化・日本の伝統が息づく高野山エリア

和歌山市近郊エリアの隣、和歌山の北東部に位置する「高野山エリア」は、神社仏閣・史跡が集結した厳かな雰囲気を持つ地域。
訪れる人々の心に静寂と平和をもたらす自然・パワースポットが多く、仏教文化・日本の伝統が息づく魅力的なエリアだ。
その中心であり1,200年以上の歴史を持つ「高野山」は、弘法大師・空海(くうかい)によって開かれた真言密教の聖地。
世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成要素に含まれる広大な敷地には、117のお寺が密集しており、現在も僧侶が修行に励む。
2大聖地として信仰を集める「壇上伽藍」と「奥之院」は、ぜひとも訪れたい聖域スポット。
宿泊できるならば、宿坊(しゅくぼう/お寺・神社の境内に建てられた宿泊施設)で寺社文化を直接経験するのもお勧め。
写経・座禅などの修行体験を通じて、精神的な充実を得られるだろう。
伝統的な「精進料理(肉魚介類を避けた野菜・豆類中心の料理)」も味わってほしい。

静寂と神聖な雰囲気が漂う高野山
静寂と神聖な雰囲気が漂う高野山
社寺文化を満喫したいなら宿坊に泊まってみよう
社寺文化を満喫したいなら宿坊に泊まってみよう

歴史情緒と絶景を楽しめる「有田・日高エリア」

和歌山の中央部に位置する「有田・日高エリア」は、自然の恵みを受けた風光明媚な場所。
四季の移ろいを感じられる景観は訪れる価値があるだろう。
有田みかんや南高梅をはじめとした地域特有の特産品も目白押しで、ぶどう・梨などのフルーツ狩りも盛んに行われている。
エリア別に異なる魅力を持ち、日高にある「白崎海洋公園」は白亜の巨大な石灰岩と紺碧の海が織り成すコントラストが絶景。
約2憶5千万年前にできたと言われる同公園から見える海岸は、“日本のエーゲ海”とも称されており、オートキャンプやダイビングも楽しめるお勧めの観光施設だ。
また有田の「湯浅の街並み」は、県内唯一の重要伝統的建造物群保存地区で近世から近代にかけた歴史ある建造物が立ち並ぶ。
醤油の発祥の地としても有名で、古き良き街並みは散策にピッタリ。
シンボル「あらぎ島」も外せない人気スポットのひとつ。
国の重要文化的景観に指定された美しい造形を目に収めよう。

白と紺碧のコントラストが美しい白崎海洋公園
白と紺碧のコントラストが美しい白崎海洋公園
歴史情緒漂う湯浅の街並み
歴史情緒漂う湯浅の街並み

自然・レジャー・温泉と見どころたっぷりの「白浜・串本エリア」

和歌山の南部を占める「白浜・串本エリア」は、美しい海・川と温泉を満喫できる関西圏の屈指のリゾート地だ。
延長約640mに渡るアーチ状の「白良浜(しららはま)」は真っ白でサラサラの砂が特徴で、ワイキキビーチを彷彿させる代表的なスポット。
葉でできたパラソルも気分を盛り上げ、夏には花火・ランタンといったイベントも開催する。
周辺には温泉施設も充実しており、夜はゆっくりと癒しの時間を過ごせるのもうれしい。
日本三古泉のひとつである「白浜温泉」や、美人湯で知られる「龍神温泉」は特に人気が高くお勧め。
また、ジャイアントパンダに会える「アドベンチャーワールド」では、水族館・遊園地ゾーンもあり大人から子供まで楽しめる。
その他、名勝「橋杭岩(はしぐいいわ)」、夕陽の美しさで有名な「円月島」、迫力満点の断崖「千畳敷(せんじょうじき)」など絶景スポットも点在。
自然が生み出す景勝地が盛りだくさんで見どころに尽きない。

美しいビーチが広がる白良浜
美しいビーチが広がる白良浜
美しい夕景で有名な円月島
美しい夕景で有名な円月島

日本の深い歴史を感じられる「熊野エリア」

和歌山の中央~南西部にかけて位置する「熊野エリア」は、神秘的な大自然に囲まれた悠久の歴史を纏う地域。
その中でも古代より厚い信仰に支えられ、世界文化遺産にも登録されている「熊野古道(熊野三山)」は別格の存在感を放つ。
平安時代(794年~1185年)の上皇・貴族たちも散策・参拝した参道は、多くの巡礼者を惹きつける神聖な場所だ。
様々なご利益が期待できるパワースポットとしても注目を集める。
三山のひとつ「熊野速玉大社」では、樹齢1,000年以上の天然記念物「ナギの巨木」が境内で見られる。
また、とりわけ古式ゆかしい雰囲気が漂う「熊野本宮大社」の杉並木や檜皮葺の社殿からは、歴史を感じられるはずだ。
外国人の人気も高い同エリアは世界中の旅行者を歓迎しており、多言語対応・英語表記の看板など訪日客の受け入れ態勢も整っている。
熊野の魅力を感じられる体験型の旅行プランもあるので、機会があれば利用するのもお勧め。

神秘的な雰囲気・景色を楽しめる「熊野古道(熊野三山)」
神秘的な雰囲気・景色を楽しめる「熊野古道(熊野三山)」

和歌山を満喫するために必要な日数

ここまで紹介してきたように、和歌山はエリアごとに魅力的な観光スポットが点在しており、移動に時間がかかるスポットも多い。
また、敷地の広さや見どころの多さから、観光に時間がかかるスポットも少なくない。
そのため、各エリアの魅力を満喫したいなら2泊3日以上は確保しておこう。
ただ、なかには和歌山旅行にそんなに日数を確保できないという方もいるだろう。
和歌山旅行を短期間で楽しみたい方は、ぜひこれから紹介するモデルコースを参考にしてほしい。

和歌山の様々な観光スポットを巡るなら2泊3日以上は確保しよう
和歌山の様々な観光スポットを巡るなら2泊3日以上は確保しよう

和歌山の魅力を短期間で満喫できる1泊2日モデルコース

和歌山の人気観光スポットを巡る、1泊2日のモデルコースを紹介していく。
「白浜・串本エリア」および「熊野エリア」の人気観光スポットを通じて、和歌山の魅力を満喫できるように構成した。
和歌山駅・市街地からは離れているため、スタート地点は気を付けてほしい。
旅行プランの計画に迷ったら、これから記載する内容を参考に組み立てよう。

1日目:白浜・串本エリアで絶景と温泉に癒される

モデルコースの初日は「白浜・串本エリア」に向かい、自然が生み出す絶景と温泉を思う存分堪能しよう。
他にはない特別感のある温泉で始まり温泉で終わるスケジュールで、1日を通して非日常体験を味わえるプランを組んだ。
途中には、ジェットコースターやイルカ・アシカショーを楽しめる「アドベンチャーワールド」にも訪れるため、アクティビティも満喫できる。
移動中も飽きない景色・街並みも注目のポイントで、朝から夜まで充実した内容になっている。

7:50 JR白浜駅からスタート

1日目はJR白浜駅からスタートする。
まずは明光バスでバス停「新湯崎」まで行き、徒歩5分の「白浜温泉 崎の湯」に向かおう。

1日目のスタート地点となるJR白浜駅
1日目のスタート地点となるJR白浜駅

8:30 最高のロケーション「白浜温泉 崎の湯」で朝風呂を満喫

日本最古の歴史書「日本書紀」や日本最古の和歌集「万葉集」にも記載される、古湯「白浜温泉 崎の湯」は、歴史的背景も深い貴重な温泉。
太平洋を一望できる露天風呂が特徴で、目の前で波しぶきが打ち寄せる迫力満点の光景に感動するはずだ。
自然の岩が形成した湯船にどっぷり浸かると、波音や海の潮風・香りといった自然を味わえ、最高の開放感を楽しめる。
神経痛や婦人病らに効能があるとされる泉質も素晴らしい。
海を守るために石鹸等は使用できないので注意しよう。

「日本書紀」や「万葉集」にも記載がある古湯。海景色を眺めながら癒しの時間を
「日本書紀」や「万葉集」にも記載がある古湯。海景色を眺めながら癒しの時間を

9:40 「三段壁」で自然の造形美と迫力を感じる

温泉で絶景を堪能したら新湯崎から再び明光バスに乗車し、「三段壁(さんだんべき)」を目指そう。(三段壁で降車し徒歩数分)
高さ50メートルほどの断崖絶壁の「三段壁」は、自然の造形美と歴史が息づく景勝地。
約2キロに渡って展開する、黒潮の荒波が絶え間なくぶつかり合う光景は圧巻の一言だ。
「恋人の聖地」に認定された展望台近くには、ハートのモニュメントが設置されており、カップルでの特別な思い出作りにもピッタリ。

迫力満点の断崖絶壁に、黒潮が激しくぶつかり合う
迫力満点の断崖絶壁に、黒潮が激しくぶつかり合う

11:20 「アドベンチャーワールド」で可愛い動物たちと触れ合う

「三段壁」の光景に圧倒された後は、明光バスで「アドベンチャーワールド」へ向かおう。(所要時間約15分)
動物園・水族館・遊園地が一体化した「アドベンチャーワールド」は、全世代が楽しめるテーマパーク。
人気のイルカやペンギンをはじめ、140種類・1,400頭ものかわいい動物たちと会える。
中でも4頭のジャイアントパンダファミリーは注目の見どころ。
元気いっぱいな愛くるしい姿・仕草を間近で見られるのが魅力だ。

ジャイアントパンダがお出迎え! 多彩なツアーやアトラクションで動物の魅力を再発見
ジャイアントパンダがお出迎え! 多彩なツアーやアトラクションで動物の魅力を再発見

14:40 特急「くろしお」から橋杭岩を眺める

「アドベンチャーワールド」を満喫したら、バスでJR白浜駅に戻り(所要時間約10分)、14時43分発の特急「くろしお」に乗車しよう。
次の目的地「南紀勝浦温泉」の最寄り駅・紀伊勝浦駅までは1時間30分ほどだ。
移動中は休憩や会話など自由に過ごすと良いが、串本駅付近(車掌のアナウンス有)に現れる「橋杭岩」を見逃さないでほしい。
波の浸食が生み出した一列に並ぶ、まさに自然のアート「橋杭岩」を車窓から楽しもう。

約850mに渡り岩柱立つ。和歌山イチとの呼び声が高い個性派の景勝地
約850mに渡り岩柱立つ。和歌山イチとの呼び声が高い個性派の景勝地

16:20 「南紀勝浦温泉」で散策とグルメを堪能

熊野三山のひとつ「那智大社」の近くに湧き出る「南紀勝浦温泉」は、100以上の源泉を持つ和歌山を代表する温泉地。
リアス式海岸ならではの奇岩や岩礁、入り江に浮かぶ島々の絶景を見ながら温泉に入れるのが大きな魅力だ。
散策がてらに外湯・足湯巡りを楽しんで、1日の旅路を振り返るのも良いだろう。
那智勝浦町の特徴に日本有数のマグロの水揚げ量も挙げられる。
周辺にある飲食店・市場で、新鮮なマグロ料理を味わってほしい。

世界遺産が集まる「那智山」のふもと、175本の源泉が湧出する海沿いの温泉郷
世界遺産が集まる「那智山」のふもと、175本の源泉が湧出する海沿いの温泉郷

19:00 「ホテル浦島」の洞窟温泉で癒される

「南紀勝浦温泉」には多くの宿泊施設があるが、1日目の宿泊先は「ホテル浦島」をお勧めしたい。
日本最大級の規模を誇る同ホテルは、天然の洞窟を利用した唯一無二の入浴体験が最大の魅力。
全5つの洞窟温泉が湧く中で、太平洋の海原を一望できる「忘帰洞」、岩肌を直接感じられる「玄武洞」の2つは特に見応えが抜群だ。
館内のパワースポット「浦島稲荷神社」や、360度の景色を眺められる展望台も行ってほしい注目の見どころ。

港の桟橋から船でアクセス! 大洞窟風呂が人気の巨大温泉旅館
港の桟橋から船でアクセス! 大洞窟風呂が人気の巨大温泉旅館

2日目:熊野エリアで日本の歴史・文化を体験する

「熊野エリア」を巡り、日本の古き良き文化と自然を体感するのが、モデルコースの2日目のプラン。
独特な世界観を形成する熊野信仰の代表格・熊野三山を順番に巡り、神秘的なパワーとご利益をいただく。
最後は熊野詣の旅人たちが浸かってきた温泉で疲れを癒し、由緒ある湯の町を楽しむという充実の内容だ。
朝早くから始まるスケジュールを組んでおり、移動距離・徒歩も多くなるので、前日は早めに就寝して体力を確保しよう。

7:20 JR紀伊勝浦駅からスタート

JR紀伊勝浦駅に戻ったところから2日目がスタートする。
南海バスに乗り、「熊野那智大社」を目指そう。

2日目のスタート地点となるJR紀伊勝浦駅
2日目のスタート地点となるJR紀伊勝浦駅

8:00 見どころ盛りだくさんの「熊野那智大社」を散策

1,700年以上の歴史を持つ熊野三山のひとつ「熊野那智大社」は、神仏習合(神と仏を同一視する思想)の中心地として栄えてきた。
主祭神・熊野夫須美大神(ふすみのおおかみ)は、縁結びの神様として崇められている。
6棟からなる本殿には八咫烏が姿を変えたと言われる「烏石」をはじめ、見どころが盛りだくさん。
本殿までの石段「大門坂」にある、俗界と聖域の境目「振ヶ瀬橋」・樹齢約800年の「夫婦杉」も注目のポイント。

人の縁や諸々の願いを結ぶ熊野三山のひとつ。樹齢850年の大楠など見所も多数
人の縁や諸々の願いを結ぶ熊野三山のひとつ。樹齢850年の大楠など見所も多数

8:30 日本一の落差を誇る「那智の滝」で自然の力強さを感じる

「熊野那智大社」のご神体として崇められ、神域内にある名勝「那智の滝」も忘れずに訪れよう。
高さ133mに銚子口の幅13m・瀧つぼの深さ10m以上、流下する水量は毎秒1トン程度と日本一の落差を誇り、そのスケールの大きさは圧巻の一言に尽きる。
滝を真正面から見られ、水しぶきがかかるほど近い「御瀧拝所舞台」がベストポイントだ。
古来より延命長寿のご利益があると伝わる、瀧つぼの水もいただいてほしい。(300円)

古来から熊野修験者が数多く訪れる、日本一の高さを誇る和歌山の名勝
古来から熊野修験者が数多く訪れる、日本一の高さを誇る和歌山の名勝

11:20 「熊野速玉大社」ならではの雰囲気と世界観を堪能

「那智の滝」まで見た後は南海バスを乗り継ぎ、速玉大社前か信用金庫前まで向かおう。
バス停から数分歩くと熊野三山の一角をなす「熊野速玉大社」が姿を現す。
鮮やかな朱色の鳥居に導かれて社殿に入ると、神々しい雰囲気と独特な世界観に気持ちも静まるだろう。
蒔絵手箱・組紐など1,200点以上の古神宝類を所蔵しており、歴史的価値の高さも特徴だ。
御神木の「ナギの大樹」を筆頭に、緑の木々で囲まれた自然との調和も美しい。

ユネスコの世界遺産。熊野三山の一角を担う「甦りの地」
ユネスコの世界遺産。熊野三山の一角を担う「甦りの地」

13:20 「熊野本宮大社」で悠久の歴史を感じる

「熊野那智大社」・「熊野速玉大社」と巡ったら、全国にある熊野神社の総本山「熊野本宮大社」を目指そう。
南海バスに乗車後、本宮大社前で降車して徒歩数分で到着する。
本殿へ続く158段の石段を登り境内に足を踏み入れると、安らぎに包まれた雰囲気から悠久の歴史を感じられる。
境内では導きの神様と呼ばれる3本の足の「八咫烏」を見つけてほしい。
古からの一大聖地で御祈祷を受けてみるのもお勧めだ。※初穂料5,000円~

高さ約34mの大鳥居が目印。霊剣あらたかな熊野詣の聖地
高さ約34mの大鳥居が目印。霊剣あらたかな熊野詣の聖地

17:00 日本最古の温泉「湯の峰温泉」で旅の疲れを癒す

「熊野本宮大社」に訪れて熊野三山の参拝を制覇したら、「湯の峰温泉」に行って1日の疲れを癒そう。
本宮大社前から奈良交通バスで、20分前後とアクセスも良好だ。
「湯の峰温泉」は日本最古の温泉として知られ、その歴史は約1,800年にも及ぶ。
熊野詣の旅人たちが身を清めてきた名湯で、今も昔ながらの湯の町の風情を感じられる。
特に1日に七回も色が変わると言われる、世界遺産唯一の公衆浴場「つぼ湯」を楽しんでほしい。

熊野詣の湯垢離場として栄えた日本最古の湯
熊野詣の湯垢離場として栄えた日本最古の湯

日本の歴史・文化・精神性を感じる本格的な旅ができる熊野古道

熊野エリアが気になったら、「熊野古道」の観光も検討してみよう。
「熊野古道(別名:熊野参詣道)」とは、熊野三山(熊野速玉大社・熊野那智大社・熊野本宮大社)の3つの神社へ繋がる巡礼の道の総称。
和歌山・奈良・三重・大阪・京都の5県にまたがり、全長は1,000kmにも及ぶ非常に長い道だ。
2004年には「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として世界遺産に登録された。
熊野詣(熊野三山への参拝)は、日本人の旅の原点とも言われ、現在も古人の想いを辿って多くの人が訪れる。
“わざわざ旅行する価値がある”と評された「熊野古道」は、神秘的な雰囲気と自然の絶景に加えて、自己の内面と向き合い心も浄化できるのが魅力。

熊野古道のルートと楽しみ方

「熊野古道」のルートは「紀伊路」・「小辺路(こへじ)」・「中辺路(なかへち)」・「大辺路(おおへじ)」・「伊勢路」・「大峯奥駆道(おおみねおくがけどう)」の、大きく6つに分かれている。
所要時間・難易度は異なるが、踏破するには4日〜5日は最低でも必要だ。
そのため、一部のルートをトレッキングするという楽しみ方もできる。
全ての人を受け入れてきた多様性の受容も歴史があり、どのように歩くかは自由。
熊野エリアのモデルコースと「熊野古道」のルートを組み合わせた、オリジナルな旅行もお勧めしたい。

神秘的な雰囲気と自然の絶景の中でトレッキングを楽しめる熊野古道
神秘的な雰囲気と自然の絶景の中でトレッキングを楽しめる熊野古道

和歌山で味わうべきご当地グルメ3選

和歌山のご当地グルメを厳選して3つ紹介する。
果物の栽培が盛んな地域で知られる和歌山には、古くから伝わる郷土料理や絶品グルメも盛りだくさん。
その中から和歌山を代表する人気料理をピックアップしたので、旅行で訪れたらぜひ堪能してほしい。

1. めはり寿司

和歌山県(熊野地方)の郷土料理である「めはり寿司」は、高菜の浅漬けの葉でくるんだ俵型のおにぎり
元来は麦飯を用いていたが、現在は主に白米が使われ、高菜の茎部分を具材(+漬物など)に入れるのが一般的になっている。
「目を見張るほどおいしい」・「目を張るように口を開ける」など名前の由来は諸説あるものの、古くから弁当として県民に親しまれてきた。
現代でも一般家庭で作られるほか、和歌山県推薦優良土産品にも指定されており、旅行で訪れたら食べてほしい一品。
日本人にとって馴染みのあるご飯と高菜(漬物)がメインで、醬油ベースのタレで味付けをしている。
どこか懐かしい味わいが特徴で、高菜の風味と茎のシャキシャキした食感を楽しめるシンプルながら奥深い料理だ。

高菜の浅漬けの葉でくるんだ俵型のおにぎり「めはり寿司」
高菜の浅漬けの葉でくるんだ俵型のおにぎり「めはり寿司」

2. 和歌山ラーメン

「和歌山ラーメン」は、地元では中華そばと呼ばれる和歌山のご当地ラーメン。
一般的なチャーシュー・メンマ・ネギなどに加えて、かまぼこが具材に入っている。
味の決め手となるスープによって、「車庫前系」と「井出系」の大きく2系統に分かれるのが大きな特徴。
「車庫前系」は澄んだしょうゆスープで、あっさりとした味わいを持つ。
一方で「井出系」は白濁した豚骨しょうゆスープで、濃厚ながらも後味がすっきりしている。
いずれも根強い人気を誇るため、伝統的な味の食べ比べを楽しむのもお勧めだ。
また、ゆで玉子や早なれずしが卓上にサイドメニューとして置かれていることが多い。
これらを食べながら待つのが、「和歌山ラーメン」のスタイルなので覚えておこう。

全国的にも有名な和歌山ラーメン
全国的にも有名な和歌山ラーメン

3. クエ鍋

幻の魚・クエはハタ科に属する海水魚で、月に数本しか獲れない超高級魚。
大きいものでは体長2メートル以上にもなり、肉のようにしっかりとした貴重な白身は「ふぐ」に匹敵するほどの美味しさを持つと言われる。
唐揚げや炭焼きなど様々な調理方法がある中で、クエの旨みを最大限に引き出す料理が「クエ鍋」だ。
鍋にすることでほどよく脂が落ち、深い味わいと甘みが際立ったクエをポン酢醤油で食べると、箸が止まらない。
皮のプリプリしたゼラチン質の食感も魅力のひとつで、たっぷりのコラーゲンとタンパク質の豊富さは女子旅にもピッタリ。
また出汁も濃厚でクエと一緒に食べる野菜はもちろん、〆で食べる雑炊やうどんも絶品。
食通もうなる極上の食材・クエを和歌山で堪能しよう。

極上の食材・クエをメインにした郷土料理
極上の食材・クエをメインにした郷土料理

春の和歌山旅行で訪れるべき桜の名所

春に和歌山に旅行する場合は、桜の名所にも訪れるプランを計画しよう。
日本さくら名所100選にも選ばれた「根来寺」は、国宝・重要文化財と桜の調和する景色が写真に収めたくなるほど綺麗。
風情が漂う夜桜も、昼間とは違った表情を見せてくれるのでお勧めだ。
関西一の早咲き桜で知られる「紀三井寺(きみいでら)」のソメイヨシノは、朱色の多宝塔や楼門が華やかな雰囲気を演出する。
シンボル「和歌城」も約500本もの桜が植えられており、開花時期は屋台やイベントで賑わいを見せる。
いずれも和歌山市近郊エリアにある名所だが、他の地域にも名所は点在しているため、ぜひ旅行プランに加えてほしい。
例年の桜の開花日・満開日は以下の通り。
なお、気候やスポットによって前後する場合もあるので、注意が必要だ。

開花日
3月24日
満開日
4月3日
桜の見頃
4月3日〜4月8日

秋の和歌山を彩る紅葉の名所

和歌山は桜だけでなく、紅葉の名所も多く存在する。
人気お花見スポット「根来寺」は、紅葉の名所としても有名で、11月下旬〜12月上旬にかけて真っ赤なカエデを中心に風情ある絶景を作り出す。
国宝大塔を有する境内や、川沿いの散歩道は特に楽しめる絶好のポイント。
真言密教の聖地「高野山」も、世界的に有名な紅葉の名所のひとつ。
カエデ・イチョウ・ブナなど種類が豊富で、黄・橙・赤のコントラストは美しい。
夜にはライトアップで煌びやかな姿を見せ、幻想的な景色は感動を呼んでいる。
樹齢400年の銀杏の大木が魅せる「福定の大銀杏」も圧巻の光景だ。
秋に和歌山へ旅行するなら、これらの名所をぜひプランに加えてほしい。
例年10月下旬〜11月上旬に見頃を迎えるスポットが多いが、気候やエリアによって前後する可能性もある。
そのため、目的地の開花状況を確認してから訪れるのがお勧め。

和歌山旅行に関するよくある質問

Q

和歌山を旅行するのにお勧めの季節は?

A

暑さ・混雑のピークが落ち着き始め、紅葉が見ごろを迎える9月〜11月上旬が旅行を楽しみやすいでしょう。

Q

親子旅行でお勧めの和歌山の観光スポットは?

A

動物園・水族館・遊園地が一体になった「アドベンチャーワールド」や、中世ヨーロッパの世界観に没入できる「ポルトヨーロッパ」がお勧めのスポットです。

まとめ

和歌山旅行のモデルコースを中心に、「和歌山」のエリアごとの見どころや人気観光スポット、お得なチケットなどを紹介してきた。
自然に恵まれた和歌山は、景勝地・ご当地グルメ・歴史的名所を一度に満喫できるのが魅力だ。
京都・大阪からのアクセスも優れているので、関西旅行で一緒に巡るプランを立てても良いだろう。
お勧めのお土産・宿泊施設など和歌山旅行を満喫するための情報を網羅した、こちらの記事も参考にしてほしい。