大阪府堺市に位置する「百舌鳥エリア」と、羽曳野市・藤井寺市に位置する「古市エリア」に密集する古代日本列島を支配した王たちの古墳群。2019年に大阪初の世界遺産に登録された。
古墳とは古墳時代(3世紀中頃から6世紀後半)に造られた土を高く盛り上げた墳丘を持つ墓のこと。百舌鳥・古市古墳群は4世紀後半から5世紀後半にかけて、古代日本の政治文化の中心地のひとつであった大阪平野に築造された。バラエティ豊かな墳形や大小異なる古墳群は、いにしえの政治・社会の構造が表現された建築として歴史ロマンが詰まっている。
百舌鳥エリアの中央部に位置する「仁徳天皇陵古墳」は、クフ王のピラミッド、秦の始皇帝陵と並ぶ“世界三大墳墓”のひとつ。日本最大の巨大前方後円墳で墳丘長は486mもあり、整備された外周を一周するのに約1時間はかかる壮大さだ。現在は宮内庁により、第16代仁徳天皇の陵墓に治定・管理されている。一方、古市エリアの中心部にあるのが「応神天皇陵古墳」。日本第2位の規模の前方後円墳で、高さが36mと墳丘の体積自体は国内第1位の存在感は抜群。
どの古墳も外から自由に見学でき、初めての人はあらかじめ設定されたウォーキングコースをめぐるのがおすすめだ。周辺には古墳グッズを扱うショップや、古墳形のグルメを提供するカフェなども増えていて、観光も楽しみながら古墳めぐりができる。古墳や地域の歴史を知り尽くした地域ボランティアによる有料ガイドもある。
ポイント
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古代日本列島を支配した王たちの墳墓群。
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2019年に大阪初の世界遺産として登録されている。
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仁徳天皇陵古墳は日本最大の巨大前方後円墳で、規模は世界最大級。
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どの古墳も外から自由に見学でき、歴史ロマンが身近に体感できる。
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地域ボランティアによる有料ガイドも利用できる。