石割桜

「盛岡城跡公園」からも近い場所にある盛岡地方裁判所。その敷地内にたたずむ高さ約11m、根回り約4.7mのエドヒガンザクラ。樹齢約350-400年という高齢ぶりもさることながら、一番の驚きは周囲約21mもある巨大な花こう岩の隙間から、石を割るように桜の巨木が伸びていること。盛岡では一番早い、毎年4月中旬から下旬にかけて見頃を迎え、生命力にあふれた満開の姿を見せてくれる。

裁判所の開門時間内は敷地内で観賞が可能なほか、門が閉まった後も歩道からの観賞は自由。日没後は付近の街灯に照らされた幻想的な姿を楽しむことができる。

ソメイヨシノの古木と見事な石垣の共演を楽しめる盛岡城跡公園、明治期に池のほとりに1,200本以上が植えられた高松公園といった桜の名所が多いことで知られる盛岡市だが、この石割桜は龍谷寺の「モリオカシダレ」とともに国の天然記念物に指定されている。ちなみに盛岡市は国の天然記念物に指定された桜のある都市としては日本最北端であり、一つの市に複数の桜の天然記念物があるのも珍しい。