今高野山

平安時代前期の弘仁13年（822）に弘法大師空海が開山して以来、1,200年の歴史を重ねる真言密教の霊場。紀州高野山の別格本山とされた龍華寺や、金剛寺、丹生神社を中心に7堂12院が建てられ、政所寺院の拠点として繫栄した。

自然災害や戦国時代の兵乱、江戸時代の大火などで被害を受けてきたが、藤原時代初期の秀作と称される観音堂の木造十一面観音立像（国重要文化財）や、鎌倉時代の作で墨塗り地に金泥や朱が彩色された丹生神社の獅子頭（国重要文化財）をはじめ、歴史的に貴重な文化財が数多く現存。往時の栄華を今に伝えている。

また、豊かな自然に恵まれた一帯は、四季折々の美しい風景も大きな見どころで、春の桜、秋の紅葉が素晴らしい。特に、紅葉は県内随一の名所として知られ、例年11月上旬から中旬にかけての見頃には、写真愛好家をはじめ多くの人びとで賑わう。