利根川を利用した水運によって「江戸優り(えどまさり)」と呼ばれるほど発展した香取市佐原。町を南北に流れる小野川と、それに交差して伸びる香取街道沿いには江戸末期から昭和初期にかけて建てられた木造の町家や蔵造りの商家、洋風建築などが今も数多く残り、ノスタルジックな町並みを作り上げている。
寛政5年(1793)の建築で国の史跡にも指定される「伊能忠敬旧宅」のほか、旧三菱銀行佐原支店として使われていた大正時代の洋風建築である「三菱館」など県指定の有形文化財8件を含む町並みは昔にタイムスリップしたかのような雰囲気。
呉服店や金物屋、お茶屋、酒造といった昔からの家業を引き継いで今なお営業を続ける商家の一部では「佐原まちぐるみ博物館」として家に伝わる貴重な品々を公開している。サッパ舟と呼ばれる遊覧船に乗り、水面から町並みを眺める「小江戸さわら舟めぐり」も風情たっぷりでおすすめだ。
ポイント
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小野川沿いや香取街道沿いに江戸~昭和期の建物が残る地域。
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1996年に国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定。
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現在でも家業を受け継ぎ営業する店舗も多い。
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一部の商家ではその家自慢のお宝を公開。
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小野川を船で遊覧する「小江戸さわら舟めぐり」も人気。