江戸時代から現存する難攻不落の城・松山城の観光ガイド

江戸時代から現存する難攻不落の城・松山城の観光ガイド

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筆者 : GOOD LUCK TRIP

城郭建築の傑作や難攻不落の城として名高い「松山城」。
愛媛県松山市のシンボルであり、愛媛観光で人気の観光スポットとなっている。
天守閣から一望できる絶景と、江戸時代から現存する歴史的建造物の数々は必見だ。
「松山城」の魅力を見逃さないためにも、「松山城」の見どころや周辺のお勧めスポットなどを紹介しよう。

目次

松山城ってどんなところ?

愛媛県松山市、標高132mの勝山山頂へ築かれた「松山城」。
「日本100名城」のひとつであり、「日本三大平山城」としても有名。
平山城とは、小山や丘陵部と平地を利用して作られた城のことだ。
江戸時代以前に築かれた天守が現存する城郭であり、日本で12箇所しか残っていない「現存12天守」のひとつでもある。
「道後温泉」と共に歴史を感じさせる佇まいが評価され、「美しい日本の歴史的風土100選」に選ばれた。
「松山城」の魅力はなんと言っても天守最上階からの眺望。
瀬戸内海や松山平野を見渡せる、松山市屈指の絶景スポットだ。
城内には21もの重要文化財が現存しており、見どころが多い。
難攻不落の城と呼ばれた所以の、仕掛けの数々も体験してほしい。
「松山城」は伊予松山藩(現在の愛媛県松山市)の初代領主である、加藤嘉明(かとう よしあき)が1602年に築き始めた城。敵からの侵攻を防ぐために軍事的に造られた。
小天守やその他の櫓は放火や戦災などにより幾度か焼失したが、1966年から他では例を見ない総木造による復元が進められた。

難攻不落の城といわれた「松山城」
難攻不落の城といわれた「松山城」

松山城へのアクセス

国際線もある「松山空港」を起点とした、「松山城」へのアクセスをご紹介。
「松山空港」からは「リムジンバス 松山空港線」に乗車し、松山駅前で下車。
「松山駅」からは徒歩15分で「松山城」に到着する。合計所要時間は約30分だ。

松山城の営業時間と入場料

「松山城」とロープウェイ・リフトの営業時間と入場料は、以下の表にまとめたので、参考にしてほしい。
「松山城」とロープウェイの営業時間は、時期によって異なるため、注意しよう。
リフトの営業時間は、1年を通して変わらない。

松山城天守の営業時間と入場料

営業時間
・2月〜7月 9:00〜17:00
・8月 9:00〜17:30
・9月〜11月 9:00〜17:00
・12月〜1月 9:00〜16:30
入場料
・大人:520円
・小学生:160円

ロープウェイとリフトの営業時間と利用料

ロープウェイの営業時間
・2月〜7月 8:30〜17:30
・8月 8:30〜18:00
・9月〜11月 8:30〜17:30
・12月〜1月 8:30〜17:00
リフトの営業時間
8:30〜17:00
ロープウェイ・リフトの共通券(往復)
・大人:520円
・小学生:260円

松山城のお勧め観光シーズンは?

「松山城」を訪れるなら春がお勧め。
城下に広がる「城山公園」は桜の名所として人気で、例年ソメイヨシノの開花時期には大勢の花見客で賑わう。
ソメイヨシノの他にもかわづ桜や陽光桜など、様々な種類の桜が植えられており、歴史的建造物と桜が調和した美しい景観が広がる。
日没後のライトアップされた、艶やかな桜と天守も美しい。

歴史的建造物と桜が調和した美しい景観を楽しもう
歴史的建造物と桜が調和した美しい景観を楽しもう
昼とは全く異なる魅力を持つ夜桜と松山城
昼とは全く異なる魅力を持つ夜桜と松山城

江戸時代から現存する建造物を満喫!松山城の見どころ5選

天守からの眺望がミシュランガイドにも選ばれた「松山城」には、訪れるべき見どころが多い。天守はもちろん、その他にも見どころが盛りだくさん。
数ある見どころの中でも、絶対に外せない見どころを5つに厳選して紹介しよう。

1. 完全な状態で江戸時代から残る「天守」

「天守」は1854年に再建された、江戸時代最後の完全な城郭建築。
三重三階地下一階の層塔型天守(そうとうがたてんしゅ)という、日本の城を象徴する様式となっている。
江戸時代には全国170ヵ所あったとされる城だが、現代に残っている城は12城しかなく、「松山城」は現存12天守の内のひとつである。
天守の本丸を含んだ標高は約161mあり、現存12天守の平山城の中で最も高い城郭だ。
天守最上階から瀬戸内海や西日本で最も高い石鎚山を見渡す、絶景も見逃せない。

江戸時代から現存する天守
江戸時代から現存する天守

2. 松山城の自然と市街地を眺める空中散歩を楽しめる「松山城ロープウェイ・リフト」

標高132mの位置に築かれた「松山城」は、並行して運行するロープウェイとリフトで簡単に登れる。
山麓駅「東雲口」から、8合目付近に位置する山頂駅「長者ヶ平」まで登れて、天守入口まで徒歩約10分で辿り着ける。
リフトは自然を肌で感じられるが、1人乗り。
複数人で会話を楽しみつつ登りたい場合は、ロープウェイがお勧めだ。
どちらも乗車している間は、松山市街地の景色を見渡せる。

複数人で観光するならロープウェイがお勧め
複数人で観光するならロープウェイがお勧め
自然を肌で感じられるリフト
自然を肌で感じられるリフト

3. 歴史的に貴重な防備手法「登り石垣」

山腹から攻め入ろうとする敵を阻止するために、山の斜面を登る2本の石垣を連結させた「登り石垣」。
現存12天守の城郭では、松山城と彦根城のみ「登り石垣」が確認されており、歴史的に貴重な石垣だ。
「登り石垣」は豊臣秀吉が朝鮮出兵の際に、日本遠征軍の築城の際にとった防備手法と言われる。
残念ながら北側は一部しか残っていないが、南側はほぼ完全な形で残っている。
難攻不落と評価される理由のひとつでもある、「登り石垣」も見逃せない。

南側に完全な形で残っている「登り石垣」
南側に完全な形で残っている「登り石垣」

4. 日本情緒漂う庭園を散策しよう「松山城二之丸史跡庭園」

松山藩領主の邸宅があった場所に、当時の間取りを表現した「松山城二之丸史跡庭園」。
庭園内は北半分にある「柑橘・草花園」と西南部にある「流水園」で、大きく2つのエリアに分かれている。
露岩(地表から露出した岩のこと)を背景に池や滝を配置した「林泉庭」や、発掘調査で見つかった「大井戸」の遺構などが展示されている。
侘び寂び」を感じられるように工夫されており、散策すれば日本情緒を満喫できるはずだ。
美しい景観やロシア人の男性と日本人女性のロマンスを感じられる逸話が残っていること、結婚式の前撮りでよく利用される場所ということから、2013年に「恋人の聖地」に認定されている。
日本情緒漂う庭園を、カップルや夫婦で散策してみてはいかがだろうか。

カップルや夫婦で訪れても楽しい「松山城二之丸史跡庭園」
カップルや夫婦で訪れても楽しい「松山城二之丸史跡庭園」

5. 石工グループの作業跡?「石垣の刻印」

松山城の石垣を注意深く観察すると、稀に「刻印」が刻まれている。
団子や渦巻きのような模様など、その種類はさまざま。
「刻印」が付けられた理由には諸説あるが、石工のグループのサインと推測されている。
複数のグループが携わった石積み作業では、刻印が石材のグループ分けや石工達の作業範囲の区切りとなり、責任範囲を明確にしていたという説だ。
松山城を訪れた際は、石垣に注意して「刻印」を探して楽しんでほしい。

石垣に注意して散策してみると面白い発見ができるかも?
石垣に注意して散策してみると面白い発見ができるかも?

日帰りで楽しめる日本最古の温泉「道後温泉」

日本書紀」にも記され、日本最古と言われる「道後温泉」は、愛媛の中でも特に人気の観光スポットだ。
「松山城」とともに「美しい日本の歴史的風土100選」に選定されており、温泉だけでなく、歴史ある日本の風景が楽しめる場所でもある。
アルカリ性単純泉の湯質は、肌に優しいなめらかなお湯で、刺激が少なく湯治や美容にも適している。日帰りで楽しめるのも嬉しい。
「松山城」からたった20〜30分移動すれば温泉に入れるので、これから紹介する温泉にもぜひ訪れてほしい。

1. 道後温泉本館

道後温泉本館は国の重要文化財にも指定されており、歴史を感じさせる壮麗な建築物。
現在は保存修理工事中だが、「営業しながらの工事」を行っており、入浴できるこの時期にしか見ることのできない様々なイベントもチェックしたい。
周辺には商店街や足湯などの観光スポットも多く、浴衣でまち歩きがおすすめ。

「日本書紀」にも登場し、日本最古といわれている温泉
「日本書紀」にも登場し、日本最古といわれている温泉

2. 道後温泉 椿の湯

国の重要文化財に指定される「道後温泉本館」の姉妹館が「道後温泉 椿の湯」だ。
公衆浴場として、観光客はもとより市民の憩いの場として広く愛されている。
「道後温泉 椿の湯」は道後商店街のほぼ中央、「道後温泉本館」からも徒歩3分ほどの場所に昭和28年(1953)に建設。
その後の改築を経て、2017年にリニューアルオープンした。木造建築の本館とは異なり、L字型に建てられた蔵屋敷風の建物が特徴的だ。

本館とは異なる趣で源泉かけ流しが楽しめる、「道後温泉本館」の姉妹館
本館とは異なる趣で源泉かけ流しが楽しめる、「道後温泉本館」の姉妹館

3. 道後温泉別館 飛鳥乃湯泉

新たな温泉文化を発信する拠点として平成29(2017)年にオープンした施設。
「太古の道後」をテーマに日本最古といわれる道後温泉にふさわしい、飛鳥時代の建築様式を取り入れている。
加温も加水もしていない源泉かけ流しの湯を満喫することができ、露天風呂など本館にはない要素も多くある。
いくつかの入浴コースが設定されており、利用できる浴室や休憩室などが異なってくる。

飛鳥時代をイメージした道後温泉の新名所
飛鳥時代をイメージした道後温泉の新名所

松山城に関するよくある質問

Q

松山城は誰がいつ建てた?

A

1602年から約25年かけ、加藤嘉明が築城しました。

Q

松山城の魅力は?

A

重要文化財が多く、計21棟の建造物が指定されています。

まとめ

難攻不落の城と呼ばれた「松山城」。
歴史と見どころ、その周辺にある観光スポットを紹介してきたが、いかがだっただろうか。
この記事で紹介した歴史や見どころを押さえておけば、「松山城」を満喫できるだろう。
愛媛には雄大な自然景観を楽しめるスポットが多いので、こちらの記事も参考に観光プランを立ててほしい。