【吉野山観光ガイド】美しい自然の中で歴史ある神社仏閣を巡る
日本一の桜の名所として名高い「吉野山」。
春はもちろん、夏・秋・冬と季節ごとの美しい自然景観を眺めながら、ハイキングを楽しめる。
山中に点在する歴史ある神社仏閣や史跡も見どころだ。
この記事では「吉野山」の魅力や人気の観光スポットを中心に、観光前に知っておきたい情報を詳しく紹介していく。
この記事を読めば、「吉野山」が人気の観光スポットとして評価されている理由が分かるはずだ。
目次
吉野山ってどんなところ?
「吉野山」は奈良県の中央部にある「吉野川」の南岸から「大峰山脈」へと続く山稜の総称である。
「金峯山寺」(きんぷせんじ)を中心とする、社寺が点在している地域を指すこともある。
ユネスコの世界遺産に「吉野山」を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」が認定されており、「吉野山」の全域が世界遺産に登録されている。
四季折々の景観を見られるのが「吉野山」の大きな魅力で、特に日本一の桜の名所として知られる、春の景色は圧巻の美しさだ。
桜と同様に紅葉の名所としても評価が高く、夏の清々しい新緑と冬の雪景色も劣らない美しさを誇る。
「吉野山」には神社仏閣や史跡が多くあり、なかには世界遺産に登録されている神社とお寺が4つもある。
これらの観光スポットを巡りつつ、自然景観を眺めるハイキングを満喫しよう。
「吉野山」にはショッピングやグルメを楽しめるスポットをはじめ、宿泊施設もあるため、ハイキングも気軽に楽しめる。
季節に合わせたイベントが開催されることも魅力のひとつだ。
吉野山の歴史
吉野という地域は日本最古の歴史書である「古事記」や「日本書紀」にも地名が登場するほど、深い歴史を持つ場所だ。
日本の首都が奈良や京都だったこともあり、現代に至るまで様々な歴史や伝承が「吉野山」には残っている。
修験道(しゅげんどう)の聖地となったことや、後醍醐天皇(ごだいごてんのう)が吉野に朝廷を開いたことから、「吉野山」には神社仏閣や史跡も数多く残っている。
修験道とは古代の日本で発展した、日本独自の信仰や宗教の形態のこと。
山へ籠りながら厳しい修行することで悟りを開くもので、仏教の一派とする場合もある。
吉野山へのアクセス
- 経路
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1.「奈良駅」でJR桜井線に乗車し、「高田市駅」で下車。
2.「高田駅」から20分ほど歩いて「高田市駅」で近鉄南大阪・吉野線特急に乗車し、「吉野駅」で下車。
3.「吉野駅」から7分ほど歩くと吉野山ロープウェイの「千本口駅」に到着 - 所要時間
- 約2時間30分
吉野山のお勧め観光シーズンは?
四季折々の美しい自然景観を見られるのが「吉野山」の大きな魅力だが、特にお勧めの季節は春と秋だ。
観光する時期をできるだけ調節して、春と秋に「吉野山」を観光してほしい。
約3万本もの桜が咲き乱れる春の吉野山
「吉野山」は桜の名所として、古くから知られている。
その始まりは修験道の開祖である役行者(えんのぎょうじゃ)が修行で、日本独自の仏とされる金剛蔵王(こんごうざおう)権現を祈りだした際、その姿をヤマザクラの木で刻んでお祀りしたことにある。
それから「吉野山」の桜は蔵王権現や役行者に対する信仰の証として、信者たちによって植え続けられてきた。
今では約3万本もの桜が植えられており、日本一の桜の名所と評されるまでになった。
「下千本」から「中千本」、続いて「上千本」から「奥千本」と徐々に桜が開花していき、やがて「吉野山」全体が見事な桜色に染まっていく。
日が沈むと桜はライトアップされ、幻想的で風光明媚な雰囲気に包まれる。
「吉野山」における桜の見頃は、3月の下旬から4月の中旬頃なので、観光する時期を調整して桜の見頃に訪れよう。
色彩豊かに染まる秋の吉野山
紅葉の名所としても名高い「吉野山」。
紅葉の見頃を迎えた「吉野山」はオレンジや紅、常緑樹の緑と鮮やかに彩られる。
「吉野山」にある神社やお寺の境内が、紅葉で染められる様子も美しい。
紅葉の時期も桜と同様にライトアップが施され、昼間とは異なる雅な雰囲気が漂う。
紅葉が見頃を迎える10月の中旬から11月の下旬に、ぜひ足を運んでほしい。
4つのエリアで区切られる吉野山
「吉野山」は標高によって、下千本・中千本・上千本・奥千本と4つのエリアに分けられる。
ここからは、それぞれのエリアごとの特徴や見どころを紹介しよう。
エリアを把握しておけば、効率的に見たいスポットを巡れるはずだ。
吉野山の玄関口となる「下千本エリア」
標高230mから350mは「下千本」と呼ばれるエリアで、「吉野山」の入口にあたる場所。春には「下千本エリア」の桜から色付き始める。
駐車場から徒歩で観光スポットを巡れる手軽さが魅力。
「下千本エリア」における最大の見どころは、「吉野山」のシンボルとも言える「金峰山寺蔵王堂」だろう。
世界遺産と国宝に登録されており、荘厳でありながら洗練された佇まいが魅力だ。
神社仏閣の多い「中千本エリア」
標高350mから370mの地点が「中千本エリア」で、「吉野山」の中腹付近となる。
「中千本エリア」の魅力は神社仏閣が多いこと。その中でも特に人気が高いのは「吉水神社」だ。
「吉水神社」の書院は、吉野の地でも重要な建築物で、世界遺産に登録されるほど。
境内には桜を望むスポットがあり、戦国時代の武将・豊臣秀吉(とよとみ ひでよし)が「吉野山」で花見を開催した際の本陣になったと伝わる。
豊臣秀吉のほかにも、後醍醐天皇や源義経(みなもとのよしつね)にまつわる逸話も多く残されている。
桜の見頃なら必ず訪れておきたい「上千本エリア」
「上千本エリア」とは、標高370mから600mあたりまでの地点を指す。
坂道の傾斜が急になり、標高も高いため「吉野山」からの素晴らしい景色を眺められるスポットがたくさんある。
特に見どころと言えるのは「花矢倉展望台」。
大きく広がる桜を眼下に収めながら、「吉野山」やその先までもが見渡せる魅力的な場所だ。
「吉野山」の桜を満喫するなら、ぜひ訪れておきたい場所のひとつと言える。
静寂の中で風情ある景観を楽しめる「奥千本エリア」
標高にして約600mから750mあたりが「奥千本エリア」だ。「吉野山」の最奥地となる。
観光客が少ないので静寂が広がっており、その中に佇む桜の数々は神秘的で風情もある。
「奥千本」における見どころのひとつと言えば、世界遺産に認定された「金峰神社」だろう。
源義経が追っ手から身を隠した場所として知られている。
日本の自然と歴史文化に触れられる!吉野山の人気観光スポット7選
「吉野山」には美しい自然景観を存分に楽しめるスポットをはじめ、長い歴史を持つ神社仏閣や史跡が多い。
そのため、様々な角度から日本の歴史文化に触れられる。
風光明媚な観光スポットが多いので、フォトスポットとしても人気を集めている。
そんな「吉野山」に数多くある観光スポットの中でも、特に外せないスポットを厳選して紹介しよう。
1. 吉水神社書院
吉水神社は1300年以上前に役行者によって創建されたと伝わる僧房「吉水院」が発祥。
境内は「一目千本」と呼ばれる吉野山の見事な桜を望むスポットになっており、かつて豊臣秀吉が吉野で花見の宴を催した際に本陣にしたといわれる。
境内に建つ書院は日本最古の書院建築で、鎌倉時代初頭に誕生した初期書院造を代表する傑作と名高い。
2. 高城山展望台
吉野山で最も標高の高い奥千本エリアにある世界遺産登録の吉野水分神社。
そこから山道を約10分登った場所にある高城山展望台は、後醍醐天皇が鎌倉幕府と戦った「元弘の乱」の際に護良親王が拠点にした城の跡としても知られる。
標高約700mに位置する展望台からは、眼下の吉野山や肩を並べてそびえ立つ金剛山と葛城山などをパノラマで一望でき、訪れる登山客や観光客を楽しませてくれる。
3. 西行庵
『新古今和歌集』の中で94首と最も多くの歌が収められる歌人・西行。平安末期に武士の身分を捨てて出家し、僧になるための修行に訪れた吉野での約3年をこちらで過ごしたといわれる。
庵の周辺は普段静まり返っていることも多く、西行が歌を詠むのに専念したというのも納得の環境。
ただ、春の桜と秋の紅葉の時期は多くの観光客が訪れ、賑わいを見せる。
4. 花矢倉展望台
「吉野山」のビュースポットとして人気を誇るのが、傾斜が急でカーブの多い獅子尾坂を上った先にある花矢倉展望台。
かつて源義経の家臣である佐藤忠信がこの辺りで山の麓から追ってくる敵に矢を放ち、義経を逃がしたと伝えられている。
標高約600mの見晴らしのよい場所にある展望台は、手前の上千本の桜越しに中千本の桜や金峯山寺の蔵王堂、町並みまでを一望できる立体的な景観で吉野でも随一の絶景と評判。
5. 金峯山寺
「吉野山」のシンボルであり、修験道の総本山。
修験道とは、日本古来の自然崇拝の思想に、仏教、道教、陰陽道などが融合して成立、発達を遂げた宗教だ。
国宝の本堂・蔵王堂は、単層裳階付き入母屋造り檜皮葺きで1592年に再建されたもの。高さ約34m、裳階の四方各36mあり、木造建築としては東大寺大仏殿に次ぐ大きさを誇る。
金峯山寺に残る諸堂の中で最も古い建造物とされる仁王門も国宝に指定。
6. 吉野山ロープウェイ
昭和初期、「人を運ぶロープウェイを吉野山に作りたい」という創業者の思いのもと、現在の千本口駅から吉野山駅を結ぶロープウェイを開通。
以来90年以上、吉野山の観光客を運ぶロープウェイとして愛され続けている。
千本口駅は近鉄吉野駅からほど近い場所にあり、千本口駅から山上の吉野山駅へは、ロープウェイで約3分と短い時間で到着する。
春は桜、秋は紅葉など、四季折々に異なる表情を見せ、吉野山観光の入り口として気分を高揚させてくれる。
7.如意輪寺
吉野山にある浄土宗の寺院。南北朝時代(14世紀半ば〜末頃)には後醍醐天皇の勅願寺となるなど南朝とのかかわりが深い寺で、敷地内には後醍醐天皇陵や世泰親王の墓もある。
旧暦の命日にあたる毎年9月27日には「後醍醐天皇御忌法要」が行われ、当日は普段非公開となっている本堂に参拝できる。
山中で和食を味わえる吉野山の人気飲食店3選
「吉野山」には飲食店も点在しており、ご当地グルメも大いに楽しめる。
そのため、「吉野山」に訪れたら景色や神社仏閣だけでなく、これから紹介するお店でグルメも満喫してほしい。
日本らしい和食の数々やこだわりのある料理を楽しめるのが魅力だ。
1. 矢的庵
春に咲き誇る桜で有名な吉野山にある唯一のそば処。
日本三大そばのひとつ、長野県の戸隠そばの名店で修業を積んだ地元出身の店主が、吉野山の名水を使い、丁寧に手ごね、手打ちしたそばが食べられる。
信州の八ヶ岳産のものを石臼で挽いたそばは風味抜群。
吉野山の水を使い、厳選した鰹節・鯖節・日高昆布で取った出汁に、国産丸大豆醤油や本みりん、粗糖などで焚いたかえしと合わせたつゆは、そばと好相性。
2. 豆富茶屋 林 中店
伝統的な製法と原料にこだわって作られた豆腐料理を味わえるのが「豆富茶屋 林 中店」だ。
近くにある製造直売店「林とうふ店」で手作りしたできたての豆腐を、吉野の四季折々の自然を眺めながら味わえる。
メニューはとにかく豆腐づくしで、湯豆腐や麻婆豆腐など定番の豆腐料理から、豆腐ラーメンや豆腐豚まんといったアイデアメニューも揃う。
3. 柿の葉寿司 やっこ
金峯山寺蔵王堂のそばにある「柿の葉寿司 やっこ」は大正年間(1910年代)の創業で、現在は三代目と四代目が看板を守っている。
柿の葉寿司とは、ひと口大に握った酢飯に鯖や鮭をあわせ、柿の葉で包んで重石などで押し固めた寿司のこと。奈良県の名物として全国的に知られるが、元々は吉野地方を中心に作られた郷土料理だ。
柿の葉寿司は、創業当時から受け継ぐレシピをかたくなに守り、一つひとつ手作りで丁寧に仕上げている。
吉野山に関するよくある質問
Q
吉野山の桜の見頃は?
3月の下旬から4月の中旬ですが、エリアによって時期が前後します。
Q
吉野山の紅葉の見頃は?
10月の中旬から11月の下旬です。
まとめ
この記事では「吉野山」における人気観光スポットや、エリアごとの見どころなどを紹介してきた。
自然景観の美しさと長い歴史を持つ神社仏閣や史跡の数々が、「吉野山」の大きな魅力だ。
日本ならではの自然景観と歴史文化を満喫したいなら、ぜひ「吉野山」へ観光に訪れてほしい。
以下の記事では、奈良観光で訪れるべきスポットを厳選して紹介している。
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